ワシントン・タイムズ・ジャパン

政治的決断のない攻撃能力は絵に描いた餅

■戦争の意味を理解しない政治家

 日本は第二次世界大戦で敗北。これで戦後日本は戦争を悪と認識する。国家は人権の源であり、国家が国民に人権を与える。だから国家が消滅すれば国民は無人権。国家は国民を無人権にしないために戦争する。

陸上自衛隊の米軍機からの降下訓練で、横田基地(東京都)配備の空軍C130輸送機の前に整列する陸自隊員ら=9日(米軍ホームページより)

陸上自衛隊の米軍機からの降下訓練で、横田基地(東京都)配備の空軍C130輸送機の前に整列する陸自隊員ら=9日(米軍ホームページより)

 だが戦後日本は、国家と人権を切り離す。日本の政治家は戦争の意味を理解せず、在日米軍に国防を丸投げする。警察予備隊から自衛隊になっても、存在するだけの飾りに留められている。

 しかも自衛隊が攻撃能力を持つことを禁じ、仮想敵国を優遇することばかり考えている。専守防衛とは聞こえはいいが、敵国が国土に侵攻してから反撃する。これでは、日本国民を戦争の惨禍に巻き込む。このことすら理解せず、国民が苦しむ道を選んでいる。

 自衛隊は敵基地攻撃能力を持つことを躊躇し、サイバー攻撃と防御に関しても後回し。議論することが目的になり、自衛隊が敵基地攻撃能力とサイバー攻撃能力を持ったとしても、政治家が許可しない可能性まである。

■国民を守れない専守防衛

 日本は海に囲まれている海洋国家。海洋国家の国防線は海岸線。これが基本だから、日本の戦場は、国境の外である空・海になる。だが専守防衛では、国土内部に設定されている。専守防衛は最初から国民を戦争に巻き込むことが前提だから、戦争に勝っても国民を守れない。こんな理不尽なことを、政治家は自衛隊に押し付けている。

 仮想敵国が日本に侵攻するならば、日本にミサイルなどを発射する基地と、日本を攻撃できる空軍基地、さらに日本に上陸部隊を送る海軍基地が必要になる。つまり、これらの基地を日本が攻撃すれば、仮想敵国は日本侵攻が困難になる。

 戦争は土地を占領することで勝利できる。これは3000年の戦争史で変わらぬ現実。航空機による爆撃、戦艦を用いた艦砲射撃、弾道ミサイルを用いた攻撃を使っても、戦争で勝利した戦例はない。

 第二次世界大戦で連合軍はドイツと日本を爆撃したが、爆撃だけでは勝利できなかった。ドイツは敵国の陸軍がドイツ領内まで侵攻したから敗北した。日本は、アメリカ軍が本土に上陸する意図と能力を察知したので敗北を選んだ。

 イラクのフセイン大統領時代、アメリカはイラクを空爆したが、フセイン大統領を政権から追い出せていない。イラク戦争でアメリカ陸軍がイラク領内まで侵攻したことで、アメリカは勝利している。

 この現実が3000年続いている。ならば日本の敵基地攻撃能力は、日本に陸戦部隊を送り込む海軍基地の破壊が第一になる。何故なら、日本に上陸し占領できないなら、仮想敵国は戦争で勝利できない。弾道ミサイルで日本を攻撃しても、火力だけで戦争には勝てないのだ。

■サイバー・敵基地攻撃能力はワンセット

 サイバー攻撃は敵基地攻撃能力とワンセット。仮想敵国のサイバー攻撃に対し防御するだけではなく、仮想敵国へのサイバー攻撃で反撃できなければ無意味。何故なら、日本が反撃しないなら、仮想敵国は安心して何でもできる。

 日本が仮想敵国へのサイバー攻撃と敵基地攻撃能力とワンセットにするとどうなるか?
仮想敵国のサイバー部隊は、日本から狙われる立場になるから、身を守るための施設を求められる。これだけでも精神的な負担を強いられる。

 さらに発電施設・指揮通信施設を攻撃すれば、サイバー攻撃に使う電力を奪える。サイバー攻撃には通信網が必要だから、仮想敵国の通信網を破壊することは、日本へのサイバー攻撃を止めることも可能。

 完全に止めることはできないとしても、仮想敵国からのサイバー攻撃から日本の政府施設・病院・インフラを守ることはできる。だが日本の政治家は、ミサイルを用いた敵基地攻撃能力や、サイバー攻撃を実行することに抵抗感があるようだ。

■効果的な巡航ミサイル

 空母艦隊と潜水艦を用いた敵基地攻撃能力は、日本の国防に必要な手段。空母の艦載機は敵基地攻撃能力の選択肢を増やせる。ミサイルの射程が短くても、艦載機の航続距離で射程を延長できる。さらに任意の方向から攻撃できるので、核保有国に対しても、核ミサイルを持たなくても対等になれる価値を持つ。

 さらに艦船・潜水艦から発射できる巡航ミサイルは有益。アメリカ製巡航ミサイルであれば、射程2000kmはある。この射程であれば、海から撃てば大陸内部の大半を攻撃可能。これは日本に悪意を持つ核保有国には迷惑で、日本が巡航ミサイルを持つことで、通常弾頭を用いた報復が可能になる。

 報復攻撃は核兵器のお家芸ではなく、巡航ミサイルのように長射程になれば、報復攻撃が可能なのだ。だから日本に悪意を持つ核保有国は、日本が敵基地攻撃能力を持つことに怯えるのだ。

 では日本が原子力潜水艦を持てば? さらに日本の原子力潜水艦が巡航ミサイルを撃つことができれば?
海上自衛隊の通常動力型潜水艦は世界最高レベルだが、原子力潜水艦を追尾できる時間が限られる。だが日本も原子力潜水艦を持つと、仮想敵国の原子力潜水艦を追尾できる。

 これは日本に悪意を持つ国には迷惑で、しかも巡航ミサイルとセットになれば、報復攻撃能力が向上する。通常動力型潜水艦の活動期間は短いが、原子力潜水艦になれば延長できる。しかも巡航ミサイルを持つので、日本からの報復攻撃を警戒しなければならない。

■問題は政治家の決断

 日本を守りたければ、海岸線に国防線を置くことだ。そして、敵基地攻撃能力とサイバー攻撃を実行する能力を自衛隊に与えることだ。日本から戦争を始める必要はない。仮に攻撃を受けたら、反撃を実行できる能力を持てばいい。

 自衛隊が敵基地攻撃能力とサイバー攻撃部隊を持つことは簡単にできる。問題なのは政治家の決断。戦争・攻撃は政治家の決断が必要だが、仮想敵国のサイバー攻撃に対し、反撃する決断が保証されていないのが現実。

 悪く言えば、名刀を持つことが目的で使うことは目的ではない。それでは敵基地攻撃能力・空母・サイバー部隊は絵に描いた餅。これを交戦規定として文章化することで、政治家が決断できる環境が整う。

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