ワシントン・タイムズ・ジャパン

物資不足の人民解放軍 欧米に面子つぶされた習近平

■英仏カナダ海軍が台湾海峡航行

 台湾海峡は国際海峡だから、中国が航行の自由を奪うことはできない。だが中国は、国際海峡すら自国の領土の認識。アメリカは反発し、継続的に台湾海峡通過を続けている。最初はアメリカ海軍だけが台湾海峡を航行していたが、次第にイギリス海軍も参加。台湾海峡の航行はフランス海軍まで参加するようになる。

13日、台湾海峡に仏海軍の情報収集艦「デュピュイ・ド・ローム」を通過させた
https://www.epochtimes.jp/p/2021/10/80515.html

 10月17日になると、アメリカ海軍とカナダ海軍の艦艇が台湾海峡を航行。欧米軍を中心に、中国への反発が高まる。しかも台湾海峡が、反発を明らかにする舞台になっている。これに対して中国は反発するのだが、人民解放軍を用いた反発が減少している。

■台湾が中国に粘り勝ち

 人民解放軍は南シナ海と東シナ海で活動していたが、2021年になると急速に活動を縮小させた。2020年まで人民解放軍は活溌に活動し、軍事演習で存在感を示していた。だが今では、台湾への軍事的な圧力だけになった。だが人民解放軍による台湾への軍事的圧力も、10月6日からは停滞気味。

●指揮官の判断で決戦を中止する理由
1:攻撃手段が無力化される
2:敵戦力が増援を受けて戦力格差が出た
3:予備戦力・兵站の枯渇で戦闘力が低下した(戦意喪失)
4:戦闘継続が出来ない損害を受けた
5:隣接部隊の退却

●指揮官の判断で防御戦闘を中止する理由
1:敵の包囲・突破などの「敵の機動攻撃」
2:予備戦力が尽き果てて戦闘力が低下した

 中国では、大規模災害・電力不足で生産が低下している。部品供給網への影響も出ているから、隠すことはできない。そうなると、南シナ海・東シナ海で軍事演習を減少させたのは明らかに、兵站枯渇で戦闘力が低下したためだ。

 物資・資金が枯渇すると、大規模演習を行うことはできない。そこで台湾への軍事的圧力に物資と資金を集め、派手に脅すことで台湾を屈服させようとした。だが台湾は諦めなかった。苦しくとも粘り、ついには人民解放軍が折れた。

 6日から人民解放軍による台湾侵入は大幅に減少した。これまでに集めた物資と資金が枯渇したことになる。これで人民解放軍が諦めるとは思えないので、物資が集まり次第、台湾侵入を行うことは明らかだ。

 だが人民解放軍による台湾侵入の間隔と機数が、人民解放軍の戦力を世界に示すことになる。間隔と機数が一定であれば、物資が安定して確保できており、整備も定期的な補給も行えていることを示す。だが、間隔や機数が不安定になると、補給が不安定で整備能力も安定していないことを示す。

 台湾は人民解放軍の面子を保つ最後の砦だったが、台湾の粘りで習近平の面子を潰すことに成功。台湾の粘りは人民解放軍の攻勢を破砕しただけではなく、習近平の面子を潰す戦果を得た。これは一戦の勝利と言える。

■東シナ海を放棄した習近平

 習近平が戦略を無視して台湾に拘っているので、アメリカ軍は台湾海峡通過を継続的に実行。これにイギリス海軍も参加し、習近平に対する効果を確認したと思われる。実際に、フランス海軍・カナダ海軍も台湾海峡通過を実行している。

 国際海峡を通過して南シナ海に向かうならば、バシー海峡を航行する方が楽。それでも台湾海峡を航行するのは、習近平の面子を潰すことが目的になる。習近平が台湾に拘ったので、欧米は積極的に面子を潰す道具に変えたのだ。

 習近平が戦略を理解しているならば、東シナ海確保を第一とする。何故なら、人民解放軍海軍は、必ず東シナ海を中継して南シナ海と太平洋に出入りする。人民解放軍海軍の有力な基地は渤海しかなく、大規模整備は渤海に帰還しなければ行えない。

 だからアメリカ海軍が東シナ海の制海権を獲得すると、人民解放軍海軍は渤海に閉じ込められる。アメリカ海軍は、一手で人民解放軍海軍から戦略を奪える。それが東シナ海の価値。

 だが習近平は、東シナ海を放棄して台湾を優先した。確かに台湾は戦略的に重要な場所。台湾を占領すれば、人民解放軍海軍は、南シナ海と太平洋への進出が容易になる。しかも沖縄侵攻へのジャンプ台になるから、地政学・戦略で価値がある。

 これは事実だが、敵に東シナ海を奪われると機能を発揮できない。台湾は東シナ海と同時に獲得してこそ、地政学・戦略で機能する。この意味で、東シナ海獲得は戦略の土台となる。だが習近平は、戦略を無視して面子を優先。政治優先だとしても、東シナ海との連動がないので、台湾への軍事的圧力が効果を低下させている。

 これを欧米軍は早期に見抜いた。だからこそ、アメリカ海軍は率先して台湾海峡通過を継続的に実行。人民解放軍は物資不足が加速し、南シナ海・東シナ海の軍事演習を減少させた。台湾への軍事的圧力を強めたが、台湾海峡を航行する外国海軍への軍事的圧力を減少させている。

 それだけ人民解放軍の物資不足は深刻であり、台湾に限定した圧力で挑んでいた。だが国内の生産力低下は解決せず、ついには台湾への軍事的圧力停止に陥った。人民解放軍にも面子があるから、物資が集まり次第再開するだろう。

■崩壊への道を進む中国経済

 欧米軍による台湾海峡航行が増加している。習近平が台湾に拘るなら、台湾海峡航行だけで面子潰しになる。これはコストパフォーマンスが良く、航行させるだけで訓練と外交の道具になる。しかも自国の存在感を示せるので、今後も参加する国が増えることは間違いない。

 今の中国経済は崩壊への道を進んでいる。大手企業の倒産が、中国経済まで巻き込んだ破綻になるかもしれない。そうなると、中国の生産は停滞か停止。これでは人民解放軍の物資を生産することは不可能。つまり人民解放軍は、戦争ができない状態に陥る。

 ならば欧米は、金融面で間接的な戦争を既に始めているはず。中国企業を金融面で追い詰め、連鎖倒産を望んでいるだろう。実現すれば、軍隊同士の戦闘よりも、安上がりで勝利が得られる。さらに習近平の面子を潰せるので好都合なのだ。

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