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文革輸出で毛沢東超え狙う習近平

■軍事力で劣り策で勝る

 アメリカと中国の対立が激化し、反中国包囲網が形成された。イギリスは空母打撃群を日本に派遣し、インド太平洋の安全保障で中国と対立する道を選んだ。中国は南シナ海の覇権維持が困難になり、次第にアメリカ海軍とイギリス海軍に奪われていく。

 イギリス空母打撃群が日本付近に展開した段階で、アメリカ・イギリス・オランダ・オーストラリア・日本の連合軍が形成された。それに対して中国は単独。ロシア・北朝鮮・イランは、人民解放軍と連合して対立することを回避。

 中国は軍事的には孤立無援だが、策略ではアメリカを超える勢いを見せている。中国通信機器大手ファーウェイの孟晩舟CFOは拘束されていたが、9月24日になるとアメリカ司法省との司法取引が成立。自由の身になると同時に、中国で拘束されていたカナダ人2人も釈放された。

◆中国で拘束されたカナダ人2人、釈放され帰国へ トルドー首相
https://www.afpbb.com/articles/-/3367830

■民間人を拘束し人質外交

 アメリカは中国と対立すると、ファーウェイCFOを間接的に拘束。アメリカとカナダによる連合作戦だが、中国はカナダ人拘束で対抗。この間に人民解放軍海軍はアメリカ海軍の活動増加で制海権を縮小。これに日本の海上自衛隊も参加し、東シナ海の制海権も縮小する。

 イギリス空母打撃群の南シナ海航行で、人民解放軍海軍は南シナ海の覇権を失ったと言える。軍事的には南シナ海・東シナ海の制海権を失い、軍事的な存在感を低下させた。だが民間人を拘束し人質外交を実行。中国による人質外交と批判されるが、軍事的に劣る中国が外交で有利になれる事実を示している。

 戦争は軍隊同士が戦闘する直接的な戦争と、第三国を用いた代理戦争や、法律論を用いた間接的な戦争も存在する。今回のファーウェイCFOの拘束と釈放は、間接的な戦争に該当する。

 中国は、人民解放軍で勝てず、間接的な戦争でアメリカに挑んだ。間接的な戦争は水面下で動くので長期戦になる。裏工作なら中国は得意なので、長期戦でアメリカ・カナダの外交を食い破る。人権を重視するなら、民間人を人質にされると軍事的に強気に出られない。しかも法律論だから、安易な軍事的圧力も掛けられない。

 国際社会で法律論を用いることは法治国家の証しではない。見た目は美しくても、中身は相手国の人権を否定する行為。端的に言えば、相手国を怒らせ、相手国から開戦するように仕向ける時に使われる。

 今の国際社会のルールでは、平和は強国に都合がいい。軍隊を用いた開戦は、今の平和を否定する行為。これは国際社会で悪と見なされているので、戦前の日本は先に開戦したから悪の国にされた。国際社会では、宣戦布告は戦争の始まりを意味するが、実質的に飾りにすぎない。

 宣戦布告してから開戦すれば正しいのではなく、宣戦布告してからの開戦は、今の平和を否定する行為なので悪になる。だから各国は、相手国から開戦するように仕向けるのが基本。その一つが、法律論を用いた相手国の侮辱。

 国内三権は行政・立法・司法であり、行政の下で立法が行われ法律が作られる。その後、司法で法律が使われる。そのため、相手国の法律を否定する行為は、相手国の立法と行政を否定する。これは間接的に相手国の人権否定と独立の否定となる。

 国際社会で使われる法律論には、間接的な戦争が存在する。これを公には美しく飾り、裏では苛烈な外交が展開されている。中国とアメリカは法律論を用いて間接的な戦争を開始しているが、今回は中国の勝利になった。

■習近平は文化大革命の失敗から学んだ

毛沢東氏 ウィキペディアより引用

毛沢東氏
ウィキペディアより引用

 習近平が毛沢東を模倣していることは知られている。習近平の言動を見ても、毛沢東が行った文化大革命を再現していると言える。しかも文化大革命の失敗を分析し、自分が行う文化大革命で改善しているようだ。

 中国の大学では既に文化大革命が進行していると見た方がいい。中国共産党は大学に国旗衛兵を配置。これは大学生で構成された準軍事組織の一つ。文化大革命では紅衛兵が使われたが、管理に失敗した。

 今回の国旗衛兵は、中国共産党の管理下で制御された組織と思われる。だから前回のような紅衛兵の暴走はないだろう。中国共産党は前回の失敗から学び、全ての組織を中国共産党が管理するシステムにしたはず。学生である国旗衛兵は大学の監視を行い、大学側で宗教・異質な思想を排除させる。国旗衛兵は実動部隊ではなく監視活動が任務だろう。これなら紅衛兵のような暴走はない。

■貧者を武器に

 毛沢東の文化大革命では紅衛兵などの実動部隊で失敗した。農民を用いて都市を包囲することは成功し、貧者が富者を包囲する構図が成立。しかも多数派の貧者が少数派の富者を包囲するので、多数派工作になると成功している。

 習近平は成功したパターンを現代化し、中国国内の半数に該当する富者を狙った増税を計画。これで半数の貧者を救うとされる。だが中国の有力企業を狙った破壊ならば、中国不動産大手の中国恒大集団の破綻は都合がいい。

 最悪の場合はリーマン・ショック級と言われるので、中国経済だけではなく世界経済まで影響する。そうなれば、習近平は文化大革命を世界に輸出することも可能。文化大革命は中国国内限定だったが、習近平が毛沢東を超えたいならば、文化大革命を世界規模にするはずだ。

 リーマン・ショック級の破壊力で世界経済が低迷。これが世界規模で、富者と貧者の対立が激化すれば、平等を口にしながら富者からの略奪が正当化される。実際にBLM(黒人の命も大切)運動では暴力と破壊が正当化された。

 既に世界は、文化大革命を受け入れる組織と武漢ウイルス・パンデミックによる収入減が浸透した。さらに生活が悪化すれば、平等と金が安易に手に入る文化大革命の甘言に惑わされる者が増加するはずだ。

 仮に文化大革命の輸出が成功すれば、習近平は毛沢東を超えることができる。さらに習近平は、世界各地に自国の武装集団を持つことになる。中国はアメリカ・イギリスによる連合軍に包囲されたが、習近平は貧者を用いて敵国を包囲することができる。そうなると各国は、自国の軍隊・警察を用いて、自国の貧者と対立することになる。これは容易には鎮圧できず、何年も苦しむことを覚悟しなければならない。

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