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人民解放軍は起きない獅子

■女王陛下の護衛

 中国はチベット・東トルキスタンで人権弾圧を行い、香港の一国二制度を破棄。中国の一帯一路構想が欧米の脅威と見なされ、欧米軍がアジアに軍隊を派遣するようになった。中国によるウイグル人への強制労働が批判されるようになると、中国と関係する企業への批判が拡大。これで中国包囲網が形成され、日本企業すら捜査対象になった。

 イギリスは空母打撃群を日本に寄港させることを公言すると、地中海・インド洋で外国軍との共同訓練を重ねながら日本に向かっている。7月23日には、イギリス空母打撃群は海上自衛隊と合同訓練をすることが明らかになった。

イギリス空母打撃群はイギリス・アメリカ・オランダの連合軍。単なるイギリスとの合同訓練ではなく、連合軍が日本に向かっている。日本に向かうだけなら過剰な戦力。その矛先は、中国だと予測する者もいる。

■軍事演習の表と裏

 日本の自衛隊だけではなく、欧米の軍隊は定期的に軍事演習を行っているし、外国軍との合同訓練を行っている。軍事演習の表の目的は練度向上と維持。裏の目的は仮想敵国への恫喝。だから軍事演習や外国軍との合同訓練を行う時は、必ず仮想敵国を意識した訓練になる。

 外国軍との合同訓練は仮想敵国が存在するから、仲間が集って共通の敵と戦うことを目的にする。そうでなければ時間の無駄。今では中国が共通の敵になったので、アメリカ・イギリス・フランス・オランダなどが日本に軍隊を派遣する。

 中国の覇権拡大が国防に関係するだけではなく、中国が自国の国益に反する動きをする。これで脅威となり、潰さなければ自国が潰されることに気付いたのだ。だから他の名目で日本に軍隊を派遣。

 それにイギリスは香港で中国と対立。イギリスと中国は、香港の民主主義を50年間は保証するはずだった。だが中国は一国二制度を破棄。しかも香港人への弾圧を強化したので、イギリスを侮辱したも同じ。

 イギリス空母打撃群は日本に寄港するだけなら過剰な戦力だが、香港奪還作戦なら過小な戦力。だが日米の艦隊が参加すれば、香港奪還作戦に必要な戦力の土台になる。イギリス空母打撃群の中身はイギリス・アメリカ・オランダの連合軍だから、エリザベス女王を護衛しながら香港人を救出する騎士団とも言える。

 イギリス空母打撃群は常に訓練しながら日本に向かい、練度を高めながら中国を威嚇している。アデン湾で日本の海上自衛隊と合同訓練をするならば、連携作戦の事前訓練になる。現段階で訓練すれば、南シナ海に到着した時には齟齬を少なくした意思疎通が得られるだろう。

■人民解放軍の場合

 欧米の軍事演習は定期的に行われているが、人民解放軍の軍事演習は減少。練度向上と維持が目的だから、人民解放軍の練度低下は避けられない。しかも外国軍との合同訓練も無いも同然だから、東シナ海・南シナ海で人民解放軍と共に戦う軍隊は無いと言える。そうなれば、人民解放軍は単独で連合軍と戦うことになる。

 人民解放軍は国家の軍隊ではなく中国共産党の私兵。だから北京から離れた省は反乱予備軍。そのため地方の省には大規模生産・整備ができる基地を置いていない。このため北京周辺にしか生産・整備ができる基地が無い。

 これは人民解放軍の致命的な弱点で、海軍の場合は必ず東シナ海を中継して太平洋・南シナ海に移動する。出撃も帰還も東シナ海を中継するから、東シナ海を失えば出撃も帰還も不可能。悪いことに南シナ海に展開した人民解放軍は孤立する。

 南シナ海に面した海岸に人民解放軍は展開しているが、大規模整備できる基地はない。潜水艦・空母も必ず東シナ海を中継して渤海に戻らなければ整備できない。これでは南シナ海での作戦行動は不可能。南シナ海に配置した基地群も補給が途絶えて飢えることになる。

 人民解放軍の軍事演習は、常に東シナ海を基点にするのが基本。さらに、東シナ海は如何なる犠牲を払っても獲得すべき海域。仮に失えば中国の敗北に直結する。だから軍事演習は東シナ海が中心になるのだが、実際の人民解放軍は繰り返していない。繰り返さない理由は、人民解放軍に戦略が無いか戦意喪失のどちらかになる。

机上の空論
「戦闘における個艦の戦闘能力が不可欠の要素と見なす」

現実
「現実の戦闘では艦艇運動の良否が不可欠の要素となる」

 武器は購入しただけでは戦力にならない。人民解放軍海軍は空母を保有したが、複数の艦が艦隊陣形を維持したまま訓練をしていない。空母打撃群ならば、常に陣形を維持した艦隊運動の練度向上が必要。

 イギリス空母打撃群は常に訓練しながら日本に向かっている。それに対して、人民解放軍海軍の空母打撃群は、目立った艦隊運用が確認されない。これは致命的で、中国の空母打撃群は張子の虎どころか眠りから醒めない虎なのだ。

■これからの人民解放軍

 毎日訓練しなければ練度向上は無い。さらに毎日訓練するから練度を維持できる。しかも他の部隊との連携も必要だから、戦場で突然連携作戦など実行できない。仮に実行すれば損害を増すだけ。

 人民解放軍は軍事演習が減少したことで、軍隊単位で練度が低下している。しかも空母を保有したが艦隊運用が無いも同然。これでは空母打撃群とは言えないから、戦力外の金食い虫に成り下がった。

 イギリス空母打撃群は日々日本に接近している。そうなれば、イギリス空母打撃群がインド洋にいる間に、人民解放軍の軍事演習が必要。これは練度向上だけではなく、外交用の恫喝が含まれる。

 人民解放軍の軍事演習が東シナ海で実行されたら、人民解放軍は戦略を知る証。だが他の海域で軍事演習を行えば、戦略を知らないことを世界に示す。さらに軍事演習を行わないならば、人民解放軍は戦意喪失していると宣伝したも同じ。

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