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自衛隊からのモデルナワクチンの日本人副反応報告

普通今までのワクチンで血圧上昇は予想できない

 

さまざまな反応を真摯に受け止めることが科学としての医学の進歩

 自衛隊中央病院がモデルナ投与における副反応をまとめて報告しています。pdfはこちら

 長文になりますが引用列挙します。ちなみに全体の平均年齢は70歳前後です。

>発症者の 72.9%が女性

 今までも言われていますが、どうしても女性に多い

■甲状腺疾患、喘息、悪性腫瘍、食物又は薬剤に対するアレルギーの既往、過去ワクチン接種時の副反応の既往がある接種者については、急性期副反応の発症リスクが高い傾向

問診で聞いているアレルギー歴の有無ですね

■抗凝固薬/抗血小板薬の使用中の接種者は、発症リスクが低い傾向

これはまた面白い。血圧上昇と関連ありますかね

■急性期副反応として観察された最も多い症状は、めまい・ふらつき(98 件、24.8%)であり、続いて動悸(71 件、18.0%)であった。発赤・紅斑・蕁麻疹等などの皮膚症状は 58 件(14.7%)に認めた。呼吸困難感を訴えたものは 17 件(4.3%)

治験での報告から予想されているものです

■バイタルサイン異常として最も高率に観察されたのは、接種後の高血圧で、収縮期血圧 180mmHg 以上または拡張期血圧 110mmHg 以上を伴う高血圧は、34件(16.7%)に認めた。低血圧は 4 件(2.0%)に認め、いずれもアナフィラキシーの基準は満たさず、発症エピソードや徐脈の合併から迷走神経反射と診断された

これは予想外です。ただやはり世界から高血圧に関する論文が今年の3月末に出ていました。

■近医に救急搬送が実施された 20 件の急性期副反応の症状を提示する(表 4)。6 件(30.0%)に頻呼吸を認め、5 件に持続する高血圧(収縮期血圧 >180mmHgまたは拡張期血圧 >110mmHg)を認めた。いずれもアナフィラキシーの基準は満たさなかった。

症状がある高齢者の血圧上昇は経過観察で放置できないんですよね

■ワクチン接種に伴う急性期副反応の発生率は接種件数当たり0.19%であり、(全体で)アナフィラキシーの発生は認めていない

発症率はそこまでこの年代では高くはありません。

■急性期副反応が女性に多い理由については、性別による免疫能、ホルモン、生活習慣などの差異が関連していると考えられているが、その詳細なメカニズムは未だ明らかではない

 男女はやはり違うということです。

 新しい疾患、そして薬が出るとどうしても予想外のことがおきます。この血圧上昇なんて治験段階では言われておらず、今までのワクチンでは出たこともないので、血圧上昇は精神的なもので副反応ではないのではないかと思われていました。私もそう思っていました。(高血圧既往のない方で、降圧薬を飲んでも3日間血圧が上昇しっぱなしの女性の例があり、これはなんか変と感じましたが)

 それでも世界(ファイザー主体)、そして日本(モデルナ)でこうやって血圧上昇例がしっかり出現していることは、稀ながらmRNAワクチンのしっかりした副反応として考えなければいけないのでしょう。

 大動脈解離、脳動脈瘤破裂、心筋梗塞の稀な死亡事例に対し、ワクチンを接種しなくても起きた可能性が否定できないくらい確率は低いのですが、ワクチンの関与はありえないと真っ向から否定することはやはり難しいのかもしれません。個人的には状態の悪い人の最後の一押しになった可能性はあるのかなと。

 もともと生理的に血液中にマイクロRNAがあることをわかってますし、mRNAを投与しても大きな副反応はそこまで出ないと理解していますので、mRNA主体のこのワクチンを接種することはやはり望ましいと思っています。ただ前も書きましたが、若い世代にこのワクチンを接種することは慎重丁寧であるべきだと思っています。耐えられるけどそこそこ辛い副反応は結構出ていますし、そして真面目な人に限って副反応に対して薬飲まずに我慢するんですよ。それを子どもにさせるのは?大人がさっさと接種して子どもを守るのが理想かなと感じています。

 予想がつかないさまざまな反応を真摯に受け止めることが科学としての医学の進歩につながります。今までの経験だけを基に真っ向から否定しても新しいものに対応できません。新型コロナウイルス、そしてその有効なmRNAワクチンに対して、少ないながら起きた現象に謙虚になるべきだと思って臨床しています。


「中村ゆきつぐのブログ」より転載
http://blog.livedoor.jp/dannapapa/archives/5270176.html

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