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中国共産党の方針変更

■弱気な中国

 1990年代の中国は、政治・経済・軍事で影響力が低かった。だがインターネットが世界に普及すると、アメリカ主導のグローバル・スタンダードも普及した。これで中国は安い人件費を武器に、世界の工場と呼ばれるまでに成長。

 中国共産党は短期間で資金を得ると、外国企業から技術移転を積極的に進め、人民解放軍の兵器開発に投入した。これで人民解放軍の質が向上したのは事実。同時に豊かになった中国共産党は、各国で親中派を増やす政策を実行。金で親中派を増加させ、政治と経済で外国の政策を変えるまで成長した。

BBCニュース – 習主席、「愛される」中国外交を指示 友好国増やすため
https://www.bbc.com/japanese/57339921
習主席

 


習主席、「愛される」中国外交を指示 友好国増やすため – BBCニュース
中国の習近平国家主席は、「信頼され、愛され、尊敬される」中国のイメージを作り、友好国の輪を拡大するよう中国共産 …
www.bbc.com

 だが成功すると、中国共産党は慢心。2000年代から慢心し、2020年には多くの国が中国を嫌う状態に陥る。2021年になり、ようやく気付いたようだが、イギリス・フランスなどが日本に軍隊を派遣する動きを止めることは出来ないでいる。

■これまでは攻勢だった

 中国共産党の基本方針は攻勢。政治・経済・軍事は、積極的に拡大する政策だった。世界各地に、中国共産党・中国企業・人民解放軍の存在が根付いた。2013年以後は一帯一路構想を急速に進め、構想に組み込まれた国の政治を侵食。それだけではなく、土地を奪うことを強引に進めた。これで現地民から反発を受け、対等な貿易ではなく支配する動きに気付く。

 ヨーロッパでも中国共産党を嫌う動きが出ると、イギリス・フランス・オランダなどは、2021年から海軍を日本に派遣するようになる。行き着いた先が、イギリス空母打撃群の日本派遣、フランス軍の定期的な自衛隊との合同訓練。

 一帯一路構想の終着点であるヨーロッパの国が、中国共産党を嫌い排除する。これでは覇権拡大は不可能で、経済と軍事で中国経済を破壊する結果は明らか。何故なら、アメリカ・イギリス・フランスの海軍は、地中海・インド洋・南シナ海・東シナ海で継続的に活動。さらに日本の海上自衛隊まで参加したので、海上交通路は仮想敵国に握られた。

 中国は陸路で貿易ができるとしても、海上貿易と比べると市場が小さくなる。市場拡大を求めるなら、海上貿易は旨味が多い。だが中国は仮想敵国連合に海を奪われた。これで戦争になれば、中国共産党は孤立する。中国共産党は2021年になり、仮想敵国連合の動きから方針変更。

 嫌われる戦狼外交から、愛される中国に変えることになった。だが、どうすれば愛されるのか?
愛されるとは信用であり徳が必要。中国は戦狼外交で信用を失い嫌われた。徳とは他人が見ていなくても良いことをする。これが積み重なり、徳となり信用になる。

■変更させた理由

 中国共産党が路線変更したのは明らか。これは人民解放軍の動きにも出ている。アメリカ・イギリス・フランスは、合同訓練や軍事演習を継続している。それに対して人民解放軍は、大規模で派手な軍事演習を行った。だが段階的に軍事演習の規模が縮小し、しかも継続していない。これでは人民解放軍の練度向上と維持は難しい。それでも人民解放軍の軍事演習を行わない理由を、戦争史から導き出された資料から推測したい。

戦闘部隊が攻撃または防御を中止した理由
(第二次世界大戦からの師団から大隊規模の戦例50)

敵の戦術的な機動攻撃を受けた→60%
 包囲・突破・退路遮断→33%
 緊要地形の喪失   →6%
 敵からの奇襲    →8%
 隣接する部隊の退却 →13%

相対的戦闘力の格差が増大→18%
 敵に増援が来着   →4%
 自軍の予備戦力の枯渇→12%
 兵站補給の枯渇   →2%

戦闘を継続できない損害→12%
 接近戦が原因    →10%
 砲爆撃が原因    →2%

戦闘の外部条件→10%
 天候・気象の変化→2%
 退却命令    →2%
 戦争の停止   →6%

International TNDM Newsletter, Dec 1997

 原因の一つに中国の生産・輸送・補給・備蓄不足。物資が有るなら、人民解放軍も演習を継続する。陸軍2万人規模の1個師団は、1日で2000トンの物資を消費する。空軍が対地攻撃で支援するなら、4000トン消費する。兵士1人当たり、1日で3トン物資が必要。

 消費に耐える生産・輸送・補給・備蓄は基本で、毎日の消費と同時に備蓄も必要なのだ。欧米の軍隊は基本として行うが、人民解放軍の数は多いが備蓄できない可能性が高い。これは致命的で、開戦後の戦闘継続が難しい。

 人民解放軍の軍事演習は西太平洋で行われない。これは現段階で、アメリカと日本が西太平洋の制空権・制海権を獲得している証し。人民解放軍から見れば、東シナ海は緊要地形。何故なら、人民解放軍海軍は、必ず東シナ海を中継して西太平洋と南シナ海を往復する。

 さらに台湾占領は必須で、東シナ海獲得・台湾占領はワンセットの生命線なのだ。人民解放軍がワンセットで獲得すると、南シナ海への海路が安定する。だが人民解放軍には、東シナ海を死守する動きが無い。台湾侵攻を捨て、連合軍の攻勢に対し、内陸で防勢する戦略に切り替えた可能性が有る。

 過去の戦闘記録から見れば、人民解放軍の物資不足と緊要地形の喪失が挙げられる。しかも開戦すると海外貿易は停止。そうなれば、海上貿易ができないため収入は激減。それに対して連合軍側は、海上貿易は継続的に可能。これでは攻勢から防勢に変えるしかない。

■決戦戦略から持久戦略へ

 中国共産党は愛される中国に方針変更したが、これは外国向けのパフォーマンスだろう。愛されるには10年以上の歳月が必要だから、今の状況には対応できない。何故なら、イギリス・フランス・アメリカの動きは、中国への先制攻撃の可能性も有る。だから今の動きには対応できない。

決戦戦略
1:勝利の獲得が戦闘の目的
2:損害の多寡を顧みない
3:迅速な決着を追求する

持久戦略
1:不敗が戦闘の目的
2:戦力の温存を図る
3:出来る限り敵の行動を妨害し戦いを長引かせる

 そこで中国共産党は攻勢である決戦戦略を止め、防勢である持久戦略に変えた可能性が有る。持久戦略ならば、習近平を生贄にすれば中国共産党は生き残れる可能性が高い。習近平が責任者だから、敗北したら国家主席を交代。次の国家主席は、親米路線で対応すれば良い。

 これなら派閥争いは不要で、習近平に全ての責任を追わせるだけで良い。ライバル派閥は待てば良く、どちらに転んでも中国共産党は困らない。だが沿岸部の香港・上海は連合軍に占領される可能性が高い。香港でイギリスと約束した一国二制度を破棄。さらに香港人への人権弾圧が行われたから、イギリスは香港を奪還する可能性が高い。

 さらに上海は東シナ海を管制するし、人民解放軍の兵站を南北に分断する拠点の一つ。だから香港と上海は失われる。だが、習近平・香港・上海を生贄にすれば中国共産党は生き残れる可能性が有る。ならば持久戦略を選ぶことは有益。

■可能性

 アメリカ・イギリス・フランスは何を追求するか?
中国共産党の消滅か、それとも政権交代か不明。中国共産党の消滅を求めれば、チベット・東トルキスタン・内モンゴル・香港などは解放され救われる。つまり主権国家として独立できる。

 だが政権交代で終われば、香港は解放されても、チベット・東トルキスタン・内モンゴルなどは支配されたまま。中国共産党が南シナ海の攻勢を捨て、大陸内部の持久戦略を選ぶなら、連合軍は大規模な陸戦部隊を投入しなければならない。現段階では、連合軍に大規模侵攻の動きは見られない。

 持久戦略を採用した場合、南シナ海の人民解放軍の基地は時間稼ぎの生贄。習近平と共に生贄に使い、次の国家主席が中国共産党を継承する。中国共産党は馬鹿ではないから、最少の損害で逃げる策を選んだかもしれない。

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