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多目的トイレの名称変更の背景にちらつく渡部建の不貞行為

 昨年の6月、お笑いコンビアンジャッシュの渡部建さんの不倫が世間を騒がせました。一番印象深いことといえば、多目的トイレでの不貞行為が報道されたことです。それ以降、「多目的トイレを見ると渡部建を思い出す」という人もいるほど、インパクトが強かったように思います。

 この一件が理由というわけではないそうですが、国土交通省は多目的トイレの名称を変更し、利用者を明確化するよう求めることを明かしています。

バリアフリー設計指針の改訂にともなう名称変更

 国土交通省は、建築物のバリアフリー設計指針を4年ぶりに改定し、新たな指針を3月に決定するとしています。バリアフリー設計指針とは、バリアフリー法に基づく設計のガイドラインで、すべての建築物が利用者にとって使いやすいものとして整備されることを目的に、設計者をはじめ、利用者、建築主、審査者、施設管理者に対して、適切な設計情報を提供するものとされています。

 現行指針では、「多機能トイレ」として高齢者や車いす、乳幼児連れの人に配慮した設計を例示しているのですが、一般の人が使うケースもあり、名称も設置場所によっては「みんなのトイレ」、「だれでもトイレ」など、明確な利用者や目的が指定されていないため、誰でも使えてどんな目的でも使えるという印象を与えています。そのため、本当に使いたい人が使えず、昼寝をしたり、寝泊まりしたり、渡部さんのような性的な目的で使う人もいるようです。

 そこで、国土交通省は、バリアフリー設計指針の改訂にともない、「多目的」、「誰でも」といった名称を避け、利用対象を明確化し、一般の人が使うことで本来必要とする人が利用できない事態を防ぐため、改定案は総称を「バリアフリートイレ」とし、施設管理者に、誰でも使えるような名称から見直すよう求めています。

 また、現行指針では、小規模店舗はバリアフリー法基準への適合が「努力義務」にとどまり、ほとんど基準がなかったのですが、改定案では店内の通路幅を車いすが通れる90センチ以上にしたり、食券や番号札を発行する機器のボタンの位置を床から60~110センチ程度としたり、椅子を可動式にして車いすのまま飲食可能にしたりするなど、小規模店舗にも望ましい基準を初めて示すこととしました。

渡部さんが国土交通省を動かした!?

 SNS上では多目的トイレの名称変更を受けて、「渡部さんが国土交通省を動かした」、「多目的トイレだとやっぱり渡部さんを思い出す」、「多目的に使っていいと思う人もいるよなあ」など、やはり渡部さんに関するコメントが多く上がっていました。

 「バリアフリートイレ」という名称については、反対意見はないように見えますが、オストメイトを使う人工肛門の人や、LGBTの人など、見た目では分からない人達が使いづらく、肩身が狭く感じるのではないか、今のままの名称でも問題ない、電車バスの席のように優先トイレにしてはどうか、という意見もありました。

 多目的トイレに関しての改定案は、名称の変更が主なので、設備に大きな変化はないかもしれません。車椅子やオストメイト専用、乳幼児連れの人専用など、使用者に合わせて分けて設置するという改定案の事例も示されていますが、現在設置してある多目的トイレが急激にすべて変化することはなく、まずは名称だけ変更して、本来使うべき人が使いたいときに気軽に使えるようにすることを目指しています。

 これまでも多目的トイレの名称は何度も変わってきた経緯があり、「障害者トイレ」といった名称が主流になっていた時もありました。しかし、「障害者用」の要素が強調され、障害を持つ人から「差別されているように感じる」との声が挙がり、「みんなのトイレ」など対象を広げた名称に変更されました。すると、誰でも使っていいという印象が与えられ、混むようになり、そのトイレでないと用を足せない人が排泄に間に合わないケースもあったりしたようです。

 現在は多目的トイレ、多機能トイレとされていますが、結局これまでの経緯と同様、本来必要な人が必要なときに使えないというケースはなくならず、この課題が、渡部さんの不貞行為によって表面化し、課題解決のためにまずは名称変更ということに到ったのではないでしょうか。

 名称を変更することで使う人の意識を変えさせるということなのでしょうが、バリアフリートイレにしても障害を持った人専用という印象が強く、車椅子や松葉杖、目の見えない人など、一見して分かる人はいいのですが、一見分からない人は使いにくくなるような気もします。「みんなのトイレ」といわれると、誰でも使っていいという印象を受け、一般のトイレを使える人も混雑時はさっと使って出れば混雑緩和にもなるからと使う人もいます。また、LGBTや性転換手術をした人も使いやすく、べビーカーの子連れもパパでも入りやすく、子育て中の私はこの名称に助けられていました。

 名称の変更よりも、扉にこのトイレの使い道を分かりやすく書いたり、注意書で排泄目的以外で使う人に警告したりするなど、使う人へ注意を促すことを実施してもいいのではと思います。名称変更も利用対象を明確にすることが目的のようですが、障害者とひとくくりにできないからこそ「みんなの」、「誰でも」、「多目的」、「多機能」という名称が付いて幅広い人が使いやすいトイレというようになっていました。それをまた使う人を限定するような名称にするというのは簡単なことではないと思います。どのような名称に決まっても、使う人の意識が変わらないと従来の課題は解決できないのではないでしょうか。

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