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「鼻だしマスク」の受験生、注意を聞かず立て籠りの末現行犯逮捕

 新型コロナ禍の中、初の大学入学共通テストが、1月の16、17日に行われました。この2日間で全国の4会場において、「マスクを正しく着用すること」を求める試験監督者の指示に従わなかったことで、4人の受験生が失格となりました。その内、40代の男性受験生は、失格後トイレに3時間閉じこもり続け、建造物不退去容疑で現行犯逮捕されました。この件は、ニュースやネット上で報道され、「鼻出しマスク」がツイッターのトレンド入りをし、大きな関心を集めました。

「鼻だしマスク」で失格、立て籠りで逮捕された受験生

 受験生には事前に、「受験上の注意」が配布されたのですが、そこには「マスクを正しく着用」することが明記されており、「知覚過敏等によりマスクの着用が困難な場合は、『医師の診断書』を提出して受験上の配慮申請を行い、別室での受験を申請する」という、マスク着用が難しい場合の対応についても記載されていたようです。

 「マスクを正しく着用」するとはどういうことなのかまでは書いていなかったかもしれませんが、厚生労働省はホームページで、正しいマスクの着用方として、「①鼻と口の両方を確実に覆う、②ゴムひもを耳にかける、③隙間がないよう鼻まで覆う」と説明しています。鼻までマスクで覆うことが、正しいマスクの着用方という試験管側の認識だったのでしょう。

 失格、逮捕となった東京都内の受験生は、朝の試験時からマスクで鼻を覆っていなかったようです。国語の試験直前、監督者が鼻まで覆うよう注意したのですが、鼻を出したまま試験を続けていました。監督者が注意内容を書いたカードを前に出すと、「その指示には従いたくない」などと話し、手で払いのけたり、聞き入れなかったそうです。6回注意をされたのですが、結局応じず、「次は不正行為になる」と伝達されました。

 午後の「英語・リーディング」でも注意を受け入れなかったので、監督者は「あなたのテストの結果を無効とする手続きを取りました。あなたは受験資格を失ったので、退出してください」と伝え、係員が連れ出そうとしてたのですが、居座り続けました。そのため、他の受験生は、別の教室に移動して試験を続けたといいます。その後、失格となった受験生はトイレにこもり、午後10時に警察に現行犯逮捕されました。

鼻だしマスクが問題なのではない、ルールに従わないのが問題だ

 この騒動を受けて、18日の朝にはツイッターに鼻だしマスクがトレンド入りし、SNS上では、「鼻を出してマスクしただけで失格は厳しすぎる、かわいそう」と受験生を擁護する声がある一方、「試験監督者に再三注意されても従わなかったのだから当然」「試験を受ける以上ルールに従うべき」「マスクで苦しいのは皆一緒」など、失格は妥当だったという声も上がっています。

 「鼻だしマスクで不正追放ってどうなんだろう…いやまあ…従えばいいじゃんと思うけど…………どうなんだ」

 「鼻だしマスクを不正認定っていくらなんでもそれは違くない?明確に一年間が掛かってるのよ?……と受験生としては思ってしまうわね」

 「試験官から何度も注意を受けながら、指示に従わないので不正行為で失格ですか…鼻だしマスクでくしゃみや鼻水出していたのでなければ、失格にするまでのことではない。各科目の試験官に情報が引き継がれていったのだろう。言うことを聞かない受験生への見せしめようで恐ろしい」

 「厳しい言い方だけど、 ルールの変化に対応できないなら仕方ないことだと思うな マスクが苦しい中耐えているのは他のみんなも同じだし、 眼鏡がくもるのなら曇り止め塗れば良いし 騒がしくすることで、みんなが集中できなくなるところまでイメージできないと」

 「共通テストで鼻だしマスクで注意され、不正行為と認定された受験生。49歳とは! 分別のつかない歳でもあるまいしと思ってしまった」

 「鼻だしマスクが不正行為なんじゃなくて、試験官の指示に従わなかったから不正行為なんや やりすぎじゃない当然や」

 騒動から数日経ち、当日の詳細が報じられてきた今、40代という分別がつく年齢で、試験監督者の注意に従わず、他の受験生にまで迷惑わかけて、トイレに立て籠って逮捕されるというのはいかがなものかと、受験生を批判する声も多いように感じます。

 「鼻までのマスク着用拒否、7回目の注意で不正扱いになった件、『何らかの事情があったのでは……』と擁護する意見もチラホラ見られるけれど、『合理的な理由』があるなら受験生は説明すればよいことだし、申し出れば別室受験も可能だったはず。大学へ進むための能力って、そういうことも含むのでは」

 「鼻だし受験生。試験失格 この様なニュースが出る事に 不思議な気持ちに。 注意されて腹がたったと40歳。 大人ではないか。なぜ スミマセンとマスクを直す事が 出来なかったのか。どうにも 理解が出来ない【模範になれ】 とは言わないけど 子供達が受験してる中 大人であれ」

これから大人になる他の受験生の反面教師となった40代の受験生

 都内の失格のケースは、マスクを鼻まで覆っていなかったから失格となったというよりも、身体的理由があったわけではないのに、再三注意を受けてもまったく応じなかったことが原因でした。「受験上の注意」の書かれた用紙に、マスクを鼻まで覆うと明記されていなかったかもしれませんが、一度注意を受ければ鼻まで覆うのだなと理解できます。

 マスクを鼻まで覆うことが感染予防になるのかという疑問、議論はあり、そもそも咳やくしゃみをしていない、会話もしていない時にマスクをすることで感染予防になるのかという議論もありますが、今回の件はその点が問題だったわけではありません。

 40代だろうが、10代だろうが、大学入試を受けられる程の知能があれば、注意されたことを受け入れるということはできるでしょう。自分のマスクのつけかたはこうだ、メガネが曇って問題文が読めないからと、注意を受けているのに鼻を出し続け、退去を命じられているのに居座り続け、他の受験生に迷惑をかけ、挙げ句の果てに立て籠って警察のお世話になるという、我を通した振る舞いをしたが故の結果だと言わざるを得ません。

 マスク着用について疑問があるなら事前に問い合わせをしたり、メガネが曇るなら、その場で鼻まで覆った状態でどうすれば曇らずにすむのか、休み時間の内にでも考えることはできたはずです。社会生活の上ではルールが絶対ではない場面もあります。しかし、試験においては、不正防止と環境の平等を保つためにルールは設けられており、受験生はそれを守ることが求められます。一人の受験生の問題行為によって他の受験生が少なからず迷惑を被ったことでしょう。

 今回の騒動を受けて、鼻だしマスクの人がいるせいでコロナに感染するかもしれないという恐れよりも、ルールを守れない人によって集中力が途切れてしまうなど迷惑を被る恐れが身近にあることを、他の受験生達は学んだかもしれません。マスク着用によって社会では、その場のルールを守らず他者に迷惑をかける人がおり、警察沙汰にまで発展することも中にはあります。

 これから大人になっていく受験生達は、今回の騒動を受けて、反面教師としてほしいですし、物事を白黒だけで決めるのではなく、自身の意思や考えを踏まえて物事を判断できる大人になってもらいたいものです。

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