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緊急事態宣言下でも決行された成人式

大人の一歩を踏み出す大切な一日

 1月8日から2月7日の期間、再び1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)に緊急事態宣言が出されました。そんな中、11日に成人の日を迎え、1都3県では成人式を中止したり、オンラインでの式を行う自治体が相次ぎました。しかし、中には新成人の晴れの舞台を祝おうと、コロナ対策を行った上で式を開催する自治体もいくつかありました。毎年各地の成人式では、暴れる新成人や、酒に溺れる新成人が問題となっていますが、今年も例外ではなかったようです。

新成人を信じて成人式を執り行った杉並区

 7日連続1000人を超える感染者が出ている東京都では、23区内で唯一杉並区は、成人式を予定通り杉並公会堂で行いました。新成人とスタッフのマスク着用、入り口での検温と消毒、1人ずつ空席を設けてソーシャルディスタンスを保って着席するなど、コロナ対策を行った上での開催となりました。また、国歌は歌わずに音楽を流すだけとしたり、例年は2回に分けて行っていた式典を今年は4回に増やしたり、できる限りの対策をして新成人の門出を祝いました。

 何故、23区内で杉並区だけ会場開催を行ったのかについて、祝辞で登壇した田中良区長が経緯を以下のように話しました。

 「開催予定の自治体に国や東京都が中止を強硬に迫り、結果的に私だけが残ったというのが真相です」

 国や東京都が中止を強硬に迫った背景には、新成人に酒盛りをやめてほしいと呼びかけても、どうせ聞いてくれないという決めつけた考え方があると田中区長は話し、「私はあなたたちをまずは信頼したい」と訴えました。そして、式典の後は自制心を持って、酒盛りは控えて家に帰って下さいと呼びかけました。

 杉並区の成人式に参加した新成人の中には、「コロナ禍でも対策をしっかりして開催してくれたことに感謝したい」という声や、「成人した自覚を持ててよかった」という声がありました。例年とは異なる成人式の会場開催の希少価値が、新成人にとって、成人としての気を引き締めさせてくれるものとなったのかもしれません。

 また、5日に成人式の会場開催を決定していたものの、緊急事態宣言を受けて8日に中止を発表した新宿区では、成人式の会場に予定していた新宿住友ビル「三角広場」に、金屏風のフォトスポットを設置。会場開催した杉並区と同じく検温と消毒を行っていましたが、それだけでなく、「発熱等(37℃5以上)の体調不良はありません」とチェックをする用紙に、名前や連絡先を書いて提出するよう義務付けていました。そのチェック欄にはもうひとつ、「撮影後は友人等と会食には行きません。新成人として約束します」という項目もあり、大人としての責任感を強く求める印象を受けました。

 また、会場内に集ってきた新成人達が旧友との再会に喜びあい、声をあげてはしゃいでいる様子が見受けられると、会場に何度も「混雑して3密になってきているので会話はお控え下さい」というアナウンスが流されました。フォトスポットだけとはいえ、終了時間までに542人が来場し、スタッフも緊張感を持って対応している様子でした。東京都では新成人の目立った素行は特になく、無事に成人の日を終えたようでした。

今年も警察沙汰になった新成人へ非難殺到

 東京都に続き1日の感染者数が増えている神奈川県では、川崎市や相模原市、そして、全国の市町村で最多の約3万7000人が新成人となる横浜市が会場開催を行いました。横浜市では、横浜アリーナと、パシフィコ横浜ノースの2会場で、各4回の計8回行い、時間も15分に短縮して、コロナ対策を行った上で開催しました。

 会場内の大型ビジョンで「会食は控えましょう」と何度も呼びかけたり、入退場時に人が殺到して密ができる場面では、警察官やスタッフが拡声器で「立ち止まらずにお進みください」と呼び掛けることもありました。中には、密を避けるため会場内には入らず、会場の外で友人と会い、会食せずに直帰するという新成人もいて、ほとんどの新成人は緊急事態宣言を受け止め、速やかに会場を後にしていました。

 ところが、残念なことに横浜市の式典終了後、ごく一部の新成人が、路上で一升瓶で酒を回し飲みして騒ぎ、警察ともみ合いになったことが報じられました。ニュース映像ではモザイク入りだったのですが、 世界3大通信社のひとつであるAFP通信の日本語電子版は、酒を飲んで路上で騒ぐ新成人の写真をモザイクなしで配信報道していました。

 ネット上では、「AFP容赦ない」、「一生残る写真」、「お気の毒」という声が上がり、ニュースの報道を受けては、「未だこんなのがいるのか」、「予定通り開催したのは、新成人にこれをさせたかったからか」、「イキリ新成人が酒回し飲みしてノーマスクで大声で騒いでる」、「飛沫を飛ばしながら酒を回し呑み…」、「は??よりによって」、「成人式でテンション上がっちゃうとか猿か」、「横浜市民として、なんか恥ずかしい」、「腹立たしい」など、批判と怒りの声が上がっています。

 また、ツイッターでは、「毎年報道するから恒例行事と思う(目立ちたがりの)輩が出てくるんだよ」、「成人式での馬鹿さわぎ、毎年のことなれど未熟者の報道なんてしなくていいよ さわぐからまた調子にのるのだから」、「こいつらにとっては人生でその時が1番輝いてる時なんだなぁと毎年思う。マスゴミも毎年成人式の恥部なんか映すなよ」など、マスコミが報道することで毎年問題を起こす新成人が出てくるとマスコミ批判をする声もありました。

 更に、「非常に横浜らしい民度の低さ。まぁ、彼らを生み出したのは自ら国に要請した緊急事態宣言下にあるのに成人式を開催した馬鹿な知事。こうなることなんて、県民の民度を知ってれば予想できただろ」、「知事が馬鹿だから国民も馬鹿やろ?」と、成人式を開催した知事に対して批判する声もありました。

 コロナ禍の中、なんとか開催できた成人式で、大人になりきれない子供のような振る舞いをする一部新成人には残念ですが、おそらくこういう人達は、マスコミが報道しなくても、成人式を開催しなくても、自分達の方法でやりたいように目立つ行動をするのかもしれません。成人式の会場内で問題を起こしたわけではなく、店内や施設内ではなく、路上で飲酒したことも、彼らなりに密を避けてなおかつ目立つ場所を選んだのかもしれません。報道のカメラがいたために更に盛り上がったのかもしれませんが。

 一部新成人の騒ぎよりも、大多数の新成人が会食や同窓会をせずに、緊急事態宣言の中、新成人としての自覚を持って節度ある行動をしたことをもっと報道してもらいたいものです。コロナ禍で我慢を強いられている若者が、成人式の開催によって少しでも心が晴れて、大人として成長できるきっかけとなった成人の日であることを願います。

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