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中国共産党の開戦シナリオ予測

■譲歩無き世界

 米中関係は悪化しているが、米中双方は戦争回避の為に交渉を行っていない。過去に北朝鮮が弾道ミサイルで脅した時には、北朝鮮とアメリカはお互いに譲歩した。見た目は軍事力で相手国を脅すが、段階的に軍事的恫喝を下げ、交渉する流れだった。

 だが今の米中関係は軍事力で相手国を脅し、譲歩する動きを見せない。それどころか、政治・経済で制裁強化を続けている。さらに中国共産党はインドとの国境付近に軍事基地建設し、それを世界に見せつけている。そこには中距離弾道ミサイルを配備すると思われ、そこからアメリカ空母艦隊が出入りするオマーン湾を狙える。明らかに徹底抗戦の意思を見せている。

■決戦戦略と持久戦略

 政府は軍隊に対して軍政権を持っており、軍隊に宣戦布告・停戦・休戦などの政治目的を付与する。この時、参謀総長は軍令権を持つ代表として、軍政に適した作戦戦力・作戦期間・戦域設定など、軍令の補佐を行う。戦争するのであれば、決戦戦略か持久戦略の方針を提示する。

決戦戦略
1:勝利の獲得が戦闘の目的
2:損害の多寡を顧みない
3:迅速な決着を追求する

持久戦略
1:不敗が戦闘の目的
2:戦力の温存を図る
3:出来る限り敵の行動を妨害し戦いを長引かせる

 端的に言えば、決戦戦略は短期戦。持久戦略は長期戦。持久戦略は長期戦だが、最終的には決戦を行うことで成立する。だから持久戦略は、長期戦で敵軍を弱体化させ、温存した自軍の戦力で攻撃して敵軍を撃破する。だから持久戦略は、敵軍を撃破できる戦力か、外国の支援がなければ成立しない。

■中国共産党の状況

 今の中国の状況は、明らかに食糧不足。数年前からツマジロクサヨトウ・アフリカ豚コレラ・武漢ウイルス(COVID-19)・バッタ・水害などの災害続き。虫が食物を食い荒らし、武漢ウイルス(COVID-19)の蔓延で食糧生産は停滞。さらに広範囲の水害で食糧生産・工業生産は停止。

 中国共産党は近代化に邁進し、20世紀末には「中国は世界の工場」に変えた。それは農業を犠牲にした近代化であり、農業を機械化することなく見せかけの近代化にした。その結果、中国国内は食糧不足になり、国外から食糧を輸入する立場になる。

 中国共産党は世界から食料を輸入するが、有力な輸入先をアメリカにしていた。中国共産党から見ればアメリカは仮想敵国。しかも米中関係が悪化しても、アメリカからの食料輸入を停止することができない。アメリカから見れば、中国の人民の胃袋を支配している。これが中国共産党の致命的な弱点になった。

■短期戦しか選べない

 結論から先に言えば、中国共産党は短期戦である決戦戦略しか選べない。中国国内の食糧不足は明らかであり、開戦すればアメリカは中国への貿易路を全て遮断する。中国共産党が得られるルートはロシアだけ。だがロシアからの食料輸入だけでは不足する。

 軍隊の師団は基本的に、1カ月分の物資を持っている。敵と交戦しても、1カ月以内に上級司令部から補給を受けて戦闘する。これは人民解放軍も同じ。問題なのは中国の食料不足と工業生産の停滞。

 広範囲の水害で生産・輸送が寸断された。道路を復旧しても生産は困難。生産するにも、工場の修理が必要。工場を完全に修理しても、食糧不足を解決することは難しい。長期戦を選んでも、食糧不足を解決する手立てがない。

 さらに悪いことに人民解放軍は、8月26日の軍事演習で中距離弾道ミサイル4発を南シナ海に向けて発射した。弾道ミサイルは大量破壊兵器だから、アメリカが開戦の口実にすることが可能。戦例はイラク戦争。フセイン大統領は大量破壊兵器を臭わせてアメリカを脅した。アメリカは大量破壊兵器を口実に戦争開始。

 仮にアメリカが先制攻撃を行えば、中国共産党には悪夢。何故ならアメリカからの開戦なら、アメリカは決戦戦略と持久戦略を選択可能。さらにアメリカが持久戦略を選ぶと、中国共産党は100%勝利を得られない。

 中国共産党が少しでも勝利を得たいならば、中国共産党からの開戦と決戦戦略しか選べない。これは開戦と同時に中国本土付近のアメリカ軍に損害を与え、既成事実を根拠に和平交渉を行う。これしか中国共産党には勝利の道はあり得ない。

■開戦するなら

 中国共産党からの開戦であり、しかも決戦戦略を選ぶことになる。そうなれば、少しでも短時間にアメリカ軍に損害を与えなければならない。ならば中国共産党が頼るのは対艦弾道ミサイルだけ。射程2000kmを超えており、空母を攻撃可能としている。中印国境付近に中距離弾道ミサイルを配備させ、オマーン湾付近のアメリカ空母艦隊を攻撃。これで中東の戦力がアジアに移動しないように阻止する。

 南シナ海・東シナ海に展開するアメリカ空母艦隊に対し、沿岸部と内陸部から対艦ミサイルの飽和攻撃を行う。内陸部から対艦弾道ミサイルを発射すれば、沿岸部の対艦ミサイル基地が破壊されても内陸部は安全。だからこそ、中距離弾道ミサイルとしての長所を活かすはずだ。

 人民解放軍海軍と空軍は、アメリカ軍戦力が中東とアジアに分散している間に決戦を行う。人民解放軍が攻勢に出られるのは1カ月。この間に、対艦ミサイルの雨と同時に、アメリカ空母艦隊を攻撃。

■損害がなければ終わり

 中国共産党から見れば、開戦から1カ月でアメリカ軍に打撃を与えることが勝利の鍵。それには対艦弾道ミサイルの性能が運命を左右する。何故なら人民解放軍だけの攻撃では勝利は得られない。

 さらにアメリカ空母艦隊の防御力が高ければ、防御から攻勢に転じたアメリカ軍の反撃に対応できない。アメリカ空母艦隊が1カ月防御に成功すれば、この間に世界各地からアメリカ軍がアジアに集まる。これでは既成事実を用いた和平交渉は不可能。それだけ中国共産党には苦しい選択だが、僅かな勝利の可能性でも開戦による決戦戦略しか選べない。

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