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中国共産党は勝機を失った

■中国共産党の蠢動

 中国発の武漢ウイルス(COVID-19)パンデミックになり世界は対応に追われた。だが中国共産党は強気の姿勢を崩さず、それどころか隣接国に覇権を拡大する動きを見せている。さらに、アンティファ(ANTIFA)・国連を用いた反アメリカ活動まで囁かれている。

 中国共産党はアメリカの圧力を跳ね除け、香港の一国二制度を無視。インドとの国境紛争を起こすなど、強気の姿勢を貫いている。さらに中印国境付近の軍事行動を見せ付けており、戦争を覚悟した意思を感じさせる。

戦争学研究家 上岡龍次氏

戦争学研究家 上岡龍次氏

■インドは陽動

 中国とインドの国境問題が続いているが、5月から人民解放軍の動きが活発化する。そして6月15日になると、人民解放軍がインド軍を石・棍棒などで襲撃。これは火器を使わないとの合意に適合した攻撃になるが、1975年以降で初めての死者が発生する。

 インド側の発表では、人民解放軍は5月以後から部隊を移動させ、さらに基地らしきものを建造している。これらは奇襲性もなく、明らかに人民解放軍の動きを見せ付ける動きに見える。

 人民解放軍の主攻は香港・台湾で、こちらが本命。中印国境地帯はこれらの反対側に位置する。陽動は主攻から遠くに離すのが基本。中印国境で人民解放軍の動きを見せ付け、アメリカ軍に注意を向けさせるには最適な位置になる。

■開戦のタイミングを間違えた

 仮に中国共産党が中印国境の騒ぎを開戦を意図したものとすれば、中国共産党は勝機を失ったと言える。陽動として最適なのに、中国共産党は何故勝機を失うのか?

1:奇襲性を失った。
2:アメリカ軍は武漢ウイルス(COVID-19)の混乱から立ち直った
3:武漢ウイルス(COVID-19)パンデミックに慣れた。

 重要なのは、中国共産党が奇襲性を失ったことが大きい。2020年1月から武漢ウイルス(COVID-19)の感染拡大が世界に広がり、3月から世界は対応に追われた。この段階でアメリカ国内とアメリカ軍に感染拡大が始まり、戦争するには物資移動と部隊移動が困難になり始めた。さらに悪いことに、アメリカ海軍の空母で感染者が出たことは致命的だった。

 仮に中国共産党がこの時期に開戦していれば、中国共産党に勝ち目があった。何故ならアメリカ軍の強みである、生産・輸送・備蓄・補給の兵站が得られない。この時期であれば、アジアに限定すれば人民解放軍に勝機があった。

 だが5月になると、アメリカ国内とアメリカ軍は武漢ウイルス(COVID-19)に対して混乱から抜け出している。これは武漢ウイルス(COVID-19)を収束させたのではなく、鈍感になっただけ。アメリカ人・アメリカ軍は感染の恐怖に鈍感になり、慣れてしまった。こうなれば武漢ウイルス(COVID-19)パンデミックを悪用した開戦は奇襲性を失い、アメリカ軍は兵站を活かした戦闘が可能になる。

■砲撃戦の混乱と慣れ

 第1次世界大戦の欧州は塹壕戦になった。攻撃に出れば守備側の部隊からマシンガンで弾丸の雨が浴びせられる。陣地に籠れば、敵軍の砲兵隊から砲弾の雨を受けた。第1次世界大戦の砲撃戦では、1日だけで10万発の砲弾が消費され、それが7日間続くことは珍しくない。

 連日砲弾の炸裂で轟音と振動に兵士は包まれるが、兵士が混乱するのは最初の数時間だけ。その後は時間経過に合わせて鈍感になっている。これは兵士の強がりではなく、轟音と振動への慣れ。

 10万発の砲弾が炸裂するが、戦死者は4人前後が統計として残されている。地下陣地に籠れば爆発の衝撃は土に吸収されるので、砲弾10万発の消費で4人戦死が基本。コストとして効率が悪いが、これが現実。

 そのため、地下陣地の兵士の多くが数時間で混乱から立ち直る。しかも戦死は珍しいから、鈍感になり慣れてしまうのだ。こうなれば敵軍が歩兵を投入して攻撃しても効果はない。何故なら奇襲性が失われ、砲撃が止んだら攻撃があると簡単に予測できてしまうからだ。

■中印国境でアメリカ軍は動かない

 アメリカ軍はペルシャ湾に基地を置いており、常にイランを警戒している。イランがアメリカ軍の一部を引き付けているが、中印国境の騒ぎでアメリカ軍を拘束することはできない。何故なら内陸部の中印国境付近はアメリカ軍の管轄外だから。

 海洋国家は基本的に海岸から200kmが侵攻の限界。だから内陸部の問題は、大陸の同盟国に任せるのが基本。内陸部に軍隊を配置するのは関与戦略であり、軍事よりも政治の色合いが濃い。

 仮に中国共産党が中印国境で戦闘を大規模に行っても、アメリカ軍はインド軍の後方支援程度に留まる。これは海岸部からインド軍を支援するのが大半で、中印国境にアメリカ軍を引き込むことはできない。

 アメリカ軍は対テロ戦争としてアフガニスタンに侵攻したのは事実。これは必要だから侵攻しただけで、中印国境付近は必要性のない戦域。だからアメリカ軍から見れば、中印国境はインド軍の領域になる。

■アメリカ軍の視点から見れば

 世界は武漢ウイルス(COVID-19)の感染に鈍感になった。今では感染者数が増加しても不安を持たない。各国の市民は都市封鎖で自宅から出られなくなり自由を奪われた。始めは感染対策だったが、今では誰が感染しても鈍感。

 これで中国共産党が開戦すれば、アメリカ軍は感染者が出ても戦闘を継続する。感染が日常生活なら、武漢ウイルス(COVID-19)パンデミックは混乱ではない。ならばアメリカ軍は即座に反撃する。しかも中印国境が陽動だとすれば、アメリカ軍は警戒態勢になるだけ。なので中国共産党は奇襲性を失い勝機を失った。

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