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コロナウイルスによる外出自粛が招く、家庭崩壊の危機

 世界を震撼させている新型コロナウイルス。もしコロナにかかってしまったら、重症化してしまったら、という見えない不安が世界中を襲っています。コロナ感染をなるべく食い止めようと外出禁止を強制する国も多数出てきています。日本でもテレワークを求められたり、やむなく休業を求められたりして、自宅で過ごす社会人も増えてきています。

 外出自粛要請が出されているため、なるべく不要な外出を避けようと、自宅には毎日普段家にいない夫や子供がいたり、ストレスを溜めている妻が多いといいます。また、夫も慣れない自宅での仕事や、家事、育児への協力を求められるストレス、あるいは経済的に不安定になっていることへのストレスなどを、根源であるコロナや対応の遅い政府に直接ぶつけられず、妻や子供に暴力を振るうことで発散させるなどして、家庭内DVが増えてきているという報告もあります。

 特にコロナによる死者の7割が集中している欧州や、それに次いで死者が急増しているアメリカでもDVの増加が深刻な問題になっています。日本でもDV相談が増えているようですが、ネット上では「コロナ離婚」というワードがトレンド入りするほど、コロナによる外出自粛によって夫婦間の溝が増し、離婚を考える人が多くいる様子です。

コロナを理由に離婚を決意しやすい状況に

 SNS上の「コロナ離婚」に対する投稿を見てみると、離婚に踏み切ろうと思っているのは、主に妻の方で、大きな原因はまず、自宅にいる夫への不満やストレス、次いで、危機意識が低く、飲み会や外出を平気で行うことへの怒りなどです。

 前者の具体的な例としては、自宅で仕事をしている夫に気を遣って、なるべく静かに家事を行わなければいけず、普段行っている家事の効率化が図れないことが辛いという声や、仕事がなくて家にいるだけなのに家事、育児を一切手伝ってくれないことへのストレスで離婚したくなるという声が上がっています。

 後者は、妻と子どもは外に出たくとも感染の恐れを考えて外出を控えているのにも関わらず、自分は大丈夫という過信や、自宅にいることに耐えきれず短い時間だからと飲みに出歩く、また、帰宅しても手を洗わずに子どもに触れようとする、念入りに手を洗わず、ただ石鹸を手につけて流しているだけという危機感の低さに怒りを感じるということがあるようです。

 その他にも様々、SNS上では「コロナ離婚」に対する実体験が投稿されています。

 「これだけの状況の中でも、まだ飲みに行く人、本当に意味がわからないし軽蔑という思いしかない。 そんな人を伴侶に持ってしまった自分にも落胆するけど、これで綺麗さっぱり離婚に踏み切れる。 もう一緒にいたくありません!!」

 「旦那が家に居るからイライラして離婚、ではないと思うの コロナに対する危機感の違いに苛立つんだと思う まあ少なくとも私は今そこにイラついてる」

 「コロナ離婚はこれらが多大なストレスだという話なのに、このタグで『旦那さんに家事をしてほしいなら上手にお願いして褒めよう』とか言ってる人を見るとしんどい >夫が在宅勤務になったが家事を増やし育児邪魔する >夫が備蓄や防疫をバカにし、自分は気にせず遊びにいく」

 「アホの旦那は今日会社の送別会に参加しようとしていた。行くなと言ったら『文句あるなら行かへんわっ!』とキレ気味に言われた。一応、参加せずに帰って来た。一応、離婚は見送ることにした。参加してたら離婚しようと思っていた。」

 「もし、ロックダウンになったら、 娘を連れて実家に行こうと思っている。夫と長期間同じ屋根の下は無理。 絶対に私が潰れてしまう。 何か、今回の騒動で、離婚出来るのでは?と密かに希望を持ってしまっている」

 一方で、「コロナ離婚」を客観的に見た投稿もいくつかありました。

 「コロナが夫婦をアカンようにするのではなく、その夫婦が元々アカンということをコロナが暴いただけではないか」

 「ハナから原因はあるんでしょうし、それが『四六時中顔を突き合わせてること』で目立つようになっただけ」

 「私の旦那は在宅自営業、私無職、24時間毎日一緒。2人とも引きこもりでコロナ関係なく外出しない。 出かけても、お互い友達も少ないので旦那としか出かけない。 でも出会った日から結婚して何年も立つ今も喧嘩ゼロ。 離婚する人はコロナのせいじゃないと思う。」

 「コロナ離婚が増えている。 コロナはきっかけでしかなく隠れていたものが表れただけ。 今こそ本当の愛を確かめるチャンス」

 「ばかじゃないの! コロナで家にいるから離婚?? いやいや、家族は一緒にいるから家族なんじゃ? そもそもなんで結婚したの? 限界? もともと破綻してたんじゃ?」

落ち着いて夫婦で話し合う良い機会

 コロナ離婚を客観的に見ると、確かにコロナはきっかけにすぎず、そもそも夫婦の仲が破たんしていた人達が、普段見ないようにして耐えてきたものが、ストレスによって爆発し、夫婦の溝が深まり、離婚を決断するに至るのでしょう。このような非常事態の時こそ、互いに支え合って家庭を守っていくことが本来の夫婦の姿ですが、現実は、非常事態によって普段の生活とはまるで異なる1日のスケジュールに翻弄され、心に余裕がなくなり、自分の事で精一杯になってしまうものです。

 また、仕事が制限されることで経済的にも困窮してくるため、様々な要因がのしかかってストレスが溜まる一方で、発散できる場もなく、外に出ることもできないとなると、普段から夫婦仲が良好でないとお互いへの配慮ができず、ぶつかり合ってしまうことは容易に想像できます。

 私たち夫婦は、普段からそれぞれ自宅で仕事をしており、娘もまだ保育園に預ける前なので、外出自粛要請が来てもそれほど生活に変化はありません。ただ、子どもが生まれてから1年間は、夫とどのように家事、育児を分担して、義父母にもどのように協力してもらって、自分の仕事をこなせばいいのか、かなり試行錯誤して、時には夫婦でぶつかりながら、ようやく今の状況に落ち着きました。

 平日の午前中に娘を義母にみてもらい、その間に自分の仕事をして、午後は娘をみながら家事をして、夫には昼の休憩時間や、仕事が終わってから娘と遊んでもらったり、お風呂を一緒にいれたりしてもらい、お風呂掃除をしてもらうなどして、やるべき家事、育児を分担して円滑に1日のサイクルをこなせるようにしました。

 そうなるまではほとんど1人でこなしていたのでもちろんストレスがかかり、夫にやってもらいたくても、遠慮して言えず、積極的にやってくれないことに1人で不満を抱えていました。それが耐え切れなくなって、泣きながら毎日が苦しいことを伝えると、「何をしていいのか言ってくれないと分からなかった、大変そうにしているのは気づいていたけど、ただ怒っているように見えて怖かった」と正直に言われ、自分が思っていた“家事、育児を積極的にしない夫”という印象が崩れていきました。伝えなかったから分からなかっただけだということが、話してみて初めて分かり、それからは夫に対してやってほしいことや、ストレスに感じていることなどを正直に話すようにして、夫婦で協力していく術を覚えました。

 今、「コロナ離婚」を考えている人達も、夫婦同士の話し合いを通して相手の考えを知ることができれば、離婚の危機から回避できるかもしれません。長年積み重なってきた相手への不満もあるかと思いますが、まずは自分の思いを整理して、落ち着いて自身の思いを話し、相手の考えを否定せずに聞いて、受け入れることが大切だと思います。パートナーへの不満は一緒に生活をしていれば必ず出てくるものですが、自身の中だけで不満を募らせ、ストレスを抱え込んで離婚するしかないという結論に至るのはまだ早いのではないでしょうか。経済的にも困難になってきている現状、1人で子どもを抱えて生きていくのは容易なことではありません。トレンドになるほど多くの人が考えている「コロナ離婚」、自宅で一緒にいる時間が長い今こそ、夫婦で腹を割って話し合って、夫婦関係を見つめ直す機会になればと思います。

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