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新型コロナで一斉臨時休校―子ども達の居場所はどこに?

 世界中を震撼させている新型コロナウイルス。先日、安倍首相が緊急会見を開き、感染拡大を防ぐため、2日から全国の小中高へ臨時休校を要請しました。1年間のまとめを迎え、学年を共に過ごした友達との思い出を作るこの時期に、学校を休みとする措置は「断腸の思いだ」と安倍首相は述べ、臨時休校に対する理解を国民に求めていました。感染拡大を防ぐため、リモートワークが認められている保護者もいますが、臨時休校により仕事を休まざるを得ない保護者や、休みたくても休めない保護者もいるため、今回の処置についてすんなりと理解を示せる人は多くないように感じます。

 安倍首相は、保護者の負担軽減に向けて、学童保育は春休みと同じく午前中から開所したり、保育所は通常通り開所したりするなど、各自治体の取り組みを全力で支援し、休職に伴う所得の減少に対する手当を行うなどの支援を行うと説明していました。具体的な策は今後数日の内に取りまとめ、再度会見が開かれると思いますが、不透明な状態のまま、家庭内も企業も混乱する中、臨時休校となってしまいました。

感染を抑えるためには致し方ない政府の判断ではあるものの…

 各自治体では臨時休校要請を受け、現場に合わせた様々な判断を下しています。東京都や仙台市、名古屋市、福岡市、北九州市は、要請通り2日から休校となりました。一方で、授業の進み具合や、臨時休校をするまでの準備が足りないとして、横浜市、静岡市、兵庫県、神戸市は1日遅らせて3日からとしたり、那覇市は3日から13日までを休校とすることを決めています。

 中には、休校をしないと判断した自治体もあります。休校を決めた那覇市のある沖縄県でも、本土から遠く離れているため、県や島へ入って来る人も限られている、地域での感染が確認されていないことから休校をしない判断を下しました。他にも、島根、兵庫、群馬、栃木、岡山など、沖縄県同様、県内や市内で感染者が確認されていないため、感染者が確認されるまでという条件付きで休校をしない方針を決定しました。

 世界保健機関(WHO)は2月28日、コロナウイルスの感染の危険度を、4段階で上から2番めの「高い」から、最高レベルの「非常に高い」に引き上げ、世界中で国境を越えた感染増加に歯止めがきかないことから、各国に更なる対策を呼びかけました。感染力は高くても多くの国で小規模にとどまっていることから、ウイルスの封じ込めは可能だと指摘していました。それを受けて日本政府も臨時休校とする方針を固め、感染を増加させない対策をとったのでしょう。

 政府の要請は致し方ないと思いますが、突然の休校に子ども達も保護者も学校側も困惑しており、家庭内で子どもをどのように過ごさせるか悩ましい限りです。学童保育は開所していても結局密閉空間に大勢の子どもが集まっては感染を防ぐことは難しいでしょうし、幼児を預けている保育所は通常通り開所しているので、仕事を休めない保護者にとっては良くても、感染のリスクを抱えた上で預けることになり、小中高を休校にしてもどこまで感染が抑制されるか不透明な気もします。

 義母が現在、特別支援学級の軽度の障害を持ったお子さんを放課後預かるケアサービスの仕事をしているのですが、義母の働く所では、外で遊ばせることは感染の危険が上がるとして、学校が休みの期間、朝から開所して1日中室内で10人を限度に預かることを決めたそうです。しかし、日中働く保護者からお願いをされ、結局10人以上を預かることになりました。

 普段は晴れていれば公園に行って、体を動かすことでストレスを発散しているそうなのですが、雨の日など外に行けない時、室内で過ごさせるとストレスがたまって暴れたり、暴力を振るったりする子どももいるようです。

 そのような状態の子ども達を1日中室内で見守るというのは、感染のリスクもありますし、子どもたちのストレスもたまるとして、義母は自宅にウイルスを持って来たくはないという理由で、ウイルスがある程度収束して外遊びができるようになるまで仕事を休むことにしました。私も妊娠しており、子どももまだ3歳なので、もし自宅にウイルスを持ち込んだ場合、自分は良くても家族に感染させるのはまずいということで決断していました。

「子どもを預けられない」「仕事を休めない」、相次ぐ不安と不満の声

 家庭内での対策が必要になってきている現状、SNS上では臨時休校について様々な意見や困惑の声が上がっています。

 以下のように、休校の処置に対して賛成、または理解できるけど困惑しているという意見が多数みられます。

 「学校休みの決定はしょうがないと思う。だけど休校中どう過ごす? 近隣の道路族が凶器のボールを投げ回し奇声と騒音を撒き散らす毎日になるならコロナに次ぐ恐怖だー」

 「子供達は明日まで学校、明後日から2週間休校。お互いイライラしないための策を練らねば」

 「新型コロナウイルスの感染者を 1人確認してから瞬く間に 感染していく様子を見れば 学校を休校させて良かったと思う」

 「異例の事態で、全員が困惑してるだろうけど、免疫力が大人に比べて弱い子供達を最優先した安倍総理はいい判断だと思う。各学生の卒業生には辛すぎる現実だけど」

 「全国の小中学校高校が一斉休校だと…日本も大きく舵を切ったね。 前のSARSの時よりも大変だね。 安倍総理もこの決断は良かったと思う!北海道みたいにドバっと感染しないためにね!」

 一方で、報道でも言われているように、批判の声や対応の遅さを指摘する声も上がっています。

 「『休校に全国衝撃』みたいなニュースやってるけど、もはやコロナというより政策でパニックになってるだろこれ!!!」

 「2009年の新型インフルエンザの時に一斉休校した時の悪影響を思い出してほしい。子どもが学校に通うことで、高リスク者との接点を減らせるというメリットにも着目してほしい。子どもの重症化は確認されず、学校で感染拡大している事例もなし。感染者のいない小中学校の休校に反対です」

 「今年中学を卒業する者です やっと受験が終わって思い出を作るところだったのに、休校なんてあまりにもひどいです。 もう一度よく考えてみてください。 家には電車で通勤している親がいます。 なのに休校にしたら逆効果じゃないですか? 私たち学生の気持ちも尊重して欲しいです」

 「学校休みにしたところで、働いてる親が伝染るかもしれないし、子供たちだって家で大人しくしてる訳ないし、結局出歩いて伝染るリスクはかわらないと思うねー」

 「2週間… 働かないと生活できない。でも 7歳ひとりで、留守番はできない。なんでなんのバックアップもなしにいきなり遮断なんだろう。危険なことはわかってる。でも暮らせないのは死活問題やねん。不安と不満しかない」

 「うちみたいに高学年だったら留守番とかも出来るけど、片親の低学年の子とかどうするん? だれが面倒見るの? 会社休んだら文句言われるのはこっちな訳よ。 国はこういう企業に対してどうアプローチするの? 育児世帯に対しての有給強制取得とかさせないとどうにも出来ないって」

 「保育園や学童は? 共働きからしたら仕方ないけど 結局保育士の命はどうでもいいんだ って思っちゃう。 保育園で流行ったら流行ったで 『園の衛生管理はどうなってる⁉︎』 って言うんでしょ ウイルスが見つかった時点で ちゃんと警告してたらここまで ならなかったんじゃないの」

 突然の休校に、幼い子どもを家に置いておけない、預ける場所も人もなく、仕事も休めないという家庭は少なくないでしょう。少人数なら家に集めても感染リスクは高くないとされているため、子どもの預け先がない場合は、近所の人や同じ学校の保護者同士で連携して、自宅で子どもを見守れる保護者の家で面倒を見てもらうなど、このような非常事態の時こそ快く助け合うことが大切だと思います。各家庭で孤立している現代社会ですが、本来子どもは保護者だけが面倒を見るのではなく、近所や他の大人達で協力し合って育てていくものです。

 政府の判断は確かに遅く、突然の要請で各自治体や学校、家庭内で困惑の声が上がるのも無理はありません。しかし、拡大するか、収束するかの岐路だとされているこの2週間、幼い命を危険にさらすリスクを避けるためには致し方ない決断だったとことでしょう。感染リスクを抑制するためには狭い空間での集団行動は避けるに越したことはありません。

 批判の声を上げたくなる気持ちも分かりますが、休校となってしまった以上、文句を並べていても何にもならないので、家庭内で話し合い、友人や他の保護者を頼るなどして、子どもを預ける手立てを考える必要があります。頼る側だけでなく、頼られる側も自ら手を差し伸べて、助け合いしやすい関係を築けることがベストではないでしょうか。

 今後、更なる自然災害や、日常生活を送ることが困難になる脅威が待ち受けているかもしれません。その時のことを考えて、今回の件を機に、助け合いのできる関係性を周囲の人達と築いていく必要があるのではと思わされました。

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