«
»

アメリカの今後の方針と対中国包囲網

■トランプ大統領は歓迎

 台湾総統選挙で蔡英文氏が再選。即座にトランプ大統領は歓迎し、軍事と経済で台湾を支援することを表明。アメリカは中国の太平洋進出を阻止するために、台湾を重要な防衛拠点と見なしている。

■アメリカの基本方針

 アメリカは冷戦期から、核戦争から通常戦争まで幅広く方針を定めている。冷戦期に定められた基本方針だが、現在でも有効だと思われる。

国土戦域の核戦争 =戦略核戦争(米ソ全面戦争)であり米国が戦う。
前方戦域の核戦争 =戦域核戦で核保有国(米英仏)が連合して対処。
前方戦域の通常戦争=通常戦で連合対処。
覇権戦域の局地戦争=同盟国が第1次責任、米国は軍事援助

 冷戦期は国土戦域の戦争か前方戦域の核戦争が想定されていた。これは核弾頭ミサイルをお互いに撃ち合うだけの戦争で、戦術・戦略が消え失せた方針。

 冷戦が終わると通常戦争か局地戦争に変わり、戦術・戦略がアメリカ軍に戻った時代になる。冷戦後のアメリカは国際情勢に合わせて同盟国と連合して戦争するか、同盟国を戦わせ軍事支援する方針になっている。

 実際に使われているのは覇権戦域の局地戦争。この典型例がイスラエル。アメリカはイスラエルと連合して対処していない。アメリカはイスラエルに軍事支援してイスラエルに中東の軍事バランスを維持させている。アメリカの基本方針は前方戦域の通常戦争の連合対処。典型例は湾岸戦争・イラク戦争などで、集団的自衛権を用いることが多い。

■台湾の今後

 中国の太平洋進出・インド洋進出を阻止するために、トランプ大統領は基本方針を変えた。これまでの前方戦域の通常戦争では、アメリカ軍が直接戦闘に参加するからコストが悪い。同盟国と連合対処するから負担は軽くなるが、同盟国はパトロールや後方支援が大半。実際に戦闘するのはアメリカ軍だから、トランプ大統領は不満だった。

 トランプ大統領は台湾と湾岸戦争・イラク戦争の様な同盟国と連合対処することは止めた。代わりにイスラエルの様に覇権戦域の局地戦争で中国と戦わせることを選んだ。つまり台湾はアメリカの代わりに代理戦争をする立場。良く言えばアジアのバランサーなのだ。

 中国と台湾が戦争すれば、台湾が中国の国力を消耗させる。しかも台湾は人民解放軍が太平洋・南シナ海に進出する時の門になる。台湾が門番として人民解放軍を阻止するから、アメリカ軍は軍事支援を行うことで中国を消耗させることが可能。

■日本の今後

 日本も台湾と同じく覇権戦域の局地戦争を担当する。これは既に始まっており、そのためにトランプ大統領は日本にF-35Aを売ったのだ。つまり日本と台湾が門番となり、中国の太平洋・南シナ海進出を阻止する。今後アメリカ主導の台湾・日本の連合軍が予想され、台湾・日本連合軍がアジアのバランサーとして運用されるだろう。

 これまでは在日米軍がアジア防衛を担っていたが、今後は日本がアメリカの支援を受けながら防衛を行うことになる。これは日本の自力防衛と同時に、外国と協力して平和を維持することを意味する。

 これは日本から戦争を始めるのではない。今の平和を維持することが目的だから、今の平和を否定する中国から平和を守る戦いを行う。だから台湾・日本はアジアのバランサー。主戦場は東シナ海・南シナ海・日本海が想定される。このための防衛力整備であり、貿易の生命線である海上交通路を守ることが目的なのだ。

■韓国の今後

 地政学から見れば、アメリカ軍は韓国に駐留することが好ましい。だがトランプ大統領は在韓米軍を撤退させようとしている。在韓米軍の代わりに、韓国と日本の連合対処で北朝鮮・ロシアに対抗させようとしている。軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は米国主導で作られたが、韓国は理解せぬまま破棄(破棄延期中)。これでアメリカは困惑している。

 韓国はアメリカの同盟国のはずだが、今では中国に接近している。韓国の迷走でアメリカの方針を実行することができない。これでアメリカの困惑は怒りに変わり、韓国政権崩壊は既定路線になった。

■韓国が穴

 アメリカはアジアで対中国包囲網を作ろうとしている。台湾と日本が門番となり中国の太平洋・南シナ海進出は阻止できる。だが韓国の立ち位置が不明になった。韓国抜きでも実行可能だが、韓国が台湾と日本の行動を妨害する可能性がある。これは中国・韓国連合軍による対中国包囲網突破になる。韓国政治の迷走から見れば、韓国が中国陣営に参加する可能性を否定できない。アメリカはこの可能性を想定し、韓国の制御が今後の課題になるだろう。

5

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。