ワシントン・タイムズ・ジャパン
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中東がきな臭くなっている、日本は?

 アメリカのイラン革命防衛隊の司令官の暗殺に伴い中東情勢がきな臭くなっていると報道が多くなってきました。

 でも、このイランの革命防衛隊のコッズ部隊の司令官が暗殺された場所に注目しているマスコミは少ないのですが、なんとそれはイラク国内です。

 何でイランの革命防衛隊の司令官がイラク国内にいる必要があるのか?

 そしてなぜこのタイミングで米軍は殺害したのかを考えるべきだと思います。

 イランの革命防衛隊の司令官がイラン国内で殺害されたらまだ理解できますが、かつてイラン・イラク戦争で戦った相手の国にイランの宗教最高指導者のハメネイ氏の側近中の側近がいたのかを考えると、アメリカの防衛のための予備措置だということが分かります。

 数年前に猛威を振るったIS(イスラム国)の勢力範囲をイラン革命防衛隊が肩代わりしているようです。これはイラン国の軍隊ではなく、イスラム教国全体の守護者として存在しているそうです。

 イランには政府が管轄する正規軍も存在しますが、宗教指導者の元に存在するイラン革命防衛隊も17万5千人の規模で正規軍以上の武器をそろえて君臨するそうです。

 それがイランではなく、イラクで暗躍していることを考えれば、次に何か悪だくみを考えているとアメリカは察知し、事前の予防措置をとったようです。

 それくらい中東情勢はひっ迫しています。先ほどニュースで安倍総理の中東歴訪は中止されることが決まったそうですが、賢明な措置だと思います。一国の総理が相手国の安全も確保できないところにのこのこ行く必要はありません。

 イラン国内で二つの指揮命令系統の違った軍事力が存在すること自体がおかしいのです。

 しかし、私が危惧するのは、これは遠い中東のことで自分たちには関係ないと思っている人が大勢にいるのです。

 それは政府の中にもいます。

 というのは、中東情勢がひっ迫すれば、危機管理として考えなければならないのは、エネルギー安全保障です。8割を中東に頼っている日本の石油政策としては、ここで原油価格の上昇に見舞われれば、消費税のアップとともに日本経済に大打撃を与えます。

 もちろん他国もそうですから、輸出の減少、国内消費の低迷等々、新年早々日本は大きな危機に遭遇することになります。

 昔、第四次中東戦争(1973年10月勃発)を契機に石油ショックが日本を襲い、原油価格の高騰と共に、安い中東の石油に支えられていた日本経済は大打撃を受けました。

 その際に石油依存型の経済構造を変革させるために取られたのが原子力の安全利用、つまり原子力発電所の増設でした。

 そして日本国内では順調に増設され、最大では国内の電力の3割ほどを原子力発電所で供給していたのです。

 そして2011年の3月11日の東北大震災で地震では安全に自動停止したものの、その後の津波によって、全電源が喪失したため、炉心がむき出しとなり、化学反応を起こし水素が充満して水素爆発が起こり、放射線をまき散らしました。

 当時は水素爆発のショッキングな映像によって大事件だと大騒ぎとなり、科学的知識のない人たちが風評被害によって全く関係のない東京から避難をするほどでした。政治家では小沢一郎が自分の選挙基盤の人たちを見捨てて、さらに東京からも逃げ出したと愛想をつかした前妻から暴露され、政治家としての信用を大幅に落としました。

 その後いろんな科学的調査が進み、水素爆発した原子炉よりも、せずに建屋が残っている二号機からの放射線が一番多かったとか、炉心が爆発して露出したチェルノブイリよりも圧倒的に少ないものであったとか、いろんなことが分かってきました。

 いまでは福島第一原子力発電所のほとんどの部分で普通の服で歩き回れるようになっていますし、チェルノブイリ発電所も今は観光名所になっています。

 山本太郎が各地で行っている対話集会の中で、原子力に関しての知識はとても限定されたもので、止めるリスクよりも止めないリスクの方が圧倒的に少ないということを一切言いません。彼は初めに反原発ありきで物をしゃべっており、科学的根拠は一切ありません。

 また、地震や津波対策はあの事故の後に施された原子力発電所は幾重にも安全対策が施されていますが、火力発電所はほぼ無防備です。ですから、南海トラフ地震や首都圏直下型地震が来てその地域が大きな被害が起きた場合、その復興は原子力発電所で作られた電気によってできるのですが、それを止めていたら、被災者はいつまでたっても復旧できずに二次被害を受けることになるのです。

 また東北大震災で首都圏が大停電を免れたのは新潟の柏崎刈羽原子力発電所から供給されていた電気だったことをぜひ知っておくべきです。

 3割の電力というのは、最大の需要に対しての三割ですから、普通に節電をして過ごせば、間に合う電力となります。

 つまりもし中東からの原油が止まっても、原子力やその他の発電設備によって、当座の電力は賄えるのですが、一基も稼働していない首都圏は一気に電力不足となり、経済に大きな影響をだし、弱者がどんどん被害を蒙るのです。

 そのリスクの想定をしてみてください。怖くなりませんか?

 原子力規制委員会は菅直人が権限を以上に強化させ、共産党のシンパの田中俊一委員長をすえて、日本の原子力行政を停滞させるように仕組んだのです。次の更田委員長も原子力規制委員会の利権を守るためだけに規制を強化し、せっかく稼働している川内原子力発電所1号機と2号機を3月5月に止めさせようとしています。

 表向きは定期点検のために止めるようになっていますが、ただのごまかしです。

 またこういう中東情勢が不安定になり、いつ原油や天然ガスの価格が上昇した時に、一番被害を蒙るのは私たち国民です。

 私は安倍政権を支持していますが、このエネルギー安全保障政策にはとても懐疑的な目を持って見ています。

 本当にこれでいいのでしょうか?

 産経新聞の三日ほど前の櫻井よしこ先生のコラムにそのことが明記されています。

 とても歯がゆいのです。

 左巻きの嘘やデマに惑わされないで、原子力発電所を動かさないリスクの大きさを十分に認識しないと大変なことになります。


「井上政典のブログ」より転載
https://ameblo.jp/rekishinavi/

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