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生理をオープンにしても、女性同士の理解が得がたい生理の個人差

 男女平等がうたわれる近年。女性が男性と同じく社会で活躍するためにも、女性と男性の違いをオープンにし、違いを認めた上で互いに譲歩しながら仕事を進めていく必要性を感じさせられます。

 男女の違いを突き詰めていくと、これまで公には語られてこなかった性的な秘められた部分を明かしていかなかればなりません。特に女性は、妊娠のために必要な身体的痛み、心の浮き沈みなど、人によっては日常生活すらままならない場合もあります。

 最近は女性であれば誰もが経験する「生理」をオープンにする動きも活発化しています。情報番組で生理をテーマにしたトピックが放送されたり、SNS上でも生理について語る場が増えてきています。今回調べてみて、男性だけでなく、男女平等を訴え、社会で活躍している女性をはじめとして、全ての女性にとっても生理について考える必要があることを実感しました。

生理を知らせる「生理バッジ」に批判殺到

 ある情報番組では、大阪の老舗百貨店「大丸」梅田店の「生理バッジ」を取り上げていました。妊娠を知らせる「妊婦マーク」と同じように、女性従業員が生理中であることを知らせる「生理バッジ」を試験的に導入したことが紹介され、導入の経緯などを紹介していました。生理バッジは、ネット発の人気漫画「ツキイチ!生理ちゃん」とのコラボ企画で、名札の下にある告知用の札を裏返すと「生理ちゃん」の漫画が描かれており、生理中であることを知らせるというものです。この企画では、任意で約500人の女性従業員がバッジをつけていたといいます。

 生理バッジのきっかけは、オープンしたばかりの最新の生理用品などを扱う売り場で、若手女性社員の「生理に対する理解を深めたい」という提案を受けて、このフロアで働く女性社員従業員に生理バッジを提供することにしました。女性従業員達からは肯定的な意見が多かったようですが、放送後、ネット上では賛否の声が上がり、大炎上。大丸百貨店には批判の声が多く寄せられ、生理バッジを取りやめることが発表されました。

 賛成意見の中には、「生理のしんどさをみんなで考えようという流れのきっかけになったのは良いことだと思う」、「電車などではつけたいかも。辛くて優先席に座っていても肩身の狭い思いしなくてすみそう」、「生理について意見を交わす良い機会になった。生理バッジの功績は偉大」など、生理バッジが生理をオープンにしたきっかけとなったことを肯定的に捉えているようでした。しかし、賛成の中にも生理バッジは続かない、職場でつける意味が分からないなど、生理バッジが必ずしも受け入れやすいものではないというようでした。

 そして案の定、大半の人が反対。私も生理バッジの存在を知った時はつける必要性が理解できませんでした。反対する理由としては、嫌悪感とプライバシーの侵害が多く、従業員同士だけでなく、客に公表してどうするのかという疑問の声も上がっていました。名札の裏がバッジになっているのでなにかの拍子でお客さんに見えたりすることも考えられます。控室の掲示板に張り出して、従業員同士でカバーし合えばいいという意見もありました。

 また、生理バッジを導入するよりも生理中の従業員の福利厚生を考えてほしいという意見もありました。例えば、「接客していない時に座っていい椅子を用意しておく」、「トイレにナプキンを置いておく」、「生理中の従業員は休憩時間を長く持てるようにする」、「生理休暇が取りやすい環境づくりをしてほしい」など、生理中の女性が働きやすい職場環境を現実的に整えてほしいと求める声も上がっていました。生理中のお腹の痛みや、立っているしんどさを従業員同士が理解し合って、カバーし合ったり、生理痛が重い従業員が生理休暇を取やすい雰囲気にするなどの配慮ができている職場は数少ないのではないでしょうか。

 生理バッジ導入によって、女性が働きやすい環境を整えるきっかけになるのであればいいと思いますが、生理を従業員同士で伝え合い、配慮し合うことに慣れていない中では、生理バッジをつけている人とつけていない人との間で摩擦が生じる可能性もあります。生理バッジは取りやめになりましたが、これをきっかけに、多くの企業や職場が、女性の生理について考える機会を設けるようになればと願います。

生理の個人差を理解できないが故に生まれる溝

 別の情報番組でも、生理をテーマに取り上げており、生理について語ることが難しい現実、夫や職場の同僚・上司に生理や閉経、更年期の症状について理解されず悩んでいるという多くの人たちのモヤモヤをどのように解消すればいいのかを考えるという内容でした。男性への理解を求めるため、男性タレントが医師の夫婦による「生理教室」に参加して、生理用品や生理全般について学ぶ内容を紹介していました。また、男性の理解不足だけでなく、生理の重さには個人差があるため、女性同士での理解を求めることが難しく、「母と娘」、「PTA」、「女性同士の職場」などで生まれてしまう溝について事例を紹介していました。

 「母と娘」でも個人差はあり、娘は生理痛が重く、母は軽い方だったため、「たかが生理で」、「精神が弱い」、「甘えだ」など母は娘に言っていたようです。ところが病院に行ってみると子宮筋腫とし判明し、手術を受けることになったという事例が紹介されていました。SNS上でも血の量が多い娘に「だらしない」と言っていた母が、自身も血の量が多くなって布団を汚したことで、謝ってきたことがあるという体験談を投稿している人もいました。また、姉妹でも生理の重さが全く違うことを細かく投稿している人もおり、家族でさえ違うのに、ましてや他人なら個人差があって当然なのだと感じさせられました。

 また、「女性同士の職場」では、生理痛を我慢しながら働いていたのに、女性の先輩から自分は閉経したから生理痛のことは忘れたと無神経なことを言われ、配慮してもらえなかったという事例が紹介されていました。

 生理休暇は労働基準法でも認められており、生理の症状が重い場合は取得するべき休暇なのですが、職場の雰囲気や、女性従業員から理解されないこともあり、休暇を取りづらいこともあるとか。実際、生理を理由に休まれるとモヤモヤするという人も少なからずいます。同性だからこそ、「自分は生理痛辛くても我慢して働いているのに」、「病気じゃないんだから生理痛ごときで休まないでよ」と、自分は大丈夫なのに何であなたは違うの、と責めたくなる気持ちになるのでしょう。

 痛みは個人差なので、完全に理解することは難しいかもしれませんが、生理痛が重い人はのたうち回るほどの痛みだったり、失神するほどの痛みだったり、お腹だけでなく、腰や頭など、全身が痛いこともあり、配慮し合えたらいいのにと思わざるを得ません。

生理痛同様、つわりも女性から共感を得がたい

 私は生理痛がそれほど重い方ではないので、学校でも職場でも普段の生活と変わらず過ごせていました。友人の中には生理が重く、数日しんどい思いをする人もおり、生理に個人差があることは理解していました。ただ、生理痛は病気ではない、痛み止めを飲めば動けるでしょという見方もする人も女性の中にはおり、生理痛を共感することは難しいと感じました。

 また、生理痛と同じく、つわりも個人差があるもので、生理同様女性同士でも理解されにくい現象だとここ数年で感じています。私はつわりはひどい方で、入院するほどのつわりではないのですが、1日中乗り物酔いの状態で、吐き気がとまらず、1人目の時は1日に必ず2回以上は吐き戻し、ご飯を食べれば必ず吐くというサイクルを繰り返していました。それが3、4カ月続き、ベッドから起きていられる時間がほとんどなく、それでも食事の準備をしたりと家事もこなさないといけなかったので、つわりがトラウマになるほどしんどかったです。

 2人目の時は少し軽くなりましたが、それでも1日中吐き気が続き、胃もたれがひどく、食べている途中から気持ち悪く、食後や歯磨きの後に必ず吐くという日々を3カ月ほど過ごしました。

 ママ友につわりが辛いと話しても、自分はそうじゃなかったと言われ、ママなんだからつわりは当然でしょというように共感してもらえず。女性同士では自分もつわり経験したし、弱音はいても仕方ないでしょと捉えられてしまうのかなと少し寂しく感じました。つわりになる妊婦さんもいるので、私の辛さとは比べものにならない程の辛さを経験している人も多くいます。つわりの妊婦さんからすれば甘えてるんじゃないよと思われるかもしれませんが、自宅でも1カ月程ほとんど毎日ベッドで過ごして、仕事もままならない状態でした。職場に通う仕事をしていたらどうなっていたかと考えるだけでぞっとします。

 つわりも生理痛も病気ではありませんが、共通しているのは赤ちゃんを産むために必要なことで、絶対に無理をしてはいけないということです。いくら周囲の人に共感、理解されないとしても、自分の体と将来生まれて来る赤ちゃんのことを考えると、体が痛みを訴えて来ている時は安静にして、この時ばかりは自分の体を優先させて、少しの時間でも休むことが大切です。

 男女平等に社会で活躍するためには、男性だけでなく、女性同士も互いに配慮が必要だということを全員が知っておく必要があります。そのためのきっかけとして、生理であることをオープンに伝え、快く配慮し合える職場の環境づくりを社会全体で努めていけたらと願うものです。

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