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中国はソロモン諸島を狙うが海洋戦略が成立しない

■中国はソロモン諸島を狙う

 中国は国営企業を使ってソロモン諸島の島を手に入れようとしている。ツラギ島丸ごと賃貸契約だが軍事利用することは明白。表向きは民間利用だとしても島全体の賃貸だから乗っ取りと同じ。

ソロモン諸島の島丸ごと賃貸、中国企業の契約は「無効」現地政府
https://www.afpbb.com/articles/-/3251380

 賃貸契約になれば現地政府の人間でさえ容易にはツラギ島に上陸できない。何故なら契約期間は中国の持ち物だから、中国の許可がなければ拒否される。

■中国の目的

 中国がソロモン諸島を狙う理由は太平洋の制海権を獲得するため。海戦は基地から戦場まで往復することで行われる。海戦は陸戦と異なり海を占領できない。だから基地から戦場まで継続的に往復することで制海権を獲得する。

海洋戦略=目的(制海権の獲得)・手段(敵艦隊+敵基地ネットワークの破壊)・方法(艦隊と基地ネットワークの造成)

 中国も海洋戦略に従い基地を獲得している。だが島であれば基地にできるわけではない。尖閣諸島は島が小さく水・食料などを獲得できない。南シナ海の人工島の様に大規模工事すれば泊地として利用可能。

基地:戦略的地勢・戦力(兵員・装備)の休養・補給・整備・防護の機能。そのためには基地周辺に工場と技術、本国との兵站連絡施設が必要。

泊地:戦略的地勢・戦力の休養・軽整備の機能で十分。

基地の価値
1:戦略的地勢
2:戦力(兵員・装備)の休養、補給・整備
3:防護の機能

泊地の価値
1:戦略的地勢
2:戦力の休養・軽整備の機能

 南シナ海の人工島は強引に基地化したので維持管理のコストが高い。可能であれば島が大きく水・食料を獲得できることが好ましい。さらに全長300mの軍艦を停泊できる水深も望まれる。そうなれば尖閣諸島は泊地になる。

 だがソロモン諸島は基地化できる島が存在する。第二次世界大戦では基地化され戦場となった。戦略的に重要な緊要地形なのだが、戦後アメリカが覇権を獲得したことで価値が低下。そのためアメリカ海軍は基地を放棄している。

 中国は隙間を狙いソロモン諸島に手を出した。戦時では戦略的に価値が高い島だから、平時の段階で獲得して戦時に備えているのだ。

■中国の基地獲得の欠点

 ソロモン諸島が戦時に重要な基地なのは事実。だが中国の基地獲得方法には致命的な欠点を抱えている。それは、基地建設は相互支援可能な配置をしなければならない。さらに数珠繋ぎの様に連続して建設することが好ましい。何故なら島は敵の攻撃で容易に孤立する。

 本来基地化するならば、台湾→フィリピン→パプアニューギニア→ソロモン諸島の順番で基地化しなければならない。そうでなければアメリカ海軍は容易に台湾付近で中国の後方連絡線を遮断できる。

 順番に基地化することで相互支援が可能になり、敵は後方連絡線の遮断が難しくなる。だが中国は獲得できる島から手を出した。見た目は有効に見えても、戦時になれば容易に孤立することを意味している。

 次の問題は基地を支援する都市機能の問題。基地は周囲に都市が存在することで有効に機能する。何故なら周囲の都市機能は輸送・補給・整備・休養に必要な機能を基地に提供する。物資の輸送は民間のインフラを使うからコストが安くなる。さらに整備に必要な工場を維持するので、兵器の整備能力に影響する。

 これが第二次世界大戦後にソロモン諸島が基地として放棄された理由。ソロモン諸島は緊要地形なのだが有力な都市が存在しない。だが日本は基地周辺に都市が存在するので生産・整備・補給・休息が可能。だから日本は基地として有益なのだ。

 ハワイ・沖縄は、生産以外は整備・補給・休息が可能な島。何故なら島の都市機能が島を支援している。だがソロモン諸島には都市機能がない。このため中国がソロモン諸島を基地化しても整備が難しい。

■台湾占領は第一歩

 本来は台湾占領が第一歩。中国は台湾を占領することで太平洋進出の挑戦権を獲得することになり、同時に南シナ海の出入口を獲得する。これで中国は日米が使う海上交通路を遮断する。それだけ台湾の戦略的価値は高い。

 だが中国は過去に台湾侵攻を試みたが失敗。その後、何度か台湾侵攻を示唆するが実行していない。何年も台湾占領が出来ないので、経済で現地民を買収し親中派を増やす道を選んでいる。これはフィリピン・ソロモン諸島にも適用されている。

 中国は経済支援により、フィリピン・ソロモン諸島で現地民の親中派を増やすことは成功している。だが基地支援に必要な都市機能は未だに未整備。これから整備するとしても30年以上の年月が必要になる。

(当記事のサムネイルはWikipediaから引用いたしました)

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