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予測的中!―米中金融戦争開始!!!

 産経新聞電子版「iRonna」で行われた宮崎正弘氏と私との対談で予測したように( https://ironna.jp/article/13109?p=1 )、ついに米中の摩擦は貿易戦争から金融戦争へと発展した。8月5日、米国は中国を為替操作国に指定したのである。

 この問題に関して分析を深めて見たいと思う。

 NYTが8月6日に配信した“The U.S. Labeled China a Currency Manipulator. Here’s What It Means”によれば、5日の発表で、財務省は、中国は「過小評価された通貨を促進する長い歴史があり、不当な競争上の優位性を獲得するために最近その通貨を切り下げる具体的な措置を講じた」と述べた。

中国は、2008年以来初めて為替レートがドルに対して7人民元を下回った4日に、通貨の価値を下げることを許可した。中国の中央銀行は、トップからの合意なくしてこのような動きをすることはなかっただろう。

しかし、この動きは市場の力に沿っている。

(中略)

最近、中国経済の弱体化とトランプ氏の関税により投資家が通貨を売却しているため、こうした市場の力が人民元の価値を押し下げている。(中略)中国は、大量売却を引き起こす恐れがあるため、人民元の価値があまりにも大きく変動することに消極的である。

そのため、中国政府は、長年にわたり中国が輸入したよりも多くの製品を輸出してきた膨大な外貨準備に注目し、これらのドルを使って人民元の価値を支えて来た。“

しかし“5日に、中国当局は10年以上ぶりに人民元を最低レベルまで下げた。(中略)そして、中国の最近の減価がトレンドの始まりである場合、世界経済にはるかに大きな影響を与える可能性がある。

より安い人民元はアメリカの輸出業者に損害を与え、トランプ氏の関税の効果を損なう。また、ヨーロッパ、日本、その他の地域の輸出業者を傷つける。“

そこで“トランプ氏は、この為替操作国指定を利用して、より高い関税を含む中国に対するさらなる行動を正当化することも出来る”ということも出来る“という重大な問題を指摘している。

Washington Examinerが8月7日に配信した“Trump reaching limit on China tariffs — but has other tools”によれば、“米国の申し立てによりIMF等が中国を為替操作国に分類すれば、米国は基本的に他の通貨ツールを自由に使用できるようになる。”

“例えば、トランプ政権が中国の電気通信会社であるHuaweiに課した制限の種類は、他の中国企業にも適用される可能性がある。”

“米国企業による対外投資に対する非常に厳しい審査プロセスを作成する可能性もあり、極端な場合には新規投資の禁止さえする可能性もある。中国に行った投資の本国送還を強制したり、中国政府の役人やビジネスマンによる米国への旅行を制限することさえできる”という。

Foreign Policyが8月7日に配信した“Is China Starting a Currency War?”によれば、“今週の通貨安のずっと前に、米国産業への中国の投資は上記のように減少している。タイミングはトランプの選挙と一致する(456億ドルから20億ドル)。だが、もっと多くの問題がある。中国の規制によるアウトバウンド資本の取り締まりが、減少の大部分を引き起こした。”と指摘している。

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(引用元 : https://foreignpolicy.com/2019/08/07/is-china-starting-a-currency-war-yuan-depreciation-trump-trade-war-markets-huawei-hong-kong-india-kashmir/ )

つまり中国にとって、ドルの外貨準備が国内に大量に必要なのである。

その理由はCNBCが8月5日に配信した“China’s currency would collapse 30% to 40% if they stopped supporting it”によれば、“中国は、彼ら自身の通貨を買うために売るためにドルを持っていなければならない。彼らが通貨を自由にフロートさせたら、人民元は30%または40%低下する。”、“その理由は、中国はドルベースで世界のGDPの15%であると主張しているが、自国の通貨で決済される世界の取引は1%未満だからである”という。

そしてWSJが8月6日に配信した“Trade War Becomes Currency War”によれば、「金融機関以外の中国企業のドル建て債務は国内総生産(GDP)の6%に相当する8000億ドルに上る。中国の銀行のドル建て債務は同5%相当の6700億ドルだという。」、「為替の圧力が引き金となってドルやその他の通貨建ての債務にデフォルトの波が起これば、中国経済は打撃を受け、ポスト毛沢東時代で初のリセッション(景気後退)が起きる恐れがある。」(WSJ日本語版より引用)と指摘されている。

つまり今後のトランプ政権の出方によっては、金融面で中国を破綻させることは、十分に可能なのである!

では米国は返り血を浴びないのだろうか?

ロイターが8月8日に配信した“”によれば、“S&P 500 は、米国と中国との間の通貨戦争の懸念により、より多くの投資家が世界経済の強さを疑問視するようになったため、四半期の開始以来2.3%減少した。”しかし“7日には0.08%上昇しました。”という。

アナリストは“S&P 500が7月26日に最高値を記録して以来、収益を計上している企業の中で、収益予測を30%以上上回る企業の株価は、平均で3%しか下がらず、期待を逃した企業は7%低下するだろう”と考えていたという。しかし“第2四半期の結果を報告した企業のS&P 500全体の1株当たり利益は2.7%増加し、アナリストの推定を約73%上回る結果となった”という。

“米国経済のファンダメンタルズが非常に良好であり、収益が人々の最悪の恐怖を上回っているということ”であるという有力なアナリストの言葉も引用されている。

またワシントン・ポストが8月7日に配信した“Trump’s trade war keeps punishing farmers. But farmers remain optimistic.”によれば、“中国商務省は5日、中国政府が3000億ドルの中国からの輸入で10%の関税を撤回するというトランプ大統領の宣言に対する報復として、米国農産物の購入をすべてキャンセルした。この動きは、悪天候と貿易戦争での中国の反撃の組み合わせに襲われてきた農民にとり厳しい”と指摘。

しかし“農業部門の400人を対象とした全国調査では、4人の内3人以上が、米国の農業に利益をもたらす方法で貿易の戦いが解決されると考えている”という。その理由は“農家は収穫期を終えていたので安心だった。そして天候も良くなった。作付面積の適度な部分を植え、適度な量の作物を得ることで、トウモロコシや大豆などの作物の価格も上昇していた。”からではないかという。

トランプ大統領の重要な支持基盤である農民が、この状態である。ウオール街に関しても前述の通りである。

これならトランプ大統領は安心して中国に金融面で大打撃を与えることが出来そうだ。それは日米に迫る中国の軍事的脅威も逓減させるだろう。一日本人として期待したい。

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