ワシントン・タイムズ・ジャパン

沖縄に生息する珍しいセミ

沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 夏休みに沖縄に観光に来た人から「沖縄にはセミがいないのか」と聞かれたことがある。しかし、それは大きな誤解だ。

 梅雨が明けるとクマゼミが一斉に鳴き始める。黒っぽい体に透明の羽を持つ日本最大のセミだ。ホルトノキには無数のクマゼミがいて、シャンシャンシャンと鳴く大きな声は耳が痛くなるほど。本土出身の筆者にとっては、リズムのよいミンミンゼミやツクツクボウシの鳴き声が懐かしい。

 沖縄のセミの全盛期は6月から7月で、8月にはほとんど鳴き声が聞こえなくなる。那覇市などの沖縄本島中南部の都市部は木が少ないため、セミを見掛ける機会が少ない。実際、セミ取りの経験がないという県内の小学生は少なくない。子供でもスマホを所有するのが当たり前の今日、外で自然と触れ合う機会が激減している。それだからこそ、沖縄だけに生息するセミを探してみるのはどうか。

 イワサキクサゼミは体長1~2㌢と小さい。通常はサトウキビの葉に乗っていて、警戒心が強く採取が難しい。農家の人の話によると、サトウキビに散布した農薬によって、天敵であるアリやクモがいなくなり、イワサキクサゼミの幼虫にとって生息環境がよくなったという。

 オオシマゼミは沖縄本島北部、久米島に生息する。見た目はツクツクボウシに似ていて、50㍉程度と小さい。カンカンと鐘の音にような鳴き声で気品があるとされている。同じく、沖縄本島と久米島に生息するクロイワゼミも珍しい。これも小さいが、体が鮮やかな緑色で、葉っぱに止まっていると保護色となり、見つけることすら難しいということだ。絶滅危惧種に指定されているため、捕獲することはできない。

 沖縄には本州にはいない何種類もの珍種が生息しているのだ。

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