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  • 堂本かおる
    堂本かおる
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    菊田 均
    菊田 均
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    松本 健一
    松本 健一
    評論家
    中岡 弘
    中岡 弘
    著述家
    大島 直行
    大島 直行
    伊達市噴火湾文化研究所長
    時広 真吾
    時広 真吾
    舞台演出家
    渡辺 久義
    渡辺 久義
    京都大学名誉教授

    千年後の歴史教科書

    ▼20世紀における最大の出来事

    仮にいまから千年後の子供たちが、世界史の授業で20世紀という時代を習うとします。
    そのとき、20世紀を代表する最も大きな出来事は、いったい何だと教わるでしょうか。
    みなさんは、何だと思われますか?

    世界史──つまり人類史において、20世紀を代表する最大の出来事とは・・・?
    私は間違いなく、「植民地支配の終焉」を挙げることになるだろうと思います。

    人が人を差別する時代、しかもそれを国家ぐるみ、民族ぐるみで人種差別し収奪した時代、これがはじまっ
    たのは、16世紀の大航海時代から以降のことです。
    どれいもちろん古代においても奴隷支配という植民地の原型はありましたが、
    ◯対等に戦い、勝負した結果、支配する者と支配される者に別れ、歴史においてその地位が度々逆転した中世以前の戦勝国による支配と、
    ◯大航海時代以降の国家ぐるみ、民族ぐるみで人種そのものを差別し搾取した「植民地支配」とでは、
    その規模も内容もまるで異なっています。

    16世紀以降、アジアやアフリカの有色人種諸国は白人が入植する植民地となり、現地の人々は収奪され、家畜のように扱われ、そして愚民化政策によってただ隷属するだけの民族に仕立て上げられていきました。
    当時の白人たちにとって、被植民者である現地のカラード(有色人種)は、人間ではありませんでした。
    これは誤解されている方もいらっしゃるのですが、人間として扱わなかったのではなく、そもそも白人たちは有色人種を人類とは別の種類の生き物──つまり獣(けもの)であると認識していたのです。

    有名な話ですが、植民地においては、白人の娘さんが部屋で着替えているところに、有色人種の男性(奴隷)が用事で入ってきても、娘さんは平気だったそうです。
    要するに室内に犬や猫が入ってきたのと、まるで同じだったのです。
    もちろん白人女性が着替えているところに、白人男性が入ってきたら、それはもう大騒ぎになります。

    こうした欧米列強による有色人種への植民地支配は、約五百年続いたのです。
    その間、何度かカラード(有色人種)による大規模な反乱なども起こっています。
    インドで1857年に起こったセポイの乱などもその一例です。
    暴動は白人たちの圧倒的火力の前に鎮圧(ちんあつ)され、首謀者(しゅぼうしゃ)たちは大砲の前に縛(しば)り付けられた状態で、大砲を発射され、五体をバラバラに飛ばされて処刑されました。
    なぜそのような残虐(ざんぎゃく)な方法で処刑できたのかといえば、有色人種は人間とみなされなかったからです。

    ▼日本人が自らを犠牲にして果たしたこと

    ところがそうした植民地時代が、20世紀の終わり頃、突然各地で終焉(しゅうえん)を迎えたのです。
    世界中の被植民地国家は次々と独立を果たし、欧米諸国はその富の源である植民地をことごとく失いました。

    それだけではありません。
    かつて被植民地として支配されたカラード(有色人種)国家は、経済面でも急激な成長を遂(と)げ、21世紀となったいまでは、世界の経済の牽引役(けんいんやく)にまで育っています。
    この突然の変化の背景には、何があったのでしょうか。
    五百年続いた絶対的優位の植民地支配が、なぜ、こうも短期間に突然の終息を迎えたのでしょうか。

    これをお読みのみなさんなら、もうお分かりかと思います。
    答えは、日本にあります。

    東洋の辺境にあった島国の日本が、世界でただ一国、カラードでありながら自尊独立のために短期間で国をまとめ、積極的に欧米の文物を取り入れ、瞬く間に欧米列強と肩を並べる強国になったかと思うと、ただ一国で世界最強の誉(ほま)れ高いロシア陸軍を彼らの最も得意とする陸戦で打ち破り、さらに世界最強のバルチック艦隊を壊滅させたのみならず、昭和16年には絶対に負けることがないと信じられた大英帝国の東洋不沈艦隊を壊滅(かいめつ)させてしまいました。

    さらに日本は、植民地支配されていた諸国で白人支配者を追放すると、現地の人々に行政を教え、教育を施し、軍備を整えさせ、彼らの独立自尊を手助けしました。
    その代わりに、日本は満身創痍(まんしんそうい)の焼け野原になりましたが、ついに世界は、植民地支配とい
    う構図を失うに至ったのです。

    その象徴となったのが、昭和39(1964)年の東京オリンピックでした。
    東京オリンピック参加国は、その時点で史上最多の93カ国です。
    なぜ最多なのか。
    新たに独立した世界中の元植民地国が参加してくれたからです。

    東京オリンピックのマラソンで優勝したアベベ選手は、イタリアの植民地から独立したばかりのエチオピアからの参加です。
    ちなみに東京オリンピックの前に開催された1960年のローマオリンピックの参加国は83です。
    1956年のメルボルンオリンピックでは、参加国は67でした。
    1896年に行われたアテネオリンピックでは、参加国はわずか14です。

    東京オリンピックの次に開催されたメキシコシティオリンピックでは参加国は112となり、2012年のロンドンオリンピックでは、ついに参加国は204となりました。
    参加国が増えたということは、それだけ独立国が増えたということです。
    そしてそうなった背景には、間違いなく日本の働きがそこにあるのです。

    ▼日本は戦争目的において勝っていた

    そして、20世紀までの世界史のなかで、自国の利益を度外視してまで周辺諸国の独立と平和のために戦い、勝利を得、それら諸国に莫大な経費をかけて自立を促したという、まさに神様のような国は、日本以外に存在しません。

    韓国人で、韓日文化研究所の朴鉄柱氏は、次のように述べています。
    「大東亜戦争で日本は敗れたというが、
     敗れたのはむしろイギリスをはじめとする
     植民地を所有していた欧米諸国であった。
     彼らはこの戦争によって
     植民地をすべて失ったではないか。」

    まさに、そのとおりです。
    500年後、1000年後の世界の歴史教科書には、20世紀に関する記述として、間違いなく「植民地時代の終焉」という語句(ごく)が入(はい)ると思います。
    これこそ20世紀最大のエポックであり、人類史に残る偉業といえることだからです。
    そしこれを成し遂げたのは、まぎれもなく、私たちと血のつながった若き日の私たちの父祖たちだったし、それを引き起こしたのは間違いなく日本でした。
    そういうことを私たちは、しっかりと知っておく必要があると思います。

    ちなみに、植民地というのは英語で「colony(コロニー)」です。
    ですがおもしろいもので、日本語でコロニーと書かれるときは、生活共同体の意味に用いられるようです。
    英語の「colony」が、日本語では「植民地」「コロニー」と二つのまったく別な言葉に訳されて使われているのです。ちょっとおかしな話です

    ▼不思議の国「日本」

    さて、せっかくここまで書いたので、もうひとつ。
    20世紀の終わり頃から21世紀にかけて、世界の人類に起こった最大のエポックは何でしょうか?

    第一次、第二次世界大戦ではありません。
    それらはいずれも20世紀に終わっています。
    米ソの冷戦でしょうか。
    それも20世紀に終わっています。

    核の開発と利用、人類初の月面着陸、火星探査機の打ち上げ、もちろんそれもあるでしょう。
    けれどそれよりなにより、もっとはるかに大きな出来事があります。
    それは、世界の人口が70億を超えたことです。

    大東亜戦争が終結した頃、世界の人口は約20億人だったのです。
    それがわずか70年足らずで、70億人へと3倍半に増加したのです。
    これは人類史上、初の出来事です。
    地上にこんなにたくさんの人間が住むようになったのは、人類史上、いまをおいてほかにありません。

    1798年に、英国のトマス・ロバート・マルサス(ThomasRobertMalthus)という学者が、『人口論』という本を書きました。
    まさに歴史的名著といわれる本なのですが、その中で彼は、次のように述べています。
    「人口は、幾何級数的に増加する。
     一方、食料の生産能力には限界がある。
     だから人口の増加には一定の限界がある。」

    これはとても重要な指摘です。
    なぜならここに指摘されているとおり、人類は食料の生産能力を超えて生き残ることは不可能だからです。
    マルサスは本の中で、
    「いろいろな研究調査の結果、
     最終的に世界の人口は20億人が限界で、
     それ以上は食糧生産高が間に合わず、
     人口は増加しない」と述べています。
    そしてマルサスの本から150年後の世界は、まさに20億の人口となっていたのです。

    第二次世界大戦の発生原因については、政治学的な考察や、軍事学的な検証、あるいは地政学的なアプローチなど、さまざまな研究がなされています。
    しかし、戦争原因についての統一見解はありません。
    つまり諸説ある状態なのです。

    それら諸説の根本を探っていくと、結局のところ、戦争の原因は貧困と飢え──つまり人口が20億に達し食料供給が限界になった世界が、新たな食料の供給源を求めて奪い合いをしたからだと考えることができます。

    けれどここに、やはりおかしな国が、世界に一国だけありました。日本です。
    日本は満州や中国大陸、東亜諸国や南洋諸島に進出しましたが、そこで何をやっていたかというと、もちろん政治経済軍事的側面もありますが、同時に大変熱心に農業指導をしているのです。

    世界が「自分たちが食うため」に他国を侵略し、その国の食い物を横取りするという挙に出ていた時代に、世界でただ一国、そうした暴力集団を追い払い、現地の人々と一緒になって汗を流して食料生産高の向上を図ろうとしていた──それが日本だったのです。

    事態はそれだけにとどまりません。
    日本は大変な国費をかけて農業生産物の改良をし、なかでも稲塚権次郎氏の開発した小麦は、なんと収量がそれまでの小麦の5倍というすごい品種でした。
    稲塚氏が直接指導した中国の華北産業科学研究所は、まさに中国全土にこの新種の小麦の普及促進と農業指導をして回っていました。
    おかげで華北産業科学研究所の職員は、大東亜戦争終結後も中国に2年間とどまり、その普及活動を継続させられています。

    その結果、何が起こったのでしょうか。
    大東亜戦争当時の中国の人口は約5億人でした。
    それがいまや15億です。
    人口が3倍に増えました。
    3倍の人が「食って生きて」いくことができるようになったのです。

    さらに稲塚氏の開発した小麦は、戦後に起こったインドの大飢饉(だいききん)を救っています。
    飢饉(ききん)によって一億人以上が死ぬと思われたときに、この小麦の改良品種がインドにもたらされ、たく
    さんの命が救われました。
    それ以降、インドで飢饉は起きていません。
    さらに1960年代から90年代にかけて、インドの小麦の収量は3倍に増大。
    その結果、人口まで3倍に増えたのです。

    こうしたことの積み重ねによって、世界の人口は爆発的に増大し、いまや70億に達しようとしています。
    つまり、20世紀の後半から21世紀初頭にかけての、爆発的な人口増加の理由のひとつに、間違いなく日本という国の働きがあるわけです。

    誰しも、人が死ぬのは悲しいことです。
    まして飢(う)えて死ぬなどということは、もっと悲しいことです。
    飢えによって我が子を死なせることになったら、いくら悔いても悔やみきれない悲しみが残ります。
    そうした飢えから多くの人々を救い、子孫を増やすことができるようにしたのだとすれば、それはまさに神の行いといっても過言ではないかもしれません。

    もちろん、世界に奇跡の小麦が普及拡大した背景には、日本以外の多くの国の良心と協力と努力がそこにありました。
    いまの私たちには、こうした先人たちの努力に学び、見習い、未来を担(にな)うという役割が課せられているのではないでしょうか。

    ▼日本の心を取り戻そう!

    せっかくここまで書いたので、もうひとつ書いておきたいと思います。
    文明は必然的に火を使いますから、人類が文明を築いた地域では多くの木が伐採されるため、何もしなければ森林の面積が少なくなっていきます。
    おかげでいまでは、人類の古代文明発祥(はっしょう)の地は、どこもかしこもペンペン草も生えないような砂漠になっています。

    いちど砂漠化した土地に、自然に緑が戻るには、最低でも5千年の歳月がかかるといわれています。
    ところが最近、そうして砂漠化した土地に、緑が戻りつつあります。
    何が起こっているかとクズの普及です。

    クズというのは、漢字で「葛」です。
    葛飾区、葛根湯の「葛」、好きな人も多い葛切りのクズです。
    クズは根が丈夫で、荒れた土地でも生息が可能です。
    日本生まれのこのクズが、世界の砂漠地帯で、砂だらけの土地を緑に変えつつあります。
    もちろん日本人の指導によって、現地の人たちが植えているのです。

    クズの葉は砂漠を覆(おお)って日陰をつくり、日陰は土地を潤(うるお)します。
    そして葉が落ちると、それが腐って腐葉土となります。
    地面に栄養分が戻りはじめるのです。
    そうして何年かたつと、その土地が蘇(よみがえ)り、そこでイモなどの栽培ができるようになります。
    するとますます地味が肥(こ)え、さらに灌漑(かんがい)により水が引かれることによって、いままで何もないただの砂漠だった土地に、なんと何十年かぶりに緑が蘇(よみがえ)るのです。

    見ていてください。
    10年後、50年後、100年後、1000年後、私たちが学生時代に、何もない砂漠地帯と教わり、パジェロがラリーで走るくらいしか使い道のなかった白い大地が、緑豊かな大地として蘇るのです。

    日本を神の国だという人がいます。
    私は、それが本当かどうかは分かりません。
    けれどひとつ言えるのは、戦後、私たち日本人が失った「日本の心」は、皆が幸せに、そして平和に暮らせる社会を皆で築いていこうという、世界の人々が待ちわびている神の心、神の願いと深いところでつながっている、そんな気がするのです。

    「日本を取り戻そう!」という言葉が、私たちの合い言葉になっています。
    それは「日本の心」を取り戻すことでもあり、世界の人々にとって本当に幸せをもたらすものは何なのかを真剣に考え、行動していくことでもあります。
    私たちはいま、それができるかどうかの瀬戸際(せとぎわ)に立っているように思います。

    ※このお話は『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』第一巻の「おわりに」に収録したお話です。

    お読みいただき、ありがとうございました。


    「大和心を語るねずさんのひとりごと」ブログより転載
    http://nezu621.blog7.fc2.com/

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