«
»

ニュースより速いSNSの生情報

 先週の後半、私が住んでいる地域へ全国の関心が寄せられる事件、事故がありました。小田急線の脱線事故と、愛川町の刃物を持った逃走犯の事件です。まさか身近なところで、普段ニュースで見ているような事が同日に起こるとは思いもしませんでした。

巻き込まれる可能性のあった小田急線衝突事故

 神奈川県の鉄道の大きな事故は、今月に入って3回も起きています。6月1日には、横浜シーサイドラインの電車が逆走をし、乗客15人が負傷する事故が起きました。それから5日後の6月6日、まだシーサイドラインの話題が新しいうちに、今度は横浜市営地下鉄ブルーラインの列車が脱線するという事故がありました。乗客に怪我はありませんでしたが、6両のうち先頭車両から5両目まで脱線するという事態で、一部の区間で運転できない状態が4日続いていました。

640

 

 シーサイドラインも、ブルーラインも利用したことがあり、シーサイドラインでは八景島シーパラダイスへ行き、ブルーラインではアンパンマンミュージアムへ行きと、どちらも子供と一緒に行くテーマパークなので、電車の事故は他人ごとではないと思わされました。

 とはいえ、普段は利用することのない路線で、そもそも電車を利用することが稀なので、身近に起きるかもしれないと不安に思うことはありませんでした。しかし、ブルーラインの脱線事故から約2週間後の6月19日、普段利用する最寄り駅付近で、小田急線の事故が起きました。午後3時頃、小田急小田原線の本厚木駅~愛甲石田駅間の踏切で、線路内で立ち往生していた乗用車と快速急行が衝突し、先頭の1両が脱線する事故が起きました。実はその日、子供を連れて珍しく電車に乗り、本厚木駅から上りの新宿行で2駅先の海老名駅に行っていました。事故が起きた時は乗車していませんでしたが、海老名駅から小田急線に乗って帰ろうとすると、改札前に立っている駅員の傍に人だかりができ、お知らせには一時運休の文字が表示されて、駅内がざわついていました。上りも下りも止まっていたのですが、上りはすぐに動き出しました。いつもなら下りの電車に乗って本厚木駅に向かうところだったのですが、その日は上りの電車に乗って近い駅で家族と合流して車で帰る予定だったので事なきを得ました。

 事故の詳細を知ったのは自宅に戻ってからで、報道番組を見ても特に詳しい情報はまだなく、SNSを見てみました。事故の際、電車に乗っていた乗客が次々と現状をリアルな画像と共に投稿しており、詳細が簡単に分かりました。

 「車ぐしゃぐしゃだし、小田急の急停車の衝突が凄かった」というツイッターの投稿には、原型を留めないぺしゃんこに潰れた乗用車の画像がありました。また、帰れるかなといった不安の声や、1時間も車内に閉じ込められてようやく出られて線路を歩いたことや、その後駅までのバスに長蛇の列ができていることなど、事故現場にいた当事者たちが、自身の思いと共にリアルな様子を投稿していました。

 その日は結局運転再開できず、夜通し復旧作業に取り組んだことにより、翌日からは全線再開しました。少し時間がズレていれば巻き込まれていたかもしれない身近な衝突事故に驚き、死者や重傷者が誰もいなかったことに安堵していた矢先、町の放送から物騒なフレーズが聞こえてきました。

まさかの地元で刃物を持った男が逃走

 放送が聞こえたのは午後5時頃。実刑の下った男が刃物を持って逃走中という内容に、耳を疑いました。早速SNSを見てみると、うちのすぐ近くらしいと驚く声や、子供の学区内だから恐ろしいという不安の声が上がっていました。その後ニュースですぐに速報として取り上げられたのですが、男が逃走したのは午後1時半頃だということで、放送を聞いた時間とだいぶ差があることに疑問を持ちました。1時半にはまだ小学生は学校にいて、5時は遊びに行って家に帰る頃の時間です。ちょうど学校が終わって子供たちが帰宅したり、遊んだりする頃に何の放送も報道もなかったということはおかしいと、SNS上でも警察に対して不信感を抱く声が上がっていました。

 逃走犯の名前はすぐに報道されていましたが、愛川町のどこに自宅があるのかは数時間後に報道され、その頃にようやく顔写真も公開されました。窃盗などの罪で実刑確定していたと最初の報道ではあったのですが、傷害や覚せい剤取締法違反でも実刑判定が確定していたと情報が小出しにされ、過去にも逮捕歴があり、近所の人へのインタビューで普段から問題も起こして恐ろしい人だという声もありました。私も近隣に在住なので、もし現場が近所だったらと思うと子供を絶対に外に出したくはありません。何でもっと早く住民に知らせないのかと思わざるを得ませんでした。また、横浜地検4人と警察官2人の6人で収監しに行ったにもかかわらず逃げられたことが報道され、SNS上では怒りの声も上がっていました。

 夜にまた町の放送が流れ、名古屋方面に向かったということだったので明日には捕まると思っていたのですが、翌日朝、また放送が流れ、まだ捕まっていないため町の小中学校は休校にするということが知らされました。報道番組を見ると、厚木市の三田で車が乗り捨てられていたということでした。小林容疑者の自宅はうちから車で10分ほどで、乗り捨てられていた場所は20分ほどと、普段よく通る近所なので、どこにいるか分からない、学校が休校ということに不安が増し、その日は子供を外に出すことはしませんでした。近所のママ友と子供を連れて遊ぶ約束をしていたのですが、残念だねと互いに肩を落としていました。

 結局その日も捕まらず、ママ友も不安のせいで神経過敏になっていたようで、午後11時頃、近所でパン、パーンという音がして、銃声に聞こえたらしく、「何かあったんじゃないか」とすごく不安になったと話していました。その音は花火のような音だったので誰かがいたずらをしただけかもしれません。特に何の被害もなかったのですが、幼い子供を持つ親は過敏になりすぎて悪い方向に考えてしまうのも無理はないと思いました。

 そうして逃走して3日後の23日朝、愛川町からは程遠い横須賀市のアパートで逮捕されたと報道され、ようやく安心できました。

 小林容疑者のような人がいることが一番の問題ではありますが、今回の件では捜査する側にも大きな問題がありました。小林容疑者を取り逃がして3時間後に事案を公表した横浜地検は、対応の遅れが自治体などから指摘され、謝罪をしていました。

 SNS上では事件後、安堵する声と共に地検や警察に対して呆れや怒りの声が上がっていました。

 「それにしてもこの事件、容疑者は刃物を振り回して車で逃走。車で逃げるまで警察官は何もできなかったってことか」

 「実刑が確定したのに4カ月も刑務所に入れないって何考えてるんだ? その結果がこの逃走。あきれる。酷い職務怠慢。4カ月だぞ。何で問題になってないの?」

 「最近の警察・検察官系の風潮として、捕まえたらその人間は観念して心を入れ替えているだろう的なゆるい油断があるんじゃないのかね。逮捕した人間でも、いや、逮捕しなくちゃいけない人間だからこそ緊張感を切らすべきではない」

 「何でもかんでもぶちこんでおくことが正しいとは思わないが、保釈するに値しない者を保釈すると今回みたいな騒ぎとなる。小林容疑者を保釈したのは失態といえよう」

ニュースより速いリアルなSNSの情報

 小田急線の脱線事故、小林容疑者の逃走と、同日に起こった身近な事故、事件。今回の件で、SNSの見方が少し変わりました。テレビやネットのニュースよりも早くリアルな情報を得られるツールとして、今後もっと拡大してくのではと感じさせられます。もしかしたらニュース番組でもSNS上の投稿を報道する時が来るかもしれません。

 震災の時はあまりにも多くの人が情報が混雑している中、SNSに投稿する情報の正確さを考えないまま拡散していたことが問題になりました。しかし、今回のような限られた場所で事故に遭った当事者の投稿には信ぴょう性とリアルさがあり、ニュースよりも速く何が起きたのか知ることができました。また、小林容疑者の逃走経路や、車が乗り捨てられていた詳しい場所などが投稿されていたり、ニュースと共にSNSの投稿も見て情報を把握するという使い方をしていました。

 誰もが報道員のような時代になってきているので、今回のように情報をすぐにキャッチできる良い面もありますが、情報過多になって混乱することもあるので、その中から何が本当の事実なのか見抜く目を養っていく必要があるとも思わされます。

5

コメント

コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。