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「声かけ写真展」に批判殺到―被写体は小中学生少女のみ

 2016年に、中年男性が「街角で遊ぶ少女」をテーマに女子小中学生に声をかけて撮影し、その写真を展示・販売する「声かけ写真展」が世田谷ものづくり学校で行われました。展示された写真の中には、水着姿やブルマ姿の写真があり、少女たちの保護者に撮影許可を得ていなかったため、「児童ポルノの助長だ」、「親の許可を得ないのはおかしい」という批判が寄せられました。それから3年経った今年、第2回「声かけ写真展」の開催が計画されており、中止を求める声が相次いでいます。批判の声が高まる中、公式サイトで資金を募っている主催者の意図とは何なのでしょうか。

「声かけ写真展」の意図とは?

 2016年に行われた「声かけ写真展」について、公式サイトに写真展の意図が掲載されていました。1970年代から数十年にわたって、声かけ写真はアマチュア写真家に好まれていたテーマでした。その中でも街角で遊ぶ少女の被写体は人気があったようで、当時の声かけ少女写真を回顧する写真展として、世田谷ものづくり学校で展示が行われました。普遍的な子供の世界を切り取った写真を展示することで、子供の頃のことを思い出したり、現代の子供の姿や、昔から変わらない子供の無垢な笑顔や表情を観て楽しむことを目的としているようです。また、撮影する人にも、制作の在り方に驚きと新しいヒントをもたらすということが記載されていました。

 子供の無垢な姿は観ていて心が和みますが、展示の中に水着姿やブルマ姿の写真があったこと、被写体となった子供の保護者に許可を得ていなかったことが問題視され、SNS上で批判の声が寄せられました。それを受けて会場となった「IID 世田谷ものづくり学校」は、展示内容の事前確認が不十分だったとして謝罪しました。

 3年前にこのようなことがあったにもかかわらず、今年2回目の開催が計画されており、52万円の目標金額に対して、2019年6月7日時点で約32万円の資金が集まっています。

 SNS上では中止を求める声が相次ぎ、ツイッター上で「#声かけ写真展中止しろ」、「#声かけ写真展を止めろ」とのハッシュタグが作られ、署名サイトでは、開催中止を求める署名活動が行われています。

 そんな中、主催者は雑誌のインタビューに応え、ネット上での批判に対して反論していました。親から許可を得ていないのはおかしいという意見については、「親が子供を所有物とみているからそういう発想になる。子供にも人権はある」としており、被写体の子供から撮影許可を得られればそれでいい、親の意思は関係ないという考えが見受けられます。また、水着姿やブルマ姿の写真があったことから、児童ポルノを助長するという指摘に対しては、「子供と大人のつながりを見て欲しいだけで、性的な意図はない。主催側としては性的な見方を求める気持ちは全くない」と主張。被写体の少女たちを大人の欲の対象として扱ってはいないと断言していました。

 資金集めをしている公式サイトでは、写真展の批判に対しての書き込みや報道について、全て事実無根だとしており、展示会で取り上げる写真については法に触れるものではなく、年齢を問わず鑑賞できる内容だと自負していると記載されています。

「気持ち悪い」「女の子達を騙している」SNS上の批判の声

 主催者側が批判を一蹴し、強気な態度で展示会を開催することを計画していることで、SNS上では更に批判が殺到しています。

 「『子供と大人のつながりを見ていただきたい。そこに性とかエロなんてない』と主張してるらしいが、ブルマ姿や水着姿の写真が含まれていて、保護者に同意を得ていないのはおかしくない?」

 「子供は親の所有物ではありませんが、なぜに親子関係より見知らぬオッサンとの関係を優先せねばならないのか。大人と子供の繋がりを見て頂きたい? それならば身内が撮った子供と大人の微笑ましい写真で良いのでは? 言い訳がすでにおかしい時点で完全にアウトですよ」

 「少女達は勿論のこと、真のカメラ好き、写真好きの方を巻き込まないであげて欲しい。 それでなくても肩身の狭い思いをされてる方もいるだろうに」

 「気持ち悪い。何考えてんの。娘を持つ親としてたまらんわ」

 「マジで写真が好きな人として言うならば、こういう写真展はスナップ写真やストリートフォトをしている人間の立場を狭めるだけになるから断じてやめてくれ」

 「女の子に写真とっていい?って声かけて親には許可とってないけど本人に許可とってるからオーケーっておかしすぎない? いつのまにか展示されて、キモいロリオタにまじまじと見られて、グッズにされて、年齢的に判断力のない、抵抗力のない女の子達を騙してる」

 「『写真展の企画意図に性は関係ない』と言うなら、なぜ被写体が少女ばかりなのだろう? 大人の男性を撮っても昭和のノスタルジーは表現できるでしょうに」

 「主催者が理屈をこねて反論してるらしいけど、どう考えても自分の都合をゴリ押しするために無理やり筋を通そうとしているとしか思えない。保護者の同意を得ず、判断能力が充分でない子どもの写真を撮ることが、子どもの人権を尊重することとイコールではないと思う。あと発想が気色悪い」

 SNSを見ていると、少女声かけ写真が流行していた時代に、中年男性に「コンクール用の写真だから協力してくれ」と声をかけられ、快く協力したという人もいました。しかし、大人になった今、もしかしたら性的な意味で写真を撮られていたのではないか、スカートの中を撮影されていたのではないかと思うという投稿もありました。また、写真を撮られている時に近所のおばさんが走って来て、今パンツ撮られてたと教えられ、後を追いかけたが見つからずに親に怒られ、警察にも届けられなかったという投稿もありました。

見知らぬ大人と子供のつながりに、保護者が関与しないのはおかしい

 声かけ写真展の主催者は、性的な意味は一切ないと断言していますが、撮影をする人の中や、展示を観に来る人の中には性的な目で少女たちを見る人もいるでしょう。それでも、大人が子供に声をかけて親しくなって子供の無垢な姿を収めたい、すさんだ現代に過去の子供の純粋な姿を展示したいと思うのなら、少女だけにとどめる必要はないと思います。また、小中学生というまだ未成熟な年齢にしぼらず、0歳から高校生ぐらいまで被写体の幅を広げてもいいのではないでしょうか。

 そして何より、子供と大人のつながりを見て欲しいとするなら、見知らぬ中年男性と少女というテーマでは、現代人であれば犯罪やロリコンをまず思い浮かべるのは致し方ないことです。実際にそのような事件もありますし、SNSでの投稿にもあったように、一昔前でも性的な意図で少女の写真を撮る人もいたので、批判の声が上がるのは最もでしょう。その批判の声を収めるほどの説得力が、写真展の意図にあるわけでもありません。少女に声をかけて許可を取る際、きちんと写真展の意図を説明したり、同意書を作ってサインをもらったりすることは規則になく、ただ撮影許可をとればいいとされています。

 また、自分で判断できない年齢だと分かっているのに、本人の許可があればいいというのは、保護者からすれば怒りの声が上がるのは無理もありません。大半の保護者は所有物だと思っているから言っているのではありません。大切な我が子が、本人がよく分からないまま撮影され、不特定多数の人達に見られ、販売されるということは、子供の人権が売られたかのような感覚になるからではないでしょうか。成人になっていない子供は保護者が全面的に守る責任があります。本人の意思だからといって善悪の分からない子供の行動を全て許すわけにはいきません。見知らぬ大人と少女のつながりを見て欲しいというなら、写真では分からない背景に撮影者はきちんと大人として、少女の責任者である保護者に撮影の許可を得た上で、芸術として堂々と出展してもらいたいものです。

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