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  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
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  • 米中新冷戦 第1部「幻想」から覚めた米国
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  • 長谷山 崇彦
    長谷山 崇彦
    農学博士
    乾 一宇
    乾 一宇
    元防衛研究所研究室長
    加瀬 みき
    加瀬 みき
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    茅原 郁生
    茅原 郁生
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    濱口 和久
    濱口 和久
    防衛レーダー
    菊池 英博
    菊池 英博
    日本金融財政研究所所長
    小松 正之
    小松 正之
    東京財団上席研究員
    高永喆
    高永喆
    拓殖大学客員研究員
    新田 容子
    新田 容子
    サイバー安全保障
    岡田 真理
    岡田 真理
    フリーライター
    杉山 蕃
    杉山 蕃
    元統幕議長
    竹田 五郎
    竹田 五郎
    元統幕議長
    田村 重信
    田村 重信
    元自民党政務調査会審議役
    上岡 龍次
    上岡 龍次
    戦争学研究家
    呂 永茂
    呂 永茂
    南北戦略研究所所長

    日本は優秀な人材の海外流出を阻止できるか?

     表題の件に関して考えて見たいと思う。しかし私は経済が専門家ではないので、そこで久しぶりに私独自のAKB論として論じてみたい。今までの私のAKB論を読んでくださった方なら、AKBを題材にしているだけで、非常に真面目な内容の現代社会論であることは、ご理解いただけているものと思う。

     最近のAKBでは、女性同士のライバル抗争に破れた人は、AKBはおろか日本の社会から出て行かねばならなくなっている。去年の選挙に負けた宮脇咲良、3代目総監督指名競争に破れた高橋朱里。そういった比較的選挙の順位の高い人がーである。いかに今のAKBが組織内ゼロサム化しているかということだろう。1970年代半ば以降の日本の民間企業と同じである。

     それと本人達にとって納得の行く人事でなかったのかも知れない。2018年の選挙の開票イベントが名古屋で行われなければ、宮脇が勝っていた可能性は高いが、名古屋で開票イベントが行われた理由にも、ハッキリした説明はない。3代目総監督に内々定していた高橋がなれなかった理由にも、明確な説明が(少なくとも対外的には)ない。

     このようなことは普通の日本の民間企業でも良くみられる現象かも知れない。いわば日本の宿痾である。そこで彼女達は日本を出て行くことにしたのかも知れない。

     日本を出て行って、どこへ行くのか?韓国―つまりK-POPである。

     これは2018年夏にAKBとK-POPのジョイント企画が行われたことの影響が大きい。宮脇も高橋も、K-POPを足掛かりにして、世界的スターになることで、逆転劇を演じようとしている。

     それを逆に見るなら、AKBないし日本の芸能界にいても、世界的―というか欧米で大スターになることが、特に日本式アイドルの人には難しいという現実がある。それは源氏物語以来の“未完成の美を愛する”日本文化と、“産めよ増やせよ大地に満ちよ”という聖書の教えの影響が強い欧米との文化の違いが大きいと思う。

     さらに逆に見るならK-POPは、欧米式の“完成された美”を意識している。彼女達の日本式アイドルとは違う優れたダンス・パフォーマンスに触れて、非常な良い刺激を受けたと宮脇も高橋も言っている。それが彼女達が韓国行きを決めた理由の一つだったらしい。

     実は同じような現象が日本の普通の民間企業でも起こっているのである。自動車や家電業界に詳しい友人によると、早ければ90年代から、日本の企業に勤めていた優秀な技術者が、韓国の自動車や家電の会社に引き抜かれる現象は、良く起こっていたのである。

     確かに数年で使い捨てにされた人は多い。宮脇や高橋に関しても、それは心配されている。

     しかし韓国企業に引き抜かれて数年で使い捨てにされたように見える日本人技術者の人々の中にも、その僅か数年で残りの人生が困らないくらいの高給を貰って日本に戻って来た人も、決して少なくはないらしい。

     これは欧米―特に米国標準の行き方である。K-POPが欧米標準のダンス・パフォーマンスを行うことと同じである。

     日本は明らかに国としては経済面で韓国に競り負け始めている。前述の自動車、家電業界に詳しい友人によれば、価格、性能、デザインどれを取ってみても、韓国製のものが日本製のものを凌駕しつつあるという。それは技術者の引き抜き等による性能等の問題だけではない。

     韓国製だけではない。世界中どこの国の自動車や家電メーカーの製品でも、そのデザインに強い自己主張がある。気に入った人だけが買ってくれれば良い。気に入らない人には買ってもらえなくて良い。そういう信念のようなものが滲み出ている。

     日本製品には、それが少ない。30年に渡って不況が続いたせいか、できるだけ大勢の消費者に少なくとも悪い印象は持たれない、逆に言うと無難で無個性な製品が、日本の自動車や家電には増えてしまった。それが韓国にまで競り負けて来た大きな理由だろう。

     これは非常に重要な問題だと思う。つまり韓国ないし欧米諸国等を、そのまま真似しても、日本は勝てないのである。日本が強い自己主張を持って初めて、同格以上の競争が出来る。

     そのためには、どうしたら良いか?そこで話は少しトートロジーになる。

     日本人が強い自己主張をするには、日本人が自信を回復しなければならない。そのためには国や企業は、部分的にでも欧米や韓国を見習って、活力を取り戻さなければならない。

     本人の業績等に基づいた社内的に格差の大きい給与体系や人事査定の透明性確保。それらは今後の日本企業にとって、非常に重要になるだろう。

     だが、それだけで良いのだろうか?日本が他国の真似をするだけで独自性を忘れてしまったら、そのような日本(企業)から強い自己主張が出て来るだろうか?日本が守らなければならない独自性は、守らなければいけないのではないか?

     AKBを例にとれば、20歳過ぎたメンバーの中の希望者に、徹底したダンスの再トレーニングを行い、K-POPの力を借りなくても、欧米進出できるようにする等の方法が考えられるだろう。普通の会社だったら、欧米標準の給与体系や人事査定の中にいる人と、今までの日本企業の給与体系や人事査定の中にいる人とが、同じ会社にいるようなシステムだろう。

     こうすることで従来型のグループの中にある日本独自のものが、欧米標準グループに反映されて、世界に通用する、しかし日本独自のものが、できるのではないだろうか?社内(グループ内)に強い緊張が発生してしまうかも知れない。しかし、その緊張も、世界に通用する日本独自のものを作り出すためのインセンティブになるかも知れない。

     そのような緊張を良い方向へのインセンティブにするようなマネジメントは、非常に難しいかも知れない。それをやり遂げることが出来るかどうか?そこに今後の日本の(芸能グループを含む)企業の、生き残りがかかっていると言っても過言ではないだろう。


    「GII REPORT」より転載
    https://ameblo.jp/gii-report

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