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占術に洋の東西地理を問わず 占い師ケイロカミオカ氏インタビュー

 VRChat上で米シアトル在住の占い師「ケイロカミオカ」さんをインタビューした。カミオカさんは和名「上岡恵郎」を持ち日英語に堪能。VRChatを話題とする非公式コミュニティサーバー「VRChat-Asia」の主要スタッフとしての顔も持つ。そんな日米両面に顔を持つ彼から、VRChatを訪れたきっかけや自身の成り立ちについて語っていただいた。

占い師ケイロカミオカさん

占い師ケイロカミオカさん

米国にありながら日本語のシャワーを浴びる

 ――本日はインタビューに応じて頂きありがとうございます。最初に、ケイロさんの来歴からお聞かせいただけますか。

 「まず私のお爺さんの話から始めましょうか。我が家は日本の高知県の津野町(旧:東津野村)の諏訪神社の神主の一族でした。ある日お爺さんが、伝道に来たキリスト教系の方に感化されて改宗を決意して、出家が認められてキリシタンになったのです。その後長崎県に出てチャンポン屋を営んだりといろいろな事をしていまして、私の父はチャンポン屋を継ぎたくなくて、寿司屋の修行に出たんです。その後所属していたキリシタンの教会が大きくなり、アメリカ支部を立ち上げて、その近くに日本食が食べられるお店を作りたいという話が持ち上がりました。それが縁で、父はシアトルに移住したのです。その後、私の母は父と見合い婚をし、最初の顔合わせから1週間程で渡米して家庭を築きました」

 ――という事はケイロさんは元々米国出身という事になりますね。

 「そういう事です。ですが幼少期は順調ではなく、帝王切開で生まれて黄疸に罹患したり『人食いバクテリア』と呼ばれる劇症型溶血性レンサ球菌感染症に感染したりもしました。父や祖母も大きな事件・事故に巻き込まれているため、どうやら私の家系はみな元服(成人)前に大きな事故に遭うジンクスがあるのかもしれません」

 ――ケイロさんは日本語が堪能ですが、どういったきっかけで学習されたのですか。

 「理由の一つは母方の祖父です。私の血筋は純血な日本人なのですが、日本人なのに日本語が喋れないのは不憫だと感じていたようです。そのため月々20本、3倍録画のビデオテープを送ってきてくれたんです。津軽三味線や東京フレンドパーク、その前後に放送されていたボンバーマンビーダマンの録画テープを見たりしました。手作りの『あいうえお』表も送ってもらったり、テレビマガジンにてれびくんという雑誌も定期購読していたり…月々に120時間、日本のテレビ番組を見ていたことになります。また家庭も完全な日本語で、実際に英語に触れたのは5歳の頃に幼稚園に行ってからなのです。幼少期は日本人並に日本語教育を受けていたことになります。大学生時代は日本在住の脚本家の方に弟子入りをして、いろいろ教えて頂いたりもしました。」

自身について語るケイロカミオカさん

自身について語るケイロカミオカさん

タロット占いとの出会いとビジネス

 ――現在はタロット占いをメインにされていますが、最初にタロットを見かけたのはどういったものでしょうか。

 「小学2~3年生の頃に、じょうさゆり(現:上重☆さゆり)さんの『おまじないネコ チャクラくん』の付録にタロットカードがありまして、それがきっかけでした。他にはジョジョの奇妙な冒険 第3部など、タロットをモチーフにした作品が多くありました。高校生の頃に一番メジャーなタロットの『ライダーウェイト版』を購入しました。もっとも、その当時はテキストを暗記してはおらず、絵柄を見立てて適当な事を言っていましたが…。その後、Second Life(セカンドライフ)というゲームでプロや元プロの占い師の方とお会いして、教えて頂いた事もあります」

 ――タロット占いをスタートされてからはどれくらいになりますか。

 「もう8年以上前になりますかね。大学生になってからやった記憶がありますので。本格的にやったのは、またセカンドライフの話になってしまうのですが…、当時、大変評判の悪い占い師がおりまして。占いの様子を許可を取らずに無断配信していたりといろいろ苦情があったのですが、『自分が代わりにやってみたら顧客取れるんじゃないのか?』と思い、やってみたら顧客が獲得できました。当時、自分はいろいろなストレスからSecond Life上で“荒らし”行為をしていたこともあったのですが、結局良い評判が多くなってしまい、悪いことも出来なくなってしまいました(笑)」

 ――最近はVRChatでどのような占いをされていますか。

 「VRChatのTwitterで依頼された方や既存のお客様から紹介された方を中心に占いをしていて、私個人としては営業活動をほとんどしておりませんでした。完全に口コミ専用でして、一時期『堺 京太郎』というハンドルネームで営業活動をしてみたのですが、あんまり有名にならなかったんです。その後、VRChatで本名のケイロカミオカで活動したところ、そちらで名が売れてしまいました。VRChatでは少なくとも10人、新規顧客を獲得しています」

 ――VRChatを始めてなにか変化はありましたか。

 「他の方々は色々変わったと言われますが、私はそういった事はないですね」

 ――タロット占い以外でVRChatにて占いをしてみる予定はありますか。

 「タロット占い用のWorld以外は出来ていないのです。他の占いについてはタロットと違って素人レベルでしかないので、商売にならないですね。トート・タロットという物も試してみようと思っているので、権利元である東方聖堂騎士団に問い合わせをしております。利用料が掛かるらしいので、版元とコンタクトを取っている最中ですね。出来れば易の中の八卦もやってみたいのですが、漢文その他諸々を暗記しなければならないので諦めております」

 ――タロット占いの配信をされる際には、どれくらいの方がケイロさんの元を訪れていますか。

 「少ないときは10人、多いときは25~26人あたりが来られていますね」

 ――占いを行う際に、アシスタントを起用される事もあるそうですね。その選定基準はどういったものでしょうか。

 「私自身は口下手で、誰かと一緒でないとしゃべることが出来ないのです。そのため、自分の側に置いて話しやすい人間である事が第一です。ですから、何も話題性のある人物である必要はございません」

頭が42個になるケイロカミオカさん

増えるケイロカミオカ概念とVRChatへのアプローチ
 
 ――VRChat上で御自身をモデルにしたキャラクターが次々創作されていますがどう思われますか。

 「大変嬉しい!もっとやれと感じています。アバターとして頭が42個に増やされたり、パンジャンドラム(自走式爆雷)の様に整形されたり、サブマシンガンの弾になったり花火の様に打ち上げられたり、唐揚げのような姿にされたり…、少なくとも改変されたモデルとしては80個は観測しています。ひょっとしたら100個以上あるかもしれませんね」

 ――最後に、VRChatを始められるユーザーの方に何か一言お願い致します。

 「VRChatには私より影の濃い人がいっぱいいますけれど、楽しんでくださいね!日本のみならず、世界各国の人と交流してくださいね。私はまだまだ序の口であります」

 ――ありがとうございました。

タロット占いの様子を見せるケイロカミオカさん

タロット占いの様子を見せるケイロカミオカさん

ケイロカミオカさんのYoutubeチャンネルはこちらから

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 現在も定期的に占いの様子をYoutubeにて配信をしているケイロさん。
 数奇な運命に見舞われながらも、その運命を俯瞰するかの如く朗々と占いを続ける姿は我々が普段抱きがちである「ステレオタイプの米国人」とは似て非なるものである。
 古くはインターネット通信から始まった海外との交流は、いよいよもって現実感の強い仮想空間でコミュニケーションを取る時代となった。
 今後はますます時間や空間的制約を気にせず国際交流が出来る時代が来るであろうし、またそういった傾向が強い人々も増えてくるのかもしれない。
 VRChatにおける双方向コミュニケーションがその一助となることを願ってやまない。
(文章・画像・動画:市村龍二)

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