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  • 乾 一宇
    乾 一宇
    元防衛研究所研究室長
    茅原 郁生
    茅原 郁生
    中国安全保障
    濱口 和久
    濱口 和久
    防衛レーダー
    高永喆
    高永喆
    拓殖大学客員研究員
    新田 容子
    新田 容子
    サイバー安全保障
    岡田 真理
    岡田 真理
    フリーライター
    杉山 蕃
    杉山 蕃
    元統幕議長
    竹田 五郎
    竹田 五郎
    元統幕議長
    田村 重信
    田村 重信
    元自民党政務調査会審議役
    吉川 圭一
    吉川 圭一
    グローバル・イッシューズ総合研究所代表

    1984と中国共産党

    ■1984との類似

     中国共産党の手法が何かに似ていると感じていた。フランス革命・ロシア革命との類似性は明らか。だが近代化された手法は別だった。知り合いがジョージ・オーウェルの小説との類似性を口にしたことで思い出した。

     「1984年」は全体主義の恐ろしさを小説にしているが、監視社会と独裁の組み合わせた世界観は中国共産党と類似する。

    ■平和省

     革命は終わらない。革命とは闘争であり闘争を続けることが革命。社会主義・共産主義で革命を成功させた国の多くが闘争を続けている。革命は国王・資産家から富と権力を奪う。だが奪うだけで革命派は生産能力を持っていない。

     既存の生産設備と生産能力を維持するだけで、資産運用や市場に適した商品開発や生産は困難。だから社会主義・共産主義の国は豊かにはならない。

     その代り外国から奪うことで富を得ている。外国から奪うことは闘争であり革命を維持するための基本概念。

    ■豊富省

     文化大革命では科学や市場原理を無視した政策が実行された。需要と供給のバランスが必要で、市場が求める商品と品質は利益を生む。だが現実を無視して供給を行えば、売れない商品だけになる。

     党は成功することが正義だから失敗を認めない。その結果として統計の改竄や統制を行い、失敗を成功に変える。金儲けは正義ではなく正義は金儲け。正義は金儲けだから何をしても正義になる。

     正義に失敗はない。思想・主義に忠実な者ほど攻撃的になる。理由は、現実は理想に合わせないから乖離が激しくなる。思想・主義に忠実な者は現実が間違っていると断定し、現実を理想に合わせようとする。

     だが、現実は理想に合わせないから失敗する。それでも理想に合わせようとするから攻撃的になる。これは世界各地の革命政府の共通点ではないのか?

    ■真理省

     党に適合した歴史が真実。現在は国民を監視して反革命派を見つけ出す。未来は党が定めた社会主義・共産主義の思想のみ。民族性・宗教も社会主義・共産主義に適合させる。

     伝統・宗教は過去であり権威。権威は力を持たないが人を従わせることができる。神話・経典・聖書は権威だが力を持たない。だが人を従わせることができる。

     社会主義・共産主義は現在を生きる人間が作り出した理屈。社会主義・共産主義は権力者が使う理屈だが権威は権力の上位。

    権威:上位
    権力:下位

     民主主義国家は権威と権力に別れて運用されている。だが全体主義国家では権威を否定する。何故なら党よりも上位の価値を認めれば、国民は権威に従い党を排除する可能性がある。だから党は過去の権威を否定し未来を得ようとする。

     中国共産党が伝統・宗教・民族性の神になれば全てが解決する。中国共産党は仏教・キリスト教を社会主義・共産主義に適合させようとしている。これは中国共産党が宗教の神になることを意味している。

     中国共産党は自国の時代劇すら検閲する。中国の時代劇は歴代王朝を土台とした世界。中国の歴史は王朝交代であり易姓革命の記録。中国共産党は時代劇が社会主義・共産主義に適合しないから検閲している。

     理由は簡単だ。時代劇を見れば易姓革命の手法が映し出される。視聴者が見れば易姓革命を真似する可能性が高い。だから中国共産党は時代劇すら検閲する。

     伝統を否定し社会主義・共産主義に従う無知な人間こそが求められる。党が求めるのは奴隷でありロボット。疑問を持たず生きる屍が社会主義・共産主義を支える。これは党が求める真理。だから全体主義は人間性・自由・尊厳を奪う。

    ■愛情省

     伝統・民族性・宗教など権威に関わる価値は全て排除すべき存在。だから中国共産党は執拗に排除する。気功団体である法輪功は人を集める。だから法輪功は中国共産党から危険視された。

     中国共産党が危険視すれば排除する。中国共産党は正義だから党の決定は正義になる。だから危険視された人間は尋問と拷問で対処する。必要なのは中国共産党に従う奴隷のみ。生きる屍を生み出すことが強制収容所の目的になる。

    ■1984は未来なのか?

     AI(人工知能)の進歩で監視社会は容易になっている。監視カメラと集音マイクを各家庭に設置しても、人間の監視者では対応が困難。だがAIを用いれば監視社会は容易になる。人間の表情と声から感情を分析することが可能なので、AIを用いれば大量の人間の監視など可能。

     人間の行動から万引き犯の予測が可能になっている。ならばAIと監視カメラを用いれば犯罪者の選別も可能になる。AIが危険と判断すれば人間の警察官が職務質問を行い、犯罪を未然に防ぐことも可能。

     AIと監視カメラを正しく運用できれば犯罪を減らし治安維持に繋がる。これは平和に暮らしたい市民には好都合。だが運用を間違えば独裁者のための世界になる。

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