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  • 堂本かおる
    堂本かおる
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    菊田 均
    菊田 均
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    松本 健一
    松本 健一
    評論家
    中岡 弘
    中岡 弘
    著述家
    大島 直行
    大島 直行
    伊達市噴火湾文化研究所長
    時広 真吾
    時広 真吾
    舞台演出家
    渡辺 久義
    渡辺 久義
    京都大学名誉教授

    数詞(かぞへことば)の不思議

    先日「日本を取り戻す12の言葉」という記事の12番目で、「数詞(かぞへことば)」についてご紹介したのですが、本文でこれを扱ったことがないので、あらためてその数詞について書いてみたいと思います。

    我が国では1〜10までを数える際に、
    「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ、いつ、むぅ、なな、や、ここ、とぉ」
    という言い方をします。
    これがもとからある日本式の数の読み方です。

    「いち、にぃ、さん、しぃ・・」というのは、China式で「イー、アル、サン、スー」が日本式に訛(なま)ったもので、日本古来のものではありませんが、算術が進化してくる過程で広く用いられるようになりました。
    ですから算術では、「1+2」を、「ひぃたすみぃ」とは言いません。
    昔も今も、「いちたすに」です。

    そうであるにもかかわらず、ではどうして昔ながらの「ひぃ、ふぅ、みぃ」といった数詞(かぞへことば)が大切にされてきたのでしょうか。
    その理由は、そこに日本語(和語)の最大の特徴である「一字、一音、一義」の意義が込められているからです。

    一例を示すと次のようになります。

    「ひ」 霊(ひ)のことです。何事も御霊が先です。
    「ふ」 生(ふ)のことで、御霊(ひ)から生命が誕生します。
    「み」 身(み)誕生するのが「身」です。
    「よ」 世(よ)身が織りなす世です。
    「い」 齋(い)「いつき」とも言いますが、不浄を清めた神聖なという意味です。

    「む」 無(む)は神聖を意味し無であることによって億兆に心が通います。
    「な」 菜(な)食のことです。
    「や」 家(や)住まいです。
    「こ」 子(こ)子供たちです。
    「と」 戸(と)戸がひらきます。

    つまりここまでをまとめると、「人は、肉体が今生を生きているということだけでなく、永遠の生命である御魂の存在を自覚し、その御魂の乗り物である身が織りなす世を清め、自分自身を無とすることで億兆と心を通わせ、衣食住を足り、子どもたちの未来を担い、新しい世を築いていく、そのために私達は生きている」と意味になります。
    深い意味が込められているのですね。

    つまりここまでをまとめると、「人は、肉体が今生を生きているということだけでなく、永遠の生命である御魂の存在を自覚し、その御魂の乗り物である身が織りなす世を清め、自分自身を無とすることで億兆と心を通わせ、衣食住を足り、子どもたちの未来を担い、新しい世を築いていく、そのために私達は生きている」と意味になります。
    深い意味が込められているのですね。

    この数詞(かぞへことば)の意味や解釈は、古いものだけに実に様々なものがあります。
    たとえば「ひ」は火、「ふ」は風、「み」は水なのだといったものから、「ひ」は人であり、その人には「ふ」で御魂と肉体のふたつが「み(身)」にそなわり、「よ(世)」を渡るといったものもあります。

    古い日本語の言葉は、意味は八通りに深さがあると言われます。
    八は霊数で「数え切れないくらいたくさんの」を意味しますから、やさしい解釈から奥深い解釈まで、幾通りもの解釈があるのです。
    ですから、上に述べた数詞の意味は、そのなかのごくひとつであるにすぎません。

    ただ、ほとんどすべての解釈に共通しているのが、人の本体が魂なのであって、肉体はその乗り物にすぎないという考え方です。
    考え方と書きましたが、私はそれが事実であると思います。

    おもしろいのは「なやこと」で、「衣食を満たして子の幸せを願い、未来への戸を開く」というところで、そこに戸が出てくることです。
    戸は、開けたり閉めたりして、内と外を分けるものです。
    「福はうち、鬼はそと」と節分で唱えますが、良いものは取り入れ、悪いものは中に入れない。
    それが我が国では、古来、数詞にまでなる常識語であったということです。

    また「と」は、止めるを意味する「止」でもあります。
    良くないものは入れてはならないのです。
    そういうことを昔の日本人は、幼い頃から数詞を通じて無意識のうちに学んでいたのです。

    戦後の日本では、よくない者たちまで、国内に招き入れたり、あるいは国内で家族(国民としての永住権等)を与えたりしてきましたが、そういうことは良くないと、日本語の数詞にちゃんと書いてあるのです。
    ということは、もしかすると、そのような日本人のような顔をして日本人になりすまし、日本語を話し日本人のような通名を、ひとりでいくつも名乗っているような人たちは、あまり「ひぃ、ふぅ、みぃ」といった和語の数詞を使いません。

    数詞(かぞえことば)は、子供が最初に受ける教育語です。
    ご飯の「まんま」とか、お母さんの「まま、はは」などは、食のための生活用語ですが、数詞は教育で覚えていきます。
    その数詞に、日本人としての魂の自覚を得るための工夫がなされてきたのが、縄文以来の日本の知恵であったのです。

    すこし余計なことを書きます。
    「バンカラ」という言葉があります。
    明治から昭和にかけて、威勢の良い大学生の合言葉のように用いられた言葉です。
    かまやつひろしの「我が良き友よ」にも出てきます。

    「バンカラ」というのは、もともと「南蛮カラー」、あるいは「南蛮渡来」を意味する言葉でした。
    日本古来の、江戸時代を通じて正しいとされた、居住まいをただし、姿勢を良くし、上長の前では襟を正して正座して、深々と頭を下げる。
    そのような礼節を重んずる旧来の書生の姿ではなく、自分たちは「南蛮カラー」だ、旧来の陋習(ろうしゅう)をぶちこわすのだ、自由な精神を重んずるのだといって、学生服や学帽をあえてボロボロにし、無精髭を生やして乱暴者を装(よそお)う、そのような学生たちの、ある種の(当時としては)近代的な自己主張の言葉であったわけです。

    いまでは「バンカラ」もすっかり古い言葉になってしまっていて、何やら古い時代の美意識を感じさせるような言葉になっていますが、実は和を貴ぶ日本文化を否定する精神文化であったわけで、決して良い言葉ではありません。

    戦後は、60年代から70年代にかけて、政府や戦前の日本と対立することを美意識とする学生運動がさかんになり、また80年代にはノンポリ、90年代には三高、昨今では宇宙人になってしまっているようですが、いずれも社会経験の乏しい学生たちを扇動して、日本社会を破壊するものとして学生たちが利用されてきたという側面があります。

    要するに2000年以前には、日本社会を破壊する闘士として学生が扇動されてきたのだし、昨今ではむしろ日本人は、ボーッとして何もしないでいてくれて良いという、日本社会を破壊することで利得を得ようとする人たちに利用されてきたわけです。
    これは、良くないことです。

    いま大切なことは、もとからある日本文化を取り戻し、日本人としての自覚と自信を取り戻すこと。
    そのために重要なファクターになるのが、日本語を取り戻すということなのではないかと思います。

    <おまけ>『塵劫記』による数の単位

    十 da(デカ) 10^1
    百 h(ヘクト) 10^2
    千 k(キロ) 10^3
    万 10^4
    (百万) M(メガ) 10^6
    億 108
    (十億) G(ギガ) 10^9
    兆 T(テラ) 10^12
    (千兆) P(ペタ) 10^15
    京(けい) 10^16
    (百京) E(エクサ) 10^18
    垓(がい) 10^20
    (十垓) Z(ゼタ) 10^21
    (じょ) Y(ヨタ) 10^24
    穣(じょう) 10^28
    溝(こう) 10^32
    澗(かん) 10^36
    正(せい) 10^40
    載(さい) 10^44
    極(ごく) 10^48
    恒河沙(ごうがしゃ) 10^52
    阿僧祇(あそうぎ) 10^56
    那由他(なゆた) 10^60
    不可思議(ふかしぎ) 10^64
    無量大数(むりょうたいすう) 10^68

    お読みいただき、ありがとうございました。


    「大和心を語るねずさんのひとりごと」ブログより転載
    http://nezu621.blog7.fc2.com/

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