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幸福度の低い日本に今必要なことは経済成長ではない?!

 戦後日本は高度経済成長をはたし、世界で第2位の経済大国となりました。欧米諸国に勝ち、それが豊かさの象徴となりました。そしてその順位が落ちたことで、もっと経済成長を、という掛け声がかかっています。しかし、本当にそれがこれからの時代で必要なことなのでしょうか。

幸福度と経済成長の関係性

 世界の幸福度ランキング(所得、健康と寿命、信頼、自由、寛容さなどの要素でランク付けされる)を見てみると、フィンランド(GDP44位)、ノルウェー(同29位)、デンマークが上位3位(同36位)を占めており、GDP1位のアメリカは18位、2位の中国は86位、そして3位の日本は54位となっています。つまり、経済成長と国民の幸福度は少なからず相関関係はありながらも、それが全てでないことが分かります。

異なる時代背景の中での国策の違いが生み出した現実

 デンマークでは1850年ごろ、戦争などの結果から領土が少なくなるという現実と向き合うことが必要となり、「縮小する中でいかに幸せに生きるか」ということを国として本気で議論されたようです。その結果フォルケホイスコーレという「生の学校」と言われる国営の成人学校が誕生し、現在では国内70校以上が運営されています。

実際のフォルケホイスコーレの授業風景。寝っ転がりながら聞いている生徒もいる

実際のフォルケホイスコーレの授業風景。寝っ転がりながら聞いている生徒もいる

1850年の時点でデンマークは経済成長と豊かさを切り離して国づくりを行ってきたのが分かります。フィンランドなどでは小中学校の目的は学力向上ではなく、「一人一人が豊かに生きる方法を教える場所」と、先生が言い切っているところも日本との違いが伺えます。

 またドイツなどでは自動車社会の弊害を捉えた交通まちづくりが1930年から行われており、交通静穏化対策(車をわざと不便にして、自転車や徒歩などでの移動を促す)を取り、経済成長よりも健康で文化的な生活を人々が営めるようなまちづくりのグラウンドデザインを作ってきたようです。

デンマーク第3の都市の朝の通勤時間の様子、車がほとんど走っていない

デンマーク第3の都市の朝の通勤時間の様子。車がほとんど走っていない

 日本は第2次世界大戦後、焼け野原からの復興を余儀なくされました。人々は貧しく、経済的な成長を目指して国づくりがなされていったのです。そして経済大国となりました。しかし、日本は経済的・物質的な豊かさを手に入れたにも関わらず、いまだに経済成長を目指して形作られてきた文化、価値観のままで進もうとしているように感じます。それが現在の様々な弊害につながっていると私は考えます。

一人一人がもっと自分自身が豊かでいるための努力を

 近年、日本でも北欧のライフスタイルや教育などが少しずつ注目を集めるようになっています。「一人一人が豊かである」、そのための価値観や習慣、文化や生き方などを北欧などの100年以上の実践をしている場所から学んでいくことがこれからは大切になります。私たちはそれを日本でできる場所として、広田町・そしてSETというコミュニティで体現していきます。

一人一人が豊かでいることを応援しあえるSETメンバーたち

一人一人が豊かでいることを応援しあえるSETメンバーたち

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