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中国が南シナ海に基地を置く意味

■海の交通路
 海には陸路があり、海には海路がある。陸では出入り口を隘路と呼ぶが、海にも海峡と呼ばれる隘路がある。海峡は風を頼りに航海した帆船の時代から現代まで重要な場所になっている。

 戦争になれば争奪戦の戦場になり、海峡付近で必ず海戦が行われた。それだけ戦略的価値が高く、平時から海峡近くに軍事基地を置くのが基本。南シナ海とインド洋は中国が進出。これで南シナ海とインド洋は覇権が衝突するようになっている。

■海峡が集まる南シナ海
 南シナ海は台湾海峡、バシー海峡、ルソン海峡、マラッカ海峡などの重要な海峡が集まる海域。それだけ重要な海上交通路である。

 南シナ海はヨーロッパ経済圏と日本を結ぶ中継地点であり、中東から石油を日本に運ぶルートが通っている。南シナ海は複数の海峡が集まる海域なので、経済だけではなく軍事でも重要な海域なのだ。

 アメリカ軍は南シナ海を守る目的でフィリピンに基地を置いていた。しかしアメリカ軍は1991年にフィリピンから撤退。これ以後から中国海軍の南シナ海進出が激化する。

 アメリカはフィリピンの基地機能を沖縄に集約することで対応できると考えたようだ。しかし、中国の覇権拡大は予想を超えていた。

■南シナ海を中国が独占したら
 南シナ海は小さな島が点在し、中国はそれらの島を造成して基地に変えた。これらの島は南シナ海を分断するように配置されている。

 中国の基地が攻撃的な機能を発動させると、南シナ海は中国海軍が独占することを意味する。それは南シナ海を中国海軍が独占することで、台湾海峡、ルソン海峡、マラッカ海峡が機能停止になることを意味している。

■中国が南シナ海を求める意味
 南シナ海は台湾海峡、バシー海峡、ルソン海峡、マラッカ海峡が集まる海域。交差点で事故が発生すると周辺にも影響を与える。南シナ海は交差点と同じで、周辺の海峡の出入り口を遮断することになる。

 中国は複数の海峡を占領することは困難と判断。その代わり南シナ海を占領すれば複数の海峡を同時に封鎖できると判断したと思われる。

 中国は人工島を作り出し、強引に基地を置いた。これは海洋国家では行わない行動である。理由は水・食料などを外部から持ち込む必要があるので、莫大な基地の維持費が必要となるのだ。

 海洋国家はインフラ整備が存在する島に基地を置く。こうすれば水・食料・医薬品・整備・補給などが得られるのだ。

 中国は大陸国家なので、海にも陸戦思想を持ち込んでいる。だから南シナ海を陸戦と見なし、必要な位置に強引に人工島を建設。人工島を基地化し、南シナ海を占領できる基地配置にしたのだ。

■日本に与える影響
 仮に中国が南シナ海を占領すれば、日本は海上交通路を失う。日本は海上交通路を迂回させることで対応できるが、代償として石油価格の高騰と商品全体の価格高騰が発生する。

 こうなれば日本は外国への輸出品と輸入品の価格高騰で苦しむことになる。外国へ輸出するとしても、価格高騰で買う人が減少する。これは貿易で利益を得る日本には大打撃。国民の生活費にも打撃を与えるから、海上交通路の遮断は死活問題なのである。

■日本の対応策
 日本は南シナ海に隣接する国と友好関係を築き、現地国のインフラ整備をすることは有益である。平時に友好国のインフラ整備を行えば、戦時になると自衛隊が使える基地が増えるのである。

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