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    松谷 秀夫
    松谷 秀夫
    普天間日米友好協会会長
    仲村 覚
    仲村 覚
    沖縄対策本部代表
    仲里 嘉彦
    仲里 嘉彦
    万国津梁機構理事長
    西田 健次郎
    西田 健次郎
    OKINAWA政治大学校
    豊田 剛
    豊田 剛
    那覇支局長
    宮城 能彦
    宮城 能彦
    沖縄大学教授

    自民沖縄県連の県知事選考委の選考過程は不透明だったのか?

     最初に断っておくが、僕は自民党員でもなければ固定的な自民党支持者でもない。大阪に住んでいた頃はおおさか維新を支持していた。大阪都構想は大阪自民党が共産党と手を組むことでつぶされた。そのため、自民党には大きな不信感も抱いている。しかし、すべての政策を支持しているわけではないが、安倍政権を支持しており、政権の継続を望んでいる。そのため沖縄では自民党を消極的支持している。沖縄の維新はオレンジマンという摩訶不思議な候補者しかいないことも自民支持の理由である(笑)

     この11月に行われる沖縄県知事選においては自民推薦候補の当選を心から望んでいる。2014年に誕生した翁長知事のあまりにイデオロギー優先の県政を県民の手に取り戻したいと思っている。

     そんな中、「保守分裂の危機が訪れている。」とされている。保守分裂の引き金を引いたのは誰なのか?それを煽っているように見えるのは誰なのか?僕の目線で沖縄県知事選の前哨戦を書いてみたいと思う。

     多くの支援者がそれぞれの立場で論じているので、僕には候補者に肩入れした議論が飛び交っているように見える。特定の候補者に肩入れするあまりに非常に感情的な議論が飛び交っているように見える。そのことが逆に保守分裂を煽っているように見えることが僕の憂いのひとつである。僕自身は知事選については誰の応援団でもないので、ニュートラルな立場で自由に書いてみたい。

    県知事候補の選考過程が不透明だ?!

     2018年7月21日時点で、自民県連などでつくる候補者選考委員会は宜野湾市の佐喜真淳宜野湾市長に出馬要請をしている。佐喜真氏は出馬に前向きとされるが、いまだ出馬の決断を先送りしている。他に安里繁信氏(会社役員)が出馬表明。前南城市長である古謝景春氏も出馬表明をしたが、選考委の決定を受けて出馬を辞退した。

     一部の有識者や地方議員などがネット上で選考委員会の手法を非難している。「選考過程が不透明だ。」というのが非難の大きな柱である。果たしてこの非難は的を射ているのであろうか?検証してみたい。

     3月31日、自民県連が沖縄県知事選挙選考委員会(委員長国場幸一氏)立ち上げの記者会見を開いた。候補者の選考を21名の選考委員会によって人選を進めるという内容であった。その際、選考過程や手順について公開するとは言及していない。選考過程を透明にするとは県連は言及していないのである。

     しかし、新聞紙上ではあるが、候補者の絞り込みや選考基準はしっかりと公開している。候補者「8人前後」有力 自民県連、絞り込み本格化 沖縄知事選(2018年5月20日 琉球新報)。同記事によると候補者の選考基準も下記のとおり、明確に公開している。「自民は、前回知事選では自主投票を決めた公明や市長選挙で連携を組む維新が乗れる候補者選びを進めており、選考基準として、①当選可能な人②人格が高潔で能力が高い人③県民党的で幅広い支持が得られる人―の3点を挙げている。」(同記事より引用)

     安里氏は5月2日には自民党県連から出馬の意向を尋ねられ、立候補の意思を明確に伝えたとしている。選考基準の記事が出る直前の5月16日、安里繁信氏が「新しい沖縄を創る会」の出馬要請を受ける形で出馬に意欲を示し、記者発表を行った。「新しい沖縄を創る会」が2月に発足していることから、安里氏の動きは用意周到なものに見えた。

     僕には選考委の選考過程に影響を与えるためのフライング出馬意思表明に見えた。世論やマスコミを味方につけ、選考委に自らを選考するように迫ったように映った。そう考えれば、安里氏は最初から選考される可能性が低いと考え、ゲリラ戦に出たのではないのか?自民県連はこうしたゲリラ戦に屈しない立場をとってしまい、逆に安里氏に対する態度が頑なになったことも考えられる。少なくとも僕の目線にはそう映った。

     選挙に出馬することは個人の自由である。しかし、安里氏は自民党員でもあり自民党の推薦を望んではいるようだ。だとしたら、最初から選考過程を自身に優位に展開しようとする戦略は果たしてフェアだったのだろうか?

     自民県連は5月20日にも県連事務所で3回目の会合を開いたことを公にしている。菅官房長官の来沖を受けて、中央の要望を受けたことも明かしている。一部の方の中には沖縄県連が支持者には言わずに、敵である沖縄2紙(琉球新報、沖縄タイムス)に情報を公開することに不満を漏らす方がいた。

     支持者って言うが、そのうちのひとりはかつて参議院選挙で「日本のこころ」から出馬して落選した方。この方はいつの間にか自民党支持になっていたのだろうか? もうひとかたも自民党の、ある決議に猛烈な批判をし自民批判の急先鋒である方。この方もいつの間にか自民党員だったのだろうか?

     それはともかく、沖縄2紙に情報を流すことが悪いことのように批判するが、沖縄県において記者会見や記者発表で情報を公にすること、あるいは記者にリークすること、すなわち県民に広く知らしめるためには沖縄2紙の影響力は排除できないだろう。残念ながら八重山日報にリークしても県民に広く伝えることは現時点では不可能だ。沖縄2紙で報道されるとテレビ報道される可能性も高くなる。「選考過程を透明に」と言いながら、沖縄2紙で公にすることを批判する。支持者だけに情報を流せ=密室で決めろ。と言っているようなものである。僕には全く意味がわからない言動である。

     選考委は6月19日、27日の琉球新報の記事でも「佐喜真氏が最有力」と公にしている。6月30日には当初6月中としていた候補者の絞り込みが7月上旬にずれ込むとした上で、候補者選考が「大詰めにきている」ことを公表し、7月1日には佐喜真氏を軸に「大詰めにきている」としている。いずれも新報の記事上ではあるが、選考過程が時系列に公表されているのだ。そして7月5日の候補者選考委員会は「全会一致」で佐喜真敦氏の擁立を決めた。その後、7月9日に佐喜真氏に正式に県知事選への出馬要請をおこなった。

     7月6日の新報の記事には安里氏が選考から漏れた理由も記載されている。「保守分裂、警戒の声 知事選・自民が佐喜真氏擁立 告示まで4カ月波乱含み」。記事によると官邸の意向も大きく反映された結果のようだが、これでも選考過程が不透明だったのだろうか?

     安里氏は佐喜真氏を軸に選考が進んでいることに焦りを感じたのか、7月3日に選考委の最終決定を待たずに出馬表面の記者会見を行った。7月6日には選挙事務所開きも行った。安里氏の動きに触発されたのか、7月2日、古謝前南城市長も出馬に意欲があると会見を開いた。しかし、古謝氏は県連の決定を受け、潔く出馬を取りやめた。古謝氏のご英断には最大限の敬意を表したい。

    安里氏のプロパガンダに踊る人たち

     実は「選考過程を透明に」「候補者同士の討論会」この2点は安里氏の要望である。「選考過程が不透明だ」と非難する人たちは、この安里氏の要望を受けて非難していると思われる。県連は安里氏の要望を聞き入れるべきだと言う人もいる。僕の目線には安里陣営が流した「選考過程が不透明だ」とするプロパガンダに彼らが踊らされて県連を非難しているように見える。前述の通り、選考委は選考過程を公表すると言っていないし、むしろ大筋のところは公表にしている。「選考過程が不透明だ」という非難は、自身が選ばれなかったことへの不満にしか聞こえない。

     新報の報道では、安里氏はのちに否定したが、氏が副知事ポストを巡り条件闘争をしていると県連が視ているとしていた。県連を非難する人たちは、安里陣営が行っているゲリラ戦に県連が乗っかった方がよかったというのだろうか?

     中には沖縄県連がいかに腐っているかを僕に懇切丁寧に教えてくれる人もいる。僕がここで論点にしているのはそこではない。自民党や県連が腐っているのは百も承知のことであり、僕はそのために自民党員になる選択をしていない。自民党の国会議員候補が選挙のときにも、いかに国のことを語らないかを批判もしてきた。大阪自民党が共産党と手を組んだ話をしたが、かつて自民党本部も保身のために社会党とも手を組んだことも忘れてはいけない。前回知事選で革新と手を組んだ人物を輩出したのも自民党である。

     だから、県連を非難、批判するなと主張しているわけではない。そうではなく、今、県連を批判することは安里陣営のゲリラ戦に乗っかることになりはしないかと憂慮しているのだ。そうなると今後、県知事選のたびにこうしたゲリラ戦をしかける人物が現れる可能性が排除できなくなる。

     選考委が「新聞辞令」で選考結果を発表したことも批判されているが、メディアを使ってかき回したのは安里陣営が先であろう。選考結果の連絡もないというのは県連も大人げない対応であるが、これは単に感情のもつれが原因であり、それを持って密室で決まったという批判はあたらないだろう。

     安里氏は世論とメディアを使い、選考委の選考過程に影響力を与えることを目論んだ戦略を立て実行した。実業家として練られた戦略だったのだろう。それに多くの人が乗っかった。実業家だけに彼の落としどころが副知事ポストを巡った条件闘争だといわれると妙に合点が行く。しかし、出馬による保守分裂を人質にした戦略は保守層の心の分裂を引き起こした。

     保守分裂を引き起こそうとしているのは果たして県連なのか?前回選挙では県民は県知事になりたいだけの人を選んでしまった。彼はどうしても県知事になりたくて革新と手を組んだ。しかし、彼にとって県知事は年齢的にも最後のチャンスだったから悪魔と手を組んだのだろう。

     まだ若い安里氏は違うと思う。県知事は彼にとって通過点であろう。彼には総理大臣の野望もあると聞く。本気でその野望をお持ちなら、沖縄県出身者初の総理となるはずで僕も応援したい。本気であるなら、自民党を飛び出して革新と手を組むことはないだろう。前途有望な彼が無所属出馬をすることは考えられない。今後、安里氏が佐喜真氏と一本化に向けて話し合う機会もあると聞く。僕は正直、どちらが推薦候補になろうが、自民党推薦候補を全力で応援する所存である。

     安里氏の行政能力は未知数であるが、いい県知事になる可能性はゼロではない。ただ、かつてテレビ出演していたこともあり、メディアと仲良くやっているのでメディアの意に沿った県政をやる心配がある。佐喜真氏の行政経験や実績も県政レベルになるとどうなのかわからない。いずれにしても一本化しなければ戦えない。

     筋論で言えば、県連から出馬要請された佐喜真氏は早急に出馬の意向をあきらかにすべきであろう。佐喜真氏が出馬となったら、安里氏が出馬を取り下げるべきだろう。大義のために、自らを律することを安里氏には期待したい。こう書くと僕は佐喜真氏擁護に受け取られる可能性があるがそれは本意ではない。繰り返し書いているが現時点での県連批判は安里氏応援団の声が大きいことで起こっているとみているのだ。ここからは自民県連の調整能力が問われるであろう。

     安里氏に対する頑なな態度も大義の為に取り下げて、一本化の調整に全力を尽くしてもらいたい。一本化に失敗した時、あるいは県政の奪還に失敗した時、佐喜真氏出馬なら宜野湾市長選に敗れた時、その時こそ猛烈な県連批判を展開すべき時だろう。

    (2018年7月21日記)


    「沖縄問題ドットコム」より転載
    http://okinawamondai.com/

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