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直接的な戦争と間接的な戦争を知らない日本人

■黙認する国際社会

 国際社会では“直接的な戦争”と“間接的な戦争”が存在するのですが、多くの日本人はこの認識ができていません。だから歴史認識でも白人世界の戦争観が理解できないし、今の国際社会で行われている紛争も過剰なコメントが散見されます。

 最近ではイスラエル空軍機がシリアに展開中のイラン革命防衛隊を空爆しています。それに対してシリアとイラン革命防衛隊は、イスラエル空軍機を撃墜しました。このニュースが日本で流れても、国際社会は黙認しています。

 少し前ですがロシアがウクライナ東部に介入し、ロシア義勇兵を派遣したニュースは日本でも知られています。ですが国際社会は、ロシアがウクライナ東部に義勇兵を派遣しても黙認しました。

■直接的な戦争と間接的な戦争

 国際社会では“二枚舌”が当たり前で、日本の見た目だけの外交など無価値です。日本人は国内でしか使えない善悪論を捨て、外国で通用する強弱論で見なければなりません。日本から外国を騙すことが目的ではなく、外国から騙されないために知るべき知識です。

直接的な戦争:軍隊を用いた宣戦布告と戦闘

間接的な戦争:法的制裁・経済支援・物資供給・義勇軍派遣・空爆・砲撃

 軍隊を用いた戦争で、宣戦布告しても、先に開戦した国は「悪」にされます。何故なら、国際社会の平和は強国に都合が良いルールだからなのです。宣戦布告しても開戦することは、今の平和を否定することを意味します。

 それは平和のルールを作った強国への挑戦となるのです。そして強国は“平和を乱す国”を「悪」として裁くことができます。これが国際社会のルールだから、強国に挑戦した戦前の日本が悪にされたのは当然のことだったのです。

 そのため、先に開戦した国が悪にされるから、多くの国は間接的な戦争で挑んでいます。戦前のアメリカによる「ABCD包囲網」(米英中蘭による日本経済封鎖)が典型的な例で、さらに法律論であるハル・ノートも間接的な戦争です。

 国際社会では第三国への経済支援・物資供給は間接的な戦争です。例えば、義勇軍を派遣したとして、どう見ても正規軍なのに、派遣国が「義勇軍だ」と強弁すれば義勇軍と見なされます。さらに正規軍が空爆や大砲で砲撃を行っても、これらも間接的な戦争に該当します。

兵科の機能

歩兵:正面攻撃・占領機能
騎兵:側面攻撃
砲兵:正面防御

 兵科の機能から言えば、占領機能を持っているのは歩兵のみです。だから正規軍の攻撃でも空爆や砲撃は火力攻撃のみで占領はできません。占領機能が無いなら間接的な戦争と見なされる。これが国際社会です。

■二枚舌の国際社会

 太平洋戦争はアメリカが日本を挑発し、日本から戦争を始めさせるように仕向けた戦争です。アメリカの策は、「今の平和を乱す国が悪」とする国際社会のマナーを悪用しました。日本人の多くが疑問に思うのは、アメリカは中国の蒋介石に物資供給やフライングタイガース(日中戦争時に米国が中国に派遣した“義勇軍”)の派遣です。

 日本人の多くは、アメリカによる蒋介石への物資供給とフライングタイガースの派遣は、「アメリカから先に仕掛けた戦争」だと認識しています。

 順番としてはアメリカが先に日本へ戦争を仕掛けました。これは事実ですが、国際社会では直接的な戦争と間接的な戦争に分けています。アメリカが日本に仕掛けた戦争は間接的な戦争です。だから国際社会ではアメリカの行為を黙認します。

■間接的な戦争は黙認される

 国際社会では間接的な戦争は黙認されます。何故なら、自国も間接的な戦争を使った過去があるか、もしくは今後、間接的な戦争を使う可能性があるからです。自国も間接的な戦争を行うならば、国際社会では批判しません。

 今のイスラエル・シリア・イランでも間接的な戦争が行われています。イスラエル空軍機による空爆も間接的な戦争であり、砲撃も間接的な戦争に該当します。さらにシリアに展開中のイラン革命防衛隊は正規軍ではありません。

 イラン革命防衛隊は宗教団体の武装組織だから、国際社会では正規軍とは見なされず義勇兵扱いです。イラン革命防衛隊がシリアでイスラエル空軍機を撃墜しても、国際社会が黙認する理由は、双方が間接的な戦争をしているからです。

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