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    堂本かおる
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    菊田 均
    菊田 均
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    松本 健一
    松本 健一
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    小名木 善行
    小名木 善行
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    大島 直行
    大島 直行
    伊達市噴火湾文化研究所長
    時広 真吾
    時広 真吾
    舞台演出家
    渡辺 久義
    渡辺 久義
    京都大学名誉教授

    どう考えたって、ママがいいに決まっている!

     この前、就活の合間を縫って帰ってきた娘と話しているとき、「もうすぐ、父の日だね」という話になった。

     「そう言えば、そんな日があったか」と思って、「母の日はみんな覚えていて、盛んに感謝したり、プレゼントが行き来したりするけど、父の日というのは、なんだか付け足しみたいだね」と言うと、娘がちょっと憐れむような目をして、「お父さん、自分でそんなこと言って、可哀そうだね」と言う。

     17年前に妻が他界して以来、私なりに懸命に子育てをしては来たものの、どれだけ良くできたのか、自分でも分からないのです。これが反対で、私が先に逝って、妻が子育てをしていたらもっと良かったのかも知れない、などとも考えてみることもある。

     先日読んだ記事にも、こんなのがあります。

     0~3歳の赤ちゃんに、パパとママどっちが好きかと聞けば、はっきりとした統計はありませんけど、どう考えたってママがいいに決まっているんですよ。0歳から「パパ」っていうのはちょっと変わっていると思います。ですから逆に言えば、お母さんたちに負担がいくことを前提とした社会制度で底上げをしていかないと、言葉の上で「男女平等参画社会だ」「男も育児だ」とか言っても、子どもにとっては迷惑な話かもしれない。(5月27日、自民党宮崎県連での萩生田光一幹事長代行講演)

     子育てに、父親には父親なりの役割もあるではあろうが、幼い子どもにどっちが好きかと聞けば、「ママが好きに決まっている」のは、100%間違いない。

     父親としては残念ながら、もっともな話だなと思う。

     どうして子どもは、ママのほうが好きなのか。それは敢えて論じるまでもないでしょう。お母さんと子どもの距離感は、お父さんと子どものそれに対して、お腹に宿すところからして、比較にならないほど近い。これはもう、お父さんがどんなに逆立ちをしたって敵うものではないのです。

     しかし、その敵うはずもないことを、やってこざるを得なかった。

     テレビの娯楽番組でもよくお顔を拝見する武田邦彦先生が、尾崎豊の「15の夜」が好きだという。何がそんなにいいのか、その一節をここに引いてみましょう。

     自分の存在がなんなのかさえ分からず震えている
     15の夜
     盗んだバイクで走り出す
     行き先も分からぬまま
     暗い夜のとばりの中へ
     誰にも縛られたくないと逃げ込んだこの夜に
     自由になれた気がした
     15の夜

     武田先生によると、14歳の女の子には具体的に描けるバラ色の人生がある。年頃になったら良い男性を見つけて結婚し、子どもを何人か生み育てて、もう子どもが産めない年になったら、子どもや孫の面倒を見ながら、90歳くらいまで生きる。

     ところが、14歳の男の子にはそういう人生が見えない。有性生殖の一員である人間において、男性の役割はわずか一滴の配偶子(精子)を女性に与えれば終わる。あとは、その女性と子どもを守るために働き、昔なら命を懸けて戦いに赴く。しかし今の平和な日本では、命を懸けて戦う状況もないので、男性にはほとんどやるべきことがない。

     だから、15の夜に、「行き先も分からぬまま、暗い夜のとばりの中へ逃げ込む」しかない。
     15歳の男の子の心の内をとても的確に歌っていると、武田先生は絶賛するのですが、確かに、女の子にこんな歌は作れないでしょう。

     先生の言いたいことは分からないでもないのですが、男性のやることが配偶子と死ぬことだという先生の論はちょっと極端に過ぎる。家庭においてもお父さんの役割が決してないわけではないし、男性の内的成長のために家庭は必要不可欠なものです。

     ただやはり、妻が夫にあまりに過度な「いくめん」を要求すると、離婚率が上がるという統計もあるようです。男性が女性とまったく同じように子育てをしようとすると、男性の中の何かが機能不全に陥り、壊れてしまう。

     父の日を祝って感謝してほしいという気などさらさらないのですが、まあまあ深刻な機能不全にも陥らず、ここまでやってこれたことを、天とあの世の妻に感謝するのみなのです。

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