■連載一覧
  • 米国の分断 第3部 「自虐主義」の源流
  • 懸案にどう挑む 第4次安倍改造内閣
  • 平壌共同宣言の波紋
  • '18沖縄県知事選ルポ
  • 2018/10/15
  • 2018/10/04
  • 2018/9/26
  • 2018/9/25
  • 2016 世界はどう動く-識者に聞く
  • 戦後70年 識者は語る
  • 2015 世界はどう動く-識者に聞く
  • 2014 世界はどう動く
  • 2016/1/04
  • 2015/8/09
  • 2015/1/07
  • 2014/1/06
  • 香港・中国返還20年 「一国二制度」の前途
  • 台湾に吹いた蔡英文旋風
  • ルポ・政権交代の攻防 台湾総統選
  • 二極化する香港 識者インタビュー
  • 香港誌「前哨」編集長 劉達文氏に聞く
  • 「雨傘革命」下の香港 揺れる一国二制度の行方
  • 揺れる香港 各派リーダーに聞く
  • 香港の普選運動 親中派民間団体代表の見方
  • 2017/7/01
  • 2016/1/18
  • 2015/12/26
  • 2015/7/12
  • 2014/11/21
  • 2014/11/14
  • 2014/11/06
  • 2014/7/08
  • 中国「一帯一路」最前線 バルカンに吹く風
  • 危機のアジア 識者に聞く
  • 南シナ海 強まる中国支配 安保専門家に聞く
  • ドゥテルテ大統領就任から3カ月 どこへ向かう比政権
  • 香港「自治」の行方 識者に聞く
  • 中華圏に浸透する同性婚
  • 中台関係の行方
  • 日米同盟と台湾 海洋安全保障の展望
  • 蔡英文時代の台湾 本土派路線のビジョンと課題
  • ASEANの夜明け アジアハイウエー7000キロルポ
  • 緊張 南シナ海
  • 中央アジア胎動 中国「新シルクロード」と日本の戦略
  • “政熱経熱”の中韓
  • 新QDRと米中軍事バランス
  • 新グレートゲーム・幻想だった中国の平和的台頭
  • 新グレートゲーム・中国南進の海
  • 2018/8/20
  • 2018/1/04
  • 2017/7/26
  • 2016/9/21
  • 2016/8/17
  • 2016/7/26
  • 2016/6/03
  • 2016/5/31
  • 2016/5/19
  • 2016/3/22
  • 2015/11/18
  • 2015/10/14
  • 2015/9/07
  • 2014/3/31
  • 2014/2/14
  • 2013/4/18
  • ムスリム同胞団とアラブ モハメド・F・ファラハト氏に聞く
  • 多難な年明けのトルコ
  • EUと難民 UNHCRウィーン事務所報道官に聞く
  • ロシアのシリア内戦介入 アルアハラム財団事務局長に聞く
  • 2017/9/01
  • 2016/1/30
  • 2015/12/11
  • 2015/11/13
  • 米朝首脳会談の焦点
  • 「赤旗」役所内勧誘の実態
  • 憲法改正 私はこう考える
  • 衆院選大勝 安倍政権への提言
  • 2017衆院選 国難と選択
  • 新閣僚に聞く
  • 第3次改造内閣 信頼回復へ始動
  • ’17首都決戦
  • 施行から70年 憲法改正を問う
  • どうなる「民共協力」 27回共産党大会の焦点
  • 蓮舫民進 疑問の船出
  • 新閣僚に聞く
  • 「立憲主義」について
  • 再改造内閣 始動
  • 安倍政権 新たな挑戦
  • 16参院選 注目区を行く
  • 伊勢志摩サミット
  • 憲法改正 ここが焦点
  • 筆坂元日本共産党ナンバー3と田村自民党政務調査会審議役が対談
  • 第3次安倍改造内閣スタート
  • 詳解 集団的自衛権 安保法制案の合憲性
  • 衆院選 自公圧勝 ~課題と展望~
  • ’14衆院選 注目区を行く
  • 第2次安倍改造内閣スタート
  • 日米首脳会談 成果と課題
  • 2018/6/07
  • 2018/3/30
  • 2018/2/15
  • 2017/10/25
  • 2017/10/16
  • 2017/9/07
  • 2017/8/06
  • 2017/6/27
  • 2017/4/26
  • 2017/1/09
  • 2016/9/17
  • 2016/9/02
  • 2016/8/22
  • 2016/8/04
  • 2016/7/12
  • 2016/6/30
  • 2016/5/23
  • 2016/4/25
  • 2016/4/04
  • 2015/10/08
  • 2015/8/06
  • 2014/12/16
  • 2014/12/07
  • 2014/9/05
  • 2014/4/26
  • 歪められた沖縄戦史 慶良間諸島「集団自決」の真実
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第2部 自衛隊配備へ動く石垣島
  • 国防最前線・南西諸島はいま 第1部 与那国島・陸自駐屯地
  • 激震・翁長県政 「オール沖縄」の凋落
  • 普天間基地移設 経緯の検証と提言
  • 「援護法」に隠された沖縄戦の真実
  • 2018/4/07
  • 2016/10/31
  • 2016/10/12
  • 2016/1/26
  • 2015/10/01
  • 2013/7/08
  • どうなる米朝首脳会談
  • 検証 南北首脳会談
  • どう見る北の脅威
  • 北暴走 揺れる韓国
  • どう見る北の脅威
  • 北朝鮮 制裁の現実
  • どう対処 北の脅威 米有識者に聞く
  • 9年ぶり左派政権 文在寅大統領の韓国
  • 弾劾の波紋 漂流する韓国政治
  • 検証・金正恩統治5年
  • どこへ行く混迷・韓国 国政介入事件の深層
  • どう見る金正恩体制 日韓専門家対談
  • 迎撃ミサイル配備 韓国の決断
  • 3代世襲“完成” 北朝鮮第7回党大会
  • 検証 元料理人 藤本氏の再訪朝
  • 韓国総選挙ショック
  • 日韓国交正常化50年 識者に聞く
  • どうする拉致解決 日朝ストックホルム合意1年
  • 日韓国交正常化50年 「嫌韓」「反日」を越えて
  • 張成沢氏失脚 北で何が起きたか
  • 2018/5/23
  • 2018/5/01
  • 2018/2/13
  • 2017/9/21
  • 2017/9/19
  • 2017/6/26
  • 2017/5/17
  • 2017/5/11
  • 2017/3/15
  • 2016/12/27
  • 2016/12/05
  • 2016/8/24
  • 2016/7/20
  • 2016/5/10
  • 2016/4/29
  • 2016/4/15
  • 2015/6/22
  • 2015/5/11
  • 2015/2/05
  • 2013/12/10
  • 待ったなし地球温暖化対策
  • 環境先進国フランスの挑戦
  • 迫る気候変動の脅威 どうする大災害への備え
  • 2016/1/02
  • 2015/10/07
  • 2015/9/21
  • 米国の分断 第2部 反米・容共の風潮
  • 米国の分断 第1部 断罪される偉人たち
  • 「米国第一」を問う トランプを動かす世界観
  • トランプのアメリカ 就任から1年
  • トランプVSリベラル・メディア
  • 「情報戦争」時代と米国
  • 米軍再建への課題-元上級将校の提言
  • トランプ政権始動
  • トランプ大統領の衝撃 米国と世界はどこに向かう
  • トランプvsヒラリー 米大統領選まで1カ月
  • オバマのLGBT外交 米国と途上国の「文化戦争」
  • トランプVSヒラリー 米大統領選まで3カ月
  • オバマ外交と次期米大統領の課題
  • 2016年米大統領選まで1年
  • 再考 オバマの世界観
  • オバマの対宗教戦争・第1部
  • オバマの対宗教戦争・第2部
  • 2018/7/18
  • 2018/5/08
  • 2018/3/12
  • 2018/1/18
  • 2017/12/21
  • 2017/4/03
  • 2017/2/28
  • 2017/1/22
  • 2016/11/11
  • 2016/10/08
  • 2016/9/26
  • 2016/8/06
  • 2016/6/14
  • 2015/11/08
  • 2015/7/06
  • 2013/8/05
  • 2013/9/30
  • JAXA宇宙探査計画
  • 2015/12/24
  • 堂本かおる
    堂本かおる
    ニューヨーク在住フリーランスライター
    菊田 均
    菊田 均
    文芸評論家
    松本 健一
    松本 健一
    評論家
    中岡 弘
    中岡 弘
    著述家
    大島 直行
    大島 直行
    伊達市噴火湾文化研究所長
    時広 真吾
    時広 真吾
    舞台演出家
    渡辺 久義
    渡辺 久義
    京都大学名誉教授

    日本の食の安全が危ない

    いま、日本の食材が、一部の人達にだけ利益を与え、生産者も消費者も、ことごとく損をし、しかも安全性も安心もなんら確保されないものへと変化しようとしているといわれています。
    それは輸入食料がおそろしいとか、食品添加物がおそろしいとかいうような話ではありません。
    国産の農産物が、そして農産物を育てる土壌が、農産物の種子そのものが、いま重大な危機にあります。

    私たちは食事につかう食材に、安全と安心を求めます。
    もちろん毎日のことですから、価格が安いこともたいせつな要素です。
    価格が安いということは、生産者である農家のみなさんにとって、それは栽培のし易い食材であるということかもしれません。
    また流通に携わる人たちにとって、儲かる食材、売れる食材であることもたいせつなことです。

    しかし、それらすべては、まず、食材が安全であること、安心して口に入れることができるものであることが前提です。
    なぜなら、私たちの体は、毎日食べる食材によってできあがっているからです。
    そして私たちの魂は、その体に乗っています。

    ところがいま、日本の食材が、一部の人達にだけ利益を与え、生産者も消費者も、ことごとく損をし、しかも安全性も安心もなんら確保されないものへと変化しようとしているといわれています。
    それは輸入食料がおそろしいとか、食品添加物がおそろしいとかいうような話ではありません。
    国産の農産物が、そして農産物を育てる土壌が、農産物の種子そのものが、いま重大な危機にあります。

    どういうことか。
    根っこにある問題は、利権です。
    その利権とはどういうものか、食品ではなく、わかりやすい例として子宮頸がんワクチンをあげます。
    子宮頸がんワクチンは、重大な副作用による危険が指摘されていながら、つい先ごろまで国をあげて推奨されていました。
    女児を癌から救えるならと、すくなからぬ人たちがその推奨をしました。

    その子宮頸がんワクチンは、1本が7万円もする高価なものです。
    しかし原価は、海外からの輸送費も含めて100円にも満たないものです。
    そのような物が、国をあげて推奨されたのです。
    しかも国から補助金まで出るという。

    結果、何が起こるでしょうか。
    第一に、製造している海外の薬品メーカーはボロ儲けします。
    その会社は、短期決算で莫大な利益を計上し、株価も上昇、CEOと呼ばれる役員たちは、何十億どころか何千億円単位の年収を手に入れることができるようになります。
    もちろん株を持っている資本家も多額の配当金を得ることになります。
    ただし、大儲けして一生かかっても使い切れないほどの年収を得るのは、そうしたごく一部の人達だけです。
    その工場で働く圧倒的多数の人たちは、日本で言ったら年収150万円以下の低所得者たちでしかありません。

    第二に、頸癌ワクチンの副作用によって大切な娘さんが命を失ったり、あるいはひどい後遺症に悩まされる数多(あまた)の悲劇が繰り返されます。
    そしてその被害者たちへの保障が支払われることはまったくありません。
    そもそもワクチンを受ける段階で、ワクチン接種によって生じるリスクについては、一切の責任はワクチンを受ける側が負担するという内容が細かい字で書かれた書類にサインさせられるのです。
    この契約書がある以上、裁判を起こしてもどうにもならないというのが、法社会の原則です。

    結局、ごく一握りの人たちの巨額の利益のために、多くの人々の安全、安心が無視され、犠牲にされる。
    実はこのことが、国際社会というより、グローバリズムの現実です。
    かつてはその土地にある富を収奪することが植民地支配でした。
    けれど大東亜戦争後の世界では、むしろ世界の国々をある程度富ませて、巨額の商品を買わせるというのが、支配のスタイルへと変化してきています。
    要するに、昔は狩りでバッファローを絶滅するまで食べたわけです。
    ところが最近では、むしろ安全保障をちらつかせながら、飼育して食うように変化してきたのです。
    「豚は太らせて食え」というように変化しているのです。

    そしていま、日本の農業と日本人の食が、おびやかされようとしています。

    このことをご案内するために、農業行政、種子、土壌、遺伝子組換え、特許、種子の多様性に分けてご案内してみます。

    ▼農業行政

    話の初めとして、日本の農業行政のウソについてお話してみたいと思います。
    みなさんは、日本の農業が過保護だという話を聞いたことがあると思います。
    本当にそうでしょうか。

    日本の農家の農業所得に占める行政からの補助金の割合は、少し古いデータですが、農業統計調査によれば2013年で39.1%です。
    フランスは94.7%、英国が90.5%、ドイツが69.7%、その他ヨーロッパの諸国は、いずれも6割〜9割が国の補助金です。
    スイスは104.8%です。
    100%を超えているのは、補助金がなければ赤字だということです。
    農業大国と呼ばれている米国が75.4%です。
    要するに日本の農業は、過保護どころか十分な保護が行き届いていないというのが現実です。

    ではなぜ世界の諸国は、農業に巨額の補助を与えているのでしょうか。
    実は簡単な理屈です。
    万一戦争になって、食料の輸入が途絶えたとき、国民が飢え死にすることを避けるためです。
    食料は、国民が生きるための基本だからです。
    なぜなら人は食べなければ生きていくことができないからです。

    愛する我が子を飢え死にさせることほど、悲しいことはありません。
    だからこそ二度と絶対にそのようなことが起こらないように、国家は自国の農業を保護し、食料を備蓄して常に非常時に備えているのです。

    国家は、国民生活が豊かで安心して安全に暮らせることに責任を持つ国民のための機構です。
    ですから、国民がいかなる場合においても絶対に餓えないようにしていくことは、国家の基本であると認識されているのです。
    日本は緑が多くて水のおいしい土壌の肥えた農業に適した国土を持ちます。
    しかし日本は、食料自給率が低い食料輸入国です。
    万一戦乱等で食料輸入が絶えると、日本人の半数以上が餓死することになります。

    イスラエルは、国土のほとんどが砂漠です。
    地味も痩せています。
    けれどイスラエルは、国をあげて農業を育成し、いまでは農産物は、国内需要を上回る生産力を持つ食料輸出国です。

    ▼種子

    その農業を行うためには、農作物の種子(たね)が不可欠です。
    その種子については、どこの国においても、農家の自家採種が標準です。
    なぜなら土地に馴染んだ種子でなければ、まともな作物が育たないからです。

    家庭菜園などを経験された方ならおわかりいただけると思うのですが、形の良い、いかにも美味しそうな実を付けているカボチャの写真の載っている袋に入った種子を買ってきて、自宅の菜園に植えたのに、ようやく育った作物は、案に相違して、形がゆがんでいたり、身が薄くて種ばかりがやたらと多かったりします。
    それでも自分の菜園でできた作物は、嬉しいので食べるのですが、おそらくカボチャは、残念ながら農産物としての出荷はむつかしい。なぜなら形がいびつで実が少なく、中身は種ばかりだからです。

    実はこのことは、まさに植物が生きていることの証(あかし)です。
    農家においても、たとえば九州で開発された美味しいカボチャの種を関東に持ってきて育てても、最初の年は、やはり形がいびつで種ばかりが多いカボチャしかできません。
    なぜかというと、違う土壌、異なる自然環境の土地へやってきたカボチャは、その地でなんとしてでも自分の種を残そうとして、実の中に種子を多くつくるのです。
    種に養分を吸い取られた結果、カボチャの実は薄くなります。

    そのカボチャも、そこで育てたカボチャから自分の家で種を取って、その種から作物を育てるということを繰り返すと、だいたい3年目くらいから、当初予定していた、とても美味しくて形の良い、写真通りのカボチャが育ちます。
    要するに土地に馴染むのです。

    これは稲や小麦、トマトやきゅうりなどでもまったく同じことが起こります。

    ですからたとえばいままでコシヒカリを栽培していた関東の農家が、北海道産のゆめぴりかが美味しいと評判だからと、その種から育てた苗を、いきなり自分の田に植えても、美味しいお米は穫れません。
    少量の、種苗を育てるための栽培を2〜3年かけて行い、土地に十分なじませてから、ようやく田に植えることができるようになります。

    一方、それらお米の原種となるおおもとの品種は、実は国が経営する専用の農業試験場で大事に保護されて育てられています。
    その国がセンターで品質保持のために育てている種苗を、原原種といいます。
    そうすることで、国産米の品質保持を図っているのです。

    その原原種で栽培された種子(種)は、全国の都道府県の育成センターに分けられます。
    育成センターでは、それぞれの土地になじむように、その原原種を育てます。
    こうして各地の育成センターで地元用に育てられた種を、原種といいます。
    よく「◯◯県産コシヒカリ」と書かれて出荷されているお米の、これが種子になります。

    その原種の種子から育てた苗を分けてもらって、各農家は少量の稲を育てます。
    その稲から、農家では次の作付けのためのモミ(種子)を取り、そのモミから、苗を育てて翌年のお米を育てます。

    こうして収穫されたお米が、「◯◯産コシヒカリ」などとなって出荷されるのですが、通常、原原種の栽培から、この農家による出荷に至るまで、5年ほどの歳月がかかります。

    これはお米だけではなくて、キャベツでも大根でも、ブロッコリーでもみんな同じです。

    ▼土壌

    ところがこれだけ大事に育てた種子でも、土地そのものが劣化してしまうと、まともな作物に育ちません。
    その土地劣化の最大の要素となるのが、化学農薬です。
    土に植えて作物を収穫するすべての農業作物は、植物ですから、地中に根を張ります。
    育った野菜を引っこ抜きますと、根が細かく張っている様子を見ることができます。
    ところが、実は、引っこ抜いたときに、野菜などの本体に付属している根っこというのは、根っこのごく一部でしかありません。

    432

    根圏菌

    どういうことかというと、地中にはたくさんのバクテリアがいます。
    目に見えない小さなバクテリアですが、その量は、地上にあるあらゆる動植物の総重量よりも、はるかに多いものなのだそうです。
    そのバクテリアたちが、実は地中で、作物の根っこの先端にとりついて、そこから「バクテリアによる根」を地中に広々と張り巡らします。
    これが根圏菌で、植物の根の周りには、その植物自体の根の1〜10万倍に、その根圏菌根が広がります。
    その根圏菌たちが植物の根に栄養分を提供するのです。

    本来、地中の根圏菌たちがつくる栄養分を植物が吸って作物ができるのです。
    その根圏菌は、田んぼごと、畑ごとに違いがあります。
    同じ品種の同じ種子を畑にまいても、畑ごとに味に違いが生じるのは、この根圏菌が原因です。
    よく、美味しい作物を育てるには、肥えた土壌が必要だといいますが、それはまさに良性の根圏菌がたくさん繁殖している土をつくることを意味しているわけです。
    すると元気な根圏菌が作物の根の周りにひろがり、おいしい作物が育つのです。

    ところが化学肥料を用いると、その根圏菌が死滅します。
    すると、地中のミネラルではなく、化学薬品だけを吸った作物ができあがります。
    こうした作物は、根の周囲に根圏菌による根がありませんから、作物が「ひっこぬきやすく」なります。
    当然です。
    根圏菌による根が付属していないのです。
    だから、野菜がズッポリと地面から簡単に抜けるのです。

    ではそのことが、なぜ食の安全を脅かすことになるのでしょうか。
    実はそこに特許種子が関係しています。

    ▼遺伝子組換え

    よく「遺伝子組換え」という言葉を耳にされる方が多いかと思います。
    それはよくないものだという人たちがいます。
    その一方で、多くの方々の認識は、いまある農作物自体が「品種改良」によってもたらされたものなのだから、それと似たようなものだし、「それはそれで良いのではないか。何が問題なの?」といった認識しかないのではないかと思います。
    ところが実はこれはとてもおそろしいことなのです。

    どういうことかというと、いわゆる品種改良というのは、同一品種の中で行われるのです。
    植物は「めしべ」に「おしべ」が取り付いて受精します。
    そこで人工的に、品質の良いものどうしを掛け合わせることで、より良い品種を作り出します。
    これが「品種改良」です。
    要するに美男と美女を結婚させることで、より美しくて性格の良い優秀な子孫を得ようとするようなものです。

    ところが「遺伝子組み換え」は違います。
    たとえば、あるキャベツが、特定の病気にかかりやすいとします。
    そこでその病気に強い、たとえばイモムシの遺伝子を、その植物に移植します。
    こうしてイモムシとキャベツのあいの子を人工的につくりあげます。
    これが「遺伝子組換え」です。

    昔、「The Fly」(邦名「蝿男」)という映画がありました。
    瞬間移動装置を開発した学者が、実験中に自分の遺伝子にハエの遺伝子が混ざって怪物に変身してしまうという科学ホラー映画です。
    これと同じことを植物に応用しているのが「遺伝子組換え」です。

    目的は、特定の病気に強い品種をつくるためとか、害虫に強くて栽培が容易な品種をつくるとかです。
    しかし、こうして生まれた「キャベツのような形はしているけれど、キャベツの遺伝子だけから生まれたわけではないキャベツ」が栽培され、市場に出されて人々の食卓に並ぶわけです。
    その食品は、何のDNAが混ざっているのかまったくわからない食品です。
    それを私たちは、ただ形が大豆やキャベツに似ているからと、買わされ、食べさせられるわけです。

    しかしそのような食べ物を体内に採り入れたとき、果たしてどのような副作用があるのか。
    これはまったく検証されていないことです。
    私たちの体は、食べたものの栄養素によってできあがっています。
    その栄養素が、自然にある栄養素ではなくて、人為的に作られた栄養素に似た栄養素でないものに入れ替わるわけです。
    それによって、人体にどのような影響が生じるのか。
    それは世代を超えて遺伝するのかしないのか。
    数代を経過したときに、どのような変化をもたらすのか。
    そうしたことは、現段階では実はまったくわかっていないのです。

    この「遺伝子組み換え食品」について、よく「神の御心に反している」という言い方をする人がいます。
    そのような言われ方をすると、なにやら遺伝子組換え食品に反対していることが、カルトめいた話のように聞こえてしまいますが、しかし自然界においては、異種との結合はありえないことです。
    たとえば、猿とピューマが結ばれて、猿ピューマなどという生物が誕生することは、自然界では絶対に起こらないことです。

    ところが猿は知能が発達している。
    ピューマは、あらゆる動物の中でもっともジャンプ力がある(垂直跳びで7メートルの高さまでジャンプできるのだそうです)。
    もしかするとその猿は、そこでオリンピックの走り高跳びや、三段跳びで優勝することができるかもしれません。
    しかしそうやって生まれた猿が、果たして運動競技以外の分野でどのような影響を人々にもたらすかは、それは誰にもわからないことです。
    そして、そのような異種同士を掛け合わせるという、自然界に存在しないことを行うことが、果たして人類に許されていることなのか。
    人類は神なのか。
    これははなはだ疑問が持たれるところです。

    そして問題は、その遺伝子組換えによって、得られた新種の種子が、特許の対象になったことです。

    ▼特許

    開発者に特許が認められているのですから、その作物が普及すれば、特許権者は大儲けできます。
    そこで内外の大手企業が、いま進めていることが、世界各国の種子法の改定と、遺伝子組換え食品としての表示の撤廃、そして農家の支配です。

    どういうことかというと、どこの国でも、自国の国民の生命の安全と安心を確保するために、自国内で生産する食料については、その種子について、法律でこれを保護しています。
    たとえば日本のお米の種子なら、それは国をあげて原原種からきちんと管理されているわけです。

    ところが遺伝子組換え食品を売りたい企業からすると、これはとんでもなく邪魔な法律です。
    なぜならそのような法律があったら、肝心の自社開発の特許種子が売れないからです。
    当然です。
    普通の人なら、遺伝子組換え食品よりも、ノーマルな食品を選びます。

    ではどうするかというと、法制度を変えさせて農家による自家栽培した種の使用を禁止するのです。
    そうすることでその会社が開発した遺伝子組換え食品しか栽培させないようにする。
    さらに栽培にあたっては、種子の栽培方法まで、契約でがんじがらめにする。
    つまり肥料まですべて自社製品しか使わせないようにするのです。
    そして契約に違背したときに、法外なペナルティを支払うことを契約書に明記する。
    さらに遺伝子組換え食品であることの明示をしなくても良いように法を改定させる。

    最初は、遺伝子組換え食品の方が、価格が安く提供されます。
    そんな甘言に惑わされて、一度その種子を使うと、土壌がダメになって、もはやその会社の種子でしか農作物の栽培ができなくなります。
    なぜなら根圏菌が、指定された化学肥料によって死滅するからです。

    先に述べましたように、特定の種子をいきなり撒いても、相応の品質の作物はできません。
    最初の1〜2年は、売り物にさえもならないような作物しか収穫できない。
    ところがその場合のリスクの負担は、すべて農家の側が負うというのも、契約で決まっています。

    こうして3〜4年のうちには、その国の農家は、完全にその企業の支配下におかれることになります。
    そうなったところでその企業は、種子の値段を釣り上げます。
    すると、会社はボロ儲けできる、というわけです。

    実際にフィリピンやその他多くの途上国が、法を改定してこの種子を受入れ、結果、種子の値段は5〜10倍に膨れ上がりました。
    このため農業はまったく成り立たなくなりました。
    なんとかして農業を保護したい政府は、農業補填を行いたいのですが、国にお金がない。

    フィリピンのマニラといえば、いまや大都会です。
    しかしその大都会に、いまでもゴミ捨て場で生きる子供たちがいます。
    すさまじい臭気と危険な環境の中で、子供たちの最大の夢は「大人になるまで生きること」なのだそうです。

    そんなこと、日本のODAもあって、もう10〜20年前までの話にすぎなくなっているのではと思ったら大間違いです。
    最近では、また、ゴミの山に暮らす子供たちの数が増えてきているのです。
    なぜかというと、離島で農業をして暮らしていた農家の人たちが、軒並み破産して農地を捨ててマニラに移住してきているからです。

    とんでもないことと思われるかもしれません。
    しかしその狙いの矛先は、なんと日本にも向かっています。
    TPPによって関税障壁を取り払うだけでなく、彼らが作った遺伝子組換えの特許種子を、日本はいま、日本の種子を守るための種子法を改正してまでして、迎え入れようとしています。

    ▼種子の多様性

    同じキャベツであっても、地方ごとに、また畑ごとに、できる作物は微妙に異なります。
    同じコシヒカリであっても、同様です。
    そしてその微妙な違いが、実は、種の保存と、私たちの生きる力を守っています。

    このことは、コレラや赤痢といった法定伝染病に例えるとわかりやすいです。
    コレラや赤痢は、法定伝染病で、罹患したらまず、死にます。
    人口の3分の2が失われることさえもあります。

    けれど、どんなに強力なウイルスであっても、そのウイルスへの抗体を持っている人というのは必ずいて、だから人類は死滅することなく、いまも種が保存されています。
    これはDNAの多様性がもたらすものです。

    稲であっても、国内にある品種は500を超えます。
    さらに厳密にDNAレベルにまでなれば、それこそ田んぼごとに、微妙にDNAが異なります。
    そしてその多様性があるから、環境変化や、特定の作物の病気が流行っても、種が保存されるのです。

    ところが作物ごとの種子が、特定企業だけが提供する遺伝子組み換えの種子しか使えないとなったら、どうなるのでしょうか。
    なんらかの突発的事故によって、地球全体からその種が滅んでしまうことだってありえるのです。

    しかもその遺伝子組換えによって生まれた種子を用いて栽培した作物が、人体にどのような影響を及ぼすかは、現実にわかっていないことでもあります。

    ですから、種は多様であることが良いことです。
    そうでなくてはならないのです。
    ところが特定企業の特定品種しか栽培「できなく」なると、万一、なんらかの自然現象等で、その種が絶滅の危機を迎えたとき、品種そのものが失われてしまう危険があります。
    実際、いま、毎年数千種の植物が地球上から姿を消していっているといわれています。

    ▼まとめ

    農業は国の基本です。
    なぜなら私たちは、人間である限り、食べなければ生きていくことができないからです。
    だからこそ農業は、安全と安心のあるものでなければならないし、国家規模で大切に保護されなければならないものなのです。

    一部の人だけが儲けて、他の多くの人々が悲惨を味わう。
    そのような世界に、そのような日本に、決して、してはいけません。

    ではこの問題の最大の焦点は何でしょうか。
    その答えが「種子に特許を認めること」です。

    そもそも種子というのは、自然が作ったものです。
    その種子に、人が多少の手を加えたからといって、その種子に特許など、ありえない話です。

    このことに気付いたヨーロッパ諸国では、まずドイツが、続けて他の諸国が、種子への特許を禁ずる法を施行しています。
    そうすることで、自国の食を守っているのです。

    残念ながら日本では、農水省が先頭をきって、種子への特許を認め、また遺伝子組換え食品の栽培を奨励しています。
    過去70年間を振り返ったとき、およそ農水省の行った農業行政の結果は、これまで日本の農業を壊滅させる方向にばかり振れたものでした。

    なぜ農業のエリートが集った農水省が、政策を間違え続けるのでしょうか。
    その理由は、目先の利害に踊らされて、食糧問題の根幹にある、
     豊かで
     安全で
     安心できる作物
    を安定的に供給するという、農業行政の根幹を忘れているからであると思います。

    私たちが目覚めること。
    それは、我が国が神話の時代から担ってきた、
     よろこびあふれる楽しいクニを築くこと
    そして、
     誰もが豊かに安全に安心して暮らせるクニを築くこと。
     そのためにこそ政治があるのだということ。
     政治とは、誰か特定の人に稼がせるためのものなどでは決してない、
    ということを、いま私たち臣民のひとりひとりが、自覚することなのではないかと思います。

    お読みいただき、ありがとうございました。


    「大和心を語るねずさんのひとりごと」ブログより転載
    http://nezu621.blog7.fc2.com/

    4

    コメント

    コメントの書き込み・表示するにはログインが必要です(承認制)。