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共産党は労働者階級の味方ではない

労働者とは会社で働いて給料をもらい、給料で生活している人である。労働者には給料で生活している家族がいる。家族を含めて労働者階級であると考えるべきである。
労働の種類は農業、漁業などの第一次産業、工業の第二次産業、そしてサービス業の第三次産業と多種多様である。労働者は多種多様の産業で働いて給料をもらって生活している。
国民のほとんどは労働者階級に属している。国民の支持する政党は労働者階級の支持する政党といっても過言ではない。

共産主義は資本家階級による労働者階級搾取から労働者を解放して、搾取のない社会をつくるのを目的にしている。だから、共産主義を名乗る日本共産党は労働者の味方であるはずである。労働者の味方であるなら国民の支持が高いのは当然である。
国民の支持が高いか低いかのバロメーターになるのが選挙であるし、国会の議席数である。
2017年10月の衆議院選挙の各党の獲得議席数である。

自民党 281議席 9減
公明党 29議席 6減 
希望の党 50議席 7減
日本維新の会11議席 3減
立憲民主党は54議席 38増
共産党12議席 9減
社民党 2議席  0
無所属26議席 9減 

共産党は衆議員議席475議席のうちのわずか12議席である。
共産党が労働者の味方であればたった12議席はあり得ないことである。しかし、現実は12議席である。この議席数から言えることはほとんどの労働者は共産党を支持していないということである。労働者の味方であるはずの共産党であるのに労働者に支持されていないというのは矛盾している。それには共産党の政治に問題があるだろう。
共産党の公約を調べると、

○1%の富裕層・大企業のためでなく、99%の人々のために――経済民主主義の改革をすすめます。
○税金の改革――消費税増税の中止。大企業と大資産家に応分の負担を求め、財源を確保するとともに、格差を是正します。
○予算の改革――社会保障・教育・子育て・若者を優先し、格差と貧困の是正に役立つ予算を増やします
○本物の働き方の改革――8時間働けばふつうにくらせる社会にします。
○地域経済の再生――大都市と地方、大企業と中小企業の格差を是正します。
○女性への差別、格差をなくし、人権をまもり、自由と民主主義を発展させます
○中小企業を日本経済の根幹にふさわしく振興します。大企業と中小企業との公正な取引のルールを確立し、中小企業で働く人の賃金格差を是正します。
○消費税10%増税の中止。格差をただし、くらしを応援する経済政策にします。

 公約を見ると共産党が労働者の味方であり、労働者のための社会づくりを目指していることが分かる。

 共産党は1%の富裕層・大企業のためではなく、99%の人々のための政治である経済民主主義の改革をすすめますと宣言している。共産党の言う99%とは労働者や中小企業の事業者や労働者であり、彼らの家族のことである。99%の人々のための政治をやるのなら国民の圧倒的な支持を得るのが当然である。しかし、現実は衆議院ではたった12議席しかない。

 共産党は99%の人々のための政治をすると宣言しているが実際はそうではないから12議席しかないのではないかと考えざるをえない。99%の人々のための政治をすると宣言していながらそうでないのはなぜだろうか。その謎を解くことが共産党の議席が少ない原因を解明することになるだろう。

 ソ連共産党が労働者の味方でないことは学生の時に知った。戦後の琉球大学はずっと共産党系の民主青年同盟(民青)が学生自治会を握っていたが私が学生の頃に革命的マルクス主義(革マル)が登場してきて、民青と自治会の覇権を争っていた。私が在学している時に自治会長選て革マル派が当選した。それからは革マル派の自治会長が続いた。

革マル派は黒田寛一という盲目の哲学者を中心に結成した左翼団体であるが、革マル派を結成した人たちは元は共産党員であった。共産党を脱退して革マル派を結成したのである。

 脱退した原因は1956年に起こったハンガリー事件でソ連軍がハンガリーの労働者を弾圧したことに対する批判からであった。

ハンガリー動乱
1956年10月23日、ハンガリーの市民が政府に対して蜂起した。彼らは多くの政府関係施設や区域を占拠し、自分たちで決めた政策や方針を実施しはじめた。ソ連軍は1956年10月23日と停戦をはさんだ1956年11月1日の2回、このような反乱に対して介入し、蜂起は鎮圧された。その過程で数千人の市民が殺害され、25万人近くの人々が難民となり国外へ逃亡した。

1957年の1月にはソビエト連邦は新たなハンガリー政府を任命し、ハンガリー人による改革を止めようとした。
元青年共産同盟の黒田寛一はソ連の軍事介入を非難し『スターリン主義批判の基礎』を発表した。 ハンガリー事件に対しソ連を擁護した社会党や日本共産党と絶縁した。黒田はこの後「革命的マルクス主義」という独自の思想を展開し、その実践として「日本革命的共産主義同盟」を創設し、新左翼の先駆けとなった。

 革マルは「反帝国主義・反スターリン主義」を掲げている。革マルのいう帝国主義国家が米国であり、スターリン主義国家が旧ソ連、中国、北朝鮮である。

 共産党が労働者の味方ではないということをハンガリー動乱を参考にすれば説明できるが、衆議院の議席が少ない理由は説明できない。

 調べていくと、1%の富裕層・大企業のためでなく、99%の人々のためだという共産党の経済民主主義の改革のやり方に国民が支持しない理由があることが分かった。

 労働者の給料か上がるには二つの条件が重なる必要がある。一つは経営者と交渉して給料を上げるように要求し、上げなかったらストなどをして経営者に圧力かける。しかし、それだけでは給料を上げるのは困難である。特に経営収入が下がった時は難しいし、経営が横ばい状態でも経営者は給料を上げることはしない。給料を上げるためには会社の収入がアップしなければならない。アップすれば経営者は労働者の給料を上げる。

 給料が上がるには、給料を上げるように経営者に圧力をかけることと会社の経営収入がよくなることの二つの条件が必要である。

 共産党が掲げている経済民主主義には会社の収入がアップする政策が欠けている。会社の収入をアップさせるためには日本が好景気にならなければならない。好景気になるということは大企業の収入がアップすることにつながる。共産党は大企業が儲けることを嫌っている。だから、大企業が儲けるための経済政策はやらない。

 安倍政権は企業の国際競争力を高めるために、成長戦略の一環として、32.11%の法人実効税率を、2016年度に29.97%に下げた。2018年度には29.74%へと引き下げる予定である。共産党は安倍政権の政策は企業が儲けてますます貧富の差が広がると非難している。
 
 安倍政権のアベノミクスによって景気は回復し、失業率も改善されたが共産党は貧富の差が広がったとアベノミクスを非難する一方である。

 共産党は日本経済が好景気になるための政策は一切しない。逆に好景気にしようとする政策には徹底して反対する。

衆院選が始まる前に、私は共産党が経済政策を出さないことを予言した。そして、予言した通り共産党の選挙公約に経済政策はなかった。私はブログに「断言通りだ!共産党公約に経済政策はない」を掲載した。

共産党の衆院選公約の要旨は次の通り。
【憲法】安倍政権による9条改定に反対。現行憲法の前文を含む全条項を守る。
【違憲立法】安全保障関連法、特定秘密保護法、「共謀罪」法の三つの「違憲立法」を廃止し、立憲主義、民主主義、平和主義を取り戻す。集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回する。
【原発】原発ゼロを政治決断し、原発再稼働を中止。全ての原発で廃炉プロセスに入る。
【税制】消費税率10%への増税を中止する。法人税減税を中止し、安倍政権以前の税率に戻す。「富裕層」に対する「富裕税」を創設する。
【教育】義務教育期間中の(給食費など)教育費負担を解消する。幼児教育・保育を無償化する。高校授業料を完全無償化する。
【森友・加計学園問題】安倍昭恵首相夫人ら関係者を証人喚問し、真相を究明する。内閣人事局を廃止する。
【核兵器禁止条約】7月に国連で採択された核兵器禁止条約に日本政府が署名する。
【沖縄】米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移転中止。普天間飛行場の無条件撤去を要求する。

共産党小池氏は「最大の争点は「安倍暴走政治」と安倍政権非難に徹しているが、共産党の公約には肝心の経済政策はない。

今度の衆議院選挙は経済政策を公約に掲げない共産党、社民党、立憲民主党の左翼三党と経済政策を掲げる自民党、希望の党、維新の会の保守三党の対決でもある。
         「ブログ」より

 共産党だけでなく左翼政党は日本が好景気になるための経済政策は出さない。

 安倍政権の経済政策により、日本は好景気になった。大企業の収入は増えたし、失業率は好転し、新卒の就職率は大学、短期大学、高騰専門学校等を卒業する学生の就職状況はリーマン・ショック以前の水準まで回復し、約7年ぶりの高水準となった。

 安倍首相は労働者の給料の3%アップを企業に要求し大企業の経営者は安倍首相の要求に応えることを約束した。中小企業は労働者不足の状態のためにすでに給料アップが始まっているという。

 好景気にすることで就職率を良くし、労働者の給料をアップするのが安倍政権のやり方である。しかし、安倍政権に対して共産党は。

「財界にべったりの安倍政権は、今後も格差助長の税制を推進し続けるだろう。しかし、大企業だけが富を増やしても、実質賃金や消費を増加させるどころかむしろ停滞させてしまっていることは、すでに現実が証明している」
と非難するだけである。

 アベノミクスは日本経済を復興させるための政策であり、財界にべったりではない。財界にべったりではアベノミクスを慣行することはできなかった。それが0金利政策である。0金利政策のために銀行は経営不振になった。

 人材サービス大手リクルートキャリアに転職希望者として新たに登録した銀行員数は、2017年度上期(4~9月)に前年同期比で約3割増加し、その後も増え続ける勢いである。アベノミクスによる超低金利の政策によって銀行の収益は悪化した。収益の悪化が人員削減の不安が高まり、転職希望者が増加したのである。

 16年の転職者数は306万人で前年より3%弱増えたが、銀行員の転職希望者の増加率は、それを大幅に上回る水準になっている。

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戦後経済を牽引してきたのは銀行業界であったといっても過言ではない。その銀行業界の経営が悪化するかもしれないのに、安倍政権は経済復興のために0金利政策が必要と思ったら、銀行を犠牲する0金利政策を実施したのである。
共産党は財界べったりだと安倍政権を非難するが共産党の指摘は的外れである。安倍政権は日本の経済を復興させることによって、国民の生活を豊かにすようとしているのである。国民の生活を豊かにすることが国民の安倍政権支持の安定につながる。国民の支持を得るために安倍政権は経済復興政策を優先したのである。

経済を好景気にすることが国民生活を豊かにすることにつながり国民の支持を得ることができるのに、そのことを無視する共産党は、好景気にしない状態のまま労働者の給料を上げる政策を掲げているのである。共産党の政策では給料は上がらないし、景気は悪化し就職率も悪くなるだけである。
労働者は共産党の政策では生活が豊かにならないことを知っているから共産党を支持しないのである。共産党が自民党以上に好景気になるような政策を国民に提案していけば共産党が国会の過半数の議席を獲得するのも可能である。しかし、共産党は景気がよくなる政策を提案することはない。景気をよくすれば資本家が儲かるだけであると信じているからである。

共産党は労働者の味方であるはずだが、労働者の生活が豊かになる政策を提案しないので民間の労働者には支持されていない。共産党を支持している団体は組合員数が55万人の全国労働組合連絡協議会(全労協)である。
全労協の加盟組織の過半は、日本自治体労働組合総連合(自治労連)、全日本教職員組合(全教)、日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)などの公務員組合で占められている。給料から税金を払う民間労働者でなく、税金から給料をもらっている公務員がつくっている組合が共産党の支持団体なのだ。公務員は国によって中流生活が保障されている。世の中の好景気不景気に左右されないのが公務員である。共産党はそんな公務員の味方であって民間労働者の味方ではない政党になってしまっている。
共産党は、1%の富裕層・大企業のためでなく、99%の人々のための政党であると言いながら、春闘などの賃上げにも影響力を発揮できない政党である。共産党は99%の人々のための政党ではない。
共産党が民間労働者の生活を豊かにするための政党ではないことははっきりしている。

共産党を支持していない民間労働者を中心とした団体が日本労働組合総連合会(連合)である。
組合員は共産党支持の全労協の12倍以上の689万0,619人である。連合は民間労働団体に加えて旧社会党を支持していた日教組、自治労も入っている。連合の支持政党は、民進党・立憲民主党、希望の党、社会民主党、自由党と複数政党である。
民間労働団体の組員の多くが安倍政権のアベノミクス政策を支持している。だから衆議院選挙で281議席 という過半数以上の議席を確保したのである。

ソ連は労働者を弾圧していると、共産党を批判して黒田寛一氏たちが共産党を離脱したのは1956年のハンガリー動乱が原因であった。動乱を起こしたハンガリーは1989年10月23日にハンガリー共和国憲法施行により、多党制に基づくハンガリー第三共和国になった。ハンガリーは議会制民主主義国家になったのである。
ハンガリーだけではない。社会主義国家だったボーランド、東ドイツ、ブルガリア、チェコスロバキア、ルーマニアは議会制民主主義国家になった。ソ連の中心であったロシアも議会制民主主義国家になった。反スターリン主義の革マル派が目指している新しい社会主義国家になったのは一国もなかった。

共産党一党独裁の社会主義国家は崩壊して市場経済の議会制民主主義国家になった。議会制民主主義国家から社会主義国家になった国はひとつもない。それはまぎれもない歴史的事実である。共産党も革マル派も歴史的事実を認めるべきである。
日本が議会制民主主義国家から社会主義国家になることは絶対にない。それは世界の歴史が証明している。労働者の味方であるのなら、そのことを認識して資本主義の自由市場、議会制民主主義を認めて方向転換をするべきである。方向転換しない限り、共産党、革マル派の勢力はもっと弱くなり、将来消滅する運命にある。


「沖縄に内なる民主主義はあるか」より転載
http://hijai.ti-da.net/

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