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韓国紙セゲイルボを読む rss

老兵 金寛鎮

 節斎・金宗瑞(節斎は号)は文臣だったが、彼の生涯は武臣としていっそう光を放っている。朝鮮王室には“祖宗の地”だった咸鏡道に六鎮(北方の女真族に備え豆満江下流南岸に設置した六つの国防要衝地)を置いた世宗(朝鮮第4代王)。その中心には、咸吉道兵馬都節制使だった金宗瑞がいた。「馬にうまく乗れない」という讒訴まで受けた彼は7年の風霜を乗り越えてそこを朝鮮の領土にした。  彼の生涯でいっそう輝いた時は、(第5代王の)文宗時代になってからだ。モンゴルを平定したオイラト勢力。世宗の末年には北京西北の土木堡で明の軍隊を大破して皇帝を捕虜とし、文宗の時代にはその勢力が遼河まで広がった。第2のモンゴル惨禍に震えていた朝鮮。その時、“66歳の老臣”金宗瑞は平安道都体察使として最前線に赴いた。

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鄭義溶と徐薫と“愛国者”ボルトン

 米大統領府安全保障補佐官だったジョン・ボルトンの「回顧録」には米国と日本、韓国が北朝鮮問題についてそれぞれ願う議題を設定して目標達成のために奮闘した熾烈(しれつ)な角逐戦が赤裸々に描写されている。

 回顧録はまた、韓半島の“運転者”と“仲裁者”の役割を強調した韓国政府が北朝鮮・米国の双方に正直だったのかとの質問を投げ掛けている。

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南冥曺植の子孫

南冥曺植は退渓李滉(退渓は号)は同い年だ。燕山君7年、1501年に曺植は晋州三嘉縣で、李滉は安東禮安で生まれた。「みなみ」の意を表す南と、「くらい」の意を表す冥。泥沼と化した政治を見るのが嫌で“隠居の意”を込めた南冥を号としたのだろうか。南冥はまた、『荘子』に出てくる「南方にある大きな海」でもある。

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北の多面的な意図に翻弄される韓国

 北朝鮮が大韓民国を弄んでいる。連日、超強硬対南誹謗(ひぼう)と挑発を行ってきたが、結局、開城の南北共同連絡事務所を爆破した。口実は脱北者団体の対北ビラ散布だが、これは言い訳にすぎない。

 北の対南脅迫は70年余りの間、別段変わっていない。言葉だけの平和の戯(ざ)れ言がどれくらい空(むな)しいか悟っただろう。

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30・40代の涙

 「15で学に志を立て、30には確固として立ち、40には惑わず、50には天命を知った(吾十有五而志于學三十而立四十而不惑五十而知天命)」。歳月が流れても教えの色があせない孔子の言葉だ。『論語』の為政篇に出てくる。一生、切磋琢磨した彼の人生はこの文にしっかりと残っている。

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今こそ“偽の平和”と決別する時だ

 20年前、南北首脳会談取材のために北朝鮮平壌の地を踏んだ時は、変わるものと思った。金大中大統領と金正日総書記が署名した6・15南北共同宣言が発表された時、“統一へ行く道”が開かれるものと思った。

 その後、金剛山観光、開城工業団地のような新しい事業が始まったが、北朝鮮の核・ミサイル開発もまた続いた。「核一粒持つ理由がない」という金正日の言葉は虚言だった。

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金正恩の影

 『荘子』(中国戦国時代の思想家で、道教の始祖の1人とされる荘子の著書)の漁夫編に影の話が登場する。  「ある人が自分の影に怯え、自分の足跡がつくことが嫌で、これを取り去ろうと走り始めました。男が足を踏み動かせば動かすほど足跡は多くなり、速く走るほど影は彼の体にぴったりとついてきました。自分が遅く走っているためだと考えた男は休まずに走り続け、とうとう気力が尽きて死んでしまいました」

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米中新冷戦、韓国外交の生きる道

 米国と中国、G2(主要2カ国)間の覇権戦いが激しい。新型コロナウイルスの起源論争で触発された米中対立は政治・経済・外交・軍事など全方向へ拡散している。果たしてコロナ発新冷戦で米国はまた新しい国際秩序づくりに成功するだろうか。でなければ中国が超強大国として浮上するだろうか。

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オンライン入社試験-韓国紙セゲイルボより

 「5%の食塩水に塩40グラムを入れると、25%の食塩水になった。この時、最初の5%の食塩水の量はいくらか」  先月30、31の両日に行われたサムスングループの入試試験、サムスン職務適性検査(GSAT)に食塩水の濃度の問題が昨年に続いて再び出題されたが、一部の志願者たちにはかなり難しかったようだ。ある志願者はネイバーのインタネットカフェに、「数理領域で食塩水問題を解こうとして“メンブン(メンタル崩壊=ブンゲ=の略語、頭が真っ白になるくらいの意味)”になった」と書き込んだ。

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米中衝突で浮かぶ韓国外交の課題

 米国と中国の衝突が尋常でない。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の責任をめぐる対立が全方向に広がっている。米中で交わされた激しいやりとりと行動は前例のない程で、復元不能な局面に達したと分析される。

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6・25参戦勇士への恩返し

 「韓国の子供たちが食べ物を求めて手を差し出してきました。ポケットにあったチョコレートが足らなくて多くの子供たちにあげられなかった。ひもじさに疲れた子供たちの眼差(まなざ)しが今も忘れられません」

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真実性問われる正義連と尹美香氏

 毎月、小さな金額だがさまざまな団体に寄付をしている。障害者の権益と貧民など社会的弱者の健康権、消費者のために活動する市民団体と国内外の欠食児童を支援する救護団体などだ。

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女性国会副議長

 わが国の最初の女性国会議員は初代商工部長官(部は省、長官は大臣に相当)を務めた任永信元議員だ。1948年に発足した制憲国会(憲法制定国会のこと)議員の中に女性はいなかった。任氏は長官に就任した翌49年に慶尚北道安東乙選挙区の補欠選挙で、朝鮮女子国民党から出馬し当選した。

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「尹美香氏、私の寄付金返してください」 被害者抜きの元慰安婦支援団体

 記者は2013年11月19日、ソウル鍾路区である市民団体後援の行事に参加した。会場は参加者で混みあい抽選会も行われた。運良く景品が当たった。かなりいい座椅子をもらったその日以後、今月まで多額ではないが毎月定期的に寄付を行ってきた。被害者のために何もしていないのに景品をもらったことが申し訳なかったからだ。その思いは被害者に向かったもので、8年間寄付をしてきた理由だ。行事を主催した韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)のための寄付ではなかった。

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やさしい先払い運動

 幼い頃に母と一緒に行っていた町の小さな店は不思議なところだった。豆腐、タマゴなどのおかずと駄菓子を取ってもお金は出さない。「チブチェク」と書いた出納帳に、主人がいてもいなくてもそのまま“帳付け”してくれば事が足りる。その店は近所の開かれた客間でもあり、番人役をする場所でもあった。町の大小事の折には集いの場所にもなる。行き来して世間話を伝えあい、夜には暗い路地を照らして家路を急ぐ人を助けてくれるありがたい存在だった。いつまでに払ってという話もなく、お金がある時にもらえばいいという店の主人の心遣いがありがたい。みんなが貧しかった時代に主人と隣人が共感して疎通するこの場所をつなぐ媒介体は、手あかがついたよれよれの帳付けノートだった。

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北朝鮮だけ利した金正恩氏重病説

 最近約1カ月の間、金正恩労働党委員長の健康異常説が韓国を揺るがした。身辺異常説は4月15日、金委員長が太陽節(金日成主席誕生日)に錦繍山太陽宮殿を参拝しなかったことで膨らみ始めた。太陽宮殿は金主席と金正日労働党総書記の遺体が安置された場所で、金委員長は権力継承後、太陽節の参拝を欠かさなかった。

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不在騒動、最大受益者は金正恩

 20日ぶりに健在を誇示した北朝鮮の金正恩国務委員長の不在騒動だが、その裏では情報工作が展開されていた。北最高指導者の身辺確認でも、これに対する遮断作業自体が情報工作、欺瞞、かく乱の連続だ。

 外国メディアや脱北国会議員当選者たちの金委員長重体説に、各国政府機関が情報資産を動員したり、民間次元でも情報収集に出た。その過程で少なくない北への情報力量の露出があった可能性を排除することはできない。

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「愛国歌」4番

 メキシコでテコンドー(★拳道)大会を観た知人から聞いた話だ。道着を着た現地人たちがわが国の国歌「愛国歌」を4番まで歌ったというのだ。競技場には韓国歌謡が鳴り響き、チャリョッ(気を付け)、キョンネ(敬礼)などの競技用語も全て韓国語だった。知人はとうとう涙を流してしまった。初段を取るためには、★拳道の由来と韓国の歴史に関する論文を書いて、審査を受けなければならない。

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新型コロナ終息後に残る経済課題

 切迫した心情で“薬局ツアー”をしたり、ネットでマスク販売情報を確認して大急ぎで駆け付けたりしたことが、いつの間にか昔のことになってしまったようだ。新型コロナウイルスに対して、韓国社会全体が一丸となって取り組んだ結果、最近の新規感染者は1日10人前後に減った。遠からず「死亡者・感染者ともにゼロ」という朗報が聞こえてくるだろうとの期待を抱かせる。

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新型コロナ中国責任論

 “スペイン風邪”は1918年から2年間地球村を襲ったが、約5億人が感染し、そのうち5000万~1億人の命を奪っていったものと推定されている。それから100年余り過ぎた現在まで、その発生源は謎に包まれたままだ。

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民心から程遠い保守政党の必然

 韓国の保守が先の総選挙で惨敗した。民主化した87年の憲法改正後、与野党間の最大の票差だ。一言で言うと未来統合党は嶺南(半島東南部=釜山・慶尚南北道など)地域の保守政党に落ちぶれた。

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コロナとビッグブラザー

 “ビッグブラザー”とは独占した情報によって社会を統制する権力として、英国の作家、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』に登場した言葉だ。新型コロナウイルスが全地球的な災難に乗じてビッグブラザーの悪霊を呼び起こした。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)によって各国が先端技術を利用したビッグブラザー式の監視体制を強化し、人権侵害論争が起こっている。

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コロナ以後の世の中、国民の選択は

 今回の総選挙で新型コロナウイルスを超える争点はなかった。政権中盤期の国政選挙だが、文在寅政権の失政問題は有権者の耳目を引かなかった。経済活力と雇用を萎縮させた所得主導成長、マンション価格の高止まりを招いた不動産政策、国民を争いの場に追い込んだ曺国(チョグク)問題を顧みる間もなく、選挙が進んだ。

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