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トランプ大統領の衝撃 米国と世界はどこに向かう rss

脅かされる「世界秩序」

 「ドナルド・トランプ氏の当選は、より不確実な時代に入ることを意味する」

 米調査会社ユーラシア・グループのイアン・ブレマー社長は、米大統領選の結果をこう表現する。

 国際社会を指導する国がいない「Gゼロ」時代の到来を予想してきたブレマー氏だが、「孤立主義的」な外交政策を主張するトランプ氏の登場で、その時代が早まったと指摘する。

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米社会の「保守回帰」に期待感

 米連邦最高裁判所は昨年、同性婚を全米で認める判決を下すなど、米国内の社会問題に絶大な影響力を持つ。連邦判事は終身制で、いったん就任すれば、その判事の価値観は20~30年にわたって影響を及ぼす。最高裁判事の指名権が大統領の最も重要な権限の一つと言われる所以(ゆえん)だ。

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バリューボーターの「復権」

 81%――。これは米大統領選で白人福音派キリスト教徒が共和党のドナルド・トランプ氏に投票した割合だ。この数字は、過去3回の同党大統領候補ミット・ロムニー、ジョン・マケイン、ジョージ・ブッシュの各氏を上回る。

 全有権者の26%を占めた保守的な福音派の圧倒的な支持がなければ、トランプ氏の勝利は不可能だったと言っていい。激戦州の中でも最重要視されたフロリダ州では福音派の85%が同氏に投じている。

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リベラルメディアの敗北

 今回の米大統領選が衝撃をもたらしたのは、大手メディアの事前予想を完全に覆したからだ。共和党ドナルド・トランプ氏の勝利を予想した大手メディアは皆無で、ニューヨーク・タイムズ紙に至っては、民主党ヒラリー・クリントン前国務長官が勝つ確率を84%としていた。

 予想はなぜ外れたのか。その最大の要因は、周囲の批判を恐れてメディアの世論調査に回答しない「隠れトランプ支持者」の存在を見誤ったことにある。

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変容する米国に白人反発

 わいせつ発言や所得税の不払い疑惑――。普通の候補者なら致命傷となる数々の暴言や疑惑にもかかわらず、ドナルド・トランプ氏は米大統領選で勝利した。有権者が今までと違う基準でトランプ氏に一票を投じた結果といえる。

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インフラ再建、貿易「2国間」に重点

 米大統領選で共和党のドナルド・トランプ氏勝利が確定した後、ニューヨーク株式市場は9日、10日と大幅に続伸し、約3カ月ぶりに最高値を更新した。公共投資の拡大、法人税の大幅減税などを公約してきたトランプ氏の経済政策への期待感から、買い注文が広がったためだ。さらに共和党が連邦議会の上下両院の主導権を維持したことから、国内経済政策の実現可能性が高まるとの希望が市場に与えた影響も大きい。  半面、トランプ氏勝利のニュースが伝わるや、世界の金融市場は「トランプ・ショック」に見舞われた。同氏の環太平洋連携協定(TPP)反対姿勢に象徴される保護主義への警戒感が広がり、アジア、欧州の市場が軒並み下落した。

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一過性でない「安保ただ乗り論」

 中国の急速な軍拡や北朝鮮の核・ミサイル開発などにより、この10年間でアジア太平洋地域の安全保障環境は大きく変貌した。ドナルド・トランプ氏は、こうした中で米大統領に就任することになる。

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トランプ大統領の衝撃 「新孤立主義」と「力」の信奉

 次期米大統領に共和党のドナルド・トランプ氏が選ばれた衝撃に全世界が揺れている。「トランプ時代」の米国と世界の行方を展望する。(ワシントン・早川俊行)

 「アメリカ・ファースト(米国第一)」。これはトランプ氏が大統領選で掲げた米外交政策の基本原則だが、この言葉が米国内で注目を浴びるのはこれが初めてではない。

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