«
»

米国の分断 第1部 断罪される偉人たち rss

左翼勢力の狙い、打倒の「本丸」は建国の理念

 米国の左翼勢力による歴史的人物の像などを撤去する運動が、南北戦争の南軍指導者だけでなく、ジョージ・ワシントン初代大統領や独立宣言を起草したトーマス・ジェファソン第3代大統領ら「建国の父」たちにまで標的が拡大していることは、これまで報告してきた通りだ。「人種差別反対」がこの運動の大義だが、本当に目的はそれだけなのか。

3
続き

際限なく広がる標的、全大統領の像が消える?

 「今週はロバート・E・リーだ。来週はジョージ・ワシントンか。その次の週はトーマス・ジェファソンか。本当に自問せずにはいられない。これはいつ終わるのかと」

 トランプ米大統領は昨年8月、南北戦争の南軍司令官ロバート・E・リー将軍の像撤去をめぐり、バージニア州シャーロッツビルで死傷者を出す事件が発生した3日後に、ニューヨークのトランプタワーでこんな発言をした。

2
続き

奴隷所有と独立宣言、ジェファソンは偽善者か

 昨年8月に白人至上主義団体と反人種差別団体が衝突した米バージニア州シャーロッツビルの現場から車で10分ほど離れたところに、第3代大統領トーマス・ジェファソンが過ごした邸宅「モンティチェロ」がある。モンティチェロはイタリア語で「小さな山」を意味し、その名の通り、豊かな自然に囲まれた小高い丘の上に建つ。

3
続き

評価一変のコロンブス、新大陸発見が差別の根源?

 「ガツン、ガツン」。昨年8月、「タイ」と名乗る男が真夜中に大きなハンマーで白い石塔を叩(たた)き始めた。その横で別の者が「人種差別を打ち壊せ」と書かれた紙を掲げている。

 男が破壊したのは、米メリーランド州ボルティモアにあるクリストファー・コロンブスの記念碑。1792年に建てられたこの石塔は、米大陸を発見したコロンブスをたたえる碑としては米国内で最も古いものといわれている。

1
続き

リー将軍の功績、戦後の南北和解を後押し

 米国の戦没者が眠るバージニア州のアーリントン国立墓地。首都ワシントンを一望できる高台に「アーリントン・ハウス」と呼ばれる建物がある。

 ギリシャ復古調の立派なこの屋敷は、南北戦争の南軍司令官ロバート・E・リー将軍が30年間暮らした邸宅だ。今はリー将軍の記念館として国立公園局によって管理されている。

0
続き

「衝突事件」の現場、故郷の英雄をごみ扱い

 米首都ワシントンから南西に車で約2時間半。第3代大統領トーマス・ジェファソンが設立したバージニア大学のあるシャーロッツビルは、気品に溢(あふ)れた美しい学生街だ。

0
続き

米国の分断、断罪される偉人たち 「建国の父」までが標的に

 米国でこれまで偉人として評価されてきた歴史的人物が、人種差別の象徴として断罪されている。米国で深まる「歴史」をめぐる分断を報告する。(編集委員・早川俊行、写真も)

 米バージニア州アレクサンドリア。首都ワシントンからポトマック川を挟んで西岸に位置するこの街は、赤レンガの建物が立ち並び、古都の趣が漂う。そんな街並みに溶け込むようにたたずむのが、米国聖公会の「クライスト教会」だ。

3
続き