2015 世界はどう動く-識者に聞く
習主席の鉄腕統治 いずれ揺り戻しも
2015 世界はどう動く 識者に聞く(21)
評論家 石平氏(下)
――香港の雨傘革命をどう見るか。
学生らの民主化運動そのものは成功したわけではないが、習近平が勝ったわけでもない。中国は鎮圧したからといって何か得たわけではない。むしろ、運動が起きた時点で中国は敗北している。

中国が仕掛ける歴史戦 日米提唱の法的秩序に反撃
2015 世界はどう動く 識者に聞く(20)
評論家 石平氏(中)
――今年、戦後70年ということで、中国は「歴史戦」を仕掛けてくる?
昨年、中国は日本との戦争に関わる二つの国家的記念日を決めた。一つは、9月3日の抗日戦争勝利記念日。もう一つは12月3日の南京大虐殺記念日を国家的追悼日に定めた。
両方とも大々的なキャンペーンを展開し、式典に習近平主席自身が出席している

中国の海洋大国化 米のリバランスで失敗も
2015 世界はどう動く 識者に聞く(19)
評論家 石平氏(上)
――中国は海洋国家に舵(かじ)を切ってきた。しかし、大陸国家が海洋国家に転じると破綻するという地政学的なテーゼからすると、中国の抱え込んだリスクは大きい。大陸国家が海洋国家へと転じて成功したのはローマと米国だけだ。
中国の海洋国家建設は失敗に終わると思う。
中国が海を狙うと、日米やアジア諸国も全部、敵にまわしてしまうことになる。

ウクライナ政策 米国の陰謀説から決別を
2015 世界はどう動く 識者に聞く(18)
ロシア科学アカデミー主任研究員 アレクサンドル・ツィプコ氏 (下)
――そうであるならば、ロシアは思想的に正しい道を進んでいるとの希望がある。

「イスラム国」への攻撃 「シリア」で合意し集中作戦を
2015 世界はどう動く 識者に聞く(16)
アルアハラム政治戦略研究所研究員 モハメド・ファイエズ氏(下)
――イスラム諸国は、いかにして、イスラム国からの脅威を避け、「イスラム国」を滅ぼし得るか。

イスラム過激派と同胞団 国家と社会の実現方法に違い
2015 世界はどう動く 識者に聞く(15)
アルアハラム政治戦略研究所研究員 モハメド・ファイエズ氏(上)
――「イスラム国」が残虐行為で世界を震撼(しんかん)させているが、イスラム国家についてはコーランに記述されているのか。
コーランにはイスラム国家についての記述が無い。

米政権に過剰な期待 「パレスチナ」で不信浸透
2015 世界はどう動く 識者に聞く(14)
エジプト改革と発展党党首 アンワール・サダト氏(下)
――私がエジプトに赴任した当時、米同時多発テロが発生、エジプトの著名な新聞が、米CIA(中央情報局)とイスラエルの仕業だとの記事を掲載したことに、とても驚いた。

イスラム教育 他宗教との共存認識を
2015 世界はどう動く 識者に聞く(13)
エジプト改革と発展党党首 アンワール・サダト氏(上)
――アラブの春の帰結は、どうなると思うか。
エジプトでアラブの春の理想が実現する大きなチャンスが来ている。勿論我々は少々ペースが遅いのだが、着実に進展している。だから、エジプトはチュニジアと同じような成功例となるだろう。

固まる金正恩式支配 対中関係いずれ修復
2015 世界はどう動く 識者に聞く(12)
山梨学院大学教授 宮塚利雄氏
――3年目を迎えた金正恩体制をどうみるか。
“金正恩式”の支配体制が板についてきたと言える。最近行っている幹部人事を見ると、かつての張成沢(チャンソンテク)のようなナンバー2を置かなくなった。彼の体制は固まりつつあるとみていい。

安倍政権と憲法改正 日本人が自ら議論する時
2015 世界はどう動く 識者に聞く(9)
米ハドソン研究所上級研究員 アーサー・ハーマン氏(下)
――安倍晋三政権が進める憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認をどう評価する。
長年待ち望まれてきたものだ。日本はこれまで、バスの後部座席に座り、米国に主導権を委ねる消極的なパートナーだった。安倍首相は安全保障問題でより積極的な役割を果たそうとしている。

新次元の日米同盟 防衛産業協力が「対中SDI」に
2015 世界はどう動く 識者に聞く(8)
米ハドソン研究所上級研究員 アーサー・ハーマン氏(上)
――日米同盟の重要性をどう見る。
日米の同盟関係は、安定した安全保障環境を創り出すために不可欠だ。太平洋地域の戦略見通しは大きな変化の瀬戸際にあり、米国は日本との関係を新たな集団安全保障体制の礎とする必要がある。

イスラム国の脅威 オバマ戦略では打倒困難
2015 世界はどう動く 識者に聞く(5)
米国防副次官補 スティーブン・ブッチ氏(上)
――オバマ米政権はイスラム過激組織「イスラム国」を打倒できるか。
できない。オバマ政権が自ら課した(地上部隊は派遣しないという)制約により、強力な対応ができず、イスラム国を弱体化、壊滅させるために必要なことを実行できていない。

米国の政治潮流 16年に保守派大統領誕生
2015 世界はどう動く 識者に聞く(4)
米ヘリテージ財団特別研究員 リー・エドワーズ氏(下)
――オバマ米大統領は自らの権限で不法移民に暫定的な滞在資格を与えると表明した。その背後には、最終的に不法移民に市民権を付与し、リベラルな政策を支持する有権者を増やす狙いがあるとの見方もあるが。

オバマ氏の世界観 米の地位下げ、多極化を志向
2015 世界はどう動く 識者に聞く(3)
米ヘリテージ財団特別研究員 リー・エドワーズ氏(上)
――「米国を変革する」と宣言して就任したオバマ大統領の6年間の政権運営をどう見る。

日米の対中政策 国家競争力高める戦略を
2015 世界はどう動く 識者に聞く(2)
米国防総省顧問 マイケル・ピルズベリー氏(下)
――米国や日本は中国の「秘密戦略」に気付かずに中国と付き合ってきたということか。
米政府も日本政府も過去30年間、中国が強大化するのを積極的に支援してきた。これは公式政策だ。中国は貧しい後進国だ、平和を志向している、日米の協力を求めている、だから、我々は中国を支援しなければならない、そう信じてきた。

中国の「100年戦略」 目指すは米に代わる超大国
2015 世界はどう動く 識者に聞く(1)
米国防総省顧問 マイケル・ピルズベリー氏(上)
今年の世界はどう動くのか。ますます露骨な威圧行動を見せるようになった中国、核保有を武器に瀬戸際外交を続ける北朝鮮、世界を震撼(しんかん)させている「イスラム国」などについて識者に分析・展望してもらった。
◇
――中国の対外長期戦略をどう見る。
