2014 世界はどう動く
日米同盟強化に有事リスクも適正な分担を 民主党副幹事長 長島昭久氏(下)
2014世界はどう動く識者に聞く(21)
――安定した日米同盟関係を構築するには?
米国が危機に瀕(ひん)した時、日本は米国を助ける条約上の義務を負っていない。しかし、本当の友人というのは、危機の時に分かる。調子のいい時だけ付き合って、自分の身が危なくなれば逃げ出すような輩は、とても真の友人とは言えない。
そういうことからすると、米側から見ても不公平な条文になっている。

中国国家安全委は危機管理ではなく創出へ 拓殖大学客員教授 石 平氏(下)
2014世界はどう動く識者に聞く(19)
――昨秋の3中総会(中国共産党中央委員)では国家安全委員会設置が決まった。中国版NSCのトップは誰になるのか。
3月の全国人民代表大会(全人代)で決まるが、今の状況では習近平氏がトップに就任する。そもそも国家安全委は習氏が自分の下に、権力を集中させるためにやったものだ。

不動産バブルの崩壊を招く中国経済 拓殖大学客員教授 石 平氏(上)
2014世界はどう動く識者に聞く(18)
――住宅など不動産を筆頭に中国経済の変調が著しい。
結果的に10年間、中国は不動産バブルの膨張を助長する政策をとってきた。
中国政府は2005~06年、不動産バブルをそのまま放置してはいけないという危機意識が働いて、その時、手をつけたかった。

露の大陸棚延伸申請で各国も調査隊 ロシア外交アカデミー国際法学部長 アレクセイ・A・モイセエエフ氏(下)
2014世界はどう動く識者に聞く(17)
――ロシアが2007年、潜水艇を使い北極点付近での海底調査を行い、海底にチタン製のロシア国旗を立てたことが、批判的な意見も含めて大きな反響を呼んだ。

NATOは露の囲い込み警戒 ロシア外交アカデミー国際法学部長アレクセイ・A・モイセエエフ氏(上)
2014世界はどう動く識者に聞く(16)
――北極の海底には多くの天然資源が眠っており、海氷が解けて減少すればその開発が容易となる。また、海氷の減少により、年間を通じて北極海航路を利用することが可能となる。

移民問題はEU基金で対処を ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス客員上級フェロー ヘニング・マイヤー氏(下)
2014世界はどう動く識者に聞く(15)
――移民に対する福祉手当などが問題になっているが、EU移民問題にはどう対処すればよいのか。
公共サービスのための基金を自動的に増やすメカニズムがなく、国や地方自治体は取り残されている。EUレベルでの問題解決があるべきだ。自分は、EU内の移民には追加の公共サービス基金が伴うことを保証する“欧州移民基金”を提案している。欧州レベルでの取り組みが必要だ。

民主主義の再構築がEU行方の課題 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス客員上級フェロー ヘニング・マイヤー氏(上)
2014世界はどう動く識者に聞く(14)
――単一通貨ユーロがスタートして15年たつが、ユーロ発足当時の欧州連合(EU)の将来は大変明るかった。しかし、ユーロ危機で今日、EU統合プロジェクトは後退している。EUへの期待は多くの加盟各国で小さくなっている。EUをどう展望するか。

韓国は安保と歴史切り離せ 韓国世宗研究所日本研究センター長 陳昌洙氏(下)
2014世界はどう動く識者に聞く(13)
――朴大統領は昨年、初の訪米で慰安婦問題などを持ち出した。外遊先で“反日行脚”までする必要があったのか疑問だ。

張氏の自信過剰が仇に 韓国治安政策研究所上級研究官 柳東烈氏(上)
2014世界はどう動く識者に聞く(10)
――昨年12月、北朝鮮ナンバー2の張成沢・朝鮮労働党行政部長が粛清された。いろいろ指摘されているが、理由は何だったと見るか。

同胞団評価軌道修正か 元駐米アラブ連盟大使 フセイン・ハッスーナ氏(下)
2014世界はどう動く識者に聞く(9)
――米国の、エジプトを含む中東政策の問題点は?
米国は、穏健なイスラム政治が、過激なイスラム主義をコントロールできると考えた。だから米国は、エジプトでムスリム同胞団が権力を握って以降、同胞団と良い関係をつくろうとした。

新憲法で市民国家建設を エジプト「改革発展党」党首 アンワール・エスマット・サダト氏
2014世界はどう動く識者に聞く(7)
――ムスリム同胞団主導のモルシ前政権が残した教訓は何か。
モルシ政権の最も大きな失政は、自分の勢力以外の勢力を排除したことだ。しかし現暫定政権も同じような失敗を繰り返す可能性がある。
――ムスリム同胞団は、現在エジプトの治安を非常に不安定にし観光産業に打撃を与えている。

米の譲歩で中東不安定化 米安全保障政策センター上級研究員 フレッド・フライツ氏(下)
2014世界はどう動く識者に聞く(6)
――オバマ政権の下で米国の国際的影響力が低下している。
オバマ大統領にとって外交問題は優先課題ではなく、ナイーブで経験不足のアドバイザーたちがオバマ氏を取り巻いている。

危険なブースト型核開発 米安全保障政策センター上級研究員 フレッド・フライツ氏(上)
2014世界はどう動く識者に聞く(5)
――北朝鮮・金正恩第1書記の義理の叔父で事実上のナンバー2だった張成沢氏が粛清された。
張氏は若い正恩氏を支える「摂政」として、国家を運営していくものとみられていた。だが、写真から張氏の姿が削除されるなど、北朝鮮の歴史から消し去られてしまった。正恩氏は専門家の予測より早く権力を掌握したと考えられる。

秘密保護法は情報共有を強化 元米国防次官補 ウォレス・グレグソン氏(下)
2014世界はどう動く識者に聞く(4)
――日本で特定秘密保護法が成立したが、どう評価する。
この法律により、日米間の情報共有を妨げてきた一つの障害が取り除かれた。米国側から見た場合、機密を漏らした者への罰則がないというのは、機密を守る適切な制度が存在しないと映っていた。

米軍と自衛隊の一体化を 元米国防次官補 ウォレス・グレグソン氏(上)
2014世界はどう動く識者に聞く(3)
――中国が沖縄県・尖閣諸島を含めた東シナ海上空に防空識別圏を設定した。
オバマ米政権は、威圧や力で一方的に現状を変更するいかなる試みにも反対するとの立場を明確にしている。中国の行動は防空識別圏設定を突然発表するという一方的なものであり、命令に従わない航空機に対しては「防御的な緊急措置を取る」という威圧的な内容だ。このような行動は全く受け入れられない。

レーガン流「力の抑止」を 元米上院議員 ジェームズ・タレント氏(下)
2014世界はどう動く識者に聞く(2)
――東シナ海に防空識別圏を設定した中国の行動をどう見る。
防空識別圏設定は沖縄県・尖閣諸島だけでなく、東・南シナ海で中国が見せている行動の延長線上にある動きだ。問題となっている地域で中国は主権者であるかのように振る舞い、船舶や航空機を送り込んで対立を煽(あお)っている。中国の行動は武力衝突のリスクを危険なレベルにまで高めている。

米の主導的役割を軽視するオバマ政権 元米上院議員 ジェームズ・タレント氏(上)
2014世界はどう動く 識者に聞く(1)
米国の影響力低下の中で、東アジアの緊張や混迷を深める中東など今年の世界の動向を、識者に分析し展望してもらった。
――オバマ政権の下で米国の国際的影響力が低下している。
