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「幸福論」の精神的復元力

メンタルヘルスカウンセラー 根本 和雄

 ストレス社会の昨今、人々の心は萎(な)えて枯渇し、知らず知らずに〈ネガティブ・マインド〉に陥っているのではなかろうか。

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21世紀をアジアの世紀に

鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫

 かつて、「21世紀は日本の世紀」と言われたことがある。高度成長で70年代始めまでに欧米先進国の仲間入りを果たした日本は、その後80年代まで欧米先進国を上回る成長率を維持した。それを延長すれば、確かに「21世紀は日本の世紀」になる筈であった。しかし、90年のバブル崩壊以降成長率は下がり、とくに金融危機が発生した97年度から15年間は慢性的なデフレに陥り、経済成長は停滞してしまった。「日本の世紀」は夢と消えた。

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米大統領アジア歴訪の意義

拓殖大学名誉教授 茅原 郁生

 オバマ米大統領は4月23日から日本、韓国、マレーシア、フィリピンの順でアジアを歴訪したが、その戦略的な意義などについて見ておこう。

 概観すると、まず日本では安全保障面で尖閣諸島を名指しした安全保障条約5条の適用など防衛義務が確約された。また経済面では環太平洋連携協定(TPP)交渉がぎりぎりまで行われた。

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悩ましくなる神功皇后の謎

麗澤大学教授・評論家 松本 健一

 このところ神功(じんぐう)皇后のことが気にかかっている。神功皇后といえば、まずは「三韓征伐」であり、戦後生まれのわたしたちは、あれは神話上の出来ごとであって歴史的事実ではない、と考える思潮のなかで育った。

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教育委員会制度改革の課題

(社)全国教育問題国民会議理事長 秋山 昭八

 学校で起こった問題に教育委員会が適切に対応できない状況が続く中で、教育委員会制度改革論議が始まった。

 自民党の教育委員会改革に関する小委員会は、教育委員会改革の目的は、教育の政治的中立性、継続性・安定性を確保しつつ、次の各点についての改善を図ることにあるとしている。

 ①責任の明確化(委員長と教育長のどちらが責任者であるかわかりにくい)

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並大抵でない食文化の理解

歴史家 金子 民雄

 このところおかしなことに、日本の食文化についてふれたニュースが多くなったようだ。たしかにいくら文化人だからといって、日本で生活する日本人が1日3食洋食で済ますということは多くはないであろう。日本食を日本語で書けば「和食」でなにか宥和的であるが、外国人、といってもごく一般的に欧米人にとって、和食は最近まで縁遠い存在だったろう。寿司でもそうだった。

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利権構造が固定化する沖縄

沖縄大学教授 宮城 能彦

地元マスコミも追及に限界

 島々を歩き、島の歴史や現在の生活について聞いていると、最初は興味深く、次第に深刻に、最後は憂鬱になってくる話になってしまうことが多い。

 それは、島における「利権」の話である。

 多くの島において、首長や議員の選挙はとても活発に行われる。投票率も毎回かなり高い。それは選挙結果が「生活」に直結するからである。

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日本の立ち位置 冷静に探れ

元駐ベトナム特命全権大使 服部 則夫

 最近、特に昨年12月の安倍総理靖国参拝以来、何故か私は気分がすぐれない。

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特攻隊員の慰霊に心遣いを

元統幕議長 杉山 蕃

 今年も北の郷を残し、桜の季節が過ぎて行った。絢爛と咲き誇り、未練気もなく豪華に散っていく桜を見るたび、「靖国神社の桜と成って、咲いて会おう」と健気に散って行った特攻隊の若き戦没者に万感の思いを馳せざるを得ない。筆者の年代からは「お兄さん」世代にあたり、一段と近い感覚がある。隣のお兄さんも、学徒出陣され、飛行訓練を受け、特攻隊員として出撃直前宮崎で終戦、尾羽打ち枯らして復員、「死にそびれました」と両手をついて号泣されていた姿を思い出す。

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講和条約の発効を想起して

評論家 太田 正利

 わが国には多くの記念日があり、学校も休みなので楽しみにしている向きも多い。ただ、4月29日は旧「天長節」(昭和天皇誕生日、現・昭和の日)で祝日だが、28日は何の日か。何%の人々がその日の認識があるのか。だが、忘れもしない。まさに、新生「日本国」の誕生日で、戦争体験(と言っても「銃後の護り」に就いただけ!)を有する最後の年代を代表する筆者にとっても忘れ難い日なのだ。

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中国の船舶差し押さえ問題

桐蔭横浜大学法学部教授 ペマ・ギャルポ

 日中戦争以前の1936年に日本の海運会社に船舶を貸し出した中国の船舶会社の親族が、未払いの賃貸料などを求め訴訟した裁判を巡り、中国上海市の上海海事法院は19日、海運会社の流れを汲む日本の海運大手「商船三井」が所有する貨物船を1隻、浙江省の港で差し押さえた。このニュースに日本のマスコミも世論も冷静であるようだが、私は大変大きな問題であるように思う。

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高橋是清と在英ユダヤ大富豪

獨協大学教授 佐藤 唯行

 日露戦争開戦直前、欧米の金融市場での資金調達を急務の課題としていた日本政府首脳はユダヤ大富豪の財力とネットワーク、彼らへのアプローチの重要性を適確に認識していた。それを物語る史料が1904年1月15日、外相小村寿太郎から在英公使林董宛の電信文だ。ロスチャイルド家等のユダヤ大富豪に至急接近し、コネを築けと命じているのである。

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新たな均衡を模索する米国

アメリカン・エンタープライズ政策研究所客員研究員 加瀬 みき

 オバマ大統領を迎えるアジアは期待と不安を抱いている。アジア回帰はまだアメリカの政策なのか。リビアやシリアでの紛争ゆえにアメリカはなかなか中東から足を抜けなかったが、ロシアのクリミア半島への軍事介入、ロシアへの編入に始まったウクライナの将来を巡っての東西の駆け引き、プーチン大統領のあからさまな挑戦が、バルト3国やポーランドなどにもたらす脅威が、アメリカに「欧州への再ピボット」を余儀なくさせているかに見える。

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国の安寧害する教科書批判

NPO法人修学院院長・アジア太平洋交流学会会長 久保田 信之

 文科省は、教師が学習指導要領の内容を的確に教えるための「手引書」として「学習指導要領解説書」を発行しているが、今回のように「改定時期ではない時」に発行したことは極めて異例である。われわれは安倍内閣の意気込みを汲み取る必要があると思う。

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ロシアに還ったクリミア

評論家 大藏 雄之助

 ロシア大統領プーチンはかねてから「ユーラシア連合」の名でソ連時代の版図と威信を回復したいという野心を隠していなかった。そこに今回、独立を宣言したクリミアのロシアへの併合要請があり、ロシア全土が燃え上がった。プーチンはこれを機に不退転の決意を示した。

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冷静要す露のクリミア併合

日本対外文化協会理事 中澤 孝之

 昨年11月以来、混迷を続けたウクライナ情勢は3月18日、独立宣言後のクリミア自治共和国のロシアへの編入条約調印のあと、4月に入ってドネツク、ハリコフ、ルガンスクなど同国東部諸州での親ロシア勢力による共和国宣言といった事態に発展した。ウクライナは東部地域も失い東西に分裂するのか。今後どのように推移するかは予断を許さない。

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中国全人代の概要と教訓

拓殖大学名誉教授 茅原 郁生

 中国では今春、第12期全国人民代表大会(全人代)第2回総会が北京で開催された。そこで審議された李克強総理の政府活動報告(政府報告)の概要を整理し、主要点や注目点をまとめたい。

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消費増税と今後の日本経済

鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫

 日本銀行が「量的質的金融緩和(いわゆる異次元金融緩和)」を打ち出して1年たったこの4月に、政府は消費税率を5%から8%へ引き上げた。異次元金融緩和は、97年度から15年間続いたデフレからの脱却を狙う政策であり、消費増税は高齢化による社会保障費の膨張で趨勢(すうせい)的に財政赤字が拡大するのを止めようとする政策である。デフレ克服も財政赤字拡大阻止も、現下の日本経済にとって大切な課題であり、二つの政策の狙いは正しい。

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ウクライナ危機と軍の動き

ロシア研究家 乾 一宇

 時は巡る。ソ連崩壊を20世紀最悪の地政学的惨事と嘆いたプーチン大統領に好機が巡ってきた。父祖の地キエフ=ルーシ、そのウクライナの政治的混乱に乗じ、クリミアを併合し、いまもウクライナ東部をにらんで部隊を展開している。

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集団的自衛権と憲法変遷理論

日本大学名誉教授 小林 宏晨

 筆者のドイツでの指導教授、故フォン・デア・ハイテ男爵は、1951年のマインツ大学教授就任記念講演で「暗黙の憲法変遷と憲法解釈」をテーマとした。氏によれば、一国の憲法は具体的歴史的状況から生じ、この状況によって条件付けられ、この状況と共に変化し、規範の中に表明される一国の法的状態である。

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美しい宇宙解釈と醜い解釈

京都大学名誉教授 渡辺 久義

 私(ともう一人の共訳者)の翻訳したデイヴィド・ウィルコック『ザ・シンクロニシティ・キー-宇宙と人生を導く隠れた叡智』(創造デザイン学会訳、アートヴィレッジ)は、4月中旬には書店に並ぶ予定である。「シンクロニシティ」とは深層心理学者C・G・ユングの用語で、意味のある、意図されたかのような偶然の一致を意味する。この本は、「宇宙と人生を導く隠れた叡智」という副題が示すように、日常の経験としてのこの現象だけを論ずるのでなく、宇宙の秘密への多方面からのアプローチを集約する「鍵」として、この語を題に選んでいる。

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日朝交渉の再開と拉致問題

山梨学院大学教授 宮塚 利雄

 北朝鮮がミサイルを発射している。以前ならば、ミサイルやロケットを発射する金があるのなら、人民の「食べる問題」を解決するために、白米やトウモロコシを輸入して与えたらどうか、などという指摘もあったが、今やこのような文句は金正恩政権には通じなくなった。国際社会からの批判をものともせず、体制護持の手段として発射している。

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ホリスティック教育の薦め

名寄市立大学教授 加藤 隆

 先日、ターミナルケア(終末期医療)についての講演会に出席する機会があった。その中で演者が印象的な指摘をしていた。いのちには二種類あるというのだ。一つは、「生物的いのち」。つまり、従来の医療が主として取り扱ってきた次元である。そこにはA薬が効果的だとか、B手術が有効であるという、患者個々の人間像が前面に出るのではなく、没個性的に生物的身体的病状から捉えて適切な処置判断を施すことを是とする態度が見えてくる。

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