ワシントン・タイムズ・ジャパン
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現実味増す台湾危機を考える

元統幕議長 杉山 蕃

 先進7カ国(G7)首脳会議、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議、日米首脳会談をはじめとし、米軍高官の議会証言、両岸首脳の発言等、台湾問題の情勢が厳しさを増しているとの見方が強まっている。これら状況を受けて、今回公表された令和3年度防衛白書では、台湾情勢についての記述にかなりの力点が置かれているが、若干の私見を披露したい。

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「東京2020」と「時代の精神」

東洋学園大学教授 櫻田 淳

 「東京2020」(東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会)が幕を開けた。「東京2020」は、準備の過程で諸々(もろもろ)の不手際や醜聞が積み重なった上に、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)最中に挙行される結果、日本国民の大勢の「共感」には程遠い催事になったようである。

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対中政策の再検討迫られる米政権

アメリカン・エンタープライズ研究所客員研究員 加瀬 みき

 バイデン米政権はサウジアラビアに対し厳しい姿勢を取ってきた。同国出身でワシントン・ポスト紙記者のジャマル・カショギ氏が2018年に在トルコ・サウジ領事館で殺害されたが、これに同国の事実上の為政者たるムハンマド・ビン・サルマン皇太子が関与したと見なしてのことである。

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中国の脅威にやっと覚醒した日本

拓殖大学国際日本文化研究所教授 ペマ・ギャルポ

 2021年7月1日、中国政府は二つの大きな記念式典を同時に華々しく開催した。中国共産党創立100周年と、中国のチベット解放(侵略)70周年を祝うものであった。習近平国家主席兼党総書記は国内外に向けて嘘(うそ)とはったりの大演説を行い、「今日の中国の大国としての実績はわがシステム(中国的共産主義)の勝利を意味する」と言い切った。

中国の発展助けた日米

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腐敗断ち切れぬバイデン米政権

エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ

 アメリカでジョー・バイデン政権が誕生してから、ちょうど半年が経(た)った。不安の中で発足した同政権に大きな混乱は見られないが、その理由は幾つかある。

 その一つは、より大きな課題である新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)への対応と、急速に進められているワクチン接種だ。

民主党寄りのメディア

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菅政権は基地問題解決に指導力を

東洋大学名誉教授 西川 佳秀

 菅総理は4月の日米首脳会談で「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調する」共同声明を発表した。日米首脳間の文書に「台湾」が明記されたのは、1969年以来の出来事だ。台湾の安全がわが国の安全保障と深く関わるとの認識を示したもので、それに伴い日本の安全保障政策の再検討が必要になっている。緊張が高まる台湾情勢に対処し得る防衛力を整備するには、防衛費の増額は不可避である。

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他人事でない熱海の土砂災害

拓殖大学防災教育研究センター長・特任教授 濱口 和久

 静岡県熱海市で7月3日10時30分頃に起きた土砂災害(土石流災害)による行方不明者の捜索が続いている(18日時点で18人の犠牲者が確認されている)。今回の現場は静岡県が「土砂災害警戒区域」に指定している地域だった。全国には「土砂災害警戒区域」が約36万カ所ある。土砂災害が起きれば、過去にも犠牲者を伴う甚大な被害がたびたび起きている。

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漁業・養殖業復活へ政策大転換を

一般社団法人生態系総合研究所代表理事 小松 正之

 2018年改正漁業法が20年12月に施行された。そこで改正漁業法の効果としての漁業・養殖業と水産業の将来の展望について、水産会社と沿岸漁業者と養殖業者に話を聞いてみた。問題なのは、漁業者も水産会社も改正漁業法について、水産庁や都道府県の水産関係課から説明を受けたことがないというのがほとんどであったことだ。

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下期の日本経済回復の展望

鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫

 1~3月期のマイナス成長に続き、4~6月期もマイナス成長と予想される日本経済は、欧米に比べてコロナ禍からの立ち直りが遅れてしまったが、ここへ来て、5月を底に下期に向かって回復し始める兆しが出て来た。

鉱工業生産指数が漸増

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注意要する「こども庁」審議

麗澤大学大学院特任教授 高橋 史朗

 櫻井よしこ氏が毎月連載している産経新聞のコラムで、「自民左傾化 危うい兆候」「『家族』壊す保守政治家」と題し、「極左の運動家が首相官邸や保守政治家に深く食い込んでいる」と警告している。

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新型コロナ第3波迎えたロシア

ロシア研究家 乾 一宇

 ロシアの新型コロナの感染状況(累計約550万人)を見ると、昨年8月26日に新規感染者が最低(4576人/日)となり、第1波が底を打った。その後、第2波が緩慢に始まり12月24日に最大に達した(2万9936人)後、下降し始め、今年5月6日、最小(7639人)となった。

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台湾認識めぐる日中の同床異夢

平成国際大学教授 浅野 和生

 5月上旬まで、国内の新型コロナウイルス感染拡大を完全に抑えこんでいた台湾で、その後、感染が急拡大し死者が増加する事態となった。すると中国は、中国製ワクチンの台湾への供与を申し出たが、台湾人の多くはその使用を望まない。中国の台湾併呑(へいどん)に向けた政治的思惑は明らかだし、そもそも中国製ワクチンは信用できないからである。だから台湾政府は中国製ワクチンを拒否した。

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粛々と行われた米露首脳会談

日本対外文化協会理事 中澤 孝之

 バイデン米大統領就任後初のプーチン露大統領との対面による米露首脳会談が予定通り、6月16日、ジュネーブのレマン湖のほとりの会場で約3時間半にわたって行われた。両者とも百戦錬磨の老練な政治家だけあって、互いに激高したり、非難し合ったりといった、一部メディアが予測したような「対決モード」は終始、見られなかった。

新たな軍備管理協議へ

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「北京2022」への対応を考える秋

東洋学園大学教授 櫻田 淳

 「東京2020」(東京オリンピック・パラリンピック)の開幕まで、3週間を切った。オリンピック・パラリンピックが単なる「スポーツ競技の場」ではなく「国際理解・友好親善の場」であるとするならば、パンデミック最中の「東京2020」は、その意義を持たない催事になりそうである。「東京2020」開催がパンデミックの状況を悪化させることへの懸念は、日本国民各層にあって深い。

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改めて「デジタル教科書」を問う

メンタルヘルスカウンセラー 根本 和雄

 昨今、若い世代の自殺が急増し、加えて、「いじめ」が多発している状況は座視することができず、極めて憂慮に堪え難い思いである。さらに、若年の「睡眠障害」が増え続け、「精神的不調」が多発傾向にあることも放置できない状況である。

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尖閣問題、中国が「三戦」攻勢

拓殖大学名誉教授 茅原 郁生

 中国では、4月25日に福建師範大学釣魚島研究チームが設計・創建した「中国的釣魚(尖閣)島デジタル博物館(以下、博物館)」が、第4回デジタル中国建設サミットの会場に開設されたと国営通信・新華社電は伝えた。そしてサミットに参加した90余の国と地域の参加者を含め延べ3000万人が博物館にアクセスし、デジタル活用の展示が国際的に大きな影響をもたらした旨が報じられた。

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国家的権威失いつつある中国

元統幕議長 杉山 蕃

 3月の米中外交トップ会談で、多分に威圧的態度を楊潔●(「竹かんむり」に「褫」のつくり)代表が国際メディアに見せつけて以来、所謂(いわゆる)中国包囲網の顕在化が目立つ状況となり、厳しい外交戦の現実はあるものの、国際的な平和・安定が何より重要との認識に立てば、いささか心配するこの頃である。今回は、中国の失いつつある権威といった観点から若干の所信を披露したい。

EUとの投資協定凍結

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見えだしたバイデン・ドクトリン

アメリカン・エンタープライズ研究所客員研究員 加瀬 みき

 第2次世界大戦後、米大統領トルーマンがソ連と共産主義圏からの挑戦に立ち向かうために、自由民主主義国による西側同盟体制を築いた。今、米大統領バイデンは民主主義国の結束を図り、専制主義の覇権を押しとどめようとしている。

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人口と文明を考える

哲学者 小林 道憲

 人口減少は、今日の先進国の悩みの一つである。欧米諸国でも、日本でも、出生率は年々減少し、このまま出生率の減少が続けば、先進国の人口は、今世紀の末には世界人口のごく一部にまで縮小してしまうだろうと言われている。

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バイデン米政権の対中政策

東洋大学現代社会総合研究所研究員 西川 佳秀

 バイデン米政権は、中国に宥和(ゆうわ)的な政策を採るのではないかとの懸念が強かった。バイデン大統領の長男が中国系金融機関と深い関係にあることや、バイデン大統領はじめ側近の多くが中国に弱腰だったオバマ政権の幹部であったためだ。

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武田信玄生誕500年と信玄堤

拓殖大学防災教育研究センター長・特任教授 濱口 和久

 先日、甲斐の国(山梨県)を支配した武田信玄の居城だった躑躅ヶ崎館(つつじがさきやかた)跡を5年ぶりに訪れた。信玄が残したとされる言葉に「人は城、人は石垣、人は堀」がある。このため「信玄は居城の防備を固めなかった」というイメージが強い。

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チベット侵略を正当化する中国

拓殖大学国際日本文化研究所教授 ペマ ギャルポ

 世界が中国の正体に目覚め、今や中国は世界中から警戒される対象となっている。つい1年ほど前まで日本では世界日報など限られた保守系の新聞しか中国の圧政について報道していなかったが、2019年頃からトランプ米政権下のペンス副大統領の歴史的なウイグルの実態への衝撃的発表によって目覚め、日本でも所謂大新聞ももはや無視できず報道するようになった。

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功利主義はびこる日本を立て直そう

NPO法人修学院院長 久保田 信之

 西洋近代との関係が深まるに伴い、一神教社会の影響が強まるに従い、多様性を基盤とした日本社会を根底から崩し始めた。新自由主義の浸透に伴い、カネが人間を支配する現象が日本社会を急速に変質させた。プロセスよりもゴール(業績・結果)が重んじられ、無駄なく、要領よく数字を上げればよいといった浅薄な「功利主義」が幅を利かせ始めた。

学校が「資格発行所」に

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