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オピニオン rss

内村鑑三と新渡戸稲造の教え

名寄市立大学教授 加藤 隆

 我々は世界に誇る平和国家と自負している。しかし、心の覆いを一皮めくると、言いようもない孤独や不安に苛(さいな)まれているのも事実である。旧約時代の預言者エレミヤは、時の指導者に警告して「彼らは、わが民の破滅を手軽に治療して、平和がないのに『平和だ、平和だ』と言う」と叫んだが、見せかけの平和に酔いしれている現代人にも警告を発してはいないだろうか。

「大いなるもの」の導き

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南海トラフ地震 国土強靭化へ津波対策強化も

 政府の地震調査委員会が公表した報告書で、南海トラフ沿いでマグニチュード(M)8~9級の大地震が起きた場合、東京・島嶼(とうしょ)部から九州にかけての10都県71市区町村が、高さ3㍍以上の津波に襲われる可能性は非常に高い(26%以上)ことが分かった。

 安倍晋三首相は今国会の施政方針演説で国土強靭(きょうじん)化を進めると表明した。津波対策も強化すべきだ。

3㍍以上が高確率で襲来

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チバニアン 日本の存在感向上を喜びたい

 国際地質科学連合(IUGS)が約77万4000年前から約12万9000年前の地質時代を「チバニアン(千葉時代)」と正式に命名した。

 地質時代の名称に日本の地名が使われるのは初めてだ。学界における日本の存在感向上を喜びたい。

地層に地磁気逆転の痕跡

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「ありがとう」は行動で、遊牧民の日常写す

写真家 清水 哲朗氏に聞く

 中央アジアの内陸国の一つ、モンゴル。果てしなく広がる雄大な草原や遊牧民といったイメージに加え、民族的には蒙古斑を持つモンゴロイドのルーツとされており、現代は大相撲でのモンゴル人力士の活躍などを通じて、文化的にも日本との縁が深い。そんなモンゴルの動物や人々の自然な表情を撮影し、紹介して24年目を迎える写真家の清水哲朗さん。モンゴル撮影に人生の半分を捧げてきた男に、モンゴルへの思い入れとその魅力を尋ねた。 (聞き手=辻本奈緒子)

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新型肺炎 感染防止に水際対策が最重要

 中国湖北省の武漢を中心に広がる新型コロナウイルスが原因とみられる肺炎の感染者は増え続け、中国政府によると570人を超え、死者も同省で17人となった。中国は春節を迎え、多くの人の来日が予想される。各空港とも検疫体制を厳重に整えなければならない。

SARSの轍踏むな

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2019年の中国10大ニュース

拓殖大学名誉教授 茅原 郁生

 2019年は中国にとって内憂外患の多難な年であった。内憂外患の多くは米国との間で始まった貿易摩擦が影響している。

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各党代表質問 野党は国難対処で存在感示せ

 安倍晋三首相の施政方針演説に対する各党代表質問が始まり、衆院本会議で立憲民主党の枝野幸男代表、自民党の二階俊博幹事長、国民民主党の玉木雄一郎代表が質問に立った。首相主催の「桜を見る会」をめぐる情報開示、カジノを含む統合型リゾート(IR)をめぐる汚職事件など政権追及を優先する構えを野党側が改めて示したが、出生率低下、経済、外交・安保、憲法改正など重要な議論の成熟を期待したい。

出生率低下を問題視

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訪日客過去最高 地方誘客、コト消費に知恵を

 日本政府観光局が発表した2019年の訪日外国人数(推計値)は、2・2%増の3188万2100人となり、過去最高を記録した。伸びが鈍っているため、20年4000万人の目標達成は厳しい状況だが、東京五輪・パラリンピックの開催で注目が集まる中、できるだけ多くの外国人客を呼び寄せ、観光日本をアピールしていきたい。

韓国人客減少で伸び鈍化

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金融政策の枠組み修正の年か

鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫

 2020年の年頭に当たり、本年の日米欧の金融政策を展望してみたい。

 昨年は米中貿易戦争に伴うグローバル・バリューチェーンの混乱から世界経済は減速し、主要国は多かれ少なかれその影響を受けた。

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施政方針演説 新時代の改憲案を論じよ

 通常国会が開幕し、安倍晋三首相が施政方針演説を行った。

 この中で、憲法改正について「未来に向かってどのような国を目指すのか。その案を示すのは私たち国会議員の責任ではないか」と訴え、具体的な改憲案を提示するよう与野党に呼び掛けた。今国会で憲法論議が活発化することを期待したい。

 中国の人権弾圧に触れず

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イラン情勢に向き合う原則

東洋学園大学教授 櫻田 淳

 カーセム・ソレイマニ(イラン革命防衛隊所属コッズ部隊司令官)が米軍部隊の攻撃によって殺害された一件は、中東情勢の一層の緊迫を懸念する声を高めたものの、ドナルド・J・トランプ(米国大統領)の声明によって一応の収束を観(み)た。

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トランプ政権3年、評価できる一連の対中政策

 トランプ米大統領はきょう、就任から3年を迎えた。11月3日の大統領選に向け、与党共和党、野党民主党の激しいつばぜり合い、舌戦が既に演じられている。

支持層の心をつかむ

 直近の調査では、トランプ氏の支持率44%に対し、不支持率は53%に上っている。再選に向けて予断を許さない状況ではあるが、2016年大統領選ではメディアの予想に反して当選している。

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米国との関係深めるポーランド

日本大学名誉教授 小林 宏晨

 1989年以降、ポーランドとアメリカの間には急速に特別の関係が展開された。その中核的内容は、安全保障および防衛保障的協力とアメリカの安全保障に対するポーランドの信奉である。しかし、オバマ政権下では、アメリカの東欧に対する戦略的無関心が散見されたが、その後のトランプ政権下では、この修正が行われた。この修正はポーランドに有利に作用した。

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安保改定60 自由アジア守護へ増す重要性

 日米安全保障条約の改定から、きょうで60年を迎えた。急激な軍事力の増強を背景に覇権主義的な動きを強める中国、核・ミサイル開発を進める北朝鮮など、わが国を取り巻く安全保障環境が、かつてない厳しいものとなる中、同条約はわが国とアジアの安全保障の要としてその重要性を増している。

岸首相が命懸けで断行

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米中貿易協議 米国は構造改革を促し続けよ

 トランプ米大統領と中国の劉鶴副首相は米ホワイトハウスで貿易協議での「第1段階」の合意文書に正式署名した。

 世界1位と2位の経済大国間の貿易戦争は制裁と報復のエスカレーションの状態からしばしの小休止に転じた。だが、中国の構造問題は未解決のままだ。

追加関税の一部引き下げ

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「日本書紀」編纂1300年の宮崎

青島神社宮司 長友 安隆氏に聞く

 晴天に恵まれた宮崎市の正月、「鬼の洗濯板」で知られる青島神社は大勢の初詣客でにぎわった。天孫降臨から神武東征の神話がある宮崎県には、各地に古い伝承が息づいている。山幸彦と海幸彦の神話にちなむ青島神社の長友安隆(やすたか)宮司に、「令和」の御代への思いを伺った。 (聞き手=フリージャーナリスト・多田則明)

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阪神大震災25年 自然災害多発の時代に備えよ

 犠牲者6434人を出した阪神大震災から25年がたった。この巨大地震でわが国は大きな教訓を得、防災対策の策定とその推進に向けて努力してきた。来るべき災害にも備えを怠ってはならない。

多数の高齢者受け入れ

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伝統否定する厚労省「子育て革命」

麗澤大学大学院特任教授 高橋 史朗

 「子供の最善の利益」の名の下に、静かな「子育て革命」が厚生労働省のイニシアチブで進められている。背景には、相次ぐ児童虐待死事件やスポーツ界の体罰問題などがある。

 昨年6月に成立した改正児童虐待防止法の4月施行を受けて、厚労省は昨年12月3日、体罰に関する指針案を公表した。パブリックコメントの形で広く国民の意見を集約した上で、3月末までに決定する予定である。

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文大統領会見、協議体で徴用問題解決できぬ

 韓国の文在寅大統領は新年の記者会見で、韓国大法院(最高裁)による元徴用工判決を機に悪化している日韓関係の改善に向け、原告弁護団や市民団体が提案した両国関係者による共同協議体に政府として参加する意向を示した。しかし、悪化の根本原因が判決とその後の韓国政府の無対応で国際法違反の状態が是正されていない点にあることにはまたもや触れなかった。これでは解決にはならない。

 「被害者の同意が重要」

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首相中東歴訪、地域安定に大きく貢献を

 安倍晋三首相は、中東のサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーンの3カ国を訪問した。米国がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害し、イランが報復としてイラクの米軍駐留基地をミサイル攻撃するなど中東の緊張は高まっている。日本は地域の安定に大きく貢献すべきだ。

米イラン対立で情勢悪化

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ロシア民間軍事会社の実情

ロシア研究家 乾 一宇

 大規模戦争生起の公算が低くなる一方で、世界各地で紛争や内戦が絶えない。

 紛争などに関与する西側諸国では、人的犠牲や財政負担の拡大、あるいは秘密活動(国際法違反の秘密裏の活動等)の発覚対応の措置として、軍隊機能の一部を外部委託(アウトソーシング)する状態が生じている。特に2001年の9・11事件を契機に、軍事の民営化の流れが起こり、拡大している。

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台湾総統選挙 中国「拒否」した民意と連帯を

 台湾総統選挙で与党・民進党の蔡英文総統が過去最高の得票で再選し、立法院選挙でも同党が過半数を制した。共産党独裁体制の中国が「一国二制度」による統一に向けた戦略を進める一方、香港のデモに対しても弾圧をいとわない強硬姿勢で臨んでいる。危機感を強めた有権者が中国の干渉を明快に拒否した蔡氏にこぞって投票した。

香港情勢を受け蔡氏再選

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巨大コンクリートで国土脆弱化

東京財団政策研究所上席研究員 小松 正之

 日本は、自然に対して脆弱(ぜいじゃく)性をさらけ出した国土になった。また単一目的の防災で、環境、社会経済への考慮を忘れた。沿岸線は埋め立てやコンクリートで固められ、沿岸域の海洋生態系は相当部分が破壊された。

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