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山田寛の国際レーダー rss

中国へ、世界へ 監視犬 さらに吠え続けて!

 今年のノーベル平和賞は、「民主主義と報道の自由が一段と困難に直面している世界で、理想のため立ち上がっている」フィリピンのマリア・レッサ、ロシアのドミトリー・ムラトフ両氏に決まった。心からエールを送りたい。

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リトアニアと「16+1」 中国を悩ますカナリアたち

 今年はミャンマーやアフガンの歴史時計の針が20~30年も逆戻りし、民主主義の後退が言われ、何より中国とロシアの不自由化が加速している。専制主義と中国の影響力が一段と拡大した年となりそうだ。

 中国は今年もコロナ禍対応を柱に「中国・南アジア協力会議」を定着させるなど、多国間協力機構・枠組みを主導する戦略を進めている。世界各地の中小国が中国の手の平に乗りつつある。

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五輪成功でも心配、難局での日本の気力

 「日本以外はできなかっただろう」(パーソンズ国際パラリンピック委会長)の言葉と共に、東京五輪・パラの夏は成功裡(り)に過ぎたが、印象に残った開会直前の米紙報道と国際世論調査を取り上げたい。ロサンゼルスタイムズの記事と多国籍調査会社IPSOSの28カ国調査である。やれる力は十分あるが、難局の前では気力不足の日本の姿がそこに表れていると思うからだ。

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ガニ流脱国は最悪、世界の権力者の亡命事情

 アフガニスタンでは、脱出を望む群衆があふれるカブール空港の入り口で大自爆テロが起きるなど、大混乱が続く。自分だけ先に脱出、亡命したガニ大統領の行動は最悪だとの思いが募る。

ガニ氏はタリバンが首都に迫った14日のテレビ演説で、「私は過去20年の成果を放り出さない。内外の協議を続けている」と言って、翌15日に逃げた。国民にウソをつき、空港への殺到を遅らせ、ガニ一家の脱出も容易になった。

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カブールとサイゴン 元協力者救出が重大な勝負だ

 アフガニスタンが反政府勢力タリバンに征服された。今年4月、バイデン米大統領が撤退予定を発表するとすぐ、元米軍通訳らが「帰らないで。ベトナム戦争の二の舞い(敵側勝利と大混乱)になる」と訴えたが、訴え通りになってしまった。私も、ベトナム戦争、カンボジア内戦、ソ連のアフガン戦争などの終末を思い出さずにいられない。そして問題は、米・外国の軍、政府機関、団体に直接協力したアフガン人の救出、脱出難民の受け入れがどれだけできるか。それが米国の名誉と威信にとっても、自由民主主義の今後の闘いにとっても、重大な勝負だと思う。

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中露との攻防、もう一つの最前線ボスニア

 中欧のバルカン半島西部のボスニア・ヘルツェゴビナ(以下ボスニア)が、中露権威主義vs民主主義対決のもう一つの最前線になりつつある。酷い内戦の後、なんとかその再発を抑えてきたこの国が、新たな民族紛争の危機に近づいている。

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国旗への異なる関心 日本の子供の方が幸せだ

 「セントビンセント・グレナディーンの国旗について質問します」。国旗専門家で東京五輪組織委員会国際局アドバイザーを務める吹浦忠正さんは、4年前から東京・江東区の小中学校で出前授業を開いてきたが、こんな質問を受けて舌をまいた。カリブ海の超ミニ国家にまで関心を持っている!

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東京五輪で期待したい、難民希望と難民選手団の活躍

 東京五輪・パラリンピックが近づき、二つの点で「難民」が気になっている。

 一点目は、この五輪で難民(亡命)希望者が出るか出ないか、どれだけ出るかだ。

 第2次大戦後、1956年のメルボルン五輪で、ソ連軍に蜂起を鎮圧されたハンガリーの選手ら61人が亡命を求めて以来、多くの五輪、国際競技大会で難民希望が続出してきた。

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15字の虐殺資料公開、韓国政府はより誠実な対応を

 韓国のハンギョレ新聞によると、3月中旬、韓国大法院(最高裁)が「ベトナム戦争中の韓国軍の民間人虐殺」事件に関し、国家情報院保有の事件関連情報を公開すべしと判決した。4月上旬、国情院は初めて関連記録を公開したが、たった15字の資料で、1968年の事件発生直後に聴取した小隊長3人の名前が並ぶだけ。

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コロナ禍の世界で増える 子供の誘拐・売買・行方不明

 世界各地で近年、子供の拉致・誘拐・人身売買・行方不明が増えてきた。コロナ禍の中、一層増加しているようである。

 その摘発や被害者救出が難しいことは、先月初め中国公安部が発表した数字でも示されている。年初から国中で被害者を探し出す「再会作戦」を展開し、4月末までに約700人を見つけ、犯罪容疑者86人を逮捕した。中国メディアは、30年ぶりの親子再会の感動物語などをせっせと報じた。

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米・外国軍アフガン撤退、心配な四つの運命

 米・外国軍のアフガニスタン戦争からの撤収作業が加速している。

 だが残される現地は大変だ。20年前の開戦直後に政権を追われたタリバンは今や最も強くなったといい、IS(イスラム国)勢力も浸透し、テロ連発で脅しのシグナルを発している。そんな中、特に懸念されるのが次の四つの運命だ。

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成功しているか、中国のワクチン外交

 昨年11月に中国のワクチン外交が始まってから半年、それは一応の戦略的効果を発揮している様だ。だが成功と呼ぶのはまだ早い。

 3月下旬、王・中国外相は「中国はワクチンを80カ国に援助し、47カ国に輸出する」と言明した。圧倒的な数だ。そこには米中対立、民主陣営の中国非難包囲網の中で、途上世界に中国への感謝と支持を広げることをはじめ、台湾やウイグルなどの問題も含めて戦略的狙いがいろいろ込められている。

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日本が今また問われる、アジア難民受け入れの覚悟

 日米首脳会談の共同声明が台湾海峡に言及、米インド太平洋軍司令官は、今後6年以内に中国軍の台湾侵攻が起こり得ると予測した。もし侵攻が起きたら、日本はどう米軍後方支援をするかに加え、最前線で備えるべき重要課題もある。台湾からの難民流出だ。

 日米が台湾海峡有事への十分な心構えと準備を示せば、侵攻への抑止力ともなろう。だが日本は心構えがあるだろうか。

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北京五輪ボイコットと日本、08年の喝采繰り返すな

 16日の日米首脳会談。北京冬季五輪ボイコット問題では何か話し合われるだろうか。バイデン政権は同盟国や友好国とこの問題を協議する意向を示し、中国側はハリネズミの様に針を立てて、その動きを警戒している。今後ギリギリの五輪外交戦が展開される可能性もある。

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女性議員比率166位では 日本は民主の旗を振り難い

 「うれしいことに、世界の女性国会議員の比率が25・5%と、初めて4分の1を超えた」。今月初め、「列国議会同盟」(IPU=各国議会の国際組織)の事務局長が発表した。今年1月現在の各国の1院または下院の数字である。

 だが日本は蚊帳の外だ。女性議員は9・9%で190カ国中166位。過去最低ランクである(01年は117カ国中80位、11年は142カ国中96位)。

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カメラが何回震えても、国連安保理は決議せず

 ミャンマーでは軍クーデターへの抗議デモが続き、死傷者、拘束者が増える一方だ。治安部隊は銃撃の乾いた音を響かせ、負傷者救助中の若者を棒で殴り続ける。そんなニュースを見て、1988年のこの国(当時はビルマ)の民主化運動デモのビデオ映像を思い出した。心にひびく映像だった。

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アフリカの軍事・政治情勢 激しさを増す中露の挑戦

 日米豪印の「自由で開かれたインド太平洋」構想にも、中国の「一帯一路」にも、西のアフリカ大陸は重要な意味を持つ。だがそこでは今、欧米の存在と影響力が中露側から厳しい挑戦を受けている。

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カメラも返してもらえない、日本が影響力を持てるか ミャンマー

 ミャンマーのクーデターは、国軍が「この国は軍が柱」という、1962年のネウイン将軍のクーデター以来の強い信念で断行したのだろう。一方、民衆は熱い思いで、全土で10万人以上もの抗議デモを続ける。「強い信念」側は中国の「内政不干渉的支援」を確信し、「熱い思い」側は米欧日などの支援を頼る。日本の対応について、本紙で池永達夫氏が「非難と関与の2本立て」が必要と書いている。全くその通りだろう。ただ、日本がしっかり非難できるか、影響力を持てるのか、懸念を拭えない。これまでの日本外交はここでも強権政治に対して甘かったと思うからだ。

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「自由で」戦略に不都合な 東南アジアの反自由・強権化

 ミャンマーの劇的な政変は、この国の民主化時計を午前零時に戻してしまうのか。膨張中国と日米豪印の「自由で開かれたインド太平洋」戦略の間で、東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々がどちら寄りになるかは、大きなカギとなる。

 だがミャンマー以外でも、地域には中国類似型の強権化・自由抑圧傾向が増している。その一例が反政府派を吸い込む“ブラックホール”。タイをハブとした近隣諸国での「強制的失踪」事件だ。

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世界に広がる 中国の都市監視システム

 中国・新疆ウイグル自治区や香港にあふれる監視カメラ。そんなAI都市監視システムが、中国からどんどん輸出されている。強権政治拡大につながるとの懸念も増している。

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中国ワクチン外交、途上国でホームランとなるか

 2021年。新型コロナという“鬼”に対し、ワクチンが強力な“鬼滅の刃”になり得るか。私たちの関心の的は米欧のワクチンだが、忘れてならないのがまた中国。世界各地で中国製ワクチンによる「ワクチン外交」を展開しているからだ。

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2020年の世界 理解し難い変なこと

 今年、世界で起きた変なことを六つ選び、主観的にコメントしたい。

(1)「米大統領選の大混乱・弟子も泣きたくなる」

 トランプ候補に投票した者の73%が「不正選挙でなければ勝っていた」と信じているとか。選挙後そんな大きな不信と争いが続くなんて「民主主義の反面教師」だ。

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安保理は機能不全で、生物・化学安全保障は闇の中

 2020年、新型コロナ大感染とも関連し、生物・化学兵器の問題、生物・化学安全保障の行き詰まりが、改めて浮き彫りになった。

 10月、「オープンソサエティー正義のイニシアチブ」(OSJI)など、シリア内戦を追ってきたNGO3団体が、ドイツ連邦検察にアサド政権の化学兵器使用(犠牲者約1500人という13年のグータ市の事件など)を初めて告発した。ドイツでは外国でのこうした事件も扱うのだ。

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