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メディア批評 rss

「7月豪雨」と与党紙 コロナに加え災害対策続き

 「かつてない」と表現される災害が続き、各党メディアの中でも対策に追われる政権与党の機関紙はお手上げ状態に見える。これが一過性なら、国民のピンチに政府と共に万全の対策を取ると訴え、施策をアピールして紙面は切り替わる。

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コロナ禍絡みで個別テーマに絞った3本の主張を打ち出した産経

 中国・武漢から発生した新型コロナウイルス禍との防戦が長期戦となる中で、東京都での感染拡大に懸念が広がっている。13、14日は100人台だったが、9~12日は4日連続で200人を超え、240人を超えて過去最多となった日も出た新事態である。

 今、流行の第2波が到来しているのかどうか微妙な段階にあるのだが、こういう時にこそ必要な国や都からの公式情報や専門家の分析コメントなどがなぜか今回は乏しい。引き続き「マスク、手洗い、うがい」励行と、3密(密集、密接、密閉)を避ける新生活の基本原則の徹底は少しも緩めてはならないのに、呼び掛け続けるのにもう飽きたのか。都知事選までは「東京アラート」やら「3密回避」、「新しい日常」などを麗々しく説いていたのに、再選後の小池都知事が急に言葉少なになった感がするのはなぜか。

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「中国の軍拡反対」の“羊頭”を掲げながら「無防備」の“狗肉”を売る朝日

 「羊頭(ようとう)を懸(かか)げて狗肉(くにく)を売る」。店先に良い品を見せておいて悪い品を売る、ごまかしの喩(たと)えだ。中国・後漢の光武帝(紀元1世紀)が下した詔(みことのり)の中に見える語で、続けて「盗跖(とうせき)、孔子語を行う」とある(『中国故事物語』河出書房新書)。

 盗跖とは春秋時代の大泥棒。強盗に押し入るとき、先に入るのは「勇」で、最後に出るのは「義」だなどと大言壮語し、孔子の言葉を悪用した。まさに「看板に偽りあり」。最近、日本共産党は威勢よく中国を批判しているが、これも羊頭狗肉ではないか。

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国家安全法の適用による「自由都市・香港」の“死”を悼むNW日本版

 ニューズウィーク日本版(7月14日号)が特集「香港の挽歌(ばんか)」を組んでいる。「挽歌」といえば、日本人にとってはチョウ・ユンファ主演の香港映画「男たちの挽歌」(原題名「英雄本色」1986年)を想起する人も多いだろう。香港の返還を決めた英中共同声明の2年後に作られた作品だ。“死者を悼む詩歌”の題名は今の香港にぴったりの見出しかもしれない。

 同誌の記者デービッド・ブレナンは「自由都市・香港が香港でなくなる日」の記事で、これまでの経緯を長々と書きながら、最後に「国家安全法の適用を(そして香港の「中国化」を強引に推し進める一連の策動を)食い止めるのは、もはや不可能かもしれない」と述べている。

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短観論評で冷静な分析示した朝日、経済紙として物足りなかった日経

 2日付読売「日銀短観悪化/需要喚起へ予算執行を急げ」、日経「企業の苦境見極め柔軟な政策対応を」、東京「景気の急激悪化/雇用維持に全力傾けて」、3日付朝日「コロナと経済/回復の道筋描くには」、毎日「景況感11年ぶり低水準/悪影響の長期化に備えを」、本紙「6月日銀短観/苦境の長期化回避に全力を」――。

 大企業製造業の景況感がリーマン・ショックで落ち込んだ2009年6月以来11年ぶりの低水準となった日銀短観について、産経を除く6紙が掲げた社説見出しである。

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長期戦のコロナ対策、情報機関の必要性指摘した毎日の真意はどこに?

 新型コロナ禍をめぐる新聞記事で気になっていながら取り上げる機会がなかったのを今回、紹介したい。

 それは毎日6月2日付の大治朋子・専門記者の署名コラム「火論」。「長期戦で独走 官邸の愚」と題し、安倍政権の一連のコロナ対策を「『お友達サークル』ですべてを決めないと安心できない独尊体質のように映る」と批判していた。

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アフターコロナ「地方へ移住希望相次ぐ」との週刊朝日の記事は本当か

 週刊朝日7月3日号に「見直そう!アフターコロナの人生計画 お金や仕事より大切なもの 地方への移住希望相次ぐ」という記事が出ている。

 都内の大学講師で50歳女性の趣味はいわゆる爆買い。それがコロナ禍で、必需品を買い足す以外、自宅にこもる生活が続いた。従来の生活を振り返り「今思えば、仕事のストレスを全てお金で紛らわせていました。お金があることで、かえって理性のタガが外れた状態になっていたのかなと思います」

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破産のレバノンに中国が食指、ヒズボラが復興の障害と米ネット誌

 レバノンで政治的、軍事的に強い影響力を持つイラン系の民兵組織ヒズボラが6月、中国からのインフラ投資を歓迎することを表明したことが波紋を呼んでいる。米ニュースサイト「インターナショナル・ビジネス・タイムズ(IBT)」は、「中国はレバノン経済を救えるか」と中国の関与に疑念を呈した上で、「腐敗の温床」であるヒズボラの勢力をそぐことが、レバノンの復興の鍵だと指摘した。

 レバノンでは、昨年末から国民生活の困窮などから反政府デモが発生、3月には政府が約12億㌦の債務不履行を発表するなど経済的苦境に陥っている。

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「富岳」世界一でも日本のスパコンを使いこなす力の低下危惧する日経

 香港の「一国二制度」の死を意味する中国による香港国家安全維持法の施行。このたびの中国・インドの衝突。中国の南シナ海における乱暴狼藉(ろうぜき)によるベトナム、マレーシア、フィリピン、インドネシアとの摩擦。わが国尖閣諸島周辺での連日の領海侵犯。それに世界的災禍を招いた中国・武漢ウイルス禍発生後の情報公開の致命的遅れなどなど――。今、世界のニュースをさらっている中国の威圧的な覇権主義は「諸悪の根源」だと言っても、さしつかえあるまい。

 例えば、中印衝突について、櫻田淳氏の「真相は定かではない」としつつも「中国がたとえば南シナ海のような他の係争海域で示してきた対外姿勢を踏まえれば、中印国境のヒマラヤ山脈地帯でも似たような対外姿勢が採られたであろうと類推するのは、決して難しくない」(本紙「ビューポイント」6月30日付)との判定は、尖閣領海での中国の狼藉に直面する日本人にはよく理解できることである。

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「緊急事態条項」を語らず改憲論議を自ら封印した読売の「緊急提言」

 新型コロナウイルス禍を受けて読売が7項目の緊急提言を発表した(22日付)。編集局や調査研究本部、論説委員会の専門記者が検討を重ね、有識者へのインタビューを踏まえ策定したという。

 内容は「PCR検査能力を1日10万件に」「資本注入ためらわず大胆に」「国による手厚い財政支援」など、これまで指摘されてきた対策の「総まとめ」といった趣だ。それだけにパンチ力に乏しい。

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防衛相の唐突な「イージス・アショア」導入撤回発表の背景に迫った文春

 ミサイル防衛システム「イージス・アショア」導入が事実上「白紙撤回」された。この決定の背後には「重大な疑義」があると週刊文春(7月2日号)が報じている。

 6月15日の河野太郎防衛相の発表はいかにも唐突の印象を免れなかった。しかし、総額4500億円にも上る買い物で、品書きと性能が違うのであれば、いかに土壇場であれ買い物をやめるのは賢明な判断だ。

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金与正氏毒舌など悪口つくる北朝鮮エリートに注目した「バンキシャ」

 北朝鮮が同国内の開城工業団地に韓国と合意して開設した南北共同連絡事務所を16日に爆破したが、21日日曜日の報道番組での扱いは意外と小さかった。

 南北、米朝関係の潮目の変化だが、もはやオオカミと少年の寓話(ぐうわ)のように驚かなくなったのか?――18日の河井克行前法相と妻の案里参院議員の逮捕、同じ日に政府の新型コロナウイルス感染症対策本部が決定した19日からの移動の自粛全面解除による観光地などの人出を追っていた。

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“終息”しない少子化 「男女」の価値見直されるか

 厚生労働省の人口動態統計によると、死亡数から出生数を引いた人口自然減は昨年、51万5864人で、初めて50万人を超えた。1人の女性が生涯に産む子供の推計人数を示す「合計特殊出生率」は1・36で、4年連続で低下している。わが国で「少子化」が国家の重要課題だ、と叫ばれ始めてから久しいが、いまだに解決の糸口さえつかめていない。

 前出の論考の中で、日本が新型コロナの被害を最小限に抑えたのは「直系家族」の影響を指摘したエマニュエル・トッドは、次のように語って日本の少子化に警鐘を鳴らしている。

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コロナ後の世界 「直系家族」の再評価

 「ロックダウン」(都市封鎖)のできない日本が、新型コロナウイルスによる被害をこれまでのところ最小限に抑え込んでいるのは、世界から見れば「奇跡」なのだという。なぜそうなっているのか。

 総力特集「コロナ後の世界」を組んだ「文藝春秋」7月号で、作家・数学者の藤原正彦は「日本の新型コロナ対策はことごとく見当違いに見えるが、結果的には世界で最も死亡率を低く抑えた国の一つである。奇妙な成功」という米外交誌フォーリン・ポリシーの分析を紹介。

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毎日が独り批判する「Go To キャンペーン」はそんなに問題か

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため政府が呼び掛けてきた行動自粛が19日、一段階緩和され、都道府県をまたいでの人の移動が全国で原則解禁となった。またベトナム、タイなど4カ国を対象に、出入国制限も緩和された。

 もちろん、感染が完全に収束したわけではないから「第2波」への警戒は怠れないが、待ちに待った経済・社会活動の本格的な再開である。

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大胆な社説と全国世論調査、低調な都知事選報道で独り気を吐く毎日

 東京都知事選挙が告示されると、毎日は早々と“人気投票”をやった(毎日・社会調査研究センター=20日実施、全国世論調査=21日付)。

 それによると、「都知事にふさわしいと思う人」は小池百合子氏51%、宇都宮健児氏10%、山本太郎氏8%、小野泰輔氏7%、立花孝志氏2%。女性に限れば、小池氏は60%と圧倒的だ。ただし「あくまで全国調査の結果であり、都知事選の情勢には直結しない。ただ、『関心がない』が14%にとどまり注目度は高い」としている。

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核ミサイルよりブースターに拘泥する愚かさ指摘した「プライムニュース」

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画が突然停止となったのは、迎撃ミサイルのブースター(補助推進装置)の落下を制御するのが難しく、民家に落ちて犠牲が出る危険があるからだという。

 だが、待てよ。それでなぜ配備停止になるのか。日本を攻撃するミサイルを迎撃できなかった場合の被害と、ブースター落下による犠牲とどちらが大きいかなど比べるまでもないはず。しかも、北朝鮮などによるミサイルの脅威は高まっている中での配備停止だ。まったく腑(ふ)に落ちない。

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2週連続でコロナ禍による大型倒産、デフレ、不況の危機を煽る2誌

 戦後、日本において体験したことのない感染症のパンデミック(世界的流行)に日本経済の回復軌道は見えず、むしろ不安と動揺の渦が巻く。政府は5月下旬に緊急事態宣言を解除したものの、新型コロナは収まるどころか第2、3波の気配さえ見せ、マスコミは連日コロナに関わる話題を取り上げる。経済活動は徐々に動き始めてきたものの観光、ホテル、飲食業などサービス産業への影響は大きく、中小零細企業は倒産の憂き目に遭う一方で、製造業にも不況の波が押し寄せる。

 確かに、このところの経済誌を見ると「デフレ」「不況」「倒産」の文字が乱舞し、いかにも日本経済が沈没していくかのような印象を与えている。例えば6月20号の週刊ダイヤモンドには「コロナ倒産連鎖 衣・食・泊 存亡ランキング」との見出しで外食産業やアパレル、観光、百貨店業界を分析。記事中には「コロナ大倒産時代」とまで銘打って企業のランキング付けを図る。ちなみに同誌は前週の13日号でも「銀行VSコロナ倒産 融資先危険度ランキング」と題して企画を組んでおり2週にわたって倒産特集を打ち上げた。

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香港避ける「公明新聞」 「国家安全法」に沈黙

 公明党の機関紙「公明新聞」は日刊で一般ニュースも扱う。例えば8日付1面に「抗議デモ 全米50州で」との見出しで米国の黒人暴行死事件を取り上げ、3面「緯度経度 世界は今」というコーナーで「分断あおる大統領に批判」と解説している。

 では、もう一つ世界が注目するデモ、香港の中国に対する抗議デモはどうか。中国は「一国二制度」の国際公約に反して香港を直接取り締まる「国家安全法」を5月の全国人民代表大会(全人代)で採択、これにも抗議デモが起きた。しかし同紙は全く掲載しない。

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選挙にコロナ影響「自由民主」 補選勝利も霞んだ都知事選

 新型コロナウイルス感染拡大で、政党の存在を左右する選挙さえ各党メディアで二の次の扱いになった。自民党の機関紙「自由民主」(週刊)の1面は、2月末以来、新型コロナ対策で埋まっている。

 この間、4月26日に衆院静岡4区補欠選挙があった。補選も国政選挙であり平時なら1面で扱われていたが、候補者への公認証交付、告示とも3面扱い。当選には「過去に例のない選挙戦 深澤氏が大差を付けて勝利」と威勢のいい見出しながら、最終面の8面掲載だった(5・5)。

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拉致問題解決へ北朝鮮に対する国民の怒りを結集せよと訴えた産経

 北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさんの父で、被害者救出運動の象徴的存在だった横田滋さんが87歳で亡くなった。中学1年生だっためぐみさんが突然、新潟の自宅近くで行方不明になってからすでに43年。自らの後半生を妻の早紀江さんと共に娘と被害者の救出運動に捧(ささ)げたが、願いはかなわなかった。「拉致問題の残酷さをあらためて思い知」(日経・社説9日付)らされる。

 「痛恨の訃報である」(主張7日付)と切り出した産経は、続けて「改めて、拉致誘拐という北朝鮮の国家犯罪に怒りを新たにする」と糾弾する。そして、怒りのぶつける相手は「北朝鮮であり、独裁者である金正恩朝鮮労働党委員長」だと改めて強調したのは、ともすると、問題解決の糸口さえつかめない安倍晋三政権を不甲斐ないとして、見当違いの批判の矢が向きかねないことも予想したからだろう。

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横田滋さん死去、スパイ防止法整備に沈黙するメディアは今も死んでいる

 横田滋さんが87歳で召天された。愛娘のめぐみさん(当時、13歳)が中学校からの帰宅途中に行方不明となって43年、人生の半分を離別の苦しみと闘ってこられた。北朝鮮による拉致と判明した1997年以降、日本人拉致被害者の家族を代表して妻の早紀江さんと全国行脚され、救出署名は98年春に100万人を超えた。滋さんと握手を交わした人は幾万人に上るだろうか。

 「メディアは死んでいた」。めぐみさんの拉致を初報した元産経記者、阿部雅美氏の著作のタイトルだ。副題に「検証 北朝鮮拉致報道」とある(産経出版刊、2018年)。阿部氏は1980年1月7日付のサンケイ(当時)1面トップに「アベック3組ナゾの蒸発 外国情報機関が関与? 戸籍入手が目的か」とスクープした。78年夏の蓮池薫さんらの拉致事件のことだった。

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「退陣勧告」受ける安倍氏、「学歴詐称」に決着の小池氏を報じたポスト

 新型コロナウイルス感染症対策をめぐり、安倍首相は叩(たた)かれっぱなしである。感染者数・死亡者数は欧米各国から比べても桁違いに低く、海外メディアからは「奇妙な成功」とやや斜めであれ、一応の評価を受けている。「空前絶後の規模、世界最大の対策」を盛り込んだ補正予算も組んだ。しかし、国内では全く評判が良くない。

 週刊ポスト(6月26日号)は「反響囂々(ごうごう)『さよなら安倍総理』第2弾」を載せた。とにかく「言葉は常に空虚で国民には響かない」「役人の作文を棒読みする」「口から出る中身のない虚ろな言葉を『嘘』という」と散々な言われようなのだ。

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