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「吉田調書」報道/御用機関と批判もある朝日第三者機関見解の限界

 朝日新聞の東京電力福島第一原発事故をめぐる今年5月の「吉田調書」報道について、同社の第三者機関が「内容に重大な誤りがあった」「公正で正確な報道姿勢に欠けた」などと指摘し、記事取り消しを「妥当だった」とする見解を発表した(12日)。これとともに、木村伊量(ただかず)社長が12月に引責辞任することに、先の小欄(18日付)で増記代司氏は「これをもって幕引きにするのはあまりにお粗末だ」と論評した。小欄でも重ねて、この問題を考えたい。

 第三者機関の見解は、「重大な誤り」とした朝日記事の評価、取材と記事掲載の過程、掲載後の対応まで一連の経過について、そつなくフォローしている。外形的に見ていけばそういうことになろう、と一応の説明にはなっているが、それ以上のものではない。とはいえ結構、社内の実態を知る参考材料も提供してくれて興味深い。

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朝日「吉田調書」誤報のお粗末な検証結果と木村伊量社長の引責辞任

 朝日が福島第一原発事故の「吉田調書」報道をめぐって、「重大な誤り」とする第三者機関の見解を発表した(12日)。さらに木村伊量(ただかず)社長の引責辞任も明らかにしたが、これをもって幕引きにするのはあまりにもお粗末だ。

 「吉田調書」報道の検証結果について朝日13日付は1面で「『公正で正確な姿勢に欠けた』 記事取り消し『妥当』」との見出しで、同社の第三者機関「報道と人権委員会」の見解を発表した。

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中国の赤サンゴ密漁船を海保特殊部隊が急襲と報じ目を惹いた文春

 小笠原近海に集結している夥(おびただ)しい中国密漁船。彼らの密漁の意思を挫くほどの厳しい罰則もなく、中国側の対処も当てにできずに、赤サンゴという高価な資源を乱獲されるのを、ただ遠くから指をくわえて見守るだけが日本のできることなのか――といささか失望していたのだが、驚くべき記事が週刊文春(11月20日号)に載っていた。

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安倍政権の女性政策の危うさを浮き彫りにした「プライムニュース」

 衆議院の解散風にあおられて、アベノミクスの看板政策の一つ、女性活躍推進法案の今国会成立は絶望視されている。しかし、少子化が続くわが国では、女性が出産しても仕事を続けられるような環境づくりは、重要課題であることに変わりない。

 12日報道のBSフジ「プライムニュース」は「永田町にもう一つの風 どこへ行く? 女性活躍」と題して、この問題を取り上げた。ゲスト出演者は、内閣府副大臣(女性活躍担当)の赤澤亮正と、詩人で社会学者の水無田気流の2人。

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僅差決定の日銀追加緩和に評価の3紙も副作用には強い警戒感示す

 先月末の31日、日銀は金融政策決定会合で追加緩和策を、賛成5反対4の僅差で決定した。2013年4月のいわゆる「異次元の量的・質的金融緩和」以来約1年半ぶりである。

 米国の量的緩和終了決定の直後ということもあり、為替市場は一時1㌦=115円台にまで円安・ドル高が進展。株式市場も日経平均株価が7年ぶりに1万7000円台に高騰した。その後も円相場は1㌦=114円台、日経平均は1万6000~7000円台が続く。想定外の追加緩和で「市場のムードが一変した」(市場関係者)という。

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首相と枝野氏の衆院予算委論争で過激派名称の有無が分かれた各紙

 枝野幸男民主党幹事長と「極左暴力集団」の革マル派との関係をめぐって、ちょっとした論争が起こっている。産経だけが紙面を割いており、他紙にはほとんど載っていないので、この論争を知らない人も多いようだ。

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ダムの今日的な役割と見通しを語るべきアエラ「ダム鑑賞の秋」特集

 「ダム」と言えば筆者などは、富山県東部の黒部川上流の黒四つまり黒部ダムの雄姿をすぐ思い浮かべる。黒部ダムは高さ(堤高)186㍍、今でも日本一を誇る。竣工年は1963年で、その間作業員延べ人数は1000万人を超え大きな話題になった。後に人気俳優、石原裕次郎主演の映画「黒部の太陽」もヒットし、当時、現地を一目見たいと観光客が黒四につめかけた。

 ところが、今日の傾向として、コンビナートや原子力発電所の巨大施設は都市から離れて、次第に遠い地域に建設されるように、機械技術的なものは都会の異物としてとらえられることが多くなった。もちろんダムはその性格上、山間に立地され、一部の人気のダム以外に観光地として足を運ぶには交通の便もよくない。

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沖縄県知事選を大局的に解説して「辺野古」で論戦を求めた読売社説

 沖縄県知事選(16日投開票)が現地でヒートアップしている。だが、東京では地方選挙の一つと関心の度合いはいまいち。その重要性も理解されているとは言い難いが、他の知事選とは違い、日本の外交と安全保障の行方に大きな影響を及ぼすのである。

 沖縄県知事選に立候補したのは4人。現職の仲井真弘多(ひろかず)知事が3選を目指し、翁長雄志(おながたけし)・前那覇市長、喜納昌吉(きなしょうきち)・前参院議員、下地幹郎・前郵政改革相の新人3氏が挑み、最大の争点は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古(名護市)移設問題とされる。

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朝日「林彪事件をたどって」の続編で自らの事件報道にメスを入れよ

 朝日の古谷浩一中国総局長が夕刊紙上に「林彪事件をたどって」と題する興味深いシリーズを執筆した(10月17~31日付=全11回)。

 古谷氏は1年前に中国総局長として北京に赴任して以来、取材の合間に、手探りで林彪事件(1971年9月13日発生)の真相を調べてきた。それは近年の薄熙来や周永康の失脚劇に見られるような「激しい権力闘争を繰り返す中国共産党という組織の矛盾が、林彪事件に凝縮されているのではないか」との思いからだという。

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選挙民の意識改革も問われている新潮の小渕優子氏の政治資金追及

 週刊新潮(10月23日号)が報じた小渕優子経済産業相(当時)の「デタラメすぎる政治資金」の特ダネ記事をきっかけに、新聞や週刊誌が次々に閣僚の“粗探し”を始めている。出るわ出るわ、改造前にはほとんどなかった不祥事や疑惑が次々に出てきて、安倍内閣を揺さぶる事態になっている。

 「大臣の首を飛ばした」というのは、新聞や週刊誌の「勲章」でもある。隠れた不正や正すべき因習を追及するのはジャーナリズムの使命だ。ただ、そればかりやり過ぎると、国政運営の妨げになり、ひいては国民に不利益をもたらすこともある。

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議論が北朝鮮ペースの土俵に乗った邦人拉致めぐるNHK日曜討論

 北朝鮮による日本人拉致被害者の再調査報告が遅れていることについて説明を受けるため、10月28~29日に平壌入りした日本政府代表団が30日に帰国し、安倍晋三首相に協議内容を報告した。

 再調査は北朝鮮特別委員会により①拉致被害者②行方不明者③日本人遺骨④日本人配偶者――の四つを同時並行で行い、夏の終わりから秋の初めに最初の報告をするとされていた。北朝鮮側からの説明は、日本が最優先する①ではなく③についてであり、拉致という核心問題を外していた。

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半世紀ぶりの国産旅客機お披露目に社説掲載は日経、東京2紙のみ

 三菱航空機が開発中の国産旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」が、このほど公開された。国産旅客機のお披露目は、1962年に初飛行し、73年に生産終了となったプロペラ機「YS11」以来、実に半世紀ぶりである。

 MRJは座席数が70~90、近距離路線向けの小型ジェット旅客機。2008年に事業がスタートし、今回ようやく完成。今後、15年に初飛行、17年から機体納入の予定。飛行試験を日本と米国で行い、初号機は他社に先駆けて受注を決めたANA(全日本空輸)に納入するという。

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新聞大会決議「正確で公正な報道」を望めぬ朝毎の秘密保護法記事

 特定秘密保護法の運用基準が閣議決定され、12月10日に施行される。これに対して各紙は「知る権利」が侵害されないか、懸念を表明している。新聞の立場として理解できるが、そもそも秘密保護法がなぜ必要だったのか、そのことについて一言もない新聞があるのは解せない。

 確かに同法を乱用して、何でも秘密にするようなことがあっては民主主義の根幹が揺らぐ。だが、一部新聞はそうした懸念を通り越して、やれ戦前に戻るだの、戦争の準備だの、ありもしないことを書き立て、センセーショナリズムを地で行った。

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表紙を飾らなかった東洋経済の特集「地政学リスク」の事なかれ主義

 世界中の至る所で紛争や戦争が勃発している。それは収まるどころかむしろ拡大の方向に向かっているようだ。そうした地域間の政治・外交・経済リスクを「地政学リスク」と称しているが、この地政学リスクが国民生活に大きな影響を及ぼしている。

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「私たちの道徳」の使用を強要したかのような印象与える「時論公論」

 文部科学相の諮問機関である中央教育審議会(中教審、安西祐一郎会長)は21日、小中学校の道徳を「特別の教科」と位置付ける内容を下村博文文科相に答申した。これにより、早ければ平成30年度から正式な教科としての道徳が始まる。義務教育の大転換と言えるだろう。

 NHKは22日の「時論公論」で、教育問題担当の西川龍一解説委員が「“特別の教科 道徳”の課題」として、答申が出されるまでの経緯や教科化までの課題を解説した。

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各紙とも産経前支局長起訴は韓国の国際イメージを傷つけると指摘

 報道、言論の自由が民主主義の根幹をなすものであることは、今さら言うまでもないことである。米国の第3代大統領のジェファーソンは「新聞なき政府か、政府なき新聞か、いずれかと問われれば私は迷わずに後者を選ぶ」と語ったことはよく知られている。言論の自由とはそれほどのものである。

 だから、今月8日に韓国の検察当局が、産経新聞ソウル支局の加藤達也前支局長を、情報通信法に基づく名誉毀損(きそん)罪で在宅起訴したことに対して、当の産経だけでなく、各紙はもとより日ごろ産経と論調で対極の立場から激しく言論戦を繰り広げる朝日新聞までが産経擁護、韓国政府に辛辣(しんらつ)な論調を一斉に展開したのは当然のことだ。韓国は、ことが言論弾圧に相当し、国際社会で重大なイメージ悪化を招くことを冷静に深慮しなかったようで、大きな判断ミスをしたと言う他ない。残念なことである。

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新聞週間で苦言投稿相次ぐ朝日だが慰安婦虚報に反省ない木村社長

世論誘導を読者批判

 新聞週間にあたって各紙が特集を組んでいる。朝日は一連の虚報問題に対する読者の声(投稿)を「読者からの叱咤 耳を澄ます 襟を正す」との見出しで、2ページ見開きで掲載した(15日付)。その中にこんな投稿が載っている。

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新聞週間で苦言投稿相次ぐ朝日だが慰安婦虚報に反省ない木村社長

 新聞週間にあたって各紙が特集を組んでいる。朝日は一連の虚報問題に対する読者の声(投稿)を「読者からの叱咤 耳を澄ます 襟を正す」との見出しで、2ページ見開きで掲載した(15日付)。その中にこんな投稿が載っている。

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ノーベル賞受賞者の美談ならぬ「怒り」と「犬猿の仲」取り上げた文春

 また日本人がノーベル賞を授賞した。喜ばしく誇らしいことだ。特に科学部門のノーベル賞は「ナンバーワンでなく、オンリーワンに与えられる」と言われるように人類に貢献する基礎科学に与えられるもので、日本がその分野で極めてレベルが高いことを改めて世界に示した。

 物理学賞を受賞したのは青色発光ダイオード(LED)の開発と実用化に成功した赤崎勇・名城大学教授、天野浩・名古屋大学教授、中村修二・米カルフォルニア大学教授の3人である。

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消費不振でも「消費税10%なら軽減税率を」と説く読売の歯切れ悪さ

 「景気後退入りの可能性/内閣府 8月指数、判断引下げ」――本紙8日付7面のトップ見出しである。8月の景気動向指数は、景気の現状を示す一致指数が2カ月ぶりに悪化。内閣府は基調判断を「足踏み」から「下方への局面変化」に下方修正し、景気が後退局面入りした可能性が高いことを暫定的に示した。  その隣は日銀の金融政策決定会合の記事で、「生産に『弱めの動き』/緩和継続、必要なら追加策」の見出し。  その後も、「消費者心理2カ月連続悪化/9月 基調判断、再び引き下げ」(11日付本紙7面見出し)などと、芳しくない経済ニュースが続く。  そんな状況でも、各紙に国内景気に関する社説は、2日付の日銀短観に関するもの以来なかった。ただ一紙、読売が12日付で、通常2本立ての枠に1本の大社説で、「『消費税10%』/やはり軽減税率が不可欠だ」を載せ、目を見張ったが、内容はいまひとつ歯切れが悪かった。  見出しをみると、来年10月の消費税率10%を支持したようだが、そうではない。「さらなる消費増税が、景気の停滞に追い打ちをかけることはないか」と心配し、「財政再建は先送りできない課題だが、今年4月の消費増税後、消費の低迷が続いていることを軽視してはならない」が趣旨なのである。だから、「消費税10%」は仮定の話で踏み切るなら、食料品など必需品の税率を低く抑える軽減税率を導入し、家計の負担を和らげるべきだというわけである。  同紙は、2日付の日銀短観に関する社説でも、その文末に「再増税に踏み切るのなら、…軽減税率を導入し、…」と同様に記している。この時の見出しは、「景気回復の足取りはまだ重い」である。

 9月の日銀短観は、景況感を示す大企業・製造業の業況判断指数が1ポイント改善したが、内需への依存度が高い大企業・非製造業は6ポイントと大幅に悪化し、中小企業は製造業、非製造業とも2四半期連続で指数が低下。3カ月先の予想は大企業も中小企業も、景況感の変化は横ばい圏だった。  このため、同紙は「消費税率引き上げ後の景気減速は長引くのではないか。そんな懸念を抱かせる内容である」と評し、政府・日銀に対して、「景気の緩やかな回復シナリオを描いているが、楽観は禁物だ。日本経済の変調に対する警戒を強め、景気最優先の政策運営に徹してもらいたい」と注文を付けたのである。  日銀短観に関する社説は、産経を除く6紙が掲載。このうち、来秋の再増税について判断を示したのは東京と本紙(4日付)。東京は景気腰折れを防ぐために「見送るべきだ」とし、本紙は「実施できる状況ではない」とした。  日経も触れはしたが、再増税実施是非のため「景気の動向を慎重に見極めるのは当然だが、その間に政府がやるべきことはたくさんある」として、公共事業の円滑な執行や法人減税の具体策の詰め、規制改革の加速を訴えた。  もっとも、日経の主張には再増税実施までにそうした成長戦略の実行で景気を下支えできるかどうか疑問が残る。4月の増税では5・5兆円の経済対策などが実施されたが、それでも想定以上に内需不振が長引いているからである。  12日付の読売社説は、再増税の場合は「大きな影響を受ける消費の動向に、特段の注意を要する」として、「消費不況」の防止に有効な対策の検討を求めた。それが軽減税率というわけだが、それで「景気が腰折れし、デフレを脱却できなくなっては、元も子もない」とする増税の影響をどこまで防げるのか。

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言論規制でガス抜きの思惑が濃厚な朝日「第三者委員会」の虚報検証

 「内容は自信を持っている」。慰安婦問題の虚報をめぐって朝日の木村伊量(ただかず)社長は9月の謝罪会見でこう述べた。「吉田証言」を取り消した慰安婦特集(8月5、6日付)についてだ。ところが、朝日はその自信の作の一部を9月29日付で「おわびして訂正します」とした。

 特集では韓国・済州島で女性を強制連行したとする吉田清治氏(故人)の証言を虚偽だと判断して取り消したが、その初報(1982年9月2日付大阪本社朝刊)を大阪社会部の記者としていた。この元記者(66)は特集で「(吉田氏の)講演での話の内容は具体的かつ詳細で全く疑わなかった」と述べている。

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漱石作品を現代社会に照射し読み解く姜尚中氏アエラ記事に違和感

 文豪・夏目漱石の人となりや作品を紹介しながら、若者の生き方などを提示した「悩む力」などの作品がある政治学者の姜尚中氏が、アエラ10月13日号で「我がこころの漱石を旅する/姜尚中が行く熊本文学紀行」を載せている(ライターは矢内裕子さん)。

 文学作品の読み方は、もちろん各人の自由でありそれについてとやかく言うことはないのだが、姜氏の、漱石作品をもって現代社会を照射し、論じ批判したりするあり方にはどうも違和感がある。例えば、今回の記事の中で姜氏は次のように言う。

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「吉田調書」記事は原発所員「貶めず」と「朝ナマ」で強弁した朝日OB

 朝日新聞社の木村伊量(ただかず)社長が、いわゆる「吉田証言」と「吉田調書」に関する二つの誤報問題で謝罪会見を行ってから1カ月が経過した。テレビの報道・討論番組は過去数カ月間、朝日の報道に関する問題を何度も取り上げ、ジャーナリストや政治家らがそれぞれ意見を述べたが、こうした番組を今振り返ると、一つの格言が頭に浮かんでくる。

 「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」。ローマの英雄カエサル(シーザー)の言葉だ。

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