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福島原発事故や東京五輪をめぐり朝毎が仕掛ける「ゼロリスクの罠」

 福島県民が待ち望んでいた新刊本が世に出た。「東京電力福島第一原発事故から10年の知見 復興する福島の科学と倫理」(丸善出版)。いささか長いタイトルだが、これ一冊で福島の事故被害の実態がほぼ知れる。

 医療ジャーナリストの服部美咲さんの労作だ。放射線被曝(ひばく)の影響や甲状腺検査、廃炉汚染水対策などの基礎知識をデータ豊富に紹介し、原発事故に向き合った科学者や医師らの対談やインタビューで被害の真相に迫っている。

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「会社とジェンダー」を特集するが「家庭力」を見逃している東洋経済

 女性の社会進出が話題になって久しいが、男女の性差(ジェンダー)をめぐる議論は今も尽きることがない。最近でも森喜朗・前東京五輪・パラリンピック大会組織委員会会長が「女性の役員がたくさん入っている会議は時間がかかる」と発言し、物議を醸した。そもそもジェンダーとは、社会的・文化的背景の中でつくられた性差のことで、生物学的な男女の性差とは異なる。人口減少、生産労働人口の減少が続く中で、企業が今後生き延びるには女性の活躍の場をいかに創出していくかが鍵になるという。

 こうした企業とジェンダーをテーマとして東洋経済(6月12日号)が特集を組んだ。「会社とジェンダー~これが世界のビジネス常識」と題した企画のつくりは、「女性を戦力化できない日本企業に未来はない。いまだに根強く残る男女格差は、日本経済が再び競争力を取り戻すための必須の条件だ」と特集のリード文にあるように、これまでの日本の企業風土が女性軽視であり、それが日本の経済成長を妨げているという論調だ。

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「義務教育が変わる」と題して「イエナプラン」教育を紹介するアエラ

 アエラ(6月21日付)が「義務教育が変わる、誰もが伸びる」と題して、「イエナプラン」教育を紹介している。イエナプランとはドイツの教授が取り組み、1960年代以降にオランダで発展した教育法だ。現在、ほとんどの学校で行われている、教師が生徒に同じことを一斉に教える教室授業とはまったくスタイルが異なる。異年齢構成のグループで、自分たちで課題を決め解いていく、というもの。上級生が下級生に解き方を教える、ということが自然に出てくるわけだ。現役教師が聞いたら顔をしかめるか、逆に食い付くか、評価は分かれるだろう。

 今の教育現場では、学年で決められた漢字以外で答えを書くと不正解にされたり、答えは合っていても、解答を導き出す「式」が「正解」と違えばバツをもらう、という杓子(しゃくし)定規な教え方が厳格に守られている。教師が求める答えをその通り出せる子供をつくっているのが、現在の教育といっていい。

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東芝の外部報告書「全体像は不明な点が多い」と指摘した読売社説

 東芝は昨年7月の定時株主総会について、「公正に運営されたものとはいえない」とする外部調査の報告書を公表した。経済産業省が外為法に基づく権限を背景に海外株主に人事案取り下げを働き掛けたとしている。この報告書の内容を各紙一斉に報じ、いずれも経産省、東芝に対し手厳しい。

 「東芝・経産省 異常な蜜月」(毎日6月12日付)では、「経産省の関与について、霞が関では『時代遅れ』との見方も出ている。ある経済官庁の幹部は、『まるで(高度成長期の旧通産官僚を描いた経済小説の)『官僚たちの夏』のような話で、現代ではどう考えてもやり過ぎだ。こんなことを続けていては世界市場から見放される』と切り捨てた」と。また日経12日付社説は「東芝と経産省は統治改革の信頼を損ねた」として「政府が民間企業の総会運営に一方的に肩入れするのであれば、日本の企業統治の信頼は根底から揺らぐ」と批判。

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金看板の「権力の監視」には触れず読者に購読料値上げを告げる朝日

 「新聞は歴史の記録者であり、記者の任務は真実の追究」と新聞倫理綱領にある。ところが、朝日の編集委員、曽我豪氏は政治部長時代に「権力監視こそ新聞社の使命だ」とぶち上げ、安倍政権の粗探しに汲々(きゅうきゅう)とした。何も今に始まった話ではないが、「権力の監視」は朝日の金看板といっても過言ではない。

 「真実の追究」と「権力の監視」では随分、意味合いが違う。真実の追究は「うそ偽りのない本当のこと」を「尋ねきわめること」だから真実に対して謙虚でなくてはならない。これに対して監視は「(悪事が起こらないように)見張ること」だから自(おの)ずと自分は正しいという前提に立つ。

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内戦下のイエメンで戦略的支配の強化をもくろむサウジとUAE

 中東イエメンで、暫定政府とイスラム教シーア派の武装組織フーシ派の衝突が続く中、アラブ首長国連邦(UAE)とイスラエルの水面下での活動が伝えられている。

 イランのファルス通信は、シーア派が8日、イスラエルの対外情報機関モサドの工作員を拘束しており、イエメンでのイスラエルのスパイ活動に関する資料を公開すると報じた。フーシ派のスポークスマンは「イエメンでのイスラエルの活動の一部、イエメンを軍事的に標的とする計画などの秘密が初めて明らかにされる」と述べている。

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国の半導体戦略に朝日は経済合理性、読売は経済安全保障を強調

 国が国内半導体産業の競争力強化に向け動きだしている。経済産業省が「半導体・デジタル産業戦略」を策定、また首相官邸(内閣官房)も成長戦略実行計画案をまとめ、その中で先端半導体技術の開発・製造立地推進を掲げた。

 新聞ではこれまでに朝日、読売、東京、本紙の4紙が半導体戦略について社説を掲載。論調としては、朝日が経済合理性を強調したのに対し、読売は経済安全保障を重視するなど大きな違いを見せた。

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「縄文遺跡群」の世界遺産登録勧告、宗教や芸術からの視点を欠く各紙

 「ああ、何のために人間はいるのか。発信しよう、激しい愛を。青さのむこう、昼の空の星にまで。発信ゆんゆん、発信ゆんゆん…」

 こんな風変わりな歌詞の高校校歌がある。「宇宙の奥の宇宙まで」。題名も変わっている。福島県立清陵情報高校の校歌で、作詞は詩人の宗左近さん、「縄文人」と呼ばれた人だ。青森県の三内丸山遺跡など17で構成される「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されるというので宗さんを思い浮かべた。

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「自己決定」の弊害を露呈させたNHK「ネタドリ!」の性教育特集

 昭和30年代生まれの筆者が中高生時代、「生徒は性行為をしてはいけない」と、教師が指導するようなことはなかった。その性倫理は常識として生徒たちに共有されていたので、学校で生徒の性行為が問題になるようなこともなかった。

 当然、妊娠を防ぐための避妊の知識も必要なかったし、そんな教育を受けた記憶もない。高校生くらいになると、性行動で指導される男女生徒がいたのかもしれないが、それでもって「正しい性教育をしよう」という声はどこからも出なかった。

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遺伝子操作、動物実験による医薬品開発の現状を特集したNW日本版

 新型コロナウイルスの中国・武漢ウイルス研究所流出説が強まっている(本紙5月31日付1面)。この研究所では何十種類もの小動物の血液中成分である血漿(けっしょう)を調べ人体実験もしていたとみられ、その目的、目指すところは何なのかなどの疑問も起きてくる。

 コロナウイルスワクチンの話題と直接関係はないが、現代の医薬品開発の手法について、ニューズウィーク日本版5月25日号に、11㌻に及ぶスペシャルリポート(「老いを止める『秘薬』を求めて」など)が載っている。医薬の開発、製造の技術進歩はとどまるところを知らない。遺伝子操作は今や万能性を帯びてきたし、小動物の血漿中のタンパク質を追究し、それを人間の疾病治療に利用するという手法も当たり前になってきた。

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コロナ禍での安全な五輪開催へ努力を求める産経など、朝日は中止論

 「冷静に、客観的に周囲の状況を見極め、今夏の開催の中止を決断するよう菅首相に求める」

 東京オリンピック開幕まで2カ月を切る段階に入っても、五輪とそれに続くパラリンピックの開催か中止・延期をめぐる論争が依然として続いている。各紙論調は通常の2本分のワイド・スペースで、この問題を論じた。冒頭は五輪・パラリンピックの中止を掲げ、菅義偉(よしひで)首相に迫った朝日(5月26日付、以下各紙とも同月)の社説である。

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欧米とは桁違いに感染抑止の日本、理にかなわぬ朝日の五輪中止論

 またぞろ朝日である。「夏の東京五輪 中止の決断を首相に求める」との社説を掲げた(5月26日付)。コロナ禍の感染拡大が止まらないから、開催は「理にかなうとはとても思えない」とし、「冷静に、客観的に周囲の状況を見極め、今夏の開催の中止を決断するよう菅首相に求める」と主張している。

 朝日は東京五輪に賛同する「オフィシャルパートナー」だ。何十億円かの契約金を払って販売促進に利用し取材でも便宜を得てきた。開催反対ならパートナーから降りるのかと思いきや、紙面にそんな話はない。ホームページに「東京2020オフィシャルパートナーとして」との一文があり、それには契約当時から「オフィシャルパートナーとしての活動と言論機関としての報道は一線を画して」いたのでパートナーは続けるとしている。社論と会社は別物。言うことと、やることが違ってもOKなのだ。

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コロナワクチンへの不信感を煽りながら接種が遅いと批判する現代

 新型コロナウイルスワクチンの接種がようやく回り始めた。これからどんどん加速していき、予定を前倒しして、高齢者以外へも広げていくことが期待されている。

 その中でワクチンへの不信感を煽(あお)る報道が一部にある。週刊現代(6月5日号)が「『自分は打たない』と決めた医師たちの意見」を書いている。「ワクチン接種が始まって3カ月強の5月21日までに、85名の日本人が接種後に亡くなっている」とし、幾つかの具体例を挙げているが、どれも接種後に亡くなったという事実だけで、ワクチンが原因で亡くなったという医学的根拠は示していない。ちなみに「政府はこれらの人たちの死とワクチンの直接の因果関係を認めていない(一部は調査中)」。家族を失った方々にはお気の毒だが、「ワクチン以外考えられないでしょう」は個人の感想にすぎない。

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コーツ氏の五輪「イエス」を叩き過ぎる残念な「日曜報道」橋下氏など

 自衛隊による新型コロナウイルスワクチンの大規模接種が始まるなど、一般向けワクチン接種は高齢者から順に進んでいく。感染の猛威に遭遇した米国や英国などはワクチン接種によって日常を取り戻し始めており、その経過を見れば時間を掛けながらコロナ後の曙光(しょこう)が差している。

 しかし、わが国では東京五輪・パラリンピック、衆院選を控えてコロナ対策の政治的な時間の線引きが生じ、論争材料にされる傾向が目立つ。16日放送のTBS「サンデーモーニング」は、五輪をめぐる国会質疑とともに、日ごろ強調しない安全保障を政府批判に持ち出した。

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コロナ禍の厳しい経済運営の中で独善的な政府批判に終始した毎日

 年間を通じてコロナ禍に見舞われた2020年度の日本経済は、実質国内総生産(GDP)が前年度に比べ4・6%減のマイナス成長で、戦後最悪の落ち込みとなった。

 21年1~3月期は年率換算で前期比5・1%減。4~6月期もコロナ禍が依然続いており、2期連続のマイナス成長が懸念される状況である。

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架空予約でワクチン接種を妨害する護憲リベラル紙はコロナ戦争の戦犯

 公益性なんかあるものか。新型コロナウイルスワクチンの「自衛隊大規模接種センター」の予約システムに架空予約をして「欠陥」をあげつらった朝日と毎日のことだ。筆者の勤める病院でも高齢者のワクチン接種が始まっているが、予約に苦労している家族は「こんな人たちがいるから、なかなか予約が取れないのかなあ」と溜(た)め息をついていた。

 朝日の場合、朝日新聞出版のニュースサイト「アエラドット」が予約の始まった17日、架空の接種券番号や市区町村コードを入力しても予約できたと「欠陥」を指摘する報道を行った。毎日は18日付に「大規模接種予約、架空番号で可 防衛省『善意頼み』」との見出しで、記者が「防衛省のサイトから、架空の市区町村コードや接種券番号を入力したところ、予約作業が進めることができた」とし、65歳未満でも生年月日を入力すれば予約できると、まるで架空予約を“指南”するかのように書いている。「架空番号で可」は奨励と見誤る。不謹慎極まりない。

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反対意見を「差別」とするLGBT運動の独善性露呈させた毎日

 自民党が今国会での成立を目指すLGBT(性的少数者)理解増進法案に「差別は許されない」という一文を入れた原案に、保守派から強い反対の声が上がり、24日に再度議論することになった問題。LGBT支援に力を入れる新聞がどう報じるか、関心を持って読んだが、案の定、この問題への深掘りはなく、反対議員を悪者扱いして、反対意見を封殺しようとする報道が目立った。

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コロナ禍でも株高続く日本、「大復活」か「K字経済」かで分かれる予測

 依然として続く新型コロナウイルスの感染拡大。このところ北海道や広島など地方でも感染者が過去最多を記録している。そうした中で着目されているのが日経平均株価の動き。今年1月4日の大発会は2万7258円でスタートしたが、翌2月15日には3万円を突破。

 現在は各地で緊急事態宣言が出されているものの、連日2万8000円台で推移している。一般に株価は経済の先行指数と言われているが、今後の日本経済は株価の示すごとく堅調に推移していくのか、新型コロナ禍の拡大が止まらず景気は一転下降していくのか、予測の難しいところではある。

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過熱する五輪開催の賛否めぐる論争から選手守れと訴える産経など

 東京オリンピック開幕まで約2カ月と迫る中で、折からの新型コロナ禍の収束に手間取っていることに絡んで、五輪とそれに続くパラリンピック開催の是非をめぐる論争が過熱化している。論争は一方でインターネット交流サービス(SNS)上にまで広がり、五輪代表に決まった競泳の池江璃花子選手らに出場辞退を求めるなどの異常事態にもなっている。

 こうした状況に新聞の論調は、選手批判を非難して選手を守ろうと訴える主張と、五輪開催に強い懐疑を投げ掛けて政府批判を展開する主張とに割れた。前者は「選手への攻撃は許せない」のタイトルの産経(16日付・主張)と「選手を批判するのは筋違いだ」の読売(12日付・社説)、「選手に向かう五輪批判 根底に主催者への不信感」などの毎日(14日、12日付・同)であり、後者は「開催ありき 破綻あらわ」の朝日(12日付・同)とに分けられるのである。

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革命政党の体質変わらぬ共産党を「野党共闘」に加えようとする朝日

 日本共産党の理論政治誌『前衛』が5月号で通算1000号に達した、と毎日が伝えている(4日付)。終戦直後の1946年に創刊され、近年は野党共闘路線を反映して他党幹部のインタビューを掲載するなど柔軟な姿勢もうかがえるとし、「名前は『前衛』だが、国民的な雑誌に発展できる」との志位和夫委員長のコメントを載せている。

 相も変わらず昔の名前で出ています、の図だ。共産党の党名も前衛も変えない。それは一貫して共産主義に従っている証しだ。「共産」はマルクスに由来し、「前衛」はロシア革命の立役者レーニンの組織論に基づく。つまりマルクス・レーニン主義の政党だ。

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菅首相がなぜ五輪開催に拘るのか理由を探るが答えは出さない文春

 「どうしてもやる」という菅義偉首相。東京五輪・パラリンピックのことだ。菅首相がそれほどまでに拘(こだわ)る理由を知りたい。その庶民の疑問にスキっとした答えを出すのが週刊誌の役目だ、というと大げさだが、期待はする。

 週刊文春(5月20日号)がそれを試みている。海外メディアや五輪組織委員会の中からも「中止」を求める声が出ている状況で、医療体制などさまざまな理由から、開催が難しいことを説明した後、同誌は国際オリンピック委員会(IOC)が受け取る莫大(ばくだい)な放映権料の話を持ち出した。

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中国のアフリカ大西洋岸進出の可能性を指摘、警鐘鳴らす米メディア

 中国の中東、アフリカへの経済的、軍事的な海外進出に、国際社会からの警戒が強まる中、米アフリカ軍司令官が、中国が大西洋岸の西アフリカへの進出をもくろんでいると指摘し、波紋を呼んでいる。

 米「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」は、アフリカ軍のタウンゼント司令官が4月22日の議会での証言で、「中国が、世界中に基地のネットワークを築こうとしていることは分かっている。私が最も懸念しているのは、アフリカの大西洋岸だ」と指摘したと報じた。

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ロケット残骸落下で中国に「国際協調に責務果たせ」と朝日の意外

 中国が4月下旬に打ち上げた大型ロケット「長征5号B」の残骸が9日、制御不能のまま大気圏に再突入してインド洋に落下した。人的被害などは報告されていないが、何とも危険極まりない話である。

 この事態に社説で論評したのは、これまでに朝日と本紙の2紙のみ。朝日が早々に11日付で「中国と宇宙/国際協調に責務果たせ」と掲載したのは意外だった。本紙は12日付で「中国ロケット/安全軽視の宇宙開発を許すな」である。

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