地球環境を救え!
続く海面の上昇
昨年9月初旬、関西地方などを襲い、最大瞬間風速58・1㍍を記録した、今世紀最強とされる台風21号。大阪の都市部にも大きな被害をもたらした。関西国際空港では大規模な高潮が発生し、海水が逆流、一面が海水で覆われた。また空港と陸を結ぶ連絡橋に、漂流していた長さ89㍍のタンカーが衝突。橋の一部が大きく壊れ、通行止めになるなど、観光客の移動にも大きな支障をきたした。

温暖化の悪影響に追い打ち
国立研究開発法人海洋研究開発機構特任参事 国際海洋環境情報センター長 白山義久氏に聞く
海洋の酸性化の影響は。
サンゴ礁の危機は温暖化現象の影響が大きいが、それに酸性化というものが追い打ちを掛けている。2090~2100年つまり今世紀の最後の方には日本の周辺から造礁サンゴが生育するのに適切な場所がなくなってしまう可能性がある。
サンゴ以外の生物に対してはどうか。

「もう一つの二酸化炭素問題」―海洋酸性化
大気中の二酸化炭素(CO2)濃度増加で海水が吸収することによって、海洋環境に発生している変化が「海洋酸性化」で、海水の酸性度は上昇しつつある。海水の酸性化は、生物の殻や骨格になっている炭酸カルシウム生成を強く妨害し、海の生物に影響を与えている。地球温暖化に加えて世界規模の環境負荷要因だ。
