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上昇気流 rss

いったいどこに、日中関係が改善されていると言える事実があるのか

 中国・武漢コロナウイルス禍や令和2年7月豪雨被害への対応に日本が追われる中、世界中が香港国家安全維持法施行を非難するのも構わず、中国の暴走が続いている。日本への直(じか)の問題は連日、沖縄県・尖閣諸島周辺で領海侵入などを繰り返す中国海警船の狼藉(ろうぜき)である。

 本紙はこの問題を「侵略の危機」として連日、「国境警報」として事態を伝え警鐘を鳴らしている。尖閣周辺の接続水域で中国海警船が確認されるのは13日で連続91日に。6月17日以降は過去最長記録を更新し続けている異常事態なのである。

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「明治は遠くなりにけり」ではないが、昭和もまた遠くなったものである

 四十数年前、気流子の大学時代、ある文学者の追悼式に出席したことがある。遺影の主は森有正だった。森は初代文相の森有礼(ありのり)の孫で、パリに在住して『遥かなノートル・ダム』などの緻密で哲学的なエッセーを記したことで知られている。

 場所は、国際基督教大学。パイプオルガンのバッハの曲が流れ、自分の居場所ではない所に来たような場違い感があったことを覚えている。

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九州や中部地方に甚大な被害をもたらした豪雨は「令和2年7月豪雨」と命名

 今月3日から降り続く雨で九州や中部地方に甚大な被害をもたらした豪雨は「令和2年7月豪雨」と命名された。豪雨被害は近年、毎年のように発生している。平成30年の西日本豪雨の記憶もまだ生々しい。

 被害に遭った人たちや住民は、異口同音に「こんな経験は初めて」と言い、それを「観測史上最大の」という気象庁の発表が裏付けるかたちだ。今回は、次々と雨雲を発生させる「線状降水帯」が豪雨の原因とされているが、近年の豪雨被害がかつてない大規模なものになっている背景には、地球温暖化による海水温の上昇がある。

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「ファン」として、何らかの理由でその作家に関心を持つことがあってもいい

 40年も前の話。「××研究会」という会が開かれた。「××」は当時の純文学系の人気作家の名前。今は故人だが、その時は作家本人も研究会に参加していた。会が終わる頃になって、司会者から「ひとことずつ」ということで、数十人の参加者全員が短いコメントを述べるように求められた。その中である中年女性が「ファンですから……」と語った。

 最初は何だかよく分からず、「だから何なんだ?」と思ったが、どうやら「自分はその作家のファンとしてこの研究会に参加しているので、それ以上コメントすることはない」という意味だと分かった。

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尹東柱、愛国心とキリスト教信仰を土台に終末を予知した「預言の詩人」

 尹東柱(ユンドンジュ)は没後に1冊の詩集が出されただけの朝鮮詩人だが、それを論じた著作は膨大な数に上る大きな存在。没後50年目の1995年には、学んだ同志社大学のキャンパス内に詩碑が建立された。

 「尹東柱を眺める3カ国の違う見解」(小紙6月25日付)によると、彼の詩碑は韓国と中国にもあり、故郷の中国吉林省延辺朝鮮族自治州(旧満州の間島)を訪ねた筆者、李昇夏中央大教授は、龍井の生家前で碑を見つけた。

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「脱炭素化」を進めるエネルギー源として改めて注目される「水素」

 政府は、石炭火力を重要な電源と位置付けてきた日本のエネルギー政策を転換し「脱炭素化」を進める姿勢を国際社会にアピールすることになった。エネルギー源として改めて注目されるのが水素だ。

 既に2017年に政府は「水素基本戦略」を発表。安倍晋三首相は「基本戦略は日本が世界の脱炭素化をリードしていくための道しるべだ」と強調した。

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小池百合子氏、前回の約291万票から今回366万票余に大きく上乗せし再選

 前回(2016年)の約291万票から今回366万票余に大きく上乗せして東京都知事選で再選を決めた小池百合子氏。選挙戦の主な争点は、中国・武漢発の新型コロナウイルス対策だった。東京五輪・パラリンピック成功もまずコロナ収束から、というわけだ。

 公務優先と感染拡大防止のためとして、小池氏は街頭演説を一切せず、動画配信の「オンライン選挙」で政策を訴える戦術に徹した。圧勝にも事務所での万歳はなかった。

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球磨川は最上川や富士川と並ぶ日本三大急流の一つでもある

 熊本県の球磨川が氾濫し、死者19人、心肺停止17人、11人が行方不明と大きな被害が出た。消防や自衛隊などの捜索・救出作業が続いているが、山間部を中心に救助が行き届かない地域もある。九州は再び雨が降り始め被害がさらに拡大する恐れもあり、大変憂慮される。

 球磨川は同県南部の人吉盆地を貫流し、八代平野に至って八代海に注ぐ1級河川。中流域にある人吉市内では川の流れは割と緩やかだが、なべて流れは速く、最上川や富士川と並ぶ日本三大急流の一つでもある。

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「金亀子(こがねむし)擲(なげう)つ闇の深さかな」(高浜虚子)

 「金亀子(こがねむし)擲(なげう)つ闇の深さかな」(高浜虚子)。雨の夜、隣の部屋から何か物を投げるような鈍い音がした。テレビの音かと思ったが、それにしてはかなり高い。

 見に行くと、蛍光灯の周りをコガネムシが飛び回っていた。壁にぶつかっては落ちる音だった。気流子が上京してから数十年もたつのに、コガネムシが部屋に飛び込んできたのは初めてだった。

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東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が2日連続で100人を超え

 東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が2日連続で100人を超え、全国でも2カ月ぶりに200人を上回った。感染拡大の「第2波」が生じ、緊急事態宣言の頃に逆戻りするのではとの懸念を多くの人が持っている。一方で、経済などいったん再開した動きは止めたくないという空気もある。

 小池百合子都知事は再度の休業要請について「国サイドの緊急事態宣言が行われた場合、改めて専門家の意見を踏まえて判断する」と述べる。政府の方は、安倍晋三首相、西村康稔経済再生担当相、加藤勝信厚生労働相が会談し、再び緊急事態宣言を出す状況ではないとの判断だ。

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自伝的小説 伊藤整著『若い詩人の肖像』(1956年)

 伊藤整著『若い詩人の肖像』(1956年)は自伝的小説だが、その中に「京都という町が明治までの日本の全歴史を負うように自分の前に意味ありげにたっていることと、自分がみすぼらしい一中学教員として、その前で口をあいて見ているという形が気に入らなかった」という一節がある。

 日本史を代表しているかのような京都の町がそもそも気に入らない。加えて、その京都に圧倒されている自分も気に入らない。関東大震災後、20代前半の伊藤が、教員として生徒を引率して北海道から初めて京都にやって来た時の感慨だ。

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国内の旅行が自由にできるようになり、高尾山へ

 国内の旅行が自由にできるようになって、しばらくぶりで東京の西の奥にある高尾山に登った。京王線の車中で終点が近づくと、乗客は減って登山者が目立つようになる。そっと彼らの装備を見た。

 登山靴は革製ではなく布製で、シャツもズボンも山岳雑誌の広告から抜け出してきたようだ。1970年代に盛んに登った気流子の若い頃とすっかり違っていて、未来に来てしまったようだった。

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きょうからレジ袋の有料化がスタート

 きょうからレジ袋の有料化がスタートする。先行して有料化を始めていたスーパーなどもあったが、海外に比べるとかなり遅いスタートとなった。

 日本人の尻を叩(たた)いたのは、海洋プラスチックごみ問題への危機感の高まりと思われる。このまま海洋プラごみが増え続けると、海洋生物にも大きな影響を与えかねないという現実は、世界一の魚食文化国の日本人には切実な問題だ。新鮮な魚介類に舌鼓などというグルメ番組も作れなくなる。

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今年前半の節目の日である。

 今年前半の節目の日である。梅雨明けした沖縄を除いて、各地では雨の多い日が続く。特にここ数年のこの時期は、地域によっては土砂災害や河川の氾濫(はんらん)で大きな被害を出すことが多くなった。

 例年、梅雨は40日ほど続くから月代わりの明日から後半に入ると、特に西日本では豪雨になることが多い。新型コロナウイルス対策で今年は避難先も分散、多様化する。事前に避難先を決め、避難路を確認、点検しておくなど、万全の準備が欠かせない。

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京都大、霊長類研究所の研究費の不正支出疑惑

 京都大は、霊長類研究所(愛知県犬山市)の研究費の不正支出疑惑で、元所長ら教員4人による約5億670万円の不正支出があったとの調査結果を公表した。大学の学術費として小さい額ではない。

 同研究所では13種、約1200頭のサル類を飼育しており、その研究成果は世界的に知られている。不正支出があったのはチンパンジーの飼育施設の工事など計34件で、仕様書通りに造った場合よりも多い金額を支出したり、架空の取引や代金の二重払いをしたりしていた。

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万葉集では、日本固有種の桜よりも梅が多く詠まれた

 「青梅の臀うつくしくそろひけり」(室生犀星)。ある日、帰宅すると台所に青梅の匂いが充満していた。匂いに敏感な方ではないが、この梅の匂いは嫌いではない。妻に聞いてみると、梅干しを作るということだった。

 といっても、手軽に赤シソの葉を使って塩漬けしたようなもので、本格的なものではなかった。かつて故郷にいた時、母が梅干しを庭に干している風景を思い出した。食べられるようになるまで結構時間がかかったことを覚えている。

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カフェがなければパリとは言えない

 新型コロナウイルスが猛威を振るったフランスのパリで、カフェが15日から屋内営業を再開した。第2次大戦中も開いていたパリのカフェだ。約2カ月半ぶりの再開は経済社会活動の復活を何より象徴する。

 確かに、いくら街並みが美しくても、カフェがなければパリとは言えない。パリの楽しみ方はもちろん人それぞれだが、気流子などは街角のカフェの椅子に腰かけ、コーヒーを飲みながら店内や通りを行く人を眺めていると「ああパリだな」という気持ちに浸れる。

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「私は、記録は実におそろしいと思う」と作家 武田泰淳

 「記録と言うとごく簡単に考える人があるが、私は、記録は実におそろしいと思う」と作家武田泰淳は『司馬遷』(昭和18年)の冒頭に近い部分に記した。要約すれば「記録はおそろしい」。

 メモのような短文であっても、歴史記述になる。後世に残すために記録したわけではないとしても、歴史記述だ。人間のことだから間違えることはある。それでも、文字として残されたものは歴史の記述だ。

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韓国には映画・演劇部のある大学が国公立合わせて100近く

 手元にしばらくの間、韓国の音楽グループ「東方神起」のDVDがあった。ある人がぜひ見るようにと貸してくれたのだ。日本でも圧倒的な人気を誇っていて「あなたも知っておく必要がある」と言われて。

 このグループの熱烈なファンになることはなかったが、歌唱力、演技力、身体能力には圧倒された。メンバーの1人が兵役に就く前と後とで、どう成長したかも、その人物から教えられた。

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高校スポーツ、各地で代替大会の実施が次々

 新型コロナウイルス禍で、今夏の全国高校総合体育大会(高校総体)や全国高校野球選手権大会など、高校スポーツの全国大会が軒並み中止になった。しかしその後、各地で代替大会の実施が次々と決まり、始まったところもある。

 代替大会――その手があったのかという感じだが、高校野球連盟(高野連)は従前よりその構想を持っていたようだ。しかも保護者らの、しかるべき大会を開いてほしいという要望もずいぶん大きかった。

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雨を弾(はじ)いて生き生きとしてくる紫陽花…

 雨を弾(はじ)いて生き生きとしてくる紫陽花(あじさい)を眺めても、少し嫌だなと思ってしまうのが梅雨時である。この時期の旬は紫陽花だけではない。昨日の本紙(3面)には「日本一の魚 イワシが旬」の記事が掲載された。

 何が日本一かというと、昨年の魚種別の漁業生産量でイワシがトップに躍り出たことを指す。約54万㌧でサバに約9万㌧の差をつけ、1995年以来、24年ぶりに首位となった。

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ブランド果樹などの海外流出防止を目的とした種苗法改正案は継続審議へ

 政府・与党が今国会成立を期した、ブランド果樹など農作物新品種の海外流出防止を目的とした種苗法改正案は継続審議となった。国会審議の時間が新型コロナウイルス対策で十分なかったことなどが理由で、ここにもコロナ禍の影響が及んでいる。

 種苗法は、発明品に対する特許法のようなもの。農作物新品種を知的財産として保護する法律で、穀物や果樹の開発者に25~30年、それらを独占的に販売する権利が与えられる。

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梅雨のこの時期になると、作家 太宰治の桜桃忌が営まれる

 梅雨のこの時期になると、作家の太宰治の桜桃忌(19日)が、東京・三鷹市下連雀の禅林寺で営まれ、全国からファンが訪れる。桜桃忌と名付けたのは、同郷の作家・今官一。

 桜桃忌が19日になったのは、玉川上水に入水自殺した太宰の遺体が発見された日で、奇(く)しくも太宰の誕生日であったことがある。20日付読売新聞の記事には、今年は新型コロナウイルスの影響で「例年に比べ訪れる人は少なかった」とある。緊急事態宣言が解除され、行動自粛要請も緩和されたが、本格的な活動再開はまだこれからということがある。

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