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上昇気流 rss

岩と雪の交錯したダイナミックな剱岳の光景

 「おそらく剱岳の一番のみごとな景観は、仙人池あたりから望んだものであろう。眼前に、岩と雪の交錯したダイナミックな光景が迫ってくる」。深田久弥は『日本百名山』の中で、剱岳(富山県)について眺めるのに良い所まで紹介している。

 剱岳は北アルプスの北の峻峰。紅葉の季節に合わせ、この景色をNHKBSが「にっぽん百名山スペシャル」で紹介していた。出演者はクライマーで山岳カメラマンの中島健郎さんと石井邦彦さん。

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米大統領選訴訟を伝えることがメディアの役割

 米大統領選の開票から2週間過ぎても、次期大統領を確定できない状況が続いている。バイデン前副大統領が「勝利宣言」し、メディアはそれを前提に報道をしているが、トランプ大統領は大規模な不正があったとして訴訟を起こし、一歩も引かない構えだ。

 不正に関してネットの世界では、正式な投票用紙にはGPS機能が組み込まれていたなど、真偽不明の情報が飛び交っている。バイデン氏が投票日の10日ほど前に、民主党系メディアで「われわれは米国政治史上で最も包括的な選挙詐欺組織を作り上げてきた」と発言したとの情報がSNSを中心に流布したが、これは演説の一部分を切り取ったもので、実際は逆のことを言っていた。

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霜月も後半に入り新年に向け慌ただしくなる

 紅葉の盛りながら、霜月11月も後半に入った。二十四節気の立冬から10日が過ぎ、この22日は小雪(しょうせつ)。<木々の葉は落ち、平地にも初雪が舞い始めるころ>という。暦の上ではいよいよ冬近しである。

 翌23日は、五千円札を飾った端正な肖像の樋口一葉(本名・奈津)の命日の一葉忌。「たけくらべ」「にごりえ」などの名作を残し、24歳で夭逝(ようせい)した作家にちなむ<一葉忌とはこんなにも暖かな>(川崎展宏)の句がある。

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「教える面白さ」を伝え教職志願者を増やして

 学生の教職志願者が激減している。公立学校教員採用試験の倍率は、20年前に小学校12・5倍、中学校18倍だったのに対し、今年は(均〈なら〉すと)4・2倍。人材の質を維持できる危険水域ラインは3倍だという(全国教育問題協議会「全教協ニュース」11月5日号)。

 この間、教育現場は学級崩壊、いじめの増加、先輩教師の新任者へのいじめで「ブラック職場」と呼ばれるなど「学校教育の混迷」が続いている。希望者激減の理由でもある。

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「七五三」にも人気漫画「鬼滅の刃」ブームが

 「飴(あめ)袋黒土擦つて七五三」(沢木欣一)。きょうは七五三の日。この俳句を見て、そういえばと思う人は少なくないだろう。とにかく、飴が長かったということである。七五三に付き物の千歳(ちとせ)飴は、小さな子供にとって地面に引きずってしまうほど長い。

 そもそも七五三とは、医療技術が発展していなかった時代、乳幼児の死亡率が高かったために無事に成長したことを喜ぶお祝い。子供のための日なので、お祝いにもらうのが千歳飴になっている。長いのは長生きを願う呪術(じゅじゅつ)的な意味もある。

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米国民の多くが不正投票の解明を望んでいる

 ジョー・フレージャーといえば、ボクシングファンには懐かしい名前だ。モハメド・アリやジョージ・フォアマンと死闘を演じた元世界ヘビー級チャンピオンは、2011年11月7日に亡くなった。ところがそのフレージャーが、今回の米大統領選でペンシルベニア州で投票していた!

 不正投票について、なぜか日本の大手メディアはほとんど報じないので、玉石混交を承知でインターネット上で情報を探すしかない。そんな中、ユーチューブにアップされたスカイニュース・オーストラリアで、今回の選挙を「全くクリーンでない」とするカナダ人作家でコメンテーターのマーク・ステイン氏が、あの世からの投票例の一つに挙げていた。

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「教養から情報へ」の流れが「函」の減少に関係

 本の世界から「函」が激減しているとの報道があった。本を保護するのが函だ。「箱」ではない。箱となると「本箱」になってしまい、本を収納する家具の意味になる。この場合は、函館の函でなければならない。

 函が減っているとの印象は50年前ごろからあった。函が増えているという感じはしなかった。函は時間をかけてゆっくりと減ってきた。だが、それがここへきて「激減している」と言われてみると、ある種の感慨は起きる。

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社会科学の前提こそ見直されなければならない

 「現代は確かに狂った時代である。異常なもの、反常識の世界に対する喜び、否定的な、破壊的な要素にのみひきつけられる心、すべてがアブノーマルであり、そのアブノーマリティは限度を知らない」。

 歴史学者の故木間瀬精三が『死の舞踏』(中公新書、昭和49年)の冒頭で書いた言葉だ。近代市民社会はもう終わりに来ていて「新しいものに場所を空けなければならない」と主張した。

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霜月はシシャモなどの海の幸が楽しみな季節だ

 何年か前のこの時期、公演後の演歌歌手・走裕介さんを居酒屋「庄や」で慰労した内山斉氏(現・読売新聞顧問)夫妻の席に同席した。走さんは網走出身で、夫妻も共に北海道が故郷。同郷のよしみで走さんを後援している。

 まず出てきた焼いた干しシシャモを頬張りながら「タマゴ持ちでいい味ですね」と走さん。肯(うなず)きつつも内山氏は「これはシシャモには違いないけど、本シシャモじゃないんだよね」とつぶやく。

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来年の日記や手帳が書店の棚に並ぶ時期になった

 「実朝の歌ちらと見ゆ日記買ふ」(山口青邨)。文房具店や書店などの棚の一角に来年の日記や手帳があるのを見掛け、もうそんな時期になったのかと感慨深かった。

 手帳は仕事上、必須のアイテムである。誰でもいろいろな種類の手帳を試して、自分にフィットするものを探した経験があるだろう。気流子も、手帳もそうだが、ボールペンの書き味にこだわったり、ノートなどさまざま文具を遍歴したりしたことを思い出す。

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選挙の公正さの担保はメディアの重要な役割だ

 米大統領選は、バイデン前副大統領が選挙人獲得で過半数に近づく一方、バイデン陣営が不正を行ったとしてトランプ大統領は最高裁まで戦う構えだ。激戦州のウィスコンシンでバイデン氏の票が1時間ほどの間に13万票加算されたのに対し、トランプ氏はゼロという不自然な逆転劇があった。同じようなことがミシガン州でも起きているという。

 ペンシルベニアでは、投票日に投函された投票用の郵便に3日の消印を押すよう郵便局の上司が指示したとの内部告発があったとか。

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調査の信頼度を高める上で有効な「重ね聞き」

 「重ね聞き」という単語を最近新聞で知った。世論調査などでメディアが質問する時、あいまいな回答があった場合に「どちらかといえば支持しますか、支持しませんか?」ともう一度だけ質問するというパターンのことだ。「どちらかといえば……」がポイントだ。

 世論調査は、昔は対面、今は電話で行われることが多い。電話ならば調査は早く済むため、世論調査の数そのものも増えたと言われる。それでも、回答があいまいで調査の目的を十分に果たせない場合もあるだろう。そこで「重ね聞き」が登場したようだ。

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水質が改善されて魚道が造られた今の多摩川

 秋の一日、東京郊外を走るJR青梅線の列車は登山をする人たちでにぎわっていた。駅で降りていく人たちを見ると、高水山か御岳山に登るのだろうかと想像された。

 鳩ノ巣渓谷のマス釣り場には、釣りをする家族連れがいた。眺めていると、かつて釣りの豊富な体験を披露してくれた名人、千葉春雄さんのことが思い出された。1980年代から約20年間、小紙のフィッシング・コーナーを担当してくれたライターだ。

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コロナ感染警戒の博物館で桃山絵画を鑑賞

新型コロナウイルスの感染拡大で足の… コロナ感染警戒の博物館で桃山絵画を鑑賞

 新型コロナウイルスの感染拡大で足の遠ざかっていた東京国立博物館に、特別展「桃山―天下人の100年」を観(み)に行った。桃山美術の傑作を一堂に集めた見応えのある展覧会だったが、感染予防の入場規制があり、いつもと勝手が違った。

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「温室ガスゼロ」実現へ、問われる菅内閣の道筋

 地球温暖化防止を目指す新たな国際枠組み「パリ協定」の運用は、今年1月から始まっている。協定は、産業革命前から今世紀末までの気温の上昇幅を2度未満、できれば1・5度未満に抑制することを目指している。

 そのため、参加各国は温室効果ガスの削減に自主目標を立てて取り組んでいる。だが、その削減量を合わせても2度未満の目標には届かない。そこで昨年9月に目標の上積みを図る「気候行動サミット」が開かれた。

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国産ジェット撤退の危機、戦略を立て直して

 名古屋市近辺には先端技術を扱う大企業から小企業、その工場が多く、わが国が誇るハイテク産業のメッカだ。H2Aロケットの機体中心部分の製造を行ったのは三菱重工業飛島工場(愛知県飛島村)、自衛隊の輸送機C2は川崎重工業岐阜工場(岐阜県各務原市)だ。

 そして、三菱重工小牧南工場(愛知県豊山町)で手掛けていたのが国産初の小型ジェット旅客機「スペースジェット」(旧MRJ)。だが新型コロナウイルス禍で旅客需要の激減が見込まれ、開発が凍結されることになった。納期の6度目の延期後、今年度中の納入も視野にあっただけに残念だ。

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コロナに終始した1年、正月風景も変わるか?

 きょうから11月。今年もあと2カ月となった。一年を回顧するには早いが、新型コロナウイルスに始まり終わる印象が強い。

 連日、ウイルスという言葉を新聞やテレビで見るが、具体的にどのようなものかと聞かれるとよく分からない。同じような病気を引き起こすウイルスとバクテリアの違いを知らない人も多いのではないか。

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科学的データに基づくウィズコロナの「新常態」

 新型コロナウイルスの感染再拡大でフランスでは、この春に次ぐ2回目の全国一律の外出禁止が始まった。12月1日まで、カフェやレストランももちろん閉店だ。

 25日には過去最多の5万2000人もの新規感染者が報告された。フランスでは長引くコロナとの戦いで、医療従事者のいわゆる燃え尽き症候群が出ており、離職を希望する人も増えているという。医療現場の深刻な状況も踏まえての政府の決定だろう。

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「墨塗り教科書」の伝説、事実に基づいた検証を

 敗戦直後に「戦前の教科書に墨を塗って使った」という伝説が75年たった今も残っている。そこに疑問を投げ掛けた人がいる。文芸評論家の秋山駿(2013年没)だ。

 『私の文学遍歴』(作品社)という本の中で、敗戦時15歳の少年の記憶として、墨塗り教科書の記憶は全くないと証言している。

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ハロウィーンの季節到来、米国での印象深い体験

 ハロウィーンは仮装やコスプレのイベントとして知られているが、日本で行われるようになったのは1990年代後半。東京ディズニーランドで開催されて、各地でイベントが増えていった。

 今月31日に行われるが、毎年大勢の人が集まる東京・渋谷区では、長谷部健区長が「今年はコロナのリスクを考え、仮装や見物目的で路上に集まることは控えてほしい」と訴え、ウェブ上での開催を呼び掛けた。

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風評被害恐れて原発処理水を海洋放出できない

 東日本大震災で、福島県の中山間地で有機農産物を栽培する農家の団体が風評被害に遭い、信用を取り戻すのに5年ほどかかったという話の経緯は以前、小欄に記した。

 都内のスーパーマーケットへの販促ルートが一方的に止められたため、県内の販路を整備することに尽力して苦境をしのいだ。同様に、県の農産物や水産物などを扱う農業、漁業関係の団体はそれぞれ火消しに追われた。

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書籍や新聞は教養豊かな人間性形成に不可欠だ

 古希を過ぎた団塊の世代が若者だった1970年代に人気を集めたジャズなどの評論家・植草甚一氏(79年12月没)には、こんな伝説がある。パリやニューヨークに一度も足を踏み入れたことがなかった時に、まるで何回も歩き回ったかのように、通りや街中の光景、路地裏にある洒落(しゃれ)たカフェのことなどを綴(つづ)った。

 ファンが氏のエッセーにある道案内に従って歩くと、街中の目印や店などがその通りにあったというエピソードが語り継がれている。

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古来から染色技術が深く根付いている日本文化

 新型コロナウイルス禍の重たい空気は続くが、季節は移ろい秋も深まりを見せている。久しぶりに東京・多摩川の土手に足を伸ばすと、濃い黄色の小さな花を多く付けた1~3㍍ほどの高さの草が道沿いに遠くまで生えている。

 セイタカアワダチソウというキク科アキノキリンソウ属の多年草で、代萩とも呼ばれるそうだ。春の菜の花の明るい黄色ではなく、少し橙色が入って寂しい感じもする。

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