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上昇気流 rss

政治評論家で万葉集研究家の四宮正貴さん死去

 政治評論家で万葉集研究家の四宮正貴さんが亡くなった。政治評論の基礎をつくっていたのは、古事記や万葉集などの古典文学で、それらが編纂(へんさん)された時代の皇室文化に国の基本となる姿を見ていた。

 昭和44年に二松学舎大学国文科を卒業したが、若き日に文学の上で師事したのは作家の中河与一。短歌をその夫人で「をだまき」を主宰する中河幹子に学んだ。夫妻が親しくしていた文学者の一人に保田与重郎がいた。

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松山選手出身の松山市を再びスポーツ強国に

 ゴルフをしない気流子はそうでなかったが、同僚の一人は一昨日、男子ゴルフ、マスターズ・トーナメントの深夜のテレビ中継に釘(くぎ)付けで、松山英樹選手が優勝を決めた瞬間には、涙が出て仕方なかったそうだ。多くの人が同様の感激を味わったはず。

 松山選手は四国の愛媛県松山市生まれ。近所の人は「小さいころからゴルフしか頭にないような熱心な子で、朝5時に起きて1人で練習していた」という。中学2年生から高知県の明徳義塾中学のゴルフ部で技を磨き、高校時代に全国大会個人の部で優勝して頭角を現した。

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日本人の原体験を詠む石川啄木の和歌

 東日本大震災から10年の節目の今年は、各種の関連行事が行われた。震災の記憶を風化させないで、防災・減災に生かしたい。岩手県陸前高田市の高田松原跡地に防腐処理して保存される「奇跡の一本松」も、震災を伝えるものの一つだ。

 この高田松原近くの旧「道の駅」前に2013年11月に再建された歌碑がある。岩手県が生んだ歌人・石川啄木の「頬(ほ)につたふ/なみだのごはず/一握の砂を示しし人を忘れず」の歌が刻まれている。

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コロナ禍で生活が一変した新入生たちにエールを

 「目出度さもちう位也おらが春」(小林一茶)。人通りが少なくなった道を歩いていると、公園のベンチで学生らしい数人が語り合っている姿を見掛けた。夜である。背後には満開となった八重桜が咲いていた。

 夜桜というと、妖(あや)しいまでの白さから神秘的なイメージを抱きやすい。桜の下には死体が埋まっていると書いたのは梶井基次郎だったが、桜の花の美しさが信じられないほどなので、そう思ったらしい。

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坪内祐三さんは72年を時代の変わり目とした

 昨年急逝した評論家の坪内祐三さんの代表作の一つ『一九七二』が、文春学藝ライブラリーで文庫化された。1964年東京五輪以後の高度経済成長期の大きな社会変化が完了するのが72年と見て、その時代を論じたものだ。

 週刊誌の記事を読み返し、政治・社会からサブカルチャーまで硬軟取り混ぜて社会風潮を振り返っている。「なぜ72年なのか」の根拠については「単なる私の直観」と言うが、この直観がなかなか鋭い。

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西行もわれわれもそれぞれ歴史を持っている

 西行の歌の中では話題になることが少なそうな歌。「なにごとも/昔を聞くは/なさけありて/ゆゑあるさまに/しのばるるかな」(『山家集』715番)。

 読者は自由に解釈していいに決まっているが、これは北面の武士だったころを懐かしんだ歌との解釈もある。23歳の時、出家した。この歌が詠まれた時期は分からない。

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月刊紙を執筆する大日寺の住職・大栗道榮さん

 きょう4月8日は花まつりの日。お釈迦様の誕生を祝う日で、産湯につかった故事にあやかって、天地を指している尊像に甘茶をそそぐ。四阿のような花御堂を設けて、この祭りを行う寺も多い。

 東京・代々木にある大日寺でも行われるが、住職の大栗道榮さんから月刊紙「おといれだより」が届いた。大栗さんはかつて小紙にエッセーを連載してくれた執筆者で、高野山真言宗の大僧正。

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橋田壽賀子さんは女性の強さ賢さを描いた

 中央アジアの親日国、ウズベキスタンを取材した時、通訳をしてくれた地元の大学院生に、この国で一番有名な日本人は誰かと質問すると「おしんかな」と答えた。NHKの連続テレビ小説の主人公が、実在の人物だと思われるくらいの鮮烈な印象を残したことが分かる。

 「おしん」はアジア、中東、アフリカなど74カ国・地域で放送された。経済大国の日本にも、子供を奉公に出さなければならない貧しい時代があり、忍耐と努力で困難を乗り越える女性の物語は、途上国の人々の熱い共感を呼んだ。

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白血病を克服した池江璃花子選手の復活劇に感涙

 年甲斐(としがい)もなく涙が止まらなかった。白血病を克服した競泳の池江璃花子選手(20)=ルネサンス=が、日本選手権(東京アクアティクスセンター)女子100㍍バタフライ決勝で57秒77で3年ぶりに優勝した。

 ゴールした後、着順・タイムを知らせる電光掲示板を見上げると感涙にむせんだ。日本中が勇気と感動に包まれた幸福なひとときを共感したと言っても過言ではなかろう。

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地震や新型コロナなどの自然の脅威と共存する

 最近、地震が多い。スマートフォンから警告音が鳴るようになったが、地震を体感する1、2秒前だから役立っているとは言い難い。自然の脅威は相変わらずだ。

 地震や洪水は地球表面を取り巻くプレート間の軋(きし)みによって起こり、その発生地点も事後にかなり正確に分かるようになってきた。しかし、プレート全体の動きや移動の原理についてはほとんど掴(つか)めていないようだ。

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桜の短い開花は人生の機微に触れて印象を残す

 今さら花見の話でもあるまいが、ここ数日、じっくりと桜を見る代わりに「桜」の歌を聴いていた。森山直太朗さんの「さくら」をはじめとして、桜にまつわる名曲は多い。

 それをメドレーのように聴いていると、気流子も自分の学生時代をしみじみと思い出した。といっても、歌詞にあるような劇的な別れや追憶があったわけではない。

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友人に今度会った時に何を話すか考える期間に

 新型コロナウイルスの感染拡大で、いろいろ自粛せざるを得ないことがあるが、残念なのは人と会えないことだろう。仕事上会うのは一種の大義名分もあり、直接面談できなければ、電話やメールあるいはオンラインがある。しかし友人などは、たまに会いたいなと思っても、つい遠慮がちになる。

 何かの必要から会うのは、つまるところ実務的、功利的な人間関係である。会うこと自体が楽しいというのは、恋人同士に限らない。友人関係も本来そういうもので、電話やメールのやりとりには、やはり限界がある。

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時代小説が隆盛な昨今、歴史小説の爆発に期待

 歴史小説が振るわない。歴史小説家も元気がない。スターもいない。歴史小説家が歴史について語る機会も減った。テレビでも歴史番組は放送されるが、出演するのは歴史学者ばかり。歴史小説家が登場するケースは少ない。

 10年ぐらい前、歴史小説家と話したことがある。「歴史小説は歓迎されない。時代小説ばかり要求される」と語っていた。

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東京・調布市にある古刹、深大寺を参拝した

 東京・調布市に古刹(こさつ)、深大寺がある。隣接する都立神代植物公園の東脇を通る北参道から山門に入り、山を下って参拝した。サクラが満開の時期だったが、神代植物公園は新型コロナウイルス対策のため閉鎖。

 北参道を歩きつつ、フェンスから公園の中をのぞくと、サクラだけでなくさまざまな花が開花し、賑(にぎ)やかな饗宴の趣。人はいない。見られてばかりいる植物にも、休養が必要なのだろうと思った。

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欧州に倣い、スポーツを通した地域の再生を

 新型コロナウイルス禍で巣ごもり状態。運動不足解消に地域の体育施設でピンポンの一つもしたいという人がいるだろう。しかし、気の合った仲間でもいなければ足はなかなか向かない。

 スポーツ庁の「平成30年度体育・スポーツ施設現況調査」によると、全国の体育館、多目的運動場、屋外水泳プールなどの数は、この16年の間に23・2%も減少している。政府は今世紀初め、地域再生を目指して「居場所再生事業」を実施し、公共のスポーツ施設数を増やしたが、その後減ってきているのだ。

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照ノ富士に賜杯、史上最大の前例なき復活劇

 大相撲春場所(東京・両国国技館)千秋楽の貴景勝戦まで終盤3日間、3大関を総ナメにして3度目の賜杯(12勝3敗)に輝き、21場所ぶりの大関復帰を確実にした関脇照ノ富士。史上最大の前例なき復活劇を見せてくれた。

 両膝のけがと糖尿病で14場所維持した大関から2017年九州場所で関脇に陥落。5場所連続の休場も経験した。何度も辞めたい思いを踏みとどまり、復活劇スタートは序二段から。

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人やモノの自由な行き来を常に保持するために

 夜間の歩行中、飲食宅配代行サービスの配達員の自転車が相当のスピードで脇を通り過ぎ、ヒヤッとさせられることがある。道路事情もあって歩行者との間にトラブルも多く、東京都は配達員のバッグに個別のナンバーを表示するよう業界団体に要請するという。

 今日、情報を伝える通信網は全国隅々に行き渡ったが、それに対しモノを運ぶ道路などのインフラは、いったん出来上がると簡単に拡大できないでいる。新しい需要に応えモノ自体を行き交わせる難しさがある。

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兼好法師に倣ってバーチャルの花見を楽しむ

 見ごろになった都内の桜。名所での花見客の人数が増えているというニュースを見た。新型コロナウイルス禍のリバウンドが心配されているが、そんなニュースもどこ吹く風という状況のようだ。

 花見に行きたい気持ちは、日本人ならば誰もが持っているだろう。だが花見で密になれば、新型コロナの感染拡大につながることも確か。一時代を画した劇画『子連れ狼』の父を待つ大五郎ではないが、ここはじっと我慢の子になるのも必要だ。

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優美な桜の風景を愛でつつコロナ禍収束を期す

 気象庁が、東京の桜が満開になったと発表して以来、少し落ち着かない気持ちで過ごした。その後、千代田区の千鳥ケ淵公園へ足を運んだところ、まだ8分咲きくらいだった。

 東京の満開情報は靖国神社の標本木を基準にしている。千鳥ケ淵は靖国神社のすぐ近くだが、場所や樹によって微妙に違うのだろう。満開の時間差があった方が長く桜を楽しめる。

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将軍歌人・源実朝には「孤独」が付いて回った

 源実朝の歌。「いとほしや見るに涙もとどまらず親もなき子の母を尋ぬる」(『金槐和歌集』608番)。歌集が実朝自身の手で編集されたのが21歳当時。1213年だから、800年以上昔の話だ。

 歌の前に詞書(ことばがき)があって「道のところで幼い子供が母を尋ねて激しく泣いていた。付近の人に事情を聞いてみると、父母が亡くなった、とのことだった」と実朝は記す。

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「俳句は愛」、野中亮介さんが俳人協会賞を受賞

 新型コロナウイルス対策の中で、会議はオンラインによるリモート参加が一般的になった。令和2年度の第60回俳人協会賞はじめ俳人協会4賞の選考委員会も、オンラインによるもの。

 「俳句文学館」3月5日号で、選考の結果が伝えられている。受賞の決定は1月23日で、3月2日に都内のホテルで総会と授賞式が行われる予定だった。が、総会は30日に、会場も東京・新宿の俳句文学館に変更となった。

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測量船「光洋」は海洋権益を守る意思表示

<春の岬(みさき)旅のをはりの鷗(かもめ)どり/浮きつつ遠くなりにけるかも>。三好達治の処女詩集『測量船』の巻頭詩「春の岬」である。この詩集には39篇(へん)が収められているが、測量船という詩はなく、かすかに連想させるのはこの巻頭詩くらいだ。

 三好はなぜ処女詩集に「測量船」の名を冠したのだろう。詩の海に乗り出すに当たって、水路を知るために海底地形を測量するような気持ちがあったのかもしれない。

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アメリカ主要メディアの中立性に疑問を抱く

 小紙の一昨日(21日)付4面に、4コマの連続写真が掲載されている。バイデン米大統領がワシントン近郊のアンドルーズ空軍基地で大統領専用機に搭乗する際、タラップを踏み外してよろめく場面。時事通信配信である。

 バイデン氏は78歳という米国史上最高齢で就任しただけに、常に健康不安説がくすぶる。それだけに大統領副報道官は「強風だった。大統領は100%大丈夫だ」と不安打ち消しに大童(おおわらわ)のようだ。

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