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山田寛の国際レーダー rss

カメラも返してもらえない、日本が影響力を持てるか ミャンマー

 ミャンマーのクーデターは、国軍が「この国は軍が柱」という、1962年のネウイン将軍のクーデター以来の強い信念で断行したのだろう。一方、民衆は熱い思いで、全土で10万人以上もの抗議デモを続ける。「強い信念」側は中国の「内政不干渉的支援」を確信し、「熱い思い」側は米欧日などの支援を頼る。日本の対応について、本紙で池永達夫氏が「非難と関与の2本立て」が必要と書いている。全くその通りだろう。ただ、日本がしっかり非難できるか、影響力を持てるのか、懸念を拭えない。これまでの日本外交はここでも強権政治に対して甘かったと思うからだ。

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「自由で」戦略に不都合な 東南アジアの反自由・強権化

 ミャンマーの劇的な政変は、この国の民主化時計を午前零時に戻してしまうのか。膨張中国と日米豪印の「自由で開かれたインド太平洋」戦略の間で、東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々がどちら寄りになるかは、大きなカギとなる。

 だがミャンマー以外でも、地域には中国類似型の強権化・自由抑圧傾向が増している。その一例が反政府派を吸い込む“ブラックホール”。タイをハブとした近隣諸国での「強制的失踪」事件だ。

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世界に広がる 中国の都市監視システム

 中国・新疆ウイグル自治区や香港にあふれる監視カメラ。そんなAI都市監視システムが、中国からどんどん輸出されている。強権政治拡大につながるとの懸念も増している。

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中国ワクチン外交、途上国でホームランとなるか

 2021年。新型コロナという“鬼”に対し、ワクチンが強力な“鬼滅の刃”になり得るか。私たちの関心の的は米欧のワクチンだが、忘れてならないのがまた中国。世界各地で中国製ワクチンによる「ワクチン外交」を展開しているからだ。

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2020年の世界 理解し難い変なこと

 今年、世界で起きた変なことを六つ選び、主観的にコメントしたい。

(1)「米大統領選の大混乱・弟子も泣きたくなる」

 トランプ候補に投票した者の73%が「不正選挙でなければ勝っていた」と信じているとか。選挙後そんな大きな不信と争いが続くなんて「民主主義の反面教師」だ。

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安保理は機能不全で、生物・化学安全保障は闇の中

 2020年、新型コロナ大感染とも関連し、生物・化学兵器の問題、生物・化学安全保障の行き詰まりが、改めて浮き彫りになった。

 10月、「オープンソサエティー正義のイニシアチブ」(OSJI)など、シリア内戦を追ってきたNGO3団体が、ドイツ連邦検察にアサド政権の化学兵器使用(犠牲者約1500人という13年のグータ市の事件など)を初めて告発した。ドイツでは外国でのこうした事件も扱うのだ。

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尖閣、人権… もっと中国を刺激しよう

 対中関係は、「できるだけ刺激しない」から「しっかり刺激する」外交へ転ずるべき時だろう。

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スー・チー論議は続くが、平和賞は民主側の重要カード

 今年のノーベル平和賞は国連世界食糧計画(WFP)の受賞と決まった。無難な選定だ。だが同賞のドラマ性が最も現れるのは、政権の弾圧やテロ組織の暴力に抗して民主化や人権、自由などのため闘ってきた個人の受賞だろう。

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女性への非道な犯罪、インド社会が揺れ続ける

 先週、東京で日米豪印外相会談が開かれ、「自由で開かれたインド太平洋構想」、「4カ国戦略対話」が本格化しつつある。自由、民主、人権を旗印に、中国の拡大に対処しようというスクラム。その中でインドは大きなカギを握る。だが、その国は今、新型コロナ大感染に加え、固有の病=女性の人権と生命の軽視→非道な犯罪でも揺れている。

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報道・人権国際組織との協力、政府も保守派ももっと関心を

 菅新首相就任に際し最も厳しいメッセージを寄せたのは、国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団」(RSF)(本部パリ)だろう。

 それは、RSFの「世界の報道の自由指数」ランクで2012年に22位だった日本が今年は66位に低落していることを挙げ、報道の自由の回復に努めるよう強く求めていた。菅氏は特に「安倍政権がジャーナリストに敵対的な風潮を生み、報道への介入を企てた責任」を共有しているとした。

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安倍首相とウイグルと企業、寄り添う心を引き継いで

 安倍首相の辞意表明の翌日、在日ウイグル人の「日本ウイグル協会」は、「安倍総理への感謝の言葉」という声明を出した。「安倍首相は第1次政権期からウイグル問題に果敢に取り組んでくれた。日中首脳会談で、ウイグル人留学生投獄の問題を提起したり、ウイグルの人権問題で働きかけたりしてくれた。画期的出来事だ」と感謝した。安倍退陣でこれほど強い謝意を表した声明は他になかった。

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ロシアの大戦終結記念日、女性たちの涙を思う

 9月2日から3日へ。ロシアは今年、第2次大戦終結記念日を旧ソ連時代と同じ3日に戻した。日本の降伏文書調印は1945年9月2日だから、ロシアも10年前、他国に合わせ記念日を2日にした。だが調印後、ソ連軍は歯舞群島に侵攻している。やはりまずいと考えた様だ。

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影のパンデミック、コロナで子供結婚が増加する

 「新型コロナのパンデミック(世界的流行)は、世界の教育体制に史上最悪の破壊をもたらした」(グテレス国連事務総長)。学校閉鎖の影響を受けた学生生徒は190カ国で約16億人。教育と経済の破壊で、特に厳しい状況に陥っているのが途上国の少女だ。端的な例が、子供結婚(17歳以下の結婚)の増加である。

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国連人権理事会の綱引き

 中国の人権問題は今年、新型コロナ情報統制や香港も加わり、一層“複合汚染”状況になった。先ごろ開かれた国連人権理事会(47理事国)では、中国批判派と支持派が厳しい共同声明合戦を展開した。世界の人権戦も正念場を迎えている。

 6月末からの理事会新会期に、英、独、仏、日、豪、カナダなど27カ国が、香港と新疆ウイグル情勢を強く懸念、批判する共同声明を提出した。

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広がる心のディスタンス

 6月20日の世界難民の日を前に、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が年次報告を公表した。昨年、「居住地を追われた人々」は7950万人(一般難民2040万人、パレスチナ難民560万人、国内避難民4570万人など)。前年の7080万人から大幅に増え、20年前の3・6倍で、UNHCR史上最高記録という。だが内外メディアの扱いは近年最小だった。新型コロナで大忙しのためだろう。

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米人種差別と拉致問題

 米国の黒人差別抗議デモと、横田滋さんの死去に関する反応や論評では、「あんたに言う資格があるか」と思うことが多かった。

 中国、北朝鮮、ロシア、イランなどはここぞとばかり米非難を展開した。

 中国外務省報道官は「米国は香港の独立やテロの支持派を英雄、戦士とし、人種差別抗議者は暴徒と呼ぶ。二重基準の典型だ」と主張し、「中国は人種差別と戦うアフリカ人と共にある」と強調した。

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コロナ禍の中で デモがある世界、ない日本

 60年前の今月、学生の安保闘争で日本は大揺れ。国会前デモで死者も出た。  大学1年生の私も誘われてデモに行ったら、警官隊の背後に屈強な暴力団員が樫(かし)の棒を手にズラリ並んでいる。恐かった。日米安保条約問題もよく判(わか)らないのに撲殺されたくない。デモは1回でやめた。その不甲斐(ふがい)ない思い出があり、必死にデモを続ける人々には敬意を表したくなる。

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野生動物市場の問題、次のウイルスも狙っている

 先週の世界保健機関(WHO)年次総会。習近平・中国国家主席は、新型コロナ感染拡大責任問題で“中国WHOタッグチーム”を激しく非難する米国に対し、中国の感染対応を自賛した。国際調査・検証をOKし、世界の感染対策への巨額援助も約束し、善意を強調した。習氏の辞書には「謝罪」や「恐縮」の語はなく、「攻撃は最大の防御」の格言だけが沢山ある様だ。

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感染ゼロの国々の実情は? 北朝鮮には報告を求めよう

 世界保健機関(WHO)の新型コロナ状況報告で、26日現在感染が報告されているのは179カ国と33地域(WHO-中国蜜月関係のせいで、台湾の名はどこにもない)。感染報告ゼロは15カ国だ。だがこの15カ国もそれぞれに問題を抱えている。

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コロナで問われる報道の自由

 もし中国に報道の自由があったなら、世界的コロナ大感染は多分起きていなかっただろう――国際NGO「国境なき記者団」(RSF)は、感染の経過やシミュレーションの研究などをもとにこう主張している。

 英サウザンプトン大学研究班の解析では、中国政府が1月20日にとった初動対策が2週間早かったら、中国での感染が86%も減少した可能性があるという。

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世界を変えるコロナ、中国が覇権大国へ前進する?

 新型コロナウイルス感染が約200もの国・地域で激増し、世界大コロナ火災の様相を呈してきたが、そんな中で中国は外交・援助・宣伝の強力キャンペーンを展開し、覇権大国に向かって歩を進めているという。“出火元”の中国は威信が低下して当然のはずなのに。

 2月まではその低下感が表れていた。

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アフガン“失敗戦争”の和平

 新型コロナの超大ニュースの陰だが、先に米国とアフガニスタン反政府武装勢力のタリバンが和平合意に調印したのも大きな出来事だった。米史上最長の戦争で、米軍は2万2300人以上が死傷、1兆㌦以上を投じた。アフガン側は政府軍、タリバン、民間などの50万人以上が死傷した。そんな「米国のアフガン戦争」が終わりつつある。

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コロナと共に世界に拡散、反中国・アジア人ウイルス

 新型コロナウイルスに乗って、欧米、アジア大洋州、中東など世界中に反中国の人種差別・ヘイトが広がっている。人種差別には絶対反対だ。だが中国発でこれ程被害が拡大した上、習近平政権の対応と姿勢・態度を見れば、憤るのは理解できる。

 習政権の初動や情報統制の問題はずい分指摘されてきたが、その後の対応を見ても「人命より共産党政権の権力維持が大事」の姿勢、中華思想的で上から目線の態度がはっきり表れている。

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